山野の秋の花
ススキが穂を付けるなんて言うと、下界の人たちは秋をイメージするかもしれませんが、山間地や高原では8月ともなると普通に目にするようになります。意外に知られていませんが、ススキはいわゆる萱、つまり萱葺き屋根に使われる材料のことで、その昔まだ萱葺き屋根が一般的だった時代には、沼地などの湿地や谷地などから大量に採取されていました。今はもう建材としての役割を終えており、湿地は埋め立てられ、谷地は植林地へと変わっていたりします。何れも人の生活様式の変化に伴う、里山環境の消滅要素と言えますね。
山野はまだ深い緑に覆われています..植林地は一年中だけど..が、日当たりの良い草地には秋の花が咲いています。これは多年草のツリガネニンジン(釣鐘人参)で、本種は普通は薄い青紫の花を付けますが、写真のは珍しい白い花です。花の形から釣り鐘の名がありますが、人参というのは根が朝鮮人参に似ているからで、本種の根も漢方生薬として扱われます。
オトコエシも秋の花ですね。和名の男郎花は、女郎花(オミナエシ)の対比から付けられたそうで、オミナエシに比べて大きく毛深いからだとか。もっとも、オミナエシは黄色い花を付けるので識別は容易です。
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