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2007年12月29日 (土)

Movie「ワシたちの宴」公開

20071229z
YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・ワシたちの宴」を公開しました。

※※映像解説※※
「根室海峡におけるスケソウダラ漁の水揚げ減少に伴い、一時は羅臼に集中していたワシたちも、次第に道内各地に分散するようになりました。そんなワシたちが次に目を付けたのが、古くから道東の湖沼で行われてきた伝統的な漁法である、氷下待ち網漁です。漁師たちが氷上にうち捨てていく雑魚を狙って、朝早くから三々五々湖周辺に集ってきます。オオワシもオジロワシも、年寄りも若い個体も皆押し合いへし合い譲り合い、そして時には餌を巡って争います。あたかもその様子は、厳しい冬を乗り越えるべく皆で催す宴のようです。」

海ワシと呼ばれるオオワシとオジロワシは、ロシア沿海州やサハリン、カムチャツカなどから越冬のために日本にやって来ます。両種とも天然記念物、そして絶滅危惧種にも指定される貴重な大型の猛禽類です。特にオオワシは極東地域に4000羽程度しか生息しておらず、日本の北海道が重要な越冬地として知られています。冬季に北海道で海ワシたちの姿を目にする機会も少なくありませんが、本来野生動物であるはずの彼らの越冬の様子は、意外にも人間社会の生産活動に深く依存したものなのです。

6回に渡って公開してきた「海ワシ越冬記」のストリーミングビデオ版は、ハイビジョン映像にて制作したワイルドライフドキュメンタリーより、テーマ毎にショートに編集し直した作品です。一連の映像は彼らの生活のごく一部を紹介したに過ぎませんが、海ワシたちの北の大地における越冬生活ぶりを知る一助になればと思います。

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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コメント

おはよー
ワシたちの宴拝見しました。
詳しい解説をよく読まないと状況を理解でき
ませんでした。今年最後にすばらしい作品を
拝見でき感謝しています。
今年は色々ご指導頂き本当にありがとー
来年も楽しみにしています。
良いお年を(^-^*)/

こちらこそ楽しませていただきました。
花さんもよいお年をお迎えください。

その1

遅ればせながら拝見しました。年をまたいで一年遅れ?となってしまいましたが、コメ残させていただきます。最終回ということもあり、長いコメとなってしまいました。ご迷惑とならなければいいのですが。


一連のビデオを引鉄として、疑問に思ったことは自分でもちょこちょこ調べてみたりしながら、今までナントナク知っていて、ナントナク魅力を感じていた(要するによく知らなかった(笑))オジロワシ、オオワシ、タンチョウも含めた日本における野生鳥獣を取巻く現状と、生態に関する雑学的(決して専門的と呼べるほどではない)知識を増やすことができました。


それは私にとって有意義な時間でした。ありがとうございました。


調査や保護(上から目線な言葉で、とても好きではありませんが、便宜上使わせていただきます。)の一貫として、羅臼ではNPO団体が観光船業者と協力しあいつつ活動していることや、音羽橋で有名な鶴居村では(財)野鳥の会も関係しつつ、村ぐるみでタンチョウ保護活動が行なわれているようですね。鶴居村ではタンチョウ観光がとても重要な財源となっているようにも思え、村のHPを見る限りはルールが比較的よく確立されているようにも見受けられました。きっと、国内でも有数の保護とビジネスの両立システムを持ったモデルケースとなっているのでしょう。

その2

ビデオから受けた刺激の中でも、最も強く興味をかきたてられたのは、“餌付け” もしくは "結果的に餌付けとなる行為" に対する、日本と、アラスカやカナダ全域における考え方の違いでした。ここら辺は、日本と欧米諸国の野生鳥獣保護における根本的な違い、と言い換えてもいいかもしれません。


日本では、むしろ「餌付け」は「いいこと」であり、それなくして保護は語れないほどに浸透しているふしがあるようにも見受けられますが、アラスカ、カナダ全域において、そしておそらく欧米諸国全般における考え方は、それは「わるいこと」で、できるだけ避けることが保護思想の根底にあるように思えます。


今のところ、それはどうしてなのか、という結論を出すまでに到っておらず、ただひたすら、それはなぜなのか、ということを、野生鳥獣の種類、民族性や歴史、気候、面積や地形の違いにも思いをめぐらせつつ、もそもそと考えている次第です。


それでは、今後のブログやビデオも楽しみにしています。


2008年がより良い年となりますように。

【joshiさん】

> 日本における野生鳥獣を取巻く現状と、
> 生態に関する雑学的(決して専門的と呼べるほどではない)知識を
> 増やすことができました。

本来は海ワシ越冬記の本編をご覧いただくのが筋なのですが、
絵になるシーンだけをつないだショートムービーで、
そのように理解していただけると制作者冥利に尽きるというものです。

> 羅臼ではNPO団体が観光船業者と協力しあいつつ活動していることや、

羅臼の観光船は営利目的で始めた経緯があるので、
今後も餌付けを続けていく方向であるならば、
保護行政との連携も模索していく時期に来ています。
善し悪しは別にして、羅臼の海は世界自然遺産の海ですからね。

> 音羽橋で有名な鶴居村では(財)野鳥の会も関係しつつ、
> 村ぐるみでタンチョウ保護活動が行なわれているようですね。

タンチョウの場合は良いところだけを見るとそのような解釈になるのですが、
生息数が増えるにつれてやはり様々な問題が表面化し始めています。
絶対的な数はまだまだ少ないですが、それでも繁殖適地が足りないのもまた事実です。
それに数が増えるにつれて農作物への被害も目立って増えつつあり、
地元にお金が落ちるとは言っても農家にはメリットがないのが実情です。

> 日本では、むしろ「餌付け」は「いいこと」であり、
> それなくして保護は語れないほどに浸透しているふしがあるようにも見受けられますが、アラスカ、カナダ全域において、そしておそらく欧米諸国全般における考え方は、
> それは「わるいこと」で、できるだけ避けることが
> 保護思想の根底にあるように思えます。

北米のように野生動物の生息地を保護区として独立させ、
一切干渉せず手付かずで放っておけるだけの土地がある国と違い、
国土のほぼ全域に人が住み、人の生活圏と野生動物の生息地とが
複雑に入り組んだ日本とでは、自ずから自然に対する考え方が違うのは仕方ないことです。

また一口に保護と言っても、繁殖地と越冬地とでは考えたがまた異なり、
越冬地での保護はある程度までは給餌活動で済んだとしても、
繁殖地ではそのエリアそのものを保護する必要があったりします。

> 野生鳥獣の種類、民族性や歴史、気候、面積や地形の違いにも思いをめぐらせつつ

近年は自然保護の考え方にまでグローバル化が進みつつありますが、
まさにところ変われば何とやら..ですね。

> それでは、今後のブログやビデオも楽しみにしています。

こちらこそまた色々な角度からご意見いただければと思います。

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