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2012年4月の27件の記事

2012年4月30日 (月)

ボソの寝床事情

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桜前線は本州を北上し、青森辺りまで到達したようですが、急峻な山稜より冷涼な風が吹き下ろす雪国の寒村では、今まさに桜満開。

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ハシボソガラスは里山のカラス。古より人里近くの林に居を構え、人の生活圏に遠からず近からずの距離感を好みます。近年、都会で生活するハシブトガラスが、ハンガーなど使って巣を造る例が増えているように、農村部での造巣にも農業資材などの新建材..写真の巣にはビニール紐が数カ所で使われている..が用いられています。野生ゆえ、決して人に媚びるような生き方はしない彼らではありますが、使えるものは何でも利用するしたたかさも、それなりに持ち合わせているということの証明です。


2012年4月29日 (日)

田の春はこれから

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雪国ロードも奥山から平野部へと移動。里の田んぼはまだ田起しもされていない状態で、雪解け水には春の雪形が映り込む。ヒバリが足早に餌をついばむ傍ら、近くではツバメが巣材となる泥を集めていていた。


2012年4月28日 (土)

奥山の春の息吹

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雪国の奥山はまさにこれからが春本番。展葉直前のブナの褐色の鱗片葉は、春を待ちわびる奥山の早春の息吹。

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まだ落ち着きなく樹冠を飛び回るキビタキのいる日当たりの良い南斜面では、少しずつ根開けが目立ち始めています。ブナの幹を伝うお天道さまのエネルギーが徐々に増して、林床の雪解けも一気に進んでいきます。


2012年4月27日 (金)

続・雪景色逆戻り

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なんかエライ危なっかしいところをトラバースしていますが、先日から雪国のさらにその奥山に入山中。斜面から流れでた堆積物で辛うじて雪解けを認識できますが、終日雪上に立っている上に陽も射さないので、底冷えがして装備はまんま冬のままです。周囲でオオルリやクロツグミが鳴いてなかったら、とても春とは思えません。

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度々記事に登場いただいている仕事仲間のO君。いざ出陣ってな雰囲気ですが、しかし一体何でしょうね、この装備。私の倍はあろうかという物量です。とても同じ目的で入山とは思えません(苦笑)。「定点でより快適に過ごしたい」と以前に宣っていたのを覚えていますが、もしかしたらこの季節はストーブやこたつ、夏は扇風機とか運んでいるのかもしれませんね。何れにせよ、超人的なパワー無くしてこの荷物を延々と往復10kmも運べませんって..


2012年4月26日 (木)

早くも新緑

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みちのくロードを早めに終えて、雪国へと飛来中。標高の低い谷の入口付近は、早くも新緑模様。ツツドリは今シーズンの初トケン。今日は雨だとばかり思っていたら、風が強いだけで大したことなく助かりましたが、雨対策が裏目に出て暑い暑い..


2012年4月25日 (水)

ワシとクマの住む森

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みちのくのブナの森は気持ちいいほど晴れ渡り、汗ばむ陽気に雪解けも進んでいます。

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ブナの森はクマの森。大木の幹にはあちこちその痕跡が見られます。

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クマが好物とするミズバショウは、成長すると葉っぱだけやたら大きくなって、世間一般で持たれているイメージを損ねますが、このくらいのサイズがまあ鑑賞にはちょうど良い感じでしょうか。それにしても、北海道やみちのくでは、山地の湿地や林道脇に普通にミズバショウが咲いていたりします。これが我が郷里だと、わざわざミズバショウの自生地..尾瀬や玉原など奥利根エリア..まで行かなければなりませんから、やはりこちらは緯度が高くより寒冷であることを証明..本種は北方系の植物に分類される..していますね。

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そして今日も陽炎にゆらゆら揺れるクマの姿を。こう連日似たような環境下でクマがうろつく姿を見かけるようだと、冬眠明けのラッシュだったのかと、ついぞ勘ぐりたくなりますね。何れも単独で遠目にも大きいのが判るので、雄であろうことも想像つきます。

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そしてこちらも陽炎ゆらゆらの天狗様。こうしてワシとクマが生息しているというこの自然度の高さこそ、未来永劫守られるべきみちのくの、いや日本の素晴らしき共有財産。経済性を優先したつまらん観光地化された場所でなく、こうしたエリアこそ日本が世界に誇るべき自然遺産だと断言できますね。いやマジこれ本音です。

2012年4月24日 (火)

雪景色逆戻り

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マンサクなどと並んで早春の黄色い花の一つであるバッコヤナギが満開。ヤナギの仲間は総じて花が早いですが、バッコヤナギは雪景色に似合いますね。

