羅臼の海に数年ぶりに流氷がやって来ました。もちろん程度の差こそあれ根室海峡自体に流氷は流れ込む..風向きや氷の量によって年によって異なるが..ものですが、近年は羅臼沿岸まで届かないことが増えているように思います。その昔初めてワシを撮影に羅臼を訪れた頃は、2月に入れば港の前にゴロゴロと氷塊が浮いていたように記憶しています。安易に言ってしまえば、これもまた地球温暖化の影響というような話につながっていくのでしょうか..
そしてそれが理由なのか定かではないですが、今日はワシ達の動きがやけに活発で、特に普段は警戒してあまり近づかないオオワシが頻繁に餌を狙って飛び交っていました。私も最初こそスケソ漁船団を狙っていましたが、ここまでサービスが良いと撮らないわけにはいかず、最終的には手持ちのメディア一杯にワシの姿を記録することになりました。何度撮っても同じような絵面のカットばかりで、取り立てて新鮮味はないのですけどね。
さて話は変わって、今日はカラスの話。
カラスは鳥類の中でも特に学習能力が高いことで知られていますが、頭が良いだけでなくその飛翔能力もかなり高いものを持っています。町中では人の目を盗んで自在に飛び回り、人間の生活ゴミや廃棄物をかすめ取ったり、飛翔の達人とも言えるワシやタカを山中深く集団追い回してみたりと、その飛翔に関する運動性能は相当なものがあります。都市や農村部から果ては亜高山帯まで、陸上で彼らの行動出来ないエリアはないと言っても良いでしょう。

その陸上におけるカラスの役割を担うのが、海上ではカモメと言うことになります。流氷観光船が沖に出航してすぐに後に付いてくるのはそのカモメたちで、観光船がワシ達のために餌を撒くことを承知した上での行動なのです。餌を撒いてすぐにはワシ達は近寄ってこないので、まずはカモメたちが我先にと集まってきて、周囲は相当賑やかな様相を呈してきます。
そのカモメの最大の特徴は水に浮くこと。狂騒劇が一段落すると、まるでミズスマシのように海面でクルクルと円を描きながら泳いだりしてみせます。同じようなスカベンジャーの性格が強いカラスとカモメではありますが、両者の最大の違いはこの水に浮けるか否かと言えますね。いかに飛翔能力が高いカラスと言えど、空を飛びながら餌を食べつつけるのは無理があるというわけです。
しかし、海岸縁から指をくわえて餌捲きを眺めていたカラスたちにとって、大量に流氷が流れ込んでくることは朗報になります。カラス同様にワシ達にとっても海上での事情は同じなので、観光船が餌を撒くのは流氷の上になります。その流氷が沢山あればあるほど、カラスたちにとっても餌を食べたり羽を休めたりするのに好都合な環境となるわけですね。
餌を巡って流氷上で争う両者。一般的に言って、余程海風が強く吹かない限り、海岸縁だとカモメよりカラスのほうがやや優勢になります。しかし一度海上に出てしまうと、たとえそこが船上や流氷の上であっても、立場が逆転してカモメのほうに分があるようです。うねりのある海風の中を、グライダーのように滑空できるのカモメの特徴ですね。ちなみに写真のカラス、結局多勢に無勢と言うこともあって割とあっさり引き下がりました。
などと、ワシそっちのけでスケソ漁船を撮っていたかと思うと、カラスとカモメの行動を観察して大事なシャッターチャンスを逃してしまい、顔見知りのカメラマンたちに笑われる私だったりします(苦笑)。
午後は羅臼のある根室海峡北部から南部へと移動、ワシ達のもう一つの集団越冬地を訪れました。
氷上から近くの森をフィールドスコープで探索すると、小群となったワシ達のねぐら木をいくつか見付けました。もうすでに今日の食事にはありついた様子です。
氷上にも三々五々ワシの姿が。遠く対岸にはワカサギ釣りの車が見えます。
すっかりF君宅の居候と化していますが、今日の夕飯はスケソ鍋。羅臼昆布と塩だけでだしを取り、スケソウダラの切り身を鍋にしたものです。羅臼の豊饒の海から幸を頂き、これで少しはワシの気持ちに近づいたかな(笑)。
酒はF君自家製の野付産野バラ酒。すっかり酔っぱらってしまってウィ~..
EOS-1D Mk3(EF500/4L IS)
EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
Caplio R6