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2012年2月21日 (火)

アップばかりが能じゃない

動画の場合、そのシーンが最終的にどのようなシチュエーションで視聴されるのかを、十分意識して撮る必要がある。せっかく撮った映像を色々使い回ししたいとは思うが、やはりそこには視聴に適したフレーミングというのがあるのだ。


動画配信サイトなどWebで動画を視聴する場合、PCだどモニターサイズが千差万別であり、特にスマホにタブレットそれにノート型ともなれば、視聴サイズはことのほか小さく、主題が沈み込まないようアップで見せる工夫をすることが望ましいだろう。もちろん、この場合は表現上の単なるアップではなく、小さいモニターサイズで大きく見せる技術的な意である。


しかし、これが一般放送(含むビデオ視聴)となると話は変わってくる。地デジ化で液晶テレビが一般家庭に普及した昨今、50インチもの大画面で、主題のアップを延々と見せられるのには少なからず問題はある。ハイビジョンを活かした高精細な映像の中に、適切なサイズで主題が表現されるのが理想というものだ。これは今後4Kになれば尚更の話なのである。


そしてこれについては博物館など展示用の大型スクリーンでも同じことが言え、つい先日もそのような映像のオーダーがあったばかり。素材屋としてはそういったニーズにも応えられるよう、たとえそれが生きものの映像であっても、可能な限りバリエーションを用意しておきたいのである。


ま、そうは言っても生きものの場合は一期一会のケースがほとんどで、じゃ次のシーン行ってみよう、みたいな訳にはいかないことがほとんどなのだが..


20120221.jpg

デジスコばやりの昨今、鳥など撮るとついアップで寄りたくなるのが人情。しかし、動画に限らず、鳥のどアップ写真など何枚見せられても何も感じないし、そもそも面白くも何ともないのである。こういったシーンはあくまでインサートカットに過ぎない。


20210221b.jpg

どう見せるかという演出上の都合もあるので、アップの映像があることに何ら問題はない。が、やたらめったら望遠を使ってアップばかりでは、正直演出も何もあったものではない。適切なフレーミングで押さえたロング(引き絵)に、意図したアップがインサートされるのが望ましいのである。もちろん、個人的にロングが好みだということは否定はしないが..

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