カテゴリー「猛禽類」の116件の記事

2009年11月10日 (火)

待ち伏せ

20091110
いつの間にか対岸のスギの若木に、オオタカのこれまた若鷹の姿が。定点の場合、大抵は稜線付近から空近くに視線を投げているので、谷部など低いところを飛んで移動されると気がつかない場合があります。特に今日のような尾根筋に陣取っている場合は難しいですね。こちらとは谷を挟んで約200mほど離れているので、私の存在には気付いている..時々レンズ越しに目が合う..ようですが、特には気にしていません。それよりも、50羽ほどで目の前を飛び交っているアトリが気になってしょうがないようです。結局アトリは下流方向へ行ったきり戻ってこなかったので、この若鷹も小一時間ほどでどこかへと飛び去りました。

とかく猛禽類というと豪快なハンティングをイメージしがちですが、意外に辛抱強く待ち伏せしているものです。普段ワシやタカを目にする場合、大概は空を飛んでいるケースがほとんどです。当たり前ですが、空抜けで飛んでいるシルエットはよく目立つからですね。そういった姿を多く見かけることで、常に飛んでいるようなイメージが先行しているわけですが、ワシやタカとは言っても飛ぶことはそれなりにエネルギーを消費します。野生下では次にいつ餌にありつけるか判らない状態ですから、なるべく省エネで行動するのが生活の知恵というもの。経験の浅いオオタカの若鷹と言えど、そうそう闇雲に飛んで獲物を追いかけるというものでもないということです。

20091110b
今週は明日からしばらく雨模様とのことで、フィールドワークは今日まで。午前中は結構良い天気だったのですが、お昼頃より薄い雲が広がりだして遠望が効かなくなりました。視界が効いてなんぼの商売なので、遠くの稜線をかすめて飛ぶ子天狗を見送ってから、涼しくなった山を後にしました。

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2009年10月23日 (金)

ノスリ渡る

20091023
森の中で不意に風に舞った羽毛1枚。鳥が飛んだ気配はなかったので、どこかに引っ掛かっていたのが落ちてきたのでしょう。ちょうどアウトフォーカスになった先端部分が、淡い緑色をしており、何となく、時折ここで見掛けるアオバトを連想させます。

20091023b
また地付きのノスリかと、最初は気にも留めなかったのですが、いつものように天狗親子に絡むことなく妙だなとは思いました。その内、一羽また一羽と谷を中を通り過ぎ、南西方向へと飛び去る個体が目に付きます。散発的ではありましたが、夕方までに数えることその数27羽。どうやら渡り途中の個体だったようです。

ノスリの季節移動には割と幅があって、サシバやハチクマと時期を同じくする個体もいれば、11月になってから移動する個体もいます。ツミとほぼ時期が重なるのですが、統計的には10月中旬から下旬にかけてが1つの大きな波となっているので、今日の移動個体群はその一部だと考えられます。県内のタカの移動ルートは、実はまだよく判っていません。個人的にはメインストリームとなるような流れはないと考えており、おそらくは県境沿いの山稜に沿って移動しているのではないかと推測しています。今日のような小規模な流れが支流となってどこかで合流し、一部は日本海側ルートへ、また一部は白樺峠ルートへと流れて行っていると考えられます。

20091023c
昨日の南風が太平洋上の湿った空気を運んできたため、今日はその影響をもろに受けてしまいました。一応晴れてはいたので双眼鏡による眼視はそこそこ利きましたが、望遠レンズはヘイズの影響大でほぼ役立たず状態。重い思いして担ぎ上げたのに、単なる岩場のオブジェと化しています(苦笑)。

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2009年10月22日 (木)

南風に乗って

20091022
お犬様の運動場が広々。先日、今年最後の牧草を刈り取ったので、もう来春まではこのままです。ここを子育ての場としていたヒバリたちもすでに去った後なので、朝は静かなものです。バカ犬が全開ですっ飛び回っても、もう誰も文句を言うことはありません(笑)。

20091022b
標高1000mより上では、ミズナラがそろそろ葉を落とし始めていますね。そして入れ替わるようにカラマツの黄葉が目立つようになりました。カラマツの黄、ミズナラの茶、そして針葉樹の深緑が逆光の中、美しいコントラスト作り出しています。

20091022c
抜けるような秋空の中、子天狗が見せつけるように南風に乗って、高く高くどこまでもソアリングしていきます。雲一つない青空に透き通る、若き三ツ星のその成長ぶりには目を見張りますね。

