カテゴリー「尾瀬」の20件の記事

2009年10月28日 (水)

尾瀬冬鳥続々

今日は県民の日で、県下公立校は一斉にお休み。久しぶりに静かな尾瀬を堪能すべく、シーズンオフで穴場のアヤメ平へ出掛けてきました。今年は故あってガイド業を休んでいたため、尾瀬にはあまり足を運ぶことなく、秋は今日が最初..でおそらく最後かな..になります。もう草もみじさえ終わり、晩秋の枯れ野となった尾瀬でしたが、小うるさい観光客の姿もなく、期待通りに楽しめました。

ハギマシコにアトリ、それにマヒワにジョウビタキは冬鳥で、同じく冬鳥のツグミは今シーズン初認。漂鳥のカヤクグリにウソ、それにルリビタキも山を下りる準備中。人の姿もなく閑散としたアヤメ平付近でしたが、渡り鳥たちの渡来ににわかに賑わっていました。その鳥たちももうすぐ里近くまで降りてくることでしょう。

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この時期の尾瀬の風物とも言うべき、ヘリにより物資搬送。今日もひっきりなしに鳩待峠と湿原とを行ったり来たりしていました。尾瀬の観光シーズンは、山小屋の閉まる10月中旬には終わります。シーズン中は手を出せない木道の修復などは、これから根雪になるまでに行われるので、今日の荷もそのための資材が主だったようです。

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花豆ジェラートは片品村の銘品。尾瀬でも鳩待峠や大清水、沼山峠の売店などで食べられます。花豆の割合がかなり多いので、食感はややヘビーではありますが、尾瀬に来た際にはお勧めです。

2008年12月 2日 (火)

外から望む尾瀬と萩猿子

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今日は平野部は天気が悪かったようですが、北部山沿いは昨日に引き続き晴天に恵まれました。

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尾瀬と言えば一般的には尾瀬ヶ原を指すわけで、そこは山に囲まれた盆地状の湿地帯であるため、周囲から眺めて「あれが尾瀬だよ」とはなかなか言えません。それでも強引に尾瀬を示すとするならば、遠目にも視認できるアヤメ平(写真左の雪を被った緩やかな地形)や燧ヶ岳(写真右奥の双似峰)辺りでしょうか。先だって日光白根山が東日本最高峰だと書きましたが、燧ヶ岳(2356m)は東北六県に北海道を加えた中で、以北最高峰と言うことになります。それでも立地が立地だけに、その姿を尾瀬以外から望むのはなかなか難しい山でもあります。

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尾瀬を東西に挟む東の名峰が燧ヶ岳なら、西の名峰は至仏山。その蛇紋岩質の特異な生い立ちの山も、今はすっかり雪に覆われています。現在私が集中的に調査に入っているエリアは、その両ピークを尾瀬の外から同時に望むことのできる貴重?な場所と言えます。

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先々週に見掛けて以来、その後はどこかに移動したのかと思っていたハギマシコたち。この前より数が倍くらい..100羽くらいいたかな..に増え、相変わらず落ち着きなく右往左往飛び回っていました。ハギマシコは北海道では繁殖の噂が絶えませんが、未だ未確認であるため、一応冬鳥の扱いになっています。我が県での越冬地は、ここのように標高の高い荒れ地が多いですね。

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オオマシコ軍団も健在。でも数はめっきり減って20羽ほどに。増えた分だけ元気なハギマシコたちに圧され、今日は隅っこの方でおとなしく餌を探していました。

EOS-1D Mk3(EF100-400/4.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

2008年11月 9日 (日)

尾瀬は終い

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旨いそばを所望する家人の要求に従い、昼飯食べに片品方面へ。ただ行くのも芸がないので、途中某林道を経由しつつ向かいました。この辺りはとっくに紅葉も終わりかと思いきや、ちょうど今が見頃のようです。

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岩魚の天ぷら付き石臼挽きそばに、キノコの汁物はなめことナラブサ。