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昨日は終日春の雨で、それでいて今日は比較的気温が高かったせいで、午前中は視界が霞でボンヤリとしていました。遠い谷奥の尾根伝いの雪庇下を、今日も冬眠明けのクマがゆるゆると歩いているのが目に入りました。

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先週までは桜咲く春を満喫していたのが、今週は一転して雪景色へと逆戻りです。でも春はしっかり進行中で、渡来したてのクロツグミがキョロンキョロンと到着の歌を奏でていました。


2012年4月23日 (月)

生きる自由と死ぬ自由

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意図的にこの人たちに探しているわけではないですが、スコープの視野の端にうごめくものあれば一応確認。時期的にはそんなものかと思いつつ、上州人にはこの雪景色にこの影はまだ違和感あります。と言うか当の本人たちが一番そう感じているかもしれませんが。今出てきても食べるものに困るとは思いつつ、劣悪な飼育場よりははるかにマシでしょうか。生きる自由と何より死に際を選ぶことが出来るだけ..


2012年4月22日 (日)

日本にも氷河

昨秋、立山連邦の一つ剱岳の三ノ窓雪渓の一部が、厚さ30mにわたって年に4mほど下方に移動していることが判明。国内で初めて氷河として認められ、来月に日本雪氷学会にて論文発表されます。

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懐かしい若き日の変なのが写り込んでいますが(苦笑)、写真は記事の舞台である立山連峰の一角です。

神の山、神の鳥

雪や氷など万年雪が溶けることなく圧縮され、複数年にわたってほぼ恒久的にその状態を維持し、尚且つ重力による自然移動など流動的な状態のいわゆる氷の塊を指す、というのが氷河の定義になるようです。

氷河期だった1万2000年前頃には国内にも氷河は存在しており、その名残が日本アルプスや北海道の大雪山系にカール地形として名残を刻んでいますが、間氷期で温帯に区分される現在の日本に氷河はないとされる意見が大勢でした。それでも戦前、立山周辺に氷河が存在するいう説を唱えた学者が京大にいたそうです。ただ、現地は専門的な登山家でも近づくのは難しい..明治期、剱岳を含む立山一帯は、一等三角点の設置に最後まで苦しんだ山塊で有名..上に、そもそも堆積した氷の層が流動していることを測る装置が無かったため、今日まで真偽の程が棚上げされてきた経緯があるようです。

ヘリなど航空機が発達している現代なら、空から見てすぐ判りそうなものですが、前述のとおり氷河は流れていることが条件の一つなので、夏でも溶けない雪渓があったとしてもそれは万年雪でしかありません。それが近年、携帯性に優れたアイスレーダー(氷の厚さを測る装置)やGPS装置(移動していることを測定する)などが開発されたため、今回の発見..先達の苦労をしのべば「認定」が正しいのかな..となりました。

先に日本は温帯に区分とは書きましたが、積雪の基本となる降水量は偏西風の影響もあって非常に多く、3000m級の山塊を擁する本州中央高地の積雪量は世界有数です。よく北海道は雪が多いと思われがちですが、単純な年間累計では本州のほうがより多雪です。以外に知られていませんが、滋賀県と岐阜県の県境に位置する伊吹山山頂で戦前に観測された11.83mが、90年経った今でもギネス記録として残っています。

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日本と同じように年間降水量の多い南東アラスカは、極地に近い緯度の関係で数多くの氷河が見られる。4000m級の頂にある氷河も、いずれは海に帰る時が来る。

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氷河はその自身の膨大な重さで少しずつ高きから低きへ移動する。それが氷の河、つまり「氷河」の名を表わしている。

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氷河が海に流れ込むまさにその河口。横縞は永い年月が生んだ積雪の圧雪状態を現しており、縦縞は下流域で谷が狭くなって急激に横方向から圧力が加わったためにできたひび割れである。

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突然静寂を破り、轟音とともに氷の壁が崩れ落ちる。気の遠くなる年月を旅してきた氷が、あらゆる水分の源である海へ帰る瞬間。この後、船が大きく揺れることとなる。

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氷河に近づくと、Glacier Blueと呼ばれる何とも不可思議な青さが眼を引く。冷蔵庫の製氷室などで作られる氷は、空気が多く混ざっているため気泡が多く、可視光線のほとんどが反射して白っぽく見える。その点、氷河の氷は長い年月をかけてその自身の重さで圧縮されているため、密度が高く空気が含まれておらず、それ故に波長の長い赤は吸収されてしまい、波長の短い青が反射して見える。これは海の色が青いのと似た理由だ。

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アラスカの中央高地にあるポリクロームパス。そこから望む眼下に広がる地形は、はるか昔に氷河が削った通り道。氷河期も終わり氷河はアラスカ山脈まで後退しているため、今は氷河を源とする冷たい流れを望むことになる。

日本初確認の氷河。可能であればいつか見に行ってみたいものです。南海の珊瑚礁から流氷浮かぶ北の海、そして氷河戴く高地まで、つくづく日本列島は多種多様な気候と自然環境に囲まれているんだなと感慨深いですね。

2012年4月21日 (土)

クマは可愛いもの?怖いもの?