20091022d
今日の定点は標高1100m付近の尾根。吹きさらしなので風が吹けば寒いかと、念のため上着を持ち出しましたが、日中は南風だったせいか、シャツ1枚でも問題なく過ごせました。秋深しされどまだ暖かしです。

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2009年10月 2日 (金)

ミサゴと同じく海岸部に多く見られるのがハヤブサ。内陸部の断崖や河川沿いにある岩場などでも繁殖しますが、どちらかと言えば海岸部のほうが好みの生息圏と言えます。ハヤブサはその特徴的な体型を見ても判るとおり、森の中のような狭い空間での行動は苦手で、どちらかと言えば開けた場所で狩りを行います。海や湖沼に面した断崖の上の留まり場で、ひたすら獲物を狙う待ち伏せ猟を得意とするため、渡りの時期に小鳥類が移動ルートとして使う岬などで、狩りをする姿を見かけます。先日のうずの巻く海峡周辺でも、頻繁に地付きの個体が姿を見せ、渡り途中のヒヨドリなどを狙っていました。

20091002

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ハヤブサはいわゆる猛禽類の仲間で、分類上もタカ科に属します。が、下位分類でタカ目に属する天狗様やオオタカとは異なり、近縁種のチョウゲンボウなどと一緒にハヤブサ目というグループを独自に形成..と言っても人が勝手に仕分けたものですが..しています。

本来、狩りを生業とするタカの仲間は、贅肉をこそぎ落としたような筋肉質な体型ですが、どちらかと言うとハヤブサはずんぐりむっくり。上昇気流を捉まえて帆翔する天狗様などは、飛翔時に初列風切羽が大きく開いて目立ちますが、ハヤブサの両翼はブーメランのように細長く先が尖っています。それにおよそ猛禽類らしくないつぶらな瞳など、体型の特徴は他のタカとは少々異なります。そして強風をものともせず、高空より一直線に獲物を襲う力強い飛翔は、ほぼ同じ大きさで、前述のようにランナバウトに森林空間を飛び交うオオタカやハイタカのそれとは、明らかに異質なものがあります。

一説には、ハヤブサ属の系統分化は割と最近だと言われています。一般的なワシやタカが、人との関わりを拒絶するが如く生活を送るのに対し、ハヤブサの仲間はダムや橋梁、それに都市部の高層ビルなどに営巣する例が報告されています。人をあまり恐れることなく、人間社会にも適応して生活しようとするその姿は、進化の歴史が新しいことを意味しているのかも知れません。

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2009年9月30日 (水)

海辺の猛禽

連休中、巨大なうずの巻く海峡を見下ろしながら、のんびりとタカ渡りを見物したことは記事にしました。もちろん南へと渡っていく、サシバやハチクマを主として空を眺めていたわけですが、実は一番興味を引いたのは、眼下の海原をヒラヒラと飛び交うミサゴでした。海無し県の我が上州では、水辺の猛禽であるミサゴは基本的に旅鳥扱いです。過去に何度か奥利根で営巣したこともありましたが、魚食という生態からしても、やはり水域の少ない地域に定着するのは難しいようです。

20090930

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ミサゴに目が行くかどうかで、地元かよそ者かすぐ判ると地元の観察者には言われてしまいましたが(苦笑)、それほど彼の地では普通のタカだということです。が、強風にあおられながらも、波頭の立つ海面すれすれに器用に飛ぶミサゴの姿は、山人間の私には興味深く眺めることができました。普段、自分のフィールドでは出会うことのない生きものの行動を観察することは、旅の空の下の醍醐味と言えるでしょう。

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2009年9月19日 (土)

西のタカ渡り

西のタカ渡り

西のタカ渡り

昨日に引き続き、大阪の友人と会う予定だったのが、急遽取材が入ったとかで取りやめに。仕方ないので、これまた急遽、巨大なうずの巻く海峡を渡り、地元の観察者に混ざってタカ渡り見物。台風余波の高波で、眼下の海峡には白い波頭が立ち、タカ達も強風に難儀していたようです。地域は違えど、タカ達の壮大な季節移動を眺めることは、秋の楽しみの一つ。それに普段の地元の調査と異なり、単なる旅の傍観者だったので、今日は楽させてもらいました。

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2009年9月 7日 (月)

ぼちぼち渡りの季節

20090907
9月に入り、ぼちぼち関東以北からタカ渡りの情報が届くようになりました。昨日は休日ということもあり、人の目が多かったせいか、某所では500羽以上カウントされたようです。毎年定点でカウントしているグループや、調査で隠った山中からの発信、個人での観察結果など発信源は様々ですが、各所各方面で活躍される人たちからの貴重な情報です。私も日常の観察結果を随時流すようにしており、目指す方向の一致する人の輪のつながりを感じる季節でもありますね。

