« 風強く、ワシ少なく | トップページ | 穏やかなり根室海峡 »

2008年2月28日 (木)

根釧台地に風車は回る

早朝から始まる氷下待ち網漁も概ねお昼前には終わるので、午後は以前から気になっていた根室半島の昆布盛に足を運びました。そこには地元の風力発電事業者の運営する昆布盛ウィンドファームの風車が、強い北風を付けて力強く回っていました。

20080228
何故ワシ撮りカメラマン風情が風車など見に行ったのかと言えば、それは以前にも記事に書いているのでここでは割愛しますが、簡単に言ってしまえば、この巨大な風車に巻き込まれて命を落とすワシがいる..いわゆるバードストライク問題..と言うことに他なりません。こんな大きなものにぶつかる間抜けなワシがいるのかと訝る向きもあるかと思いますが、ワシをはじめとした猛禽類というのは、普段から獲物を探して飛んでいることが多いため、その目の良さが災いしてか、すぐ近くで風車のローターが高速で..羽の先端付近は時速80km程度は出ているらしい..回っていたりしても、すぐには目に付きづらいようです。何より風車の回転など自然界ではあり得ない現象なので、彼らの中にも十分認知されてないことが大きな原因のように思います。

【風車問題】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_71fd.html

20080228b
風車が林立するのは風の強く吹く海岸段丘。写真には5基写っていますが、もう1基左に建っています。海岸段丘に海風が吹き付けると、そこに上昇気流が発生するため、カモメなどはよくその風を利用して飛んでいます。それはワシ達も同様で、オホーツク海沿岸や知床半島などでは、場所によっては海岸段丘に沿って移動することが知られています。写真では北西の風を受けて風車が回っていますが、季節や時間が変われば風向きもまた変わるので、それによって鳥たちの行動も変わってくるでしょう。

20080228c
3時間ほどの観察中、2度ワシの接近がありました。オジロワシとオオワシの何れも若い個体で、オジロワシのほうは飛行コースを高くとって風車を回避したように見えましたが、写真のオオワシは風車とほぼ同じ高さで飛行しつつ、風車と風車の間を海側から抜けていきました。偶然とはいえこんな短時間でも問題の行動の一端を見ることができるわけですから、通年を通してだとその状況は推して知るべしなのかも知れません。

20080228d
何度も書いているとおり、今年の流氷は近年になく良い状態です。今日現在の海氷速報では、オホーツク海沿岸から根室半島にかけてビッシリと氷が入っているのが判りますし、何より太平洋にまで流れ出しているのは久しぶりのように思います。昨日の強風の影響で、羅臼から野付半島にかけての沿岸からは一旦離れてしまいましたが、春になって南風でも吹けば再度接岸することになるでしょう。ちなみに根室の流氷初日は16日で、2年振りのことになります。根室のネイチャーセンターからも、春国岱前の浜が流氷に埋め尽くされている様子を見ることができます。

20080228e
例年と比べて根室海峡周辺のワシの数が少ない..と先日書きましたが、本日関係者から定時カウントの情報を得たところ、やはり実感そのままにしっかり数値に表れていました。基本的に定点カウントなのでイレギュラーには弱い結果になる傾向がありますが、その数値情報からは、特にこの1~2週間はワシ達が分散傾向にあるように思われ、詳細原因については、全道一斉カウントの結果集計を待ってからになります。

20080228f
みんなの道?そうですここはカムイの国。この旗の意味が判る人は、かなりの通と言えますね。

20080228g
某所で待機中、気配に気付いて振り向けば、そこにはキツネの姿が。空や氷の上ばかりに気が行っているので、四つ足動物の接近に気が付かず。そう言えば今年はシカもあまり撮ってないなぁ。

20080228h
昨年は使われなかった氷結した湖を見通す巣に、オジロワシのペアが入っていました。近くにもう一つ巣がありありますが、果たして今年はどちらが使われるのでしょうか。そう言えば今日になって思い当たったのですが、このペアはあのペアなのではないか?オジロワシの行動圏を考えると、それも十分考えられるのではないかと、急にその答えを知りたくなってしまいました。が、旅の空の下ではそれも叶わず..

20080228i
根室名物エスカロップ

20080228j_2 
今晩の肴は野付湾で獲れた北海シマエビ。F君の長女のMちゃんが旨いを連発して食べていたのが印象的で、やはり食べ物は地産地消が一番よろしいようで..