先日の秋田八幡平の熊害事件。雪の吹き溜まりの山を登ってヒグマが場外へ脱走、ってまるで小説「ファントム・ピークス(北林一光著)」のワンシーンのようだ。

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しかし日本人はクマ牧場が好きな民族である。動物園ではそれほど人気もなく地味な扱いを受けているのに、なぜかクマ単独..ここではヒグマもツキノワグマもとりあえずクマとして扱う..で牧場なるいかにも適当な名称で一ヶ所に集めて集客しているのだ。

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季節を問わずクマが里に姿を見せれば、やれ異常出没だの何だのと大騒ぎしてさも害獣的な扱いをするくせに、その反面、古くからぬいぐるみや、近年ではゆるキャラなどでキャラクター化して、幼少期からクマは可愛い生き物であるという刷り込みを行なっている。

凶暴性を覆い隠して眺めてみれば、クマはその風貌からおっとりしたイメージがついて回る。動物園の囲いの中でバットをクルクル回したり、サーカスで一輪車など乗っている姿はたしかに滑稽。しかし、ひとたび野生の深淵に生きるものが持つ、その秘めたる強大な力が遺憾なく発揮された時、人ごとき脆弱な生きものはひとたまりもなくあっけない。

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クマは季節によって餌場に集まることもあるが、基本は群れずに単独生活をする。このような生活環境が彼らにとって好ましいはずはない。

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「よう、元気か?こっちはまあまあ上手くやっているよ。」と言ったかどうか。などと檻の外から眺めているうちは笑っていられるものの、同じ立ち位置に着いた時点で人はクマよりも下位に順位付けされるのだ。人よ、くれぐれもおごる事なかれ。


クマ騒動あれこれ

フードコンテナ

クマとの遭遇、その時あなたは..

2012年4月20日 (金)

沼田桜咲き始め

天狗様の古巣を双眼スコープの視野中央で捉えると、何と予期せぬ白いものが動いているではないですか。ここのペアは今年は途中で放棄したとばかり思っていたので、思わずヤッター!と叫んでしまい、慌ててビデオのRECをレリーズ。距離にして2kmほど離れているので、陽炎の影響でボヤボヤですが、モニターに映し出される白い物体はまさにお雛様のそれ。もう気分はルンルンで一人ニコニコしていたところ、その影にもう一つうごめく白い物体がいるではないですか。おー!これはもしかして2羽ふ化したのか!だとすれば国内の野生下では自身初。

間違いないかと震える手でデジタルズームで拡大、凝視すること3分。確かに複数のお雛様。それも3羽。アレ?3羽?それはいくらなんでもねぇ。おや?そう言えばよく見ればお雛様たちは巣材の上ではなくその隣りの露岩した岩の上にいるような。と、ここでモニターのフレーム内に飛び込んできたのはハヤブサの雌。えーーーー!そ、そういうオチで良いのか、これ..

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ハクビシンはご近所界隈では目下の最重要指名手配犯..今が旬のイチゴ農家の被害は相当なもの..であるため、捕殺駆除されても同情する余地はありませんが、この手の交通事故死は痛ましくもありますなぁ。このご立派な道路はつい最近開通したばかりで、まだ動物たちに認知されていないので、当分はこの手の事故は止みそうにないです。写真には写っていませんが、左手のアカマツ林にはカラスとトビが待機しています。ちなみに私が轢いたわけではないので念のため..

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沼田公園の桜はようやく咲き始め。とっくに桜まつりは終わってしまったので、何ともバツの悪い話です(苦笑)。

ところで、午後は桜絡みで突然の撮影依頼。昼飯頬張りながらのんびり天狗様を観察中でしたが、良い企画がまとまった..思いつきとも言う..とかで携帯呼び出し。急な話で他に頼める相手もいないので、観察中断で沼田へ慌てて取って返し。しかし、あいにく手持ちの車載機材は先日のままで、EOS-1D4とEF100-400ISのみ。さすがに130mmじゃあバストアップがせいぜいなので、ジムニー号のガラクタ箱こんなこともあろうかとでお馴染みの真田箱..このフレーズが分かる人は同世代だ!..から、トラップカメラ用パーツの残骸備品よりEF28-90(古っ!)と550EXをサルベージ、コンビニで単三電池ゲットして無事ミッション完了。逆境を乗り越え、依頼された仕事を完遂することこそ真のプロフェッショナルの姿というもの。え、備えが悪いだけだって?ええ、まったくその通りです、ハイ..