20090907b
こういった調査は地道に継続して行う必要があり、またデータのサンプリング数..調査地点×時間軸数..も多ければ多いほどその結果の確度と重要性が増します。その年の気象データなど環境の推移とも重ね合わせ、タカたちの動きに変化があったのか無かったのか多角的に考察、海を越え、季節をまたぎ、国境を行き来するタカたちの行動を、環境変化の指標として注意深く見守る必要があります。

(写真は何れも昨年某所のタカ柱)

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雲一つ無い秋の空の高みを、時折南下する飛影あり。大抵は1羽ずつですが、時折3羽程度でまとまって飛び去る個体もあり、県北でもぼちぼち季節移動が始まっているようです。

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2009年7月28日 (火)

ノスリの鳴き交わし

前日の天気予報は全く当てにならず、朝になってから空の様子を見て出掛ける日々が続きます。一応、我が家から北部フィールドの各地は見えるのですが、その方向の空模様で選んで出撃しても、現着する頃にはまた天気も変わってしまい、機材も出さずに引き上げてくる日もあったりします。取り敢えず今日はまあまあの空模様でしたが。

20090728
庭の草刈りを片付けるべく、午後になって早々に帰宅すると、隣家..と言っても150mぐらい離れているが..の屋敷林の上で猛禽が鳴いているのが目に入りました。その見知った鳴き声から、双眼鏡で確認するまでもなく、声の主はノスリと判ります。そのまま積んであった機材を車から降ろし、ファインダーを覗くと、杉の梢にノスリの成鳥が留まっていました。時々異なる個体の鳴き声も聞こえてくるので、おそらく先月に近所の森で巣立った幼鳥と鳴き交わしているようです。

近所の営巣木はオオタカと共用..もともとはオオタカの巣で、今年はノスリが使っていた..のアカマツで、春から時々観察していたのですが、天狗様他に時間を割いている間に巣立ってしまいました。毎度の事ながら、観察対象の繁殖活動が重なると、自分の分身が何人か欲しいと痛感しますね。


マイクも無しに即席で録音したので音量・音質は今ひとつ。一応、近い方のピィェーが親で、奥の方が子供です。
MP3 128kbps/48KHz

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2009年7月11日 (土)

今頃巣材運び

20090711
天狗様もKもハヤブサもオオタカも巣立ったというのに、トビはのんびり巣材運び。フラフラと飛び去るのをスコープで追い続けると、対岸のモミの大木へと吸い込まれていった。接眼レンズの倍率を上げると、陽炎の揺れる中に2羽の幼鳥の姿が。ちょっと距離があったので正確な日齢は不明だが、巣立ちまであと少しのように思えた。

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今日は某所で月例調査。この季節の定点調査は色々な意味で厳しい。暑さに湿度の高さ、日ざしの強さに襲い来る不快昆虫群。とりわけ夏枯れの言葉通り、調査対象の行動は深い緑の海へと潜行中..

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2009年5月 3日 (日)

レース鳩の脚環

明日からの山ごもりに備えて今日は朝からその準備に追われました。装備品のチェックなど一通りにめどを付け、その後は最近山から持ち帰った収集品の数々を整理したのですが、その中の一つに鳥の足輪があります。足輪は主にバンディングなど調査・研究目的で使われるものですが、これはいつも見る小鳥類の足輪とは異なり、割と大型のもです。符番された番号からレース鳩に付けられる脚環と判明、日本鳩レース協会のWebで調べたところ、以前に山梨地区のレース鳩に付けられたもののようです。

20090503
で、これをどこで拾ったのかと言えば、先だって北部フィールド内にて天狗様の主要パーチポイントを調査した際、食事場に使っている岩場に落ちていたペリットの中から見つけたものです。

天狗様はキジバトなども餌にすることはあるので、山鳩の類に較べて直線的に高空を移動していくレース鳩は、ある意味格好の餌と言えるかもしれません。都市部に住み着いたハヤブサや都市郊外のオオタカなどが、レース鳩の鳩舎を待ち伏せする例はよくある話ですが、該当のレース鳩はより遠くに移動するために山間地にさしかかったところを、不幸にも天狗様に認められて捕食されてしまったと考えられます。

GR DIGITAL

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2009年3月31日 (火)

P6000

20090331
マンサクのように早春の山の花樹には黄色い花が多いですが、写真のダンコウバイもその一つ。壇香梅と漢字で書くとおり、クロモジの仲間なので樹皮に香りがあります。