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今年の尾瀬はもう終いです。明日10日で各所へ通じるアプローチ道路も閉鎖のようです。

EOS50D(EF-S18-200/3.5-5.6 IS、EF-S10-22/3.5-4.5)
GR DIGITAL

2007年11月 3日 (土)

晩秋の尾瀬

今年の津奈木橋~鳩待峠間の県道の通行止めは、特に天候等の急変がない限り、今月12日になります。戸倉~大清水間も同様で、一応来週末が今シーズン最後の尾瀬山行日となるわけですが、天候がどうなるかは定かではないので、急遽本日尾瀬へ出掛けてきました。

休日とは言え、さすがにこの時期に尾瀬を訪れる人はまばらですね。目立つのはカメラマンや本格装備のハイカーが多く、ハイシーズンに見られるどこか場違いな雰囲気の観光客風情は見掛けません。喧噪にまみれることなく、静かな尾瀬を堪能できます。

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EOS40D EF-S10-22/3.5-4.5(4枚目はEF28-300/3.5-5.6L IS)
ISO200 高輝度側・階調優先
DPP3.2 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)

草もみじも終わり、木々の葉は散り落ちて、湿原の流れも水量は低下しています。燧ヶ岳の山頂付近には霧氷も見られ、時折萱を揺らしながら吹き抜ける風が、晩秋の冷たい空気を運んできます。

山ノ鼻では、木道脇にドングリを食べた真新しいクマの糞を見つけました。近くの森の中からはシカのラッティングコールも聞こえてきます。竜宮十字路近くでは、渡ってきたばかりのツグミ(今シーズン初認)がナナカマドの実に集まっており、山小屋に羽目板を打ち付けるリズミカルな音と相まって、来る厳しい冬を思わせます。

さて、尾瀬もまた来シーズンまでしばらくお別れですね。

2007年8月31日 (金)

天空の水の都「尾瀬」公開

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先日、国内29番目の国立公園として尾瀬国立公園が誕生しました。詳しい話は以前の記事に譲りますが、単独の国立公園化に向けて尽力してきた関係者の方々には、まさに感涙ものでしょうね。一尾瀬ファンとしては、これを機に従来の観光ベースから脱却した、名実ともに自然保護のパイオニアと呼ばれるような国立公園の管理・運営を望みたいところです。写真は至仏山の山頂より見た山ノ鼻付近。
Sony HVR-V1J

と言う堅い話はさておき、私も尾瀬の国立公園化を祝して、YouTubeに尾瀬の自然景観を記録・編集したストリーミングビデオ「天空の水の都」を公開しました。お時間のあるときにでもご覧ください。

ビデオはすべてハイビジョンで記録したものを、Windows Media用のwmv形式にエンコードしたもので、本来ならハイビジョン画質でそのまま公開したいところですが、通信環境がすべて光というわけではないので、なかなかそうもいきません。また、もう少しビットレートを上げて少しでも画質を向上させたくもあるのですが、今度はサーバーの容量の都合もあり、取りあえず今のような設定に落ち着いています。まあストリーミングビデオについては、もう少し研究の余地はありますね。

HDに対応しました(2009年8月16日)。

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

2007年7月26日 (木)

尾瀬国立公園

昨日、環境省の中央環境審議会自然環境部会が、日光国立公園から尾瀬を独立させて単独の国立公園とする答申を出しました。これによって環境省は8月中に官報告示を行い、尾瀬国立公園が誕生することになります。国立公園としては29番目の指定で、87年の釧路湿原国立公園以来20年降り..分離独立は初めて..のことになります。

国立公園化するにあたって、一昨年にラムサール条約湿地に登録された尾瀬ヶ原・尾瀬沼だけでは国立公園として面積が足らないため、尾瀬と生態系が似通っている会津駒ヶ岳と田代山・帝釈山を含めた約3万ヘクタールが対象となります。また、燧ヶ岳周辺を特別保護地域とし、従来より特別地域に隣接していた場所を第三種特別地域とすることになっています。特に登山道の荒廃によってその影響が深刻化している至仏山については、早急な保護対策が行われることが期待されています。