2012年4月19日 (木)

白絨毯

林道を5kmほど歩いて目的地についた途端、頭上を大きな影が横切りました。影の主は低空でブナ林上空を探餌中の天狗様。カメラ、カメラと慌てて周囲を探るも見当たらず。あれ?まさか、とここで背中に冷たいものが流れるのを感じるとともに、脳裏には最後にカメラを見た際のイメージが。そう、最後にカメラ(EOS-1D4+EF100-400IS)を置いたのは、林道入口付近に駐めたジムニー号のボンネットの上。紛れも無き放置プレー状態に、ガーン、やっちまったぜ..

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この季節の県北の山間部には、少量ながらまだ残雪が見られます。林道が日陰気味であることと、県境部から吹き降ろす冷涼な風で気温が上がらず、雪解けの進行が遅いのが要因です。さすがにスノーシューの類は必要ありませんが、行きはよいよい帰りは何とかで、復路は雪が腐って歩きづらい事この上ないですね。

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季節が混沌としています。夏羽のカシラダカやアトリが群れていたかと思えば、ブナの梢にはオオルリの姿が。林道の入口付近ではツグミの脇でキビタキが鳴いていたりして、にわかに冬夏混合状態です。

午後遅くにトボトボと林道を下って降りてくると、愛しのジムニー号の姿が。平日とはいえ釣り人?の姿もチラホラあって、さすがにカメラはねぇだろうなぁ、とボンネントを見やると、まさかの放置プレーそのまま状態。当然thinkTANKPhotoのホルスターもそのままで、中を開けてみても特に何かが持ち去られた様子もなしで、ホっと胸をなでおろしました。借り物のEOS-1Dはともかく(オイオイ)、私のEF100-400IS(実は二代目)は、評判の悪い望遠端でそこそこの切れ味を見せる、いわゆる当たり品。これを盗られたりしたらもうショックのパーでバラバラになる..これが判る人は同世代だぜ!..かもしれません。まあ、何はともあれ良かった、良かった。T君、どうもお騒がせ。EOS-1D4は無事だよん!


2012年4月18日 (水)

四十雀の住宅事情

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某所で車を駐めて降りたところ、いきなりシジュウカラのカップルに威嚇されました。よく見ると、駐めた車の前で巣材をくわえたシジュウカラ(多分♂)が右往左往しています。その様子から近くに巣があるのは明白だったので、車を少し離れた位置まで移動させ、しばらく動かずに様子をうかがっていると、巣材をくわえたほうの個体が近くのあるものに入って行きました..

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あるものというのは、電柱から地面に張られたワイヤーに、安全対策で被せてある黄色い樹脂製のカバー。ワイヤー自体は電線の終端に立てられた電柱によく見られるもので、電線の張力に反発して釣り合いを取るためのものです。シジュウカラはそのワイヤーの通る穴から出入りしており、よく見るとカバーの中には巣材らしきものが詰め込まれているのが判ります。家主がいなくなった隙にしげしげ観察してみると、材料は枯れた草を中心に、スギやヒノキの落ち葉などが使われていますが、驚くべきはその量。カバー自体は2m近くあって、その下からほぼ私の目線近くまで、隙間なくぎっしりと詰め込まれているのです。

まだ造営中のためか家主はすぐに戻ってくるので、あまりジロジロ見るのは控えました。それにしても、あの小さな体でここまで作り上げるのに相当な労力が要ったと想像しますが、市街地でなく周辺には農耕地やそこそこ雑木林なども点在しているのに、わざわざこんな場所に巣作りするとは、当のシジュウカラも何とも酔狂なもんです。

ちなみにこの後一段落したのか、シジュウカラカップルはしばらく留守にしていましたが、その隙を狙ってスズメのカップルが覗きにやってきていました。苦労して作った愛の巣を、くれぐれも余所者に乗っ取られないことを祈っています(笑)。


2012年4月17日 (火)

伏兵は黒手品

意外なところにいましたねぇ、ダークホース。まさかのBlackmagic Designから、まさかのシネマカメラが登場。シネマというだけあってテレビ屋無視の24Pメインなので、流行り?のハイスピードや60Pは非搭載なれど、何ともツボな2.5K(非圧縮 12bit Raw Cinema DNG)ときた!もう編集マン垂涎の解像度スペックに、何とProResでLog収録も可能らしい。何で2Kでなく2.5Kと中半端なのかって?、それは判る人には判るスペシャルな仕様なのだ。