20090331b
仕事場の窓から見えるカラマツに白っぽい鳥が留まっているのに気づき、双眼鏡で覗くとどうもオオタカっぽい様子。出掛けに現在テスト中のデジスコシステムで撮影を試みると、やはりオオタカの成鳥でした。距離にして約400mは離れているので、光学系デジスコには厳しい状況。陽炎の影響で解像することなくゆらゆらと滲んでいますが、数枚撮ったうちで証拠写真程度に撮れたのが上の1枚。やはり超望遠による強拡大を強いられるデジスコは、近距離戦でこそその能力を発揮する機材です。

20090331c
以前デジスコ用にと知人から貰ったIXY DIGITALが逝ってしまい、代わりにCOOLPIX P6000を手に入れました。IXYは知人が作った専用のアダプターで固定されていたため、通常の撮影に使うことはなかったのですが、同じようにそろそろ危ういGR DIGITALの代わりにもなるよう、今回は取り外しの利く一般的なアダプターで接続できる機種を、しかも新品で選びました(笑)。デジスコ用途ではソニーのサイバーショットあたりも評判が良さそうでしたが、ナイコン様のP6000は望遠端まで有効に使えるEDレンズなので、ホットシュー装備など使い勝手も含めその辺りが決め手になりました。COOLPIXはE4300・E5000以来なので久しぶりです。

20090331d
月末のため長時間山には籠もれないので、今日は昼飯を挟んで低標高からショートでの観察。晴れたり曇ったりとハッキリしない天候の中、すぐ頭上を至近距離でKに飛ばれる..肉眼で虹彩までハッキリ見えた..も、昼飯のカップラーメンを啜っている最中だったため撮り逃がす。う~ん、残念。

GR DIGITAL
COOLPIX P6000

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2009年3月 8日 (日)

待ち伏せノスリ

20090308
自動撮影装置の点検でいつもの演習林に入ったところ、頭上から白っぽい大型のタカが飛び出しました。一瞬、昨年同エリアに出没した若クマかと思いましたが、すぐにノスリと判明。ノスリはこの辺りでは馬糞鷹などと言われるほど普通に見られるタカで、基本的に留鳥なのですが、個体によっては冬季により北方から移動してくるのもいるので、その辺りはなかなか判断の難しいところです。おそらく冬季に平野部で見られる個体に、季節移動をするのが多いのではないかと、個人的には考えています。

20090308b
点検を済ませ森から出てみると、農地に面したモミにパーチしているところを発見。犬連れであったので、200mmではこのくらいのストーキングが限界です。ノスリはトビのようにクルクルと帆翔している姿をよく目にしますが、基本的に彼らのハンティングは待ち伏せ法。半日でも平然と同じ場所で待ち続けるクマタカほど辛抱強くはないですが、写真のような見通しの利く林縁部や電柱などで待ち伏せしています。

その昔、北海道の国道244号線を厚床から奥行へ抜ける途中、電柱の何本かおきにノスリがパーチしており、約10kmほどのあいだに30羽以上数えたことがあります。雪解けで道路の路肩が露出しており、そこに出てくるネズミの類を狙っていたようです。キツネの食べていた獲物を狙ってちょっかい出しているところを、車中から撮影したのを覚えています。

20090308c
さらに飛んで少し離れた林縁部にパーチ。谷川岳を見通せる眺めの良い場所に陣取り、この後はしばらく動きませんでした。最初に飛び出した地点がいつも使う巣に近かったので、この個体は地付きの留鳥と考えて良いでしょう。

EOS40D(EF-S18-200/3.5-5.6IS)

※映像は削除しました(2009年8月16日)。
ビデオライブラリからノスリの映像を抜粋
Windows Media Video / 500Kbps(VBR) / XL H1(EF400/5.6L)、iVIS HV30(TSN-774)

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2009年2月 5日 (木)

鳶たちの落日

来年登場予定のWindows7で、ようやくAVCHDが正式にサポートされることもあり、そろそろAVCHD機の導入を考えています。この春に出るらしいパナのマイクロフォーサーズ機でもAVCHDでビデオ撮影ができるようですが、色々調べてみると、パナの場合はコリメートビデオシステムでの運用は難しいことが判明、ここはやはり手堅くビデオカメラから選択したほうが無難であるか..と考えつつあります。

この春モデルとして登場するソニーのコンシューマ機、HDR-XR520Vの6枚羽の虹彩絞りはいいですね。このクラスのハイビジョン機では初めてではないでしょうか。普段から2枚羽の菱形ボケに悩まされている身としては、それだけでもポイント高いです。ビューファインダーも装備されており、リモート端子..LANCではないが..と外部マイクの入力端子もあるので、AVCHDのコリメートビデオシステムとしては有力です。

