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2008年1月17日 (木)

EF28-300/3.5-5.6L IS

私が公私を問わず常用するレンズの一つが、EF28-300/3.5-5.6L IS(以下EF28-300IS)です。後述するとおりかなりの重量級レンズではありますが、ワシを撮りに行くのであれ、仕事で打ち合わせに出るのであれ、家族と出掛けるのであれ、出来る限りEOSデジタルに装着して携行しています。

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サイズは、構造的に兄弟レンズと言ってもいいEF100-400/4.5-5.6L IS(以下EF100-400IS)とほぼ同じ大きさで、全長はやや短いですが、重さは逆に400g近くも重いです。なので少しでも軽くするために、通常は三脚座を取り外しています。レンズの性格上、三脚に載せて使うことはまず無いですから。

特徴は何と言っても約11倍という高倍率のズーム比で、28mmから300mmという、おおよそ日常的な撮影領域では、まず撮れないものはないという焦点距離ですね。以下は、渓流の対岸にいたカモシカの成獣を写したもので、同じ立ち位置から撮影した場合のサンプルです。レンズを交換することなく、1本のレンズで生息環境から被写体のアップまで撮れてしまうのは、何と言っても高倍率ズームのメリットですね。

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最広角側(28mm)EOS-1V RDP3

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最望遠側(300mm)EOS-1V RDP3

タムロンやシグマなどレンズメーカーからも同様なスペックの製品が出ていますが、ネット上のサンプル画像を散見する限り、解像度は明らかにEF28-300ISのほうが勝っています。特に望遠側のシャープさではEF28-300ISが数段上です。そしてこの解像度の高さこそ、後述する「私がEF28-300ISを使う大きな理由の一つ」に関係してきます。

高倍率ズームと言うこともあって、収差はそれなりにあります。特にフルサイズだと顕著に目立ち、広角側は樽型に歪曲収差が、さらに開放付近だと周辺光量落ちも気になります。但し、何れの収差もDPP3.2から機能提供されたレンズ収差補正が有効なので、気になる場合は現像時に調整すれば良いでしょう。以下は収差とその補正後のサンプルです。

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EOS-1D Mk3 28mm F3.5
レンズ収差補正なし

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EOS-1D Mk3 28mm F3.5
レンズ収差補正あり(周辺光量・歪曲・色収差 何れも100)

ちなみにデメリットは間違いなくその大きさと重さで、前述したレンズメーカー製の同スペックレンズに比べると、何故にこの大きさなのかと勘ぐりたくなります。フルサイズ対応で且つイメージスタビライザー(手振れ補正機構)を装備していることで、画質の良さと合わせてまあ仕方ないと言えなくもないですが、せめてEF100-400IS並みの重さに押さえてくれると嬉しいですね。

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私の撮影対象は主に野生動物です。とりわけ大型猛禽類であるワシはライフワークですが、通常はそのワシを撮影することを目的に機材をチョイスしており、EF500/4L ISとEF28-300ISの2本のレンズでほぼまかなっています。フィルムカメラがメインであった時代は、EF28-300ISの代わりにEF24-70/2.8LとEF100-400IS(もしくはEF70-200/2.8L IS)だったので、レンズ1本が必要なくなったことになりますね。

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後にも先にもカヤックを漕いだのはグレイシャーベイ(Glacier Bay)が初めて。そのカヤックに乗る上で最も悩んだのはレンズチョイス。荷物が制限される上に、スプレーを浴びることも十分に考えられ、レンズ交換そのものがはばかられることは明白でした。その上、グレイシャーベイは晴れることがまれの雨多きところ。結局、手振れ補正付きの高倍率ズームであるEF28-300ISに落ち着いたわけですが、防塵防滴のボディ(EOS-1V)と相まって、これ以外に選択の余地はないコンビとなりました。