尾瀬は日本の自然保護運動のパイオニアとして、至仏山・アヤメ平等で行われている植生回復事業や、独自のマイカー規制などが全国に先駆けて行われてきました。そんな尾瀬を単独で国立公園とすることはある意味地元の悲願と言え、自ずから観光面への期待が高まるわけですが、今後増加するであろう観光客・登山者の受け入れ体勢、ゴミ処理問題、木道ルートの見直し等、内外の自然保護団体からは貴重な自然環境への負荷の増大を懸念する声が上がっています。

これから尾瀬をどのように規制・保護し、そして利用していくのか。一尾瀬ファンとしてはその動向が気掛かりですね。

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今日の赤城高原の落日。うっすらとかかった霧に太陽光線が反射して、何とも不思議な光景になっていました。
EOS-1D MarkIII EF28-300/3.5-5.6L IS 150mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「ポートレート」

2007年7月 2日 (月)

尾瀬夏の走りの花々

今回の尾瀬は友人との散策がメインだったので、あまり真面目に撮影していませんが、それでも気が付いたときに写した、または映した花々を紹介します。シーズンの端境期と昨日は書きましたが、尾瀬では様々な花が手を変え時期を変え訪れる人の目を楽しませてくれますね。

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咲く年と咲かない年があるコバイケイソウ。今年の尾瀬沼畔では結構見られます。

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ワタスゲはそろそろ見頃かと思っていましたが、今年は意外にまだ少ないですね。大江湿原(昨日の記事中の写真5枚目)でも数えられるほどしか見られませんでした。

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夏の主役といえばニッコウキスゲですが、ご覧の通り花が咲くのはまだもう少し先になります。気の早いのが何輪か咲いていましたが、キスゲはやはり一面の大群落で楽しみたいですね。

EOS30D EF-S18-55/3.5-5.6II(以上データ共通)

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亜高山帯の林床に咲くゴゼンタチバナ。白砂峠沿いではマイヅルソウなどと一緒に見られることが多いです。

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尾瀬ヶ原や尾瀬沼周辺の湿原では普通に見られるナガバノモウセンゴケですが、絶滅危惧種に指定されている貴重な食虫植物です。

GR DIGITAL(以上データ共通)

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下界では見頃が終わる花も、標高が高く気候が寒冷な尾瀬ではまだこれからというのも少なくありません。レンゲツツジもその一つですね。

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ハクサンタイゲキの変種でトウダイグサの仲間であるオゼヌマタイゲキは、下田代や中田代で多く見られます。花弁のように並ぶ苞葉が緑色なのでパッと見は花のように見えず、割と見過ごされがちな地味な花です。

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尾瀬ヶ原ではもう終わりといった感じのヒメシャクナゲでしたが、やや標高が高い尾瀬沼周辺の湿原ではまだ見られるのが少し残っていました。

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池塘ではヒツジグサも出始めています。

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タテヤマリンドウの花は基本的に薄い青ですが、中には白い花もあるそうですね。私は見たことがない..と言うより気が付かないのかもしれません。

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白山周辺に多く見られ、花が千鳥の群飛に似ていることからハクサンチドリ。寒冷性なので本州では高山植物ですが、北海道では平地でも見られことがあります。

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ハクサンチドリ同様に鳥の名前を冠しているトキソウは、その花の形と色から朱鷺を連想するのでしょう。

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この季節に木道脇で普通に見られるウラジロヨウラクはツツジの仲間。仏像の首に掛かっている飾り(瓔珞)に似ていることからこの名前があります。当日名前をど忘れして説明できなかったのですが、猿熊さん..まあそういうことです(笑)。

SONY HVR-V1J(以上データ共通)

2007年7月 1日 (日)

尾瀬夏の走り

週末を利用して、友人夫妻と尾瀬沼から尾瀬ヶ原を横断してきました。ミズバショウとニッコウキスゲのちょうど端境期に当たるため人出も少なく、天候も超多忙な友人の休日にピタリと合わせるかの如くの梅雨の晴れ間で、夏の走りの尾瀬を堪能できました。

