身近な命のつながり
考え事しつつ仕事場から窓の外を眺めていると、強風をついてキジバトが猛烈な早さで飛んでいくのが目に入りました。もしやと思うが早いか、キジバトの後を追って窓のすぐ近くを横切る鳥影が。その影はあっと言う間に先行するキジバトに追いついたと思ったら、急上昇の後に反転して上からキジバトに衝突、一瞬の間をおいてパッと羽毛が飛び散るのが見えました。ぶつかった影とキジバトはそのまま畑の中に落下したようで、ここで双眼鏡を手にすることができマジマジ落下点付近を確認すると、雪が溶けて地面が露出した畑にキジバトを押さえ込んで仁王立ちしていたのはハイタカの若い雌でした。
カメラマンとしてはカメラかビデオを用意したいところですが、開けた畑の真ん中での捕り物なので、直にカラスに見つかって追い回されるのは必定。キジバトの息の根が止まると同時にすぐに目立たない場所へ移動するのは経験的に判っていたので、ここは観察に徹することに。結局1分もしないうちに、重そうに片脚にキジバトをぶら下げた彼女は、農道を飛び越して向かいの杉林へと消えていきました。
この後すぐにカメラ片手にハイタカの消えた杉林付近を探索。どうもそのまま通り過ぎていったようで見つけられずじまいでしたが、デスクの上に常に置いてある双眼鏡を手にするヒマもない、ホントにあっと言う間の出来事でした。冬季に餌台を設置するようになってから、家の周辺にハイタカが居着くようになったのには気付いていましたが、そうそうハンティングが成功するものでもなく、一冬に何回か空振りに終わる姿を見ています。今日襲われたキジバトは我が家の庭にいたわけではないですが、人為的とは言え餌台とその周辺一帯に小さな生態系ピラミッドが形成されつつあり、今日昼間見た捕り物もそんなシーンの一コマと言えるでしょう。家の目の前という身近な環境で、食うか食われるかという生きものの命のつながりを有り難くもマジマジ見せてもらい、キジバトとハイタカには感謝合掌です。
家人が余ったご飯粒を乾燥させて置いているせいか、我が家の餌台はスズメ一家にほぼ占領されつつあります。キジバトが襲われていた時点では、蜘蛛の子を散らすように皆一斉にどこかに逃げていたようですが、ハイタカが飛び去ってからしばらくすると再びスズメたちで賑わう状態に。明日は我が身と心得ているのかどうかは知るよしもありませんが、端から見ている限りはとりあえずは我が世の春を謳歌しているようで、何となく太平楽な一家です。
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