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2007年11月28日 (水)

若オジロ

20071128
今日の日中は、昨日とは打って変わって快晴。風は東よりにやや強く吹いて、湖面には終始さざ波が立っていました。

20071128b
今日の狙いはオジロの若鳥。先週偶然見つけて以来探していたのですが、今日ようやく某所で再会、終日観察・撮影することがきました。しかしこの若鳥、他のオジロの成鳥やオオワシ..私は未確認だが成鳥が2羽いるらしい..が怖いのか、湖には近づかず終日川の中流域で餌を探しています。

オオワシやオジロワシ(以後海ワシ)は、その大半が北海道にて冬を越します。生きものが集団で越冬するのは、餌が不足しがちな冬季に、目が沢山ある方が餌を探すのに有利だからです。孤高のワシなどと言われる海ワシであっても事情は同じで、自ずから北海道の越冬地では沢山の海ワシを見掛けることになります。

ところが北海道に留まらず、本州まで南下して越冬する個体には単独..複数が一緒にいたとしてもそのほとんどはペア(つがい)..が多く、そういうワシは得てして自力で餌を探すのに長けています。それ故、本州以南で越冬するワシには経験豊富な成鳥が多く、若鳥は少ない傾向にあるのです。若い個体にしてみれば、単独で餌を独占できる可能性があるにしても、危険を冒す..餌が獲れずに命を落とす..よりは、仲間と一緒に過ごす方が経験も積めて効率が良いでしょう。

と言うことで、総じてカメラマンには人気がなく見向きもされない若鳥ですが、ワシ屋の私としては、本州でけなげに越冬する彼らの様子には興味が尽きません。

20071128c
ビデオから画像を切り出し、胸部や腹部、それに翼の下面が判るよう明るく補正してみました。全体的な印象から、第2回冬若鳥といった感じですね。

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積雪と同様、砂地や泥地は生きものの痕跡を探すのが容易です。水の退いた河原に沢山の足跡が付いていましたが、ザッと見ただけでも、数頭のシカ(手前)とキツネ(奥)、それにタヌキやテンが往来しているのが判ります。

20071128e
今日の「バスの中からこんにちわ(笑)」はキツネ。山中とはいえすでに日が昇っているというのに、ミヤコザサの下生えをかき分け、警戒の表情を浮かべつつも割と呑気に姿を見せました。なかなか美しい冬毛をまとい、来る冬への備えは怠ってないようです。

EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
XL H1(EF400/5.6L)、GR DIGITAL

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コメント

大自然の中で過ごす逞しい野生動物の姿は
他のものでは得られない感動を感じます。
この間、袋田の滝の山中でいきなりテンの
ような動物が出現した時はビックリしまし
た。わたしがビックリしたことに、動物の
方がビックリして逃げてしまったので、写
真に収められなかったのは、くやしいです
(^-^;

> 写真に収められなかったのは、くやしいです

そこで悔しいとマイナス思考に走るのでなく、
「テン(みたいな動物)が見られた」ことに感謝すれば、
次のチャンスは必ずものに出来ますよ。
そうすれば花さんも動物カメラマンです。(^_-)

記憶を探ってみると、若いオジロをまじまじと見たのは、この画像が初めてかと思います。眼福いたしました。それにしても、ハクトウの仔と似ていますね。やはり、3年目あたりから成鳥の羽になるのかな、なんて勝手に想像を膨らませて楽しみました。ありがとうございました。

> ハクトウの仔と似ていますね

よく見られていますね。仰るとおりハクトウワシとオオワシ・オジロワシは非常に近い種で、分類上も海ワシ属(Haliaeetus)になります。実際、老齢化して頭部の白化がすすんだオジロワシは、遠目にはハクトウワシのように見えることがあります。

> 3年目あたりから成鳥の羽になるのかな

オオワシもそうですが、3年ぐらいだとまだ幼羽が残ります。成鳥と言われる..性的にと言う意味ではなく..ようになるのは、概ね5年を経過した辺りからですね。

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