画質的には、気合の入ったレンズを装備..でも相変わらず絞りは2枚..し、AVCHD規格最高レートの24Mbpsが売りの、キヤノンの春モデルであるiVIS HF S10が良さそうですが、こちらは外部マイクの入力端子こそあるものの、ビューファインダーもリモート端子も装備されていません。リモートは赤外リモコンで代用するとしても、ビューファインダーが無いのはまったくの論外です。キヤノンの場合は、ビューファインダーが装備されるであろう同HGシリーズの後継機を見てみないと、何とも言えませんね。

てなわけで、AVCHD機の選択はまだまだ迷走中です。

20090205
今日は晴れるのかと思いきや、どんよりした空模様にヘイズも多く、遠距離観察にはまったくの不適でした。まあその分夕陽は赤く焼けましたが。トビたちがねぐらの周辺に集い、落日を眺めつつ一日が暮れていきます。

EOS40D(EF-S18-200/3.5-5.6IS)

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2009年1月27日 (火)

ハイタカの襲撃

我が家の餌台にやって来るのは、何も小鳥の類だけではありません。時折、猛禽類の仲間であるハイタカも姿を見せます。もちろんヒマワリの種に用があるわけもなく、狙うは餌台に群れる小鳥たち。ハイタカは高い機動性を武器に、狭い森の中でも容赦なく小鳥たちを追い詰める、実にランナバウトな小型のラプターです。我が家には姿を隠せるほどの樹木がないため、やって来るときは突然空からというパターンがほとんどですが、それでも時々は隣の長老宅の森のような庭から現れることもあります。

突然の襲来といえばそうなんですが、大抵はカラ類かスズメが先に気付き、クモの子を散らすようにいなくなるので、他のヒヨドリやツグミもあたふたと逃げていきます。今のところ犠牲者はいないようで、空振りに終わったハイタカが飛び去って小一時間もすると、再び餌台はにぎやかさを取り戻します。いつも我先にと我が家の軒下に逃げ込むスズメが、実は一番出てくるのが遅かったりしますが(笑)。

20090127

庭先をかすめて飛び去り、隣の畑の上で旋回中のハイタカの雄。デスクワーク中の突然の出来事であったため、棚に置いてあったビデオカメラを強引にスコープに押し当て、三脚にも載せずに窓辺に寄りかかって撮ったので、何ともしょぼい映像ですが(苦笑)、望遠レンズ付きのスチルカメラがみな車に載せっ放しであったため、致し方なしです。

iVIS HV10(STS65HD)

同じハイタカ属の仲間にオオタカとツミがいます。鳥類を専門的に狙うなど生態的には非常に似通った3種のタカですが、決定的に違うのはその大きさで、ハト大のツミに対しカラス大のオオタカ、ハイタカはその中間といったところ。とは言え、ある程度の距離を単独で飛ばれると、ハイタカとツミなどなかなか見分けがつかないものです。特にハイタカの雄とツミの雌は、ほぼ大きさが同じだったりするから悩ましいですしね。もし識別で悩むようならば、帆翔中に開いた初列風切羽の枚数を数えましょう。もし6枚あればハイタカ、5枚ならばツミであることが判ります。ただ、実際に野外でパッと見ると、それぞれ4枚と3枚しか数えられない場合もあるので、それはそれで要注意ですが。

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2009年1月 8日 (木)

小鳥と信玄の気持ち

20090108
今冬はやはり暖冬のようですね。雪はそこそこ降るものの、切れるような寒さが未だやって来ません。取り敢えず今朝は年明け一番の冷え込みとなって、久しぶりに谷川岳が焼けました..ちょうど天神平のリフト降り場が光っています..が、シベリア寒気団の冬将軍は何をやっているんでしょうね。

20090108b
寒くないとか何とか言いつつも、ダウンジャケット着用で着ぶくれています。私は北海道でも行かない限りダウンなど滅多に着ませんが、今日はゴアのアウターを忘れたので仕方なく着ています。それにしても、雪上とは言えこうしてダウンを着て日だまりに立っていると、寒風の中で羽毛を膨らませている小鳥の気持ちがわかりますな。

20090108c
オオタカ、ハイタカ、ツミ、ノスリ、それにクマタカに天狗様と、ハヤブサ属を除くワシタカオールスターズが飛び交う中、割と近くまでやって来たのはトビ。5羽がクルリと輪を描いて飛んでいましたが、この個体が欠損もなく最も綺麗でした。普段どことなく所在なげに飛ぶトビですが、こうしてみるとそれなりにワシタカしてますね。

