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2007年2月23日 (金)

スケソウ漁とワシ

※以下、22日の記事になります。

20070222
今朝のプユニ岬からの様子。昨晩は少し南風が吹いていたのでもしやと思いましたが、やはり流氷は離岸していました。気温が下がらないので流氷同士なかなか固まらず、そうこうしているうちに風で再び動いてしまうのです。それでも観光客が流氷ウォークを楽しむくらいの量を、幌別前には残していってくれたようですが。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070222b
海岸流に乗って流される流氷とワシ。真鯉から日の出にかけては適度に海が開いているので、ワシ達が開氷面の縁に陣取って餌を探しています。根室海峡側にもまだ流氷は入っていませんので、こういうシーンが見られるのは斜里側になります。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070222c
知床連山の主峰である羅臼岳を頂く羅臼港の様子。同じ知床半島にある漁師の町といっても、流氷に閉ざされるために漁が行われないウトロと異なり、羅臼は冬でも稼働していているので港に活気があります。羅臼の冬の漁の主力はスケソウダラの刺し網漁ですね。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070222d
午後になると、次々と漁を終えたスケソウ漁船がカモメたちを従えて港に戻ってきます。ワシのなる木が見られほど羅臼にワシが集まるのは、このスケソウ漁が盛んになる冬です。カモメ同様にワシ達も、スケソウ漁船が刺し網を巻き上げる際にこぼれ落ちる、いわゆる漁のおこぼれを狙っているのです。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070222e
スケソウ漁が豊漁に沸いて久しいですが、最も水揚げの多かったのは70年代から80年代にかけてで、その後は減少の一途をたどっています。まあ乱獲と言ってしまえばそれまでですが、それでも資源管理の名の下に、近年は様々な自主規制が行われるようになったようです。当たり前ですが、肝心の魚がいなくなってしまっては、自ずから漁師の仕事もなくなってしまうこと意味するので。
Canon XL H1 HD20x

20070222f
これがスケソウダラ(またはスケトウダラ)。スケソウダラはベーリング海からオホーツク海など北太平洋を広く回遊する中層域の魚で、流氷に追われるように1月から3月にかけて、産卵のために羅臼沖の海にやってきます。知床半島と国後島に挟まれたこの狭い海域は意外に深く、水深500mくらいの海底を好むスケソウダラにとっては産卵の好適地なのです。すり身はカマボコの原料、卵は言わずと知れたタラコですね。
Canon XL H1 HD20x

20070222g
港にスケソウ漁船が戻ってくるのを見付けると、それまで海岸段丘の木でぼんやりしていたオオワシが、力強く羽ばたいて沖に飛んでいきます。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222h
オジロワシ同士の空中戦。嘴と翼及び尾筒下面の白バフからみて、スケソウを掴んでいる方が第二回冬若、横取りしようと仕掛けている方が第一回冬若(つまり昨年生まれの意)のようです。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222i
沖から手ぶら(足ぶらか?)で真っ直ぐ戻ってきたオオワシ。海岸段丘に吹き付ける上昇気流を巧みに利用、フワリと軽々パーチして見せます。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS + EF2x II
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222j
沖合からスケソウダラを掴んでオジロワシが戻ってきます。海風が強いせいか高く飛べず、私のすぐ頭上を通過していきます。その際、バッサバッサと力強く羽ばたく羽音が聞こえてきました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222k
夕暮れ時、海岸段丘にて休息するワシ。さて今日は皆餌にありつけたでしょうか。この後辺りが薄暗くなる頃、彼らも川の上流にある塒へと帰って行きます。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 150mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

羅臼でワシを撮るというと、昨今は餌付け船..もとい流氷観光船(17日の記事参照)に乗って流氷とワシの姿を狙いがちですが、それだけでワシたちの越冬生活史を表現するにはまったく十分ではありません。スケソウ漁が豊漁の時代、ワシ達は人間の生産活動に割り込んで強かに生き抜いていましたが、それが今や餌付けという非生産的な行為によって一部まかなわれているという現実があります。その辺りも踏まえ、本来なぜワシ達は日本に越冬にやってくるのか、なぜ羅臼にワシが集まるのか。そう言った視点で掘り下げていかないと、真の野生たる彼らの生態は見えて来ないのだと思います。

未だ根室海峡側に流氷がやってこないので、流氷観光船も満足に営業できず、そのせいか羅臼で見掛けるカメラマンの姿もまばらです。端から私の今日の取材目的は港にあったので、幾つかの港湾内で目的のシーンを撮影していたところ、珍しいと見えて何人かの漁師に声をかけられました(お陰で仕事がはかどった)。目的のシーンと言っても、以前にそのほとんどは押さえてあったのですが、今回あらためてハイビジョンカメラで撮影し直しているというわけです。確かに、ワシを撮るためにこの地を訪れるカメラマンの類は数いれど、ワシ撮りカメラマンを自称しつつ、ワシではないものを撮影しているのは不思議なのでしょうね(笑)。

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コメント

さむそ・・・・
題名がいいデスね
「スケソウ漁とワシ」!
「ワシとスケソウ漁」ではないのですね。

さすがスケソウカメラマン・・・

私は3月5,6日札幌で仕事があります。
が、最北まではいけないでしょうなぁ~
行きたいけど・・・

頑張ってください。

> 「スケソウ漁とワシ」!
> 「ワシとスケソウ漁」ではないのですね。

そ、あくまで因果関係で言ったら、
スケソウあってのワシだからね(笑)。

> 私は3月5,6日札幌で仕事があります。

お、ちょっと予定が変わったようですな。

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