« 強風にて撤退 | トップページ | 世界最小のハイビジョンカメラ »

2007年4月27日 (金)

春の吾妻峡

先週末に草津と志賀高原を結ぶR292の冬季通行止めが解除されました。そこで渋峠から芳ヶ平辺りの残雪の風景でも撮ろうかと、早起きして出掛けてみれば..

20070427
せっかく日の出前に到着したのに、よもや積雪で通行止めとはいやはやまったく(苦笑)。昨日の荒れ模様は北部の県境に雪を降らせたようですね。とりあえずその内に開くだろうと楽観的に待つものの、8時過ぎに押っ取り刀でやって来た国交省のお役人の話では、10時頃には開通させる予定だとか。すでに車中で2時間ほど寝て暇つぶしをしていたので、これ以上待つのは時間の無駄と判断しやむなく下山の途に。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 270mm
ISO100 Picture Style「スタンダード」

20070427b
夜が明けてからゲート付近の森をうろつきましたが、標高1300m付近でも数cmの積雪がありました。明け方の外気温は氷点下2℃。最近の春めいた陽気に慣れた身には、フリースセーター1枚では相当に寒いです。
GR DIGITAL F7.1 ISO64

20070427c
さて、草津を後にしてそのまま帰るのでは芸がありません。そこで長野原の吾妻峡に寄ってみることにしました。秋以外の季節に吾妻峡を訪れるのは久しぶりのことです。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 10mm
ISO100 Picture Style「風景」

20070427d
吾妻峡(吾妻渓谷)は、吾妻川が時の流れの中で溶岩台地を削って作り上げた全長3.5kmほどの急峻な渓谷で、上毛かるたでも「(や)耶馬溪しのぐ吾妻峡」と詠われる紅葉の名所です。写真は「八丁暗がり」と呼ばれる流れ。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 20mm
ISO100 Picture Style「風景」


20070427e

紅葉で魅せるその多様な植生は新緑においても同様で、ミズナラやクヌギそれにカエデなどが春の日差しを受けて眩しく輝いています。紅葉と同様に新緑にもピークがありますが、恐らくこの数日が見頃ではないでしょうか。ふと耳を澄ませば、新緑の木漏れ日に混じって、どこからかオオルリとキビタキの囀りが聞こえてきます。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 22mm
ISO100 Picture Style「風景」


20070427f
春の渓谷を彩る花木と言えばヤシオツツジでしょう。川縁の岩場から川面に突き出るように生え、川を渡る風にピンクの花を揺らすその姿は、訪れる人の感嘆の声を誘います。ここ吾妻峡で見られるのは主にムラサキヤシオです。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 Picture Style「風景」

20070427g
こちらは遊歩道脇のを近くに寄って広角で撮影。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

20070427h
モスグリーンの山肌に薄いピンクの色彩が目立つのはヤマザクラ。ヤシオツツジと並ぶこの季節の山の彩りです。日当たりの良い斜面のものは散り始めていましたが、日陰のものはまだもう少し見られそうです。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 Picture Style「風景」

20070427i
関東の耶馬溪とも呼ばれ、国が名勝指定する吾妻峡ですが、実は近い将来ダム湖の底に沈む予定(2010年の完工予定)になっています。ダム建設に絡んではご多分に漏れず、半世紀近くその是非を巡って様々な争いや運動が行われてきました。ここでその史実を紹介するのは割愛しますが、全国的な脱ダムの流れの中で、ここだけはどうしても作るのだという国交省(言わずもがな国ですな)の執念のようなものを感じます。それでもダムサイトを当初の建設予定地から600mほど上流側に移したことで、渓谷の四分の三は保護されることになったのは不幸中の幸いと言えるでしょう。ちなみにこの写真の風景はダムの底に沈みます。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 28mm
ISO100 Picture Style「風景」

« 強風にて撤退 | トップページ | 世界最小のハイビジョンカメラ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。