EOS-1D Mk3(EF500/4L IS)
EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS、EF-S10-22/3.5-4.5)
Caplio R6

« 風強く、ワシ少なく | トップページ | 穏やかなり根室海峡 »

コメント

おや?これまた大きな問題を。

とりあえずは食い物に目が張り付き。

エスカロップ?ああ、カツか。スカロップやスカラップ、はたまたレスカじゃないのね。ドリアン?

ほぉっかぃしぃまああえぇびぃいいいー!?塩ゆで(塩うで)とみた。食いたさ余って逆に吐きそうです。そういうことって、ありませんか?エキストラバージンのオリーブオイルとニンニク、パセリだけでシンプルにえせイタリアンかと思いきや、強火の上で中華ナベをささっとあおって中華風もうまそうです。
素材が良いと、どう食ってもうまそう。Mちゃんの舌は確かです。
大変ブシツケなのですが、地元の魚屋さんでは、このひとやまで1000円くらいでしょうか?

ところで右下隅にちらりはイカですか?
私的には、炙った一夜干しに勝るものはありません。(八代亜紀?)

いきなり本題。

テキさんは、たかだかトリの100羽や1000羽どないなもんじゃ、たとえ絶滅したところで、クリーンエネルギーの重要性と同じレベルで話をすんな、ぐらいに考えているのが本音じゃないでしょうか。

余談ですが、そして特に調べてはいませんが、今とっさに浮かぶ風力発電で採算レベルに乗っている場所は北米某所の1箇所のみで、あとは芳しくないですね(だからといって、将来性がないわけではないでしょうが)

こういった場合、欧米の多くのケースでは、企業派が「オレ達のやっていることの重要性に対して、生態系にはこれだけしか悪影響を及ぼしていないから平気なんだよ」ということを証明しなければならないのが通例かと。

しかし、国内では、反対派が「アンタ達がやっていることの非重要性に対して、生態系に、こんなに悪影響を及ぼしているから平気じゃないんだよ」ということを証明しなければならないのが通例かと。

ここに、欧米論をそのまま当てはめられぬ辛さがあるのでしょうか。
薩長のころから、ナンにも変わっていませんな。

また、開発よりも環境保護が常に後手に回る(反面、だからこそ戦後の奇跡的発展があるのでしょうが)国のジャッジは期待できないでしょうし、知床や白神の開発プレッシャーをひっくり返した共闘系ナチュラリスト集団(と、私は勝手に呼んでいる)や、それを支持する編集者たちは影を潜めた感がありますし。

ひっくり返すためには、インパクトのある、しかも立証性のある映像を世に知らしめることしかないと思うのですが。

ネットという両刃の剣をうまく使えば、全世界からあっという間に反響がありますよ。

そういった意味では、地道に足もとから広げていく草の根運動(農耕民族的手法)も大事ですが、むしろ外から内に向かって追い詰めていく手法(狩猟民族的手法)も必要になるかと。

しかしながら、ここでも、映像も含めたデータの信憑性や立証性(研究分野では再現性?)が重要になりますね。

それらの性質が確立できなければ、磐石はゆるぎ、逆風に弱く、公開すれば手痛いしっぺ返しを食らうことになります。

再度すみません。

クリーンエナジーFのサイトにアクセスしてみましたが、バードストライクのバの字、ワシのワの字もありませんね。要するに、歯牙にもかけていない、もしくは公表するより隠蔽したいということです。

これは逆手に取りやすいですね。ちょうどこのサイトにはENGLISHバージョンもあるし、問題点や隠蔽性も指摘した上で(もちろん前述の注意点を押さえた上で)、このサイトにアクセスを促して、英語圏から外堀を埋めていったらどうですか?日本はそれでなくとも海外の圧力に弱いですから。ゆうちゅうぶ?

> おや?これまた大きな問題を。

そりゃ仕方ないですよ。
観光餌付け船に乗って「ワシが格好良く撮れた!」
などと脳天気に喜ぶような性分じゃないもんでね(笑)。
そもそも愛すべきワシ達の未来がバラ色なら、
こんなネタ記事にせず済む話ですし。

風車問題についての個々のコメントには直接返答しませんが、
我々は風力発電そのものに反対しているのではなく、
その立地と開発に対する環境アセスのずさんさを問いたいのです。
然るべき場所に尚かつ周辺環境に多大な開発負荷が掛かることなく、
それでいて光や風で電力がまかなえるならそれはそれでOKでしょう。

人類が明日にでも滅んでしまうような状況ならいざ知らず、
今まさに最高の栄華を謳歌している現代において、
他の生きものの命を奪ってまで、
人と鳥とどっちが大事なんだなどという、
愚かな主張に真っ向から反論するほど間抜けではありません。
(今時そんなことを言う業者は珍しいですよ)

