神々の遊ぶ庭
十勝岳より重い機材背負って縦走の後、カムイミンタラ..アイヌの民の言葉で「神々の遊ぶ庭」の意..と呼ばれる大雪山系旭岳に到達、神々の庭先にお邪魔して、亜高山系の鳥や小動物撮影に挑むの図。ここ旭岳周辺では、本州なら標高2000m超級の山々でなければ見られない鳥を、1600m付近で容易に見ることができるのだ。ちなみに2291mの旭岳は、道内最高峰の山である。
ここでは昔はあまり見なかったよなぁ、と思う鳥がカッコウ。基本的な習性として彼らは託卵を行う。言ってしまえば託卵先となる仮親さえいれば、たとえそこが平野部の河川敷であれ亜高山帯であれ、どこでもやって来るとも言える。他のトケン類だと、ホトトギスはウグイス、ツツドリはセンダイムシクイ、ジュウイチはコルリを中心とした小型ツグミ類やヒタキ類と、それぞれ概ね仮親は決まっているが、カッコウは割と無頓着なところがあって、オオヨシキリなどのムシクイ類の他、ヒタキの仲間ならノビタキ、それにモズやセキレイ類にも託卵することが知られている。特定の仮親に縛られることなく、幅広く託卵することで種の存続を図ろうとするカッコウは、他のトケン類よりも巧みな戦略を進めていると言ってもいいだろう。
ところで写真のカッコウだが、神々の庭先で彼らに託卵されるような種を探したところ、ハクセキレイぐらいしか見あたらなかった。ノビタキも年によっては繁殖することがあるような話であったが、そもそも数が少ない。ここで一番多く見られるのはノゴマなので、もしかしたらノゴマに仮親としての白羽の矢を立てているのかもしれない。
先月雪解けしたばかりの大雪に、花の季節が訪れるのはまだ一ヶ月先のこと。エゾツガザクラはまだつぼみの状態で、今はミネズオウがちょこっと咲いているだけ。本土で登山や縦走には興味はないが、高山植物のお花畑の季節に、一度は来てみたいと思わせるあたりは大雪の偉大なところだ。
iVIS HV30(TSN-774)
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以上、一部にフィクションを含みつつ(笑)、道央ラウンドは一旦その幕を下ろす。
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