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2008年1月26日 (土)

アース

50万年前、巨大な隕石が偶然衝突したことで地軸が傾き、その結果地球に季節が巡るようになりました。そんな生命に満ちあふれた奇跡の惑星地球の四季を、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が流れる中、北極から南極まで順にたどりつつストーリーは進行します。

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主役は地球。そしてホッキョクグマ・アフリカゾウ・ザトウクジラ・アネハヅルなど、各分野の環境保護系フラッグシップ種らが脇を固める重厚なキャスト。制作は英国BBC、スタッフは映画「ディープ・ブルー」のメンバーを中心に、5年の歳月をかけて撮影した映像をもとに作られた映画、それが「アース(earth)」です。小人料金が500円と言うことで、下の倅を連れて見に行ってきました。

実は映像的にはどこかで見たようなシーンが多く、まあそれもそのはずで、ちょっと前にNHKが放送していた「プラネットアース」の超ダイジェスト版といった感じの内容です。では新鮮味がないのかと言えばそんなことはなく、海のクマとも言われるホッキョクグマの遊泳シーンや、航空機から撮ったとは思えない微塵の揺れも感じさせない空撮映像、数mの距離まで接近を許したザトウクジラの親子、闇夜に紛れゾウの親子を狙うライオンの狩り等々、その筋の専門スタッフによる長期取材ならではの珠玉の映像が続きます。

ワイルドライフ撮影を志す者にとっても、姿勢制御装置(通称ヘリジンバル)を装備した航空機による空撮、超ハイスピードカメラを使った動態撮影や時間軸の推移、赤外線撮影装置による夜間撮影など、最新の撮影技術の粋を集めた映像を目の当たりにすることになります。これはもう表現者として羨ましい限りですね。

映画としての全体のストーリー構成については少し?な部分もありましたが、前述の通り何れの映像も素晴らしく、地球の四季の移ろいの美しさや、生きものの営みの逞しさには心打たれるものがあります。しかし、最近この手の映像を見ていても、何かこう今ひとつスッキリ感動できないというか、心の中に葛藤を感じてしまうのもまた事実です。

子供の頃よく見ていたテレビ番組に、野生の王国という番組がありました。毎週紹介される世界各地の野生動物の生態を、子供ながらにワクワクしながら楽しみに見ており、私をワイルドライフの世界に誘ったのも同番組でした。世の中の事情を知らない子供であったことを割り引いたとしても、当時は純粋に楽しめた動物ものの映像も、今や地球の未来を憂い無ければならないほどテーマが深刻になっており、そんな事実が、地球や生きものたちの素晴らしさを純粋に喜べない理由の一つになっているように思います。

自然や生きものに興味のある方だけでなく、一人でも多くの方にアースをご覧になっていただきたいと思います。そして現在の地球の直面する危うさを、不本意ながらもその美しい映像のバックグランドから感じて欲しいと思います。昨年公開され、各方面から物議を呼んだ地球温暖化をテーマにした映画「不都合な真実」よりも、ある意味その深刻さを感じることが出来るはずです。

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旭山動物園にて

映画のオープニングとエンディングに登場する地球温暖化の象徴とも言うべき極地の崩壊、そしてその砕けた氷海を彷徨うように泳ぐホッキョクグマの姿を見ていると、自然と胸に熱い思いがこみ上げてきます。

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コメント

こんばんは

私も子どもの頃に食い入るようにして「野生の王国」を観ました。それと「驚異の世界」。
現在に至っても野球が嫌いなのは、プロ野球中継でこれらの番組が流れてしまうことに原因の一端があったあったと思います。
当時は、これらの番組を観て、大人になったらアフリカの国立公園のレンジャーになりたいとかなり本気で思っていました。
その後実際に選んだのは、違う職業でしたが、同じベクトルのうえにある仕事に就くことができたと自分では思っています。
表現をする仕事の重要性と責任の重さを痛感しています。

こんにちわ。
勝手ながら私も↑くまさんと同じです。
野生の王国からかなりの知識と人間形成におけるインパクトを受けたと思ってます。
人間も動物であり、生まれて死んでいくことに変わりはない訳です。
地球上に生命を得たことに感謝し、人生2/3のは終わってしまいましたが、今までを反省しつつ、地球に優しい生活をして行きたいと考えてる今日この頃です。
昨今、”ダーウインがやって来た”という様な題名で、野生の王国と同じような番組をやってますが、(題材は動物だけでなく、植物なども多いですが)サンダーバードもリバイバルした世の中、野生の王国もリバイバルしてくれないかな?
生命の尊さを教える良い番組だったのになあ。

【くまさん】

いるもんですねぇ、野生の王国の視聴者。
差し詰め少年ケニヤもどきの登竜門と言ったところでしょうか(笑)。

> それと「驚異の世界」。

アフリカにはまる前は海無し県の海洋少年だったので、
ジャック・イブ・クストーに憧れましたよ。

> 同じベクトルのうえにある仕事に就くことができた

そういう意味では私はやや方向性の違う職業に就いていますね(苦笑)。

【りんさん】

おやこっちにも少年ケニヤもどきが(笑)。

> 人生2/3のは終わってしまいましたが

いやいや、まだ1/3も残っていると考えましょう(笑)。

> 地球に優しい生活をして行きたいと考えてる

生活を急激に変えるのはなかなか難しいと思いますが、
今はもうそういう時代に突入しているのは確かですね。

> 昨今、”ダーウインがやって来た”という様な題名で、
> 野生の王国と同じような番組をやってますが、

今の子供達はゲーム世代なので、あの手この手を使わないと興味を示さず、
色々趣向を凝らす必要があるのでしょう。昔のようにただ映像を流すだけでは、
視聴率を取るのも大変のようです。

> 生命の尊さを教える良い番組だったのになあ。

当時はただの小学生だったので、
さすがにそこまでは考えていなかったですねぇ。
せいぜいチーターは足が速くて格好いいなぁ..と(笑)。

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