それにしてもこの手のきな臭いネタが好きですね、joshiさんは(笑)。
そもそも記事自体は、ワシを取り巻く環境には
予断を許さない問題があることを書いたまでであり、
それ以上でもそれ以下でもありません。

きな臭さそのものに快感を覚えるアドレナリンジャンキー系ではないですが、自然の中にこの身を置いたり、感じたり、思いを巡らせるのはスキですね。
そこは一見、無秩序な無法地帯であるようにも見えますが、本当は非常に沢山の秩序法則があり、無駄なものなど何一つないんじゃないか、と思える時があり、とても居心地がいいですね。
そしてその秩序を壊し、法則に反するアクションに対して、私は本能的に反感を覚えるようです。

反面、そのようなアクションさえも、実は自然の中の秩序法則に組み込まれているのではないか、と思うときもあります。

私の話は時としてBigDipperさんの『ワシのはなし』から大きく飛躍するようにも見え、視野が切り口に従って超テレ、超ワイド、超マクロを行ったり来たりと、目まぐるしくズーミングし、そして衛星写真的な立ち位置から、モグラの立ち位置(モグラが立てば、のはなしですが(笑))まで昇降するので戸惑われることと思いますが、焦点は常にワシに合わせていますよ。それがここに訪れる作法かと思っていますので。そして結局、生態系とは、全てがつながっているものなのだと感じているので。

そういった意味では、誤解を恐れずに言ってしまえば、餌付けの話しなど大した問題じゃないんじゃないか、と思うこともあります。

要は、その程度ではびくともしない、健康で強靭な生態系があればいいわけで。

> それがここに訪れる作法かと思っていますので。

それにしても記事本文よりも詳細且つ濃密なコメントが付くブログというのも、
我ながら実に珍しいと思っています。
記事にパワーが足りないですかね(笑)。

> その程度ではびくともしない、
> 健康で強靭な生態系があればいいわけで。

自然とは繊細でいてそして脆弱なつながりです。
故に自然に生きるものたちは、
常に自然をこわして命をつないでいくことになります。
自然の凄いところはそれに対する、
回復力・再生能力が強いところにありますが、
人の手による介在でその摂理が、
いとも簡単に壊されてしまうのです。

ただワシだけ眺めて喜んでいいられれば、
それに越したことではないですが、
このような場末のブログで判ったふうに書かなければならない辺り、
そうも言ってられない時代に差し掛かっているということなのでしょう。

BigDipperさん、心の準備はよろしいですか?
今回のコメ(と次コメ)は長くなります。

記事にパワーはありますよ。
特に北海道に行かれてからの記事は、十分に面白い普段の記事にも増して面白いので、こちらも刺激されてしまうのですよ。

>ただワシだけ眺めて喜んでいられれば、・・・(略)

国内生態系ピラミッドの頂点種であるワシに入れ込んでしまったBigDipperさんの不運はそこにあります(爆)

だいたい、例えばオオワシ、オジロ、イヌ等、日本に棲息するでっかいワシは、例えばオジロの近似種のハクトウと比べて、生態が思いのほか不明確な感があります

少なくとも、私のような素人の目に触れやすい場所に、信憑性のあるデータが大変に少ないですね。

ということで、長くなっちゃったついでに、次のコメに書き出したものを読んで下されば幸いです。

ちなみに、これらは私がこのブログに訪れ始めてから受けた刺激を基に浮かび上がってきたものなのです。

ところで、散々に書き出しておいて申し訳ないのですが、明日あたりから、しばらくこことも縁薄になるかも知れません。

以下はこのブログに訪れていて、生じた『もっと知りたいこと』を書き出したものです。

素人がチョイと探したくらいじゃどうしても見えてこないので予習復習?できず、おかげでお話しについていくのにてこずっているのですが、オオワシ、オジロワシ(特にオオワシ)の一生って、どういう流れなのでしょう?また、その他トリビアは?

中でも、オオワシに関しては巷間で得られる情報が限られています。私が見つけられないだけで、探すとこを探せば出てくるのでしょうか。それとも、そういったデータは、今だ存在しないのでしょうか。

見つけられた、満足のいくレベルのデータは、棲息域や数、体や羽のサイズ、体重、それにせいぜいダイエット(食餌)の種類くらいなもので、オスとメスの見分け方さえ明言されたものが見つかりません。

例えば、慣れた方達は「あれはオス、これはメス」とか「あれは今年若、これは3年若」とか、どうしてわかるんですか?