20090108d
午後遅い斜光線に浮かび上がる谷川岳。写真は山からの帰路、我が村に入ってすぐに撮ったものですが、我が家からの眺望と違って手前に三峰山が入らないため、天神平スキー場までよく見えます。その昔、甲斐の武田信玄が駿府を訪れた際、すそ野まですべて見える富士..甲斐からは富士の中腹から上しか見えない..を眺めて、尻丸出しと言ったとか言わないとか。ま、何となくそんな気持ちも判らないでもないですね(笑)。

EOS40D(EF-S18-200/3.5-5.6IS、EF100-400/4/5-5.6L IS)
GR DIGITAL

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2009年1月 2日 (金)

一富士二鷹三に4

20090102
実家に向かう道すがら、今年も富士見のビューポイントから縁起物の富士山と鷹(トビ)を撮影。それにしても相変わらず赤城の南面側は良い天気ですね。北面の赤城高原では、朝から降雪が続いて一面雪原と化していますが、こちら側はしっかり関東平野の典型的な冬の天気です。

20090102b
実家にて、ナイコンの一時代を築いたフラッグシップ機F4を発掘。オーナーは亡き義父で、義父はFやニコマート、それにFEなどを使ってきた生粋のナイコンユーザーで、F4は生前最後に使用していた一眼レフです。最初はウンともスンとも言わなかったのですが、電池を新品に交換し、ダメもとでバッテリー室の接点などを磨いてみたところ、見事に息を吹き返しました。

今時のデジタル世代の方には判らないかと思いますが、F4(確か1988年発売)はキヤノンの初代EOS-1のライバル機で、報道系カメラマンから絶大な信頼を寄せられていた名機F3の後継機に当たる、いわゆる第4のFです。F3同様にプロ向けの派生モデルなどもあり、F5が出るまでの間、新聞報道の世界で長らく最前線で使用されてきました。外装こそそれまでのダイキャストからエンジニアリングプラスティックへと変更されましたが、一体その中に何が入っているのかという大柄で頑強なボディ、前時代的なダイヤルインターフェイスなど、これぞナイコンのF一桁機といった佇まいを見せています。

一時F5のサブ機としてF4を使っていたこともありましたが、デジタルカメラへの移行期に際し、知人に譲ったので手元にはすでにありませんでした。それが今回こうしてあらためて手元に戻ってきた次第です。何はともあれ、もうこのフィルムカメラが最前線で活躍する機会はありませんが、F2やF3など元同僚達と共に、我が家の防湿庫で余生を過ごすことになります。でもやっぱ良いですねぇ、この時代のナイコンのF一桁機は。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
GR DIGITAL

余談ですが、私とF4のなれそめ?は以前以下に書いています。
http://tnwanderer.web.fc2.com/outfit/canon/eos1v.html

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2008年12月29日 (月)

県南は春の陽気

20081229
今日は春を思わせる暖かい一日でしたね。久々に県南のフィールドへ出掛けたから、特にそう感じたのかもしれません。快晴無風のインディアンサマーの青空に、思わず眠気を誘われます。

20081229b
最大望遠投影で、約4km離れた稜線の松にクマタカを確認。しかしこの個体、そもそもいつからパーチしていたのか不明ですが、この後4時間に渡ってまったく動かず。まさかデコイか何かじゃないだろうかと冗談交じりにつぶやくと同時に、フワッと飛んで尾根の向こうにロスト。あー、目が疲れた..

GR DIGITAL

昨日、餌台に鳥たちが寄りつくのに2週間くらいは掛かるとか何とか書きましたが、今朝起きたらすでにシメが1羽ちゃんと餌台に乗って、得意げにヒマワリの種をくるくる回していました。最近は家の周囲で見掛けないと思っていたのですが、しっかりどこかで見張っていたようですね(笑)。

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2008年11月23日 (日)

森歩きの口実

例の角鷹を求めて近所の森へ。今日は家人に留守番を申し使っていたのですが、珍しく上の倅が出掛けないと言うので、留守番を倅に押しつけての出撃です。演習林から続く沢伝いに登って標高を稼ぐのですが、夏場は藪と雑草の海となるため、足を踏み入れられるのはこの季節から春までとなります。角鷹を最初に確認したのは9月だったので、その時は侵入するのに一苦労でしたが、今は鉈があればスイスイ。