そんな膨大なデータをどんなメディアに書き込むのかと思えば、256GBのSSDを本体内蔵で、あっちこっち流行りなれど邪魔臭いだけの外部レコーダーも不要。出力は4K並に3G-SDIで、これからのトレンドなるかのThunderbolt仕様。おまけにレンズは交換式で、EFマウントとFマウント対応!おぉ、どっちもいっぱい持ってるぞ(笑)。

さらにだ、どうだカメラメーカー見習えとばかりのその潔い形状が素敵。それだけ置いてあったら誰もデジタルシネマカメラだとは思わない。しかし何と言ってものインパクト大はその価格で、$3000とくれば国内では約24万円のバーゲンプライス。どうだ参ったかS社P社C社、おまけにR社。

最後に気になるセンサーサイズは意外に小さくスーパー16っぽい感じ。でもダイナミックレンジ最大13ストップと謳っているので、その辺りは抜かりはない、かもしれない?しかしポイントはそこではない。スーパー16はGH2などm4/3センサーより若干小さいのだ。それが何を意味しているのかといえば..(以下自粛)

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田舎の山間地に来るとよくある風景。梅も桜も桃も李もみんな咲き時一緒。ちょっとモヤってコントラスト眠いけど、雰囲気は桃源郷。


2012年4月16日 (月)

2K仲睦まじく

NAB開催中の彼の国では、ネットで探ると早くもNEX-FS700のサンプル?動画がちらほらアップされはじめている。FS700は4Kがウリっぽいところがあるが、目玉は何と言ってもハイスピード撮影(スローモーション)機能に尽きる。何しろPhantomなどウン百万円と超高価な機材を使わないと撮れなかった映像が、100万切る価格帯まで下がってくるのだから、これはもう価格破壊の何ものでもない。業務のことを考えても、企業PVや商品CMなどでは、3Dよりハイスピード撮影のほうが圧倒的に潜在ニーズがあると思われる。

ネイチャー分野での撮影では、あれもこれもとそれはもう様々なシチュエーションで使ってみたいところだが、しっかりとした絵コンテを描いた上で撮影に臨まないと、肝心なノーマル映像を取り逃がすことになりそうだ。個人的には60P、最大でも120P(120fps)で撮れれば御の字である。少なくても安定的に1080/60Pがいければ、編集時でつなぐ際に色々試せそうである。

それにしても、ここに来て急にハイスピードづいている感があるが、これは4K撮影の付録みたいな機能と言えようか。4Kは単純に考えても2K(いわゆるフルハイビジョン)の4倍のデータ量をハンドリングする必要があり、かなり高速な映像処理エンジンが必要となる。最近発表されたV社の低価格4K機が、4枚のSDカードに4K映像を4分割して別々に書き込み、編集前に合成させるというかなりアクロバティックな仕様になっている点でも想像できよう。つまりその高いデータ処理能力があるからこそ、これまた同じように高速な処理を必要とするハイスピード撮影を実現できるわけだ。

昨年は3D元年とか何とか言われて3Dカメラが登場したものの、3Dは専用の器具を使わないと視聴もままならず、メーカーが期待するほどのニーズは掘り起こせていない。その点、ハイスピード撮影は動体撮影の分野で昔からニーズがあったため、安価に実現できるとなればそれなりに普及する可能性が高い。ただ、スチルの世界で言う魚眼撮影やHDR的なキワモノ機能でもあるので、何でもかんでもハイスピードって感じで、しばらくはゲップが出るほどその手の映像が垂れ流されるのは必定か(苦笑)。

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天狗様を遠距離観察中、頭上でピーピー鳴きながら寄り添うように飛ぶK夫婦。雄が背中に乗ったり、雌が反転してお互い足を絡め合ったりと、仲睦まじい姿を見せつけたあと、いつものアカマツ林に林内消失。春ですなぁ..


2012年4月15日 (日)

春のバタバタ

我が家の畑はGW明けが始動となりますが、その準備諸々は空いた時間にと家人よりせっつかれ、先日宅配で届いていた撮影班のデータをバックアップ..ワークフローはクラウド化していても動画データはさすがにHDDで一括です..する傍ら、こまめ(耕うん機)と草刈機の整備や農機具の刃砥ぎを行いました。ワードローブも春物に入れ替え、それに車2台をノーマルタイヤに換装したところで時間切れ。もう1台は週末になってからの対応とします。夕方からは地区の寄り合いに顔を出して後、来週の業務打ち合わせをSkypeで実施。ちょっとバタバタとした一日でした。

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ダンコウバイもやや遅め。懸案の桜前線は渋川辺りが満開らしいので、利根沼田は来週後半ぐらいになりそうです。Aさんよろしくねん..


