臭いけど有り難い
「白いザゼンソウを見たことがある」という初老のおっさんの言葉に、すかさず「それはミズバショウじゃないの?」と突っ込みを入れていた奥方と思しきおばさん。ザゼンソウもミズバショウもどちらもサトイモ科に属する近縁種なので、おばさんの突っ込みはさすが。が、実は白いというか、その独特の色素が抜けてしまって、見るからにミズバショウのなり損ないのようなザゼンソウもあったりします。だいぶ以前に尾瀬で撮影した憶えがあり、記事を書くに当たってちょっと探してみたのですが、なにぶんフィルム時代の話なので見つけられませんでした。
ミズバショウ同様に全体を包む仏炎苞は葉っぱであり、その内側に包まれているベージュの円柱にある小さな突起物が花です。ザゼンソウは開花の際に熱を発して、臭い匂いを放つことから、英名では「Skunk Cabbage(スカンクキャベツ)」と呼ばれています。匂いを放つのは主にハエなどをおびき寄せるためであり、見た目異形なれどれっきとした虫媒花でもあります。
ちなみに座禅草の名前の由来は、その見た目のイメージのまんまで、達磨大使が座禅を組んでいるように見えることから付けられたようです。そう思ってあらためて見ると、何だかとっても有り難そうに見えるから不思議なものですね。
仕事で裏山の裏へ出張った帰り、沼の窪の群生地に寄り道。冬型で風が強かったせいか、今が見頃だというのに閑散としていました。
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