前に、ワシの神格化の話しが出ていましたが、神格化されやすい→神秘性が高い→生態がわかっていない、という流れもあるのかな、などとも推測しています。

あんなに(一部のしかし多くの)人々を魅了し、しかも絶滅危惧種とはいえ、行くトコに行けば高い確率で見られるのに、不透明な部分が多い種ですね。(大部分の種はそんなもんなのでしょうか)

例えば、以下の項目について、不定期小出しでもいいので、BigDipperさんの気が向いたときにでも、関連記事をアップしてくださるとありがたいのですが。(また、こういった項目について撮影できているのであれば、ぜひ見たいです。)

よくわからないので、あっけらかんとお聞きしていますが、何らかのかたちで支障がでる項目や言葉は、そのままスルーして頂いたり、伏字消去してくだされば助かります。

もう一方へ質疑メールすることも考えたのですが、むしろそちらのほうがご迷惑かと考えここに・・・。

おいおい一つずつお聞きしていこうとも思ったんですが、それじゃあラチが開きそうにないので、一気にお送りしておくことにしました。

(あまりに長いので、次コメに分けます)

[繁殖に関して]
時期(季節)
巣の素材とサイズ(直径、深さ、重さ)
タマゴのサイズ、色、数
孵化までの期間と孵化率
抱卵はするのか
ヒナのダイエット(食餌)も含めた子育ての方法
求愛行動と交尾
つがいの役割分担
オスとメスの見分け方
クロスブリード(雑交配種)は存在するのか

[寿命や一生の流れ]
オス、メスそれぞれ何年生きるのか
若、成、老年期の身体的特徴
繁殖は何歳~何歳まで可能なのか

[渡りと1年の過ごし方]
1年の流れ
渡りに要する時間と時期
各滞在地での滞在期間
帰りのルート
渡りで飛ぶ距離と高度
海上で、どうやって休んだり寝たり食ったりするのか
集団で飛ぶのか→く形による整流を行なうのか
どうやってナビゲーションしているのか(まさかナビ持ってるんじゃ・・・)

[飛翔に関して]
飛距離や高度
最高到達速度

[猟]
狩猟は認められているのか(日本以外を含む)
密猟の方法
密猟についての対処法(特に国内)
ワシの利用価値→肉、羽、工芸品や祭(催)事品としての消費量(日本以外を含む)

[歴史]
戦前、戦中、戦後の人との関わり合い
まだ蝦夷と呼ばれていたころのアイヌの人々や、松前藩との関わり合い

[調査方法]
現在行なわれている調査方法の種類と特徴、利点と問題点
脚環
発信機
巣にCCDを仕掛けるのか
体にCCDを仕掛けるのか(んなアホな?でも他の鳥種では背につける実例があるようなので)

[その他]
ダイエット(食餌)の種類と、一日あたり取らなければならない食餌量(カロリー量)
ペレットは吐き出すのか
寿命以外の死因→天敵や公害、事故、病気について
病気の種類と症状、致死率→ウィルス、疫病、伝染病、ダニ、疥癬、その他
病気と高密度な生息との関連性→イッキに蔓延して絶滅の可能性と過去の実例地域は?
病気は人や他の鳥獣にうつるのか
視力
ワシの五感の中で、もっとも発達している感覚は?
ワシは潜るのか→水中に顔や体を突っ込んで魚を獲ることはするのか
首の転回角度
ボディランゲージによる意志表示の見分け方(ディスプレイ?飛び方?喜怒哀楽や威嚇、服従のサイン)
鳴き声による意思表示の見分け方(どんな鳴き声がどんなサインなのか)
ワシは群れることもあるようだが、リーダー(アルファ?)はいるのか。また、例えば日本猿のように群れとしての統率行動を行なうのか。


そんなあきれた顔、しないで下さい。傷つくじゃないですか。
以上、日々の記事や画像を読んでいて、浮かび上がってきた項目であり、BigDipperさんにも責任の一端があります!(と、こうなったら開き直るしかない)

そちら側のメリットとしては、これさえわかれば、私のコメ字数は劇的に減るかも知れません?

せっかく延々と書いてもらったのに何ですが、
ご質問にお答えするだけのデータを持ち合わせてないので、
お答えできかねます。

そもそも提示された質問事項にすべて答えられるようならば、
私は底辺の三流カメラマンなどやっておらず、
とっくの昔にオオワシで博士号でも取ってます(笑)。

なのでもっと博識な研究者か学者にでも、
質問してみてください。

では悪しからず。

そうですか。
ありがとうございました。

また数日後にお会いしましょう。

それでは、BigDipperさんの北海道行が成功裡に終わりますように。

この記事へのコメントは終了しました。

« 風強く、ワシ少なく | トップページ | 穏やかなり根室海峡 »