小さな柿
ご存じの通り、柿は大別すると甘柿と渋柿とに分けられます。最近では品種改良で寒冷地でも甘く熟す種類もあるようですが、一般的に寒いところでは甘柿も甘くならずに渋柿となってしまいます。我が県で言えば、概ね渋川以北では甘柿は珍しいと言えますね。
渋柿の渋さはタンニンという成分にあり、これが水に溶け出しやすいことから、果肉の渋みが強くなります。アルコールに漬けたり干し柿にすることでタンニンは抜くことができるので、渋柿だから食べられないということではありません。実が熟して柔らかくなっても同じような効果がありますが、普通その状態で実を採ることはまれなので、大体どこでも鳥たちの餌になっていますね。晩秋の頃、甘党のヒヨドリやムクドリ、それにアオゲラ辺りを見掛けることが多いようです。
その昔、田舎で甘いものと言えば、あんこかイモくらいなもので、中でも柿は子供たちの大切なおやつとして重宝されました。大抵どこの家に行っても庭先や畑の畦に柿の木の1本も立っており、時期が来れば家族で柿もぎをする風景が見られました。が、今ではお菓子など甘いものが普通に出回るようになったため、過疎化が進んだことも手伝って、柿の木は実を付けたまま放置されることが多くなっています。そしてその結果、里山近くの野生動物たちを誘引する原因の1つになっています。最近では、そんな里に現れて柿の実を食べるクマを防ごうと、一般から参加者を募集して、クマより先に柿の実を収穫してしまう..もちろん柿の実はお土産で持ち帰る..イベントが、クマ対策の一環として行われています。
一応我が家にも柿の木があるのですが、何年か前にうっかり刈払機で傷つけてしまってから機嫌を損ねたとみえ、どうも実を付ける気配がありません。まあどうせ実が付いたところで甘柿にはなりそうもないのですが、鳥たちの餌にしたいと思っているので、それまではと辛抱しているところです。やっぱり柿は8年でしょうかねぇ..
写真は近くの防風林に植わっているシナノガキ。中国原産で柿の野生種に当たるらしく、その実は小さいですが熟せば食べられます。とは言えやはり寒冷地では甘くはならないので、誰も近所でも食べる人はいませんね。これから北風が吹き付けるようになり、天然の干し柿状態に近づく頃は、鳥たちが端からきれい平らげることになります。


最近のコメント