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2007年4月12日 (木)

クマタカの風切り音

今日は午前中に至急のデスクワークが入っていたので、お昼からの出撃となりました。向かった先は、昨日の森とは尾根を二つ隔てた調査地内の中核をなす谷の右岸側です。

20070412
湧き水の出ている日当たりの良い林床に、気の早いミズバショウが顔を出していました。ミズバショウもクマの好物なので、早めに起き出してきた若いクマたちにとってはありがたい話ですね。それにしても、この辺りだと例年より半月近くも早いわけですが、この分だと尾瀬もかなり早い時期にミズバショウのオンシーズンとなるかもしれません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412b
遠く上越国境の山々を望む稜線上にて、沢山のクマ棚を載せたミズナラを見つけました。先日の月例調査時にフィールドスコープで覗いていて偶然見つけたもので、近いうちに見に行ってみようと考えていたのです。何回もクマが足を運んでいたところ見ると、どんぐりのなり具合が相当良かったか、上越国境の山々を眺めながら食べるどんぐりの味が格別だったのかもしれませんね(笑)。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「スタンダード」

20070412c
こちらはクリの木に作られたクマ棚。この稜線一帯にはミズナラ・コナラの他にクリも多く、クマ棚もミズナラよりもクリのほうが目に付きます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

20070412d
それもそのはずで、林床に目をやればそこら中にクリのイガが落ちています。もちろん中身はすべて空で、ほとんどクマやサルの胃袋に収められたのでしょう。器用に割ってあるのがサルで、かみ砕いたように割れているのがクマの仕業でしょうか。あ、イノシシの可能性もありますね。何れにせよ彼らにとってご馳走であることには違いありません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412e
この山域もすっかり春かと思いきや、稜線上の北向きの斜面で冬のなごりを見つけました。時折残雪の上を吹き抜ける風が、汗をかいた体に心地よく感じられます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

ビデオで林床の映像を撮っているとき、眼下の谷間から「ピィーヨ、ピィーヨ」という猛禽類特有の声が聞こえてきました。旋回しながら上昇してくるその声の主は、樹間越しではありますがクマタカであることが判りました。そのまま空高く上がるのだろうと思って眺めていると、寝そべっていた私の存在に気が付かないのか、いきなり上下方向に翼を開き変えた..つまり背面をこちら側に向けた状態..かと思うと、そのまま一気に木立を横切って反対側の谷へと飛び去っていきました。大型の猛禽類にしては翼開長が短く、イ○ワシとは異なり森の中を自由自在に飛ぶことができるクマタカならではの芸当と言えるでしょう。

それにしても、林床に寝そべっていた私との距離は、控え目に言ったとしても10mそこそこで、風切り音まで耳に響く近さでした。横切る際にチラッと私を見たような気がしましたが、野生のクマタカ..それも飛翔中の個体..をこのような至近距離で見たのは初めてで、しばし興奮冷めやらぬ心持ちでした。

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