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EOS30D EF-S18-55/3.5-5.6II
ISO100 DPP3.0 Picture Style「風景」
(1枚目ISO800、2枚目ISO400)

2007年6月12日 (火)

尾瀬初日

今シーズンの尾瀬初日です。この夏は尾瀬に咲く花々をハイビジョンで記録していく予定なので、撮影もこれからが本番になります。同時にデジタルカメラでも撮影するので、ブログにはそちらの画像をアップしていきたいと思います。

とは言いつつも、早ければ8時頃にはハイカーだらけになるので、木道上という制約の中でビデオとスチルの二段構えの撮影ができるのも朝の内だけになります。もっとも、人が多いとビデオ撮影だけでも厳しいのが現実ですが。

尾瀬では木道は一応2列ありますが、通行の妨げになるような撮影は避けることを自分に課しており(と言うか当たり前のことですね)、人の流れによってはひたすら待つこともしばしばで、1シーンを撮るために30分くらい費やす場合もあります。

1シーンにつき最低でも30秒の映像クリップを抑えるわけですが、木道上を歩く人の流れを読んで、その30秒間のインターバル..実際は木道を伝わる振動の伝播も計算に入れる必要があります..を素早く見極め、いかに早くセッティングしそしてどれだけ早く撤収できるか。それが尾瀬でビデオ撮影を行うポイントですね。

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燧ヶ岳のスカイラインが朝の光に浮かび上がる中、朝一で鳩待峠から入ったハイカーたちが、足早に竜宮方面に歩いていきます。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 70mm

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ミズバショウの見頃はとうに過ぎていますが、丹念に探せばまだ被写体になってくれそうな株を見つけられます。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 300mm

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花の開きかけたショウジョウバカマ。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 300mm

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気の早いワタスゲがもう果穂になっていました。自慢の綿毛が朝露に濡れています。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 300mm

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中田代では木道沿いにヒメシャクナゲが見られました。
EF-S18-55/3.5-5.6II 28mm

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朝の斜光で池塘に浮かび上がるミツガシワ。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 235mm

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朝露に濡れるミツバオウレン。
EF70-300/4.5-5.6DO IS 300mm

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朝まだ暗い内は花が閉じているタテヤマリンドウも、復路では結構見かけるようになります。
EF-S18-55/3.5-5.6II 55mm

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ミズバショウの終わった下ノ大堀川ポイントより至仏山を望む。川面に映る雪形はこの季節ならではですね。
EF-S18-55/3.5-5.6II 46mm

EOS30D ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)

2007年1月11日 (木)

至仏山と笠ヶ岳

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天気が良いと我が家から至仏山(写真中央やや右)と笠ヶ岳(写真中央)を望むことが出来ます。至仏山は尾瀬ヶ原西端に位置する標高2228mの非常に古い山で、蛇紋岩と呼ばれる特殊な岩石で形成されており、そこにしか生息しない貴重な高山植物の宝庫となっています。そして至仏山から南へ尾根伝いに続く笠ヶ岳(標高2057m)も、地質的には至仏山に近く、その周辺にはクロベなどの針葉樹を中心とした古い森が点在しています。
EOS-1D MarkII N EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

至仏山は前述の通り貴重な植生を持つ山ですが、近年の登山ブームの影響で登山者が増加、それに伴い登山道が広がるなどして周辺の植生が踏み荒らされる点が問題視されています。そこで今夏から山ノ鼻からの登りを一方通行とするという案が浮上、登山者同士によるすれ違いで登山道から外れることを減らすとの目論見だそうです。

山あっての登山、自然あっての登山。そこら辺をはき違えた登山者がいかに多いかという話になるわけで、ただ山の頂上を極めたいなどという自己満足的盲目登山者には、是非ともご遠慮願いたいものです。

至仏山行についてはこちらをどうぞ。

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