坤六ブナの芽吹き
坤六峠の開通が当初予定していた5月末から随分と早まって、GW中の2日に開通となりました。例年ならば考えられない早さに戸惑いつつも、こんなチャンスは滅多にないので、遠慮なくブナの芽吹きを撮影に出掛けてきました。
片品村の笠科川沿いではオオヤマザクラが満開です。
EF28-300/3.5-5.6L IS 50mm
オオヤマザクラの撮影中にちょっとしたハプニング。対岸から茶色っぽい鳥がピラピラ飛んでくるのが目に入りました。最初はミソサザイかと思ったりもしたのですが、どうにも飛び方がピラピラなのです。そしてその鳥はあろう事か、私の三脚にピタっと貼り付くように留まるではないですか。思わず顔を近づけてその鳥を凝視すると、何とそれは鳥ではなく小さなコウモリでした。
しばらくしげしげと観察の後、証拠写真を撮ろうとポケットからGRDを取り出そうとした途端、ピラッと剥がれるように飛び立って森の中へと消えていきました。アブラコウモリなら夕方薄暗くなってから飛んでいるのをよく見かけますが、コウモリと言えば完全な夜行性だとばかり思い込んでいたので、こんな真っ昼間に飛ぶものなのかと感心することしきりです。帰ってから図鑑と首っ引きで調べましたが、モモジロコウモリが一番近い感じですね。
山稜や林床には雪が残り、森の色も地味な茶色が主体なのでパッと見は早春のようにも見えますが、ブナの芽吹きの序盤とはこういうものです。芽を包む鱗片葉がまだ開ききっていないため、森全体を見渡すと赤茶色っぽい色合いになるのです。写真左奥のピークは笠ヶ岳。
EF28-300/3.5-5.6L IS 50mm
坤六峠一帯は関東でも有数のブナ林が広がっており、特に木の根沢の源流部である奥利根水源の森は、四季折々に訪れる人たちの目を楽しませてくれます。標高が同じだとみなかみ町側の様子も同様ですね。
EF-S10-22/3.5-4.5 22mm
上州武尊山の北面。奥利根水源の森から森林限界付近まで、広大なブナ林が広がっているのが判りますね。前述の通りこの時期に坤六峠が開通するのは非常に希なことなので、この眺めはまさに今限定となります。
EF28-300/3.5-5.6L IS 50mm
照葉峡11滝の一つ「不断の滝」。滝の手前の若いブナが芽吹いていますが、緑の若芽が顔出すのも時間の問題です。
EF28-300/3.5-5.6L IS 65mm
木の根沢の下流域では、コブシがそろそろ終わりかけていました。逆にカラマツは芽吹き始めています。
EF-S10-22/3.5-4.5 13mm
湯ノ小屋まで来るともうすっかり新緑の世界です。夏は深い緑の海と化す森も、この季節に眺めると色々な木々が生えているのが手に取るように判ります。ブナがどれかはもうお判りですね。
EF28-300/3.5-5.6L IS 90mm
今日の撮影ではXL H1をメインに使用しました(写真はHDP-6000EXを装着)。最近はスチル用の超望遠レンズを装着しっぱなしで、自ずから猛禽類専用となっていますが、今日は車による移動が主体だったことがチョイスの主たる理由です。ブナの芽吹きをやや遠景で切り取るにあたって、高周波成分の多い緻密な描写には、解像度の高いH1のHD20xズームが最適という判断もありましたし。
EF28-300/3.5-5.6L IS 110mm
それとレイノックスのHDP-6000EXをH1で試すのも予定のうちです。実写結果を見た限り、近景の絵面ならばV1Jの時と同じような印象を受けますが、さすがに遠景となるとやや厳しいかなという印象は拭えませんね。特に風でも吹いて景色が微妙に流れているような場合..例えば木々がざわめいているようなシーン..は顕著かもしれません。まあこの場合はH1のHD20xズームの解像感が高いと言うべきかもしれませんが。それでも広角側が40mm相当(35mm換算で)のHD20xズームにとって、HDP-6000EXは新たな戦力になることは間違いないです。
EOS30D ISO100 DPP3.0 Picture Style「風景」
(以上データ共通)
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