小さい花の戦略
朽ちかけた倒木の上に咲くスミレ一輪。
倒木の栄養を糧にして、次代の森を育むことを倒木更新と言いますが、このスミレの場合はそこまでの遷移ではなさそうです。単に倒木上に溜まった土砂に、偶然落ちた..もしくは最初から種子が混ざっていた..スミレの種子が発芽しただけのようですね。周囲よりも高いので日当たりが良く、尚かつ他の植物が根付くほどの土もないので、スミレのような小さな花だけに与えられた偶然の産物と言えるでしょう。
ちなみにスミレは、春先のまだ気温が低く、他の植物の成長が鈍い季節に花を咲かせます。これは他の植物よりもいち早く発芽して成長することで、背が低いという弱点..周囲に丈の長い草が生い茂ると日光を十分浴びることが出来ない..をカバーしているわけです。小さい花には小さいなりの、厳しい自然界を生き抜くための強かな戦略があるわけですね。写真のスミレは、偶然とはいえまさにその戦略が当たったことを意味します。
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