130年の歴史を持つ大手写真用品の老舗、イーストマンコダック社の米国連邦破産法の申請という報は、コダクロームで育った世代にはややショッキングなニュースでした。法人が異なるので国内での活動はそのままとのことですが、まったく影響が無いとは言えないでしょうね。
それにしても、コダックはデジタル黎明期にはキヤノンと共同でデジタル一眼レフカメラを開発していたはずですが、どこかで新たな時代に乗り遅れてしまったようです。デジタル時代になって、技術革新のサイクルは早まる一方であり、映像素子などキーデバイスに早くから投資・研究してきた企業..コダックが1975年に最初のデジタルカメラを開発していた話はちょっと驚き..だけが勝ち残る図式は、今後もさらに加速していくことでしょう。今回のコダックだけに留まらず、ソニーにカメラ事業を売り渡したミノルタや、あちこち身売り話が降って湧いているペンタックス..結局リコーに落ち着きましたが..など、デジタル時代になってから業界そのものが流動的になってきています。昨年末からドタバタしている某O社なども、うかうかしていると不採算のカメラ部門など切り離してしまうかもしれません。
コダックの製品が市場から無くなるとかそういう類の話ではないものの、負債総額は五千億を越えると言いますから、どこか大手銀行グループ辺りから融資でも受けないと、まずかつてのような隆盛を見ることはないでしょう。個人的にフィルムを使わなくなって久しく、今後も復権することは無いと考えており、特にコダックがどうなっても関係ないと言えば関係ないのですが、露出のさじ加減の難しさなどKR64で覚えたこともあって、まあちょっと憂いてみた次第です。

今日からちょっと南へ出張。道中、久しぶりに陽のあるうちに間近に富士山を拝むことができました。