角鷹は全国的に見ても数の少ない大型の猛禽類で、天狗様と同様に、例えば一つの森があればその生態系の頂点に立つ生きものです。そんなアンブレラ種である角鷹ですから、その存在自体が生態系の豊かさを表すと言っても良いでしょう。ただ生息数については諸説ありますが、天狗様ほど数を減らしているとは個人的には考えていません。大型でありながら森の中を枝伝いに移動して狩りをしたり、獲物が通り掛かるのをひたすらジッと待ち続ける待ち伏せ猟などを行う..対して天狗様は飛び回りながら餌を探すことが多い..ため、そもそもその観察自体が難しい猛禽類なのです。それ故に数が少ないなどと言われてしまう..もちろん絶対的な数は少ないですが..フシがあるのも否めません。

そんな忍者鷹とも呼ばれる角鷹ですから、そうそう簡単に拝ましてもらえるはずもなく、今のところ例の若鷹との遭遇率は一割にもなりません。ま、森歩きの口実であることも否定はしませんが(笑)。

20081123

20081123b

20081123c

赤城高原の森でも落葉が進み、森の中は見通しが良くなっています。木の実もだいぶ少なくなりましたが、ミズキやムラサキシキブそれにカンボクなど、ジョウビタキやマヒワなどが食べる分くらいはまだ少々残っているようです。

EOS-1D Mk3(EF24-105/4L IS)

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2008年11月21日 (金)

角鷹現る

さすがに驚きましたね。家から500mも離れていないところでクマタカを目にするとは。9月から散歩中にそれらしき鳴き声を耳にしていて、ちょっと気になってはいたので、マメに仕事の合間を縫ってビデオ担いで探していたところ、先週、谷から弧を描きながらその声の主と思しきクマタカが現れたのです。

20081121
写真はビデオからの切り出しなのでピンが甘い..近すぎてHV30のAFが追随していない..のはご愛敬ですが(笑)、まだ欠損もない美しい羽と白っぽい顔から若鳥であることが判ります。クマタカなど我が北部フィールドでは珍しくもないですが、自分の家の近くで見るとは思いもしてなかったので、やや感慨深くもありますね。

20081121b
少しそのうが膨らんでいるところを見ると、ちょっと前に食事を済ませているようです。

さて頭を冷やして冷静に考えてみると、近くに営巣木があるとも思えない..過去に近所で成鳥の観察例はない..ので、どこかの営巣地からの分散個体と考えるのがセオリーでしょう。一般的にクマタカは隔年繁殖個体が多く、巣立った若鳥も次回繁殖前まで親のテリトリー内に留まる傾向にあります。もし写真の個体が分散途中であるならば、巣立ったのは昨年の可能性が高いでしょうね。

iVIS HV30(TSN-774)

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2008年11月14日 (金)

雪迎え

20081114
抜けるような快晴無風の青空の下、それはまさにインディアンサマーの陽気。「そろそろどう?」「もう来てるよ」ってな会話を友人と交わしたのはつい先日のこと。上着要らずの日だまりで、のんびりとワシの姿を探しました。

20081114b
今シーズン初オジロ。例の如く朝のうちは川の中流域に引きこもって、遡上するマスなどを漁っていたようですが、お昼頃から吹き出した風に乗って高空を一度だけ旋回。その後は湖畔をかすめる姿をちょこっと見ただけで、今日のところは終い。時を同じくして来ているはずのオオワシも未確認。が、それより今年もまたアレを見てしまって、ちょっと心ここにあらず..

20081114c
待機時間中はいつものカワガラスにお相手願いました。人の目の前にやって来てはひょうひょうと餌を探して歩き、相変わらず人を恐れない、まったく持ってらしくないカワガラスです。

20081114d
ミズナラやヤチダモなど周囲の木々がキラキラと光っています。最初は気にも留めなかったのですが、やがて吹き始めた風に乗って、あちこちに糸くずが飛んでいるのが目に付きました。よくみるとかなりの数が漂っており、木々だけでなく、三脚やフィールドスコープにも何本も絡まっています。実はこの糸くずの正体は、「飛行蜘蛛」などと呼ばれるクモの幼生で、糸を長く出すことで風に乗り、遠く離れた場所に分散することを目的としているのです。自らは飛ぶことのできないクモが、自身のエネルギーを消費することなく移動するという、実に巧みな分散戦略と言えますね。時期的には冬を前にした晩秋のちょうど今頃がピークに当たるため、東北など雪の多い地方では、昔から「雪迎え」などと呼ばれ知られています。

20081114e
これがその糸くずの正体。家に帰ってからバックパックの中を隅々まで見回したところ、3匹隠れているのを見付けたので、そっと庭先に放しておきました。もともとそれが目的で飛んできたわけですから、やや長距離ではありますが、本来の目的を達したので問題ないでしょう(笑)。