2012年4月14日 (土)

春のヨンケーラッシュ

今週末に米の国の賭博の街でいよいよNAB2012の開催。おっと、カンファレンスは今日からだった。

先駆けてまずは先週発表のS社のNEX-FS700にはぶったまげた。まったく事前に情報がなかったので、やるなS社って感じ。もっともNAB前にアナウンスはしとかないとっていう配慮かな。FS700の何がスゴイのかというと、まずは外部レコーダーとはいえ4K出力ができること。ただこれには「将来的」というオチはあって、そのうち時期が来たらねっていうことらしい。まあ今4K出ても観る方法はないに等しいから、仕方ないといえば仕方なし、か。

そんでそんなこと?よりもウリなのはスーパースローモーション撮影を可能としている点だ!フルHDで120fpsまたは240fps..24P再生なら10倍だ..なんてまだ当分先かと思っていたよ、S社、脱帽。さらに垂直解像度を落として480fpsまたは960fpsもいけるとか。FS100には何故か実装されなかったNDフィルターの本体内蔵も二重丸。そして何よりお値段が予想80万前後とくれば、これはもうポストxx..各自で適当に当てはめよう..だね。ちょっとクラクラしてくるぞ、FS700..

そして今週。昨秋のCINEMA EOSの余韻も冷めやらぬ中、噂のHDSLRのヨンケー、いや4KモデルEOS-1DCがC社より正式発表。事前リーク情報ですでにお腹いっぱいであったためか、噂通りのスペックに特筆する目新しさはないものの、フルサイズセンサーからスーパー35mmクロップ何たらで4K動画を切り出し、それをMotion JPEGながらそのままCFに記録できるのは結構凄いかも。そうそう忘れちゃいけないのは、フルHDで60Pはこれからお約束ね。クリーンなスルー(4:2:2/8bit)が欲しければ、HDMI出力から自由自在、しかもモニタープレビューとのミラーリングも可。って、なんで5の3ではできねぇのよ!

ここで以前にも書いた純然たる疑問が再度沸々。何故に一眼カメラスタイルなのか、ってこと。映画製作向けを前面に押し出しているってことは、手で掴んで撮影するわけではないってことで、リグ載せしてアクセサリーゴテゴテがスタンダードなスタイル。HDSLRの形である必要性にどう考えても?が付く。と、想像だけども、4Kの膨大なデータを高速にハンドリングするためには、1DX相当の映像エンジンが必要なのではないかということ。つぅーか、そもそもそういう前提で1DXも開発されていたのではないか?と勘ぐるわけだ。C社は口には出さないけんど、傍目に見て某赤い撮像機を標的にしているはずで、あちらも4Kセンサーから案外きれいな静止画をバシバシ切りだすしね。そんな1DCの予想価格は噂で$12000〜$15000の間。で、1DCはカメラ部分は基本的に1DXとまったく一緒(のはず)。1DXが55万前後だとすると、ヨンケー対応で差分50万〜70万。う〜ん、ちょっと高くね?

がしかしである。そのような素人の下衆な勘ぐりも、$30000(予価)のCINEMA EOS C500の開発発表で雲の彼方にすっ飛んでしまうのである。300の下でなく、上から来るのかC社よ。貧乏人は下の100とかを密かに期待していたのに。一応、スチル撮影以外で1DCでできることは、ほとんど実装されそう。ただ、C500がスゴイのは、4K出力がCanon Log 10bitでBayer RGB RAW、つまり圧巻のRAW出力..CFカードへはC300と同じでMPEG-2 4:2:2のMXF..である点。センサーの画素数はほ同じながら、水平解像度は2倍近い1800TV本(C300は1000TV本)!ただ、記録はS社のFS700同様に3G-SDIから外部レコーダーへとなる模様。映画製作向けを標榜するなら標準のスロー撮影も、FS700には及ばない..つっうかここは完璧に後塵を浴びちゃってるし..ものの一応120fps行けそうな話。いやしかしまた書くけど、上からですか、CINEMA EOS。やっぱり貧乏な田舎カメラマンには、扱いやすくなった5の3買えってことか..