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私がEF28-300ISを使う大きな理由の一つが、実はビデオ撮影用途だったりします。ハイビジョンビデオカムコーダーであるXL H1の標準レンズ「HDビデオレンズ 20×ズーム XL5.4-108/1.6-3.5L IS II」は、35mmカメラ換算で約39-780mmの焦点距離になります。一般的なビデオカメラの焦点距離よりはやや望遠よりになっているため、ほ乳類など野生動物の撮影でも十分その威力を発揮しますが、撮影対象が大空を自由に飛んで移動する鳥類となると話は別で、三脚必須のために機動力で劣るビデオ撮影では焦点距離が足りないのです。

そこで出番となるのがEF28-300IS。XL H1にEFアダプターXLを介して装着することで、約200-2200mmの超望遠ズームとなり、小鳥からワシまで幅広く対応することが可能となります。よく問い合わせを受ける画質の点についても、元々35mmカメラ用に設計され、尚かつデジタル対応が為されているため、高倍率ズームとは思えない解像度の高さも手伝って、ハイビジョンカメラ..画素数だけで言えば、ハイビジョンとは言ってもたかだか200万画素程度..でも何ら遜色ありません。

但し、EF28-300ISをビデオレンズの代わりとして使用する場合、そのフォーカスリングとズームリングの操作感は最悪です。スチルレンズとしてEOSで使用する場合、その撮影のほとんどをAFでこなし、緊急避難的にMFでピントを合わせることになります。が、XL H1に装着した場合はAFが利かないので、自ずからMF専用レンズとなります。ピントの判りづらい液晶ビューファインダーでは、常にピントの山を探る操作..フォーカスリングを微妙に動かす..が必要になりますが、EF28-300ISの重いフォーカスリングの操作感は、それを見事にスポイルしてくれます。今ではだいぶ慣れはしましたが、それでも慌てているときはピンを微妙に外すことがありますね。

それにスチル撮影では便利な直進式ズームも、ビデオでの表現技法としてのズーミング操作には全く使い物になりません。EF28-300ISでのズームは、あくまで被写体を導入するために事前に引いておくか、レンズ交換を必要としない単焦点レンズとしての使い方しかできません。とは言え、機動性の低いビデオ撮影において、ズームレンズが便利であることに違いはありませんが。

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EF28-300ISの専用フードはEW-83G(写真右)です。そもそもフードは不要な入射光を防ぎ、ハレーションなどの影響を受けないようにするのが目的なわけですが、広角から始まるズームレンズの場合は、フードの設計上どうしてもサイズを広角側に合わせる必要があります。そうなると必然的に望遠側での効果は期待できるものでなく、特にEF28-300ISのような高倍率ズームでは尚更ですね。

そんなフードに期待すること言えば、レンズ先端部の保護。私は普段はフィルターの類を付けないので、なるべくフードを装着するようにしています。そうなると遮光のためでなく単に保護のためとなれば、EW-83Gのサイズは不適当と言わざるをえません。そこで得意のフード探し(笑)となるわけですが、これがあっさりとEF24-105/4L ISのフードであるEW-83H(写真左)が適合することが判りました。フルサイズでも最広角側でケラれもなく、フードの逆付け収納時もやや細くなり、何よりレンズ先端を下にして立てて置けるのは便利です。

昔はズームレンズなどものぐさが使うレンズで、写真を上達するためには単焦点レンズ使って体を動かすのが基本だと言われました。また、単焦点レンズに比べズームレンズは画質的に劣るものが多く、写りの良さを求めるには単焦点レンズだとも言われました。前者については、ズームレンズは利便性を優先して使うものなので、写真の上達云々とは関係ないと個人的には思っています。後者については、今ではズームレンズも単焦点レンズも性能的にはほとんど違いはなく、むしろ設計の古い単焦点レンズのほうがズームレンズに負けている場合も散見されるほどで、明るさや携行性を求めないのであれば、単焦点レンズを使う理由はさほどないように思います。

私はどちらかと言えば単焦点レンズ派なので、本音を言えば気に入った単焦点レンズだけを使って撮影したいと思いますが、やはり被写体が被写体だけに利便性を求めざるをえず、撮影スタイルと相まって必然的にズームレンズ主体の運用になってしまいます。ま、単焦点であれズームであれ、撮れる写真の質にそうは違いはなく、単に気分の問題なんですけどね(笑)。

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