しかし華々しいその傍らで、EOS-1DXはひっそり三度の出荷延期、え、四度目か?もーどーなってんのよ一体、って注文者した人は怒るけど、注文してない人には関係ない話でやんす。想像するに相当な部分を1DCとパーツ一緒にしたくて、そっちに色々リソース引っ張られているんじゃなかろうか。でも6月中旬まで延期して、ゆかいなロンドン楽しいロンドン、ロンドーン、ロンドーン..このフレーズ知っている人は同世代だぜ!..は大丈夫なのか?え、どうなのよ、C社。

さらに追記。海外で噂になっていた5の3のイルミ点灯時に露出が暴れる問題、来ましたよCPSから連絡が。もう最近のC社品質悪すぎ。「地球の光をすべて受けとめるために」とか何とかCMしてるけど、自分のイルミの光まで受け取らんでも良かろうに。ま、とりあえず良かったオレ初期ロット買わなくて。あ、T君そういうことらしいから(何気に業務連絡)。

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春の進行が遅い。この時期にまだキブシがこんな感じ。やっぱ寒かったからかな。


2012年4月13日 (金)

ブトの寝床事情

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春、他の花に先駆けて花を咲かせ、優先的に虫媒花となるスミレ。新たに崩れて露出したような荒地の斜面にも、やはり他の種に先駆けて根付きます。こういった場所は再び斜面が崩れたり、大雨で表土が流れたりする可能性が高いので、決して好条件とは言いがたいですが、小さい花には小さい花なりの生き抜くための戦略があるという一つの例ですね。

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山中にひっそりと咲くヤマザクラも良いですね、などと書くと舌の根も乾いてねぇとか言われますか(笑)。

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英名でJungle Crowはいわゆるハシブトガラス。名前の通り本来は森林性のカラスですが、国内では都市部に多く住み着いていることが知られています。カラスの仲間は知能が高く、多種に比べても順応性があるので、都市(コンクリートジャングル)を森林に見立てて、水平から垂直まで空間を上手に利用しています。営巣場所も本来なら樹木に巣を架けたりしますが、都市部では人工的な構造物も利用しており、さらに近年は都市だけにとどまらず、たとえ人工物の少ない山間地であっても、写真のような高圧線の鉄塔に巣を掛ける例が増えています。利あって害なければあらゆる物を利用できるというのは、やはり進化の賜物なのでしょうか。


2012年4月12日 (木)

ニッポンの春

北に南に彷徨いているためか、なかなか良いタイミングで満開のソメイヨシノに出会えませんでしたが、ここに来て何とか追いついたようです。先日の春の嵐で散ってしまったかと心配しましたが、まだ道中何ヶ所かは愛でることが出来ました。ソメイヨシノは造花なので嫌いだとか宣う人もいますが、やっぱりニッポンの春は満開のソメイヨシノで決まりでしょう。

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ピィーヨ、ピィーヨと鳴きながら、愛のディスプレイをするノンちゃんカップル。ツミに追い回され、オオタカにはド突かれ、それでも愛を育みます。春ですね。


2012年4月11日 (水)

チヨチヨビー

昨日の南関東は、午後遅くに23℃という何かの間違いかというような暑さでした。おかげで今年初の上着なしシャツ腕まくり状態で、日差しを避けるために車のリアハッチの下に逃げ込む有り様。それが一転、今日は前線の通過で寒気が入ったようで寒さがぶり返し、強風降雨でカッパの着用を余儀なくされました。それでも午前中はすぐ近くでセンダイムシクイが鳴いて..チヨチヨビーと鳴いてその聞きなしが千代千代となるのでその名前がある..良い感じだったのですが、午後は視界も悪く今ひとつに..

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サクラーにサクラ。桜散らす強風がちょっと粋な計らい。サクラーというのはドイツのカメラサポートメーカーで、sachtlerと書いて英語読みでサクラー。ドイツ語読みカタカナ表記だとザハトラーとなって、日本の輸入代理店がザハトラージャパンとうこともあって、最近はザハトラーと表すのがスタンダードになりつつあります。でも昔から業界人は皆サクラーと読むので、通ぶるときはサクラーと読みましょう。ちなみにザハトラーをハトラーと呼称する人を時々見かけますが、ザハトラーのザは冠詞ではないので、そこを略しても全然通ではないので念のため。強いて言えばザハ、というのが良いでしょうね。


畦の春

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2012年4月 9日 (月)

水入れ

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桜満開とくれば田んぼに引水。さざなみ立てる春風が心地良く体にまとまりつき、ウィンドジャマーを揺らします。

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畦には未だツグミの姿が。どの個体も渡去を前に夏羽に変わり、そろそろぐぜりだす頃です。


2012年4月 8日 (日)

春爛漫

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家を出るときは氷点下5℃でしたが、所要で上京した上野のお山は、桜満開の花見日和。先日までの寒々とした雪景色が嘘のようで、まさに今ここは春爛漫。


2012年4月 7日 (土)

春なのに

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まだ降りますかぁ、春なのにまだ雪ですかぁ、とか何とか適当に口ずさみたくなる..中島み◯き?だったか同世代には判るフレーズですな..お寒い陽気です。出入りする北部フィールドは思いの外早くに積雪が減ったのですが、先日来の爆弾低気圧の最後っ屁の影響で、再び若干の積み増し。来週は時間の自由?が制限されるので、今日はちょっと無理して林道奥まで進入し、諸々確認踏査モード。お、真新しいピョン吉の足跡発見。

今日から某国営放送で始まったフローズンプラネット。ちょうど今この記事を書きつつ観ていますが、実に素晴らしい出来ですね。いつものBBCとの共同制作で、お得意のヘリジンバルによる防振望遠空撮に、Phantomによる徹底した超高速度撮影。まさにヨダレの止まらない垂涎の映像群に、スコッチが進む進む。中でもオオカミとシャチの統率のとれた群れによる狩りは圧巻。特にシャチがアザラシを捕獲するシーンは身の毛もよだつ凄まじさで、おそらく、いや間違いなく世界初の映像でしょう。いやホントに次回以降も楽しみです。しかし、こんなのを見せ付けられると、つい先日当発表された某S社のFS700..4K対応でかつ最大10倍速のスロー撮影が可!..に触手が伸びてしまいそうで怖いです(苦笑)。


2012年4月 5日 (木)

大荒れ出張

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一昨日から西の方へ出張中。台風並みの低気圧が本州を通過と聞き及んで、その前に移動を開始、一昨日は旅の途上の信州、先日からは西日本某所に滞在中。寒を逃れて西進したつもりが、関ヶ原通過中に4月の降雪に見まわれ、タイヤ換装せずスタッドレスのままで正解だったことを知る。今朝もまだ天候は回復せず、終日今ひとつな様子だが、今回の出張は撮影ではないのでとりあえずは問題なし。


2012年4月 2日 (月)

春の苦味

我が郷里である群馬は、"北"関東とかはたまた"南東北"とか揶揄されていますが、一応関東地方の一県です。それが証拠に某国営放送のニュースや天気予報は首都圏と同じものが放送されており、地方局による電波の切り替わりはありませんでした、先月までは。過去形なのは、実は今日からとうとう件の某国営放送で、群馬でも前橋放送局による独自放送に切り替わるようになりました。

以前は天気予報など関東北部で一括りで、まったく実態を伴っていなかった..関東北部はという表現はいわゆる"北"関東を指すのであって、群馬の北部は無視されていた..のが、今日から県内の行政区で予報されるようになり、みなかみはみなかみ、草津は草津、沼田は沼田といったように区分され、その辺りなどは便利になったと感じています。東京まで新幹線で1時間の通勤圏として、背伸びして首都圏の端っこに首を突っ込んでいましたが、平野部と違って利根沼田や吾妻などどう贔屓目に見ても首都圏とは言いがたく、まあ、何となくこれですっきりした感がありますね。

余談ですが、以前に鹿児島で群馬ってのはどこにあるのかと聞かれ、どう説明しても理解してもらえなかった..東北かと言われたのは確かその時..のを記憶しています。戦後、内閣総理大臣を4人も輩出しているのに、こんなに印象のない県は他に無いでしょうね。いざ来てみると、田舎のくせに妙に道路が良いとか言われるんですけどねぇ..

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フィールド2ヶ所をハシゴのつもりが、一つ目は着いてすぐに結論が出たため、足を延ばしてもう1つ寄り道し、都合3ヶ所を足早に諸々確認。2月半ば以降の降雪が思ったほどでなく、案外積雪が少ないので、各所とも立ち入りが楽になっています。今日はその各所でフキノトウを採取、この春初の山野の苦味を頂きました。


2012年4月 1日 (日)

天高く

ビジネスの世界では4月、つまり春は新たな時節の始まり。霞を食って生きていくわけにもいかず、おまんまを食うためには日夜働かざるを得ないため、そんな業務のカレンダーにやむなく日常を支配されていますが、ワイルドライフの世界、特に他の生きものを直接食って生きるラプターにとって、春は一つの通過点。

春の陽射しに再生する植物、陽気に誘われて這い出る虫たち、それらを子育てのアテにする渡り鳥を始めとした鳥たちや爬虫類など。より多くの餌量確保を期待できる春に照準を合わせ、戦略的にいち早く子育てを始めるラプターにとって、この季節は第二ステージ突入の始まりに過ぎません..

と、などと偉そうに宣ってみても、年度末事務仕事完遂で一区切りついた..一日遅れだけどね..ことに、ややホッとしているのも事実なり。ああ、やっぱり4月は区切りの時節かな。

20120401
ピーチクパーチク雲雀鳴く。今日もちょっと風強し。


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