20081114f
もうこんな季節になりましたねぇ。放射冷却の朝は霜取りが日課になってます。

20081114g
日中は前述の通り上着要らずでしたが、日の出前はご覧の通り。お昼前後には16℃まで上がりましたから、その寒暖の差は22℃!さすがに本州で最も早く氷が張ると言われるだけあります。

EOS50D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

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2008年11月 1日 (土)

庭先の長元坊

20081101
菜園で収穫作業に従事していた家人の呼ぶ声に庭に出てみると、敷地の隅に立っている電柱の上に、ハト大の鳥が留まっているのが目に入りました。もしやと思い、ゆっくりと逆光を避けつつ南側に回り込んでみると、チョウゲンボウの雌であることが判りました。ちょうど出掛けようと機材を車に積んであったので、カメラを取り出し4・5枚シャッターを切ったところで飛び立っていきました。先日の記事に登場した個体とは違いましたが、どうやらこっちが普段よく目にする個体のようです。家人が畑を掘り返した後で、ネズミでも狙おうとしていたのでしょうか。

20081101b
昨日は天気予報が思いっきり外れ、終日どんよりした天気でしたが、今朝も引き続き上越国境沿いは厚い雲の中です。赤城高原の上空も雲はあるものの、途切れ途切れであるため比較的明るいのですが、時折雨交じりの風が吹いてきます。これは冬を前にした典型的な晩秋の冬型で、もう冬がすぐそこまで来ていることを告げているのです。朝陽を背に沼田盆地を見下ろせば、河岸段丘に大きな虹が架かるのが見えました。

EOS50D(EF-S18-200/3.5-5.6 IS)

さて、今日はこれから調査で山ごもりに行ってきます。

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2008年10月21日 (火)

長元坊

今年も赤城高原にチョウゲンボウがやって来ました。春先から夏にかけてどこかの河岸段丘辺りで営巣していた個体が、冬を平野部で過ごすその前に、作物の収穫が終わり裸地の増えた赤城高原の耕作地で、秋から積雪までの一時だけ過ごしていきます。

チョウゲンボウはその機動性を活かして小鳥も狩りますが、主食はネズミ類が多いため、雪の多い地方では漂鳥に分類されます。積雪があっては、思うように地面のネズミを狩ることが出来ないためですね。そんなこともあって赤城高原を含むここ利根地方では、冬に見掛けることは希な猛禽類なのですが、年によっては積雪が少ないことがあり、そんな冬には里へは下りずにそのまま越冬する場合もあります。

20081021
やや若い雌。家の近くの牧草地に居着いている個体を、朝の散歩中に撮影。彼女を見掛けるのは数日おきなので、近所を中心にぐるぐる巡回しているようです。時折、仕事場から見える向かいの畑でヒラヒラとホバリングしているのは、おそらくこの個体でしょう。写真はすぐ頭上でホバリングしているところ。

20081021b
こちらは雄成鳥。用事で沼田へ降りる途中、目の前を横切っていった個体を車で追尾、そば畑の近くでスズメを追い回しているところを撮影。この時は狩りに成功..スズメでなく恐らくホオジロ..したので、積んであったビデオを回し始めたところ、獲物の羽をむしり始めたところにトラクターがやって来たため、獲物をつかんで飛び去ってしまいました。ちょっと残念。

EOS-1D Mk3(EF400/5.6L、EF100-400/4.5-5.6L IS)

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2008年9月27日 (土)

タカ渡りそしてシーズン到来

20080927
某所へ秋恒例のタカ渡り観察に出掛けてきました。と言っても今日の話ではありません。撮影がビデオ中心であったことと、バタバタと仕事が忙しく撮影結果を整理しているヒマがなかったので、後日談と言うことになりました。ちょっと季節の動きを読み違えた感があった..統計的に今年は一週間ほど早い感じ..ので、そんなに数は期待していませんでしたが、それでも1000近くは飛んだようです。

20080927b
渡りの主役であるサシバ。

20080927c
こちらはハチクマの暗色型幼鳥。今年生まれでしょうかね。

20080927d
今日は寒かったですね。朝は初霜が降りるかと思うほど冷え込みました。日中もいつもはダラッと長くなって寝ているララァも、冷たい北風に吹かれて丸くなって寝ていました。さて、夏を日本で過ごしたタカたちを見送ると、今年もいよいよ私のオンシーズン到来です。

EOS-1D Mk3(EF500/4L IS)
EOS5D(EF24-105/4L IS)
Caplio R6

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2008年6月28日 (土)

梟親子

このフクロウは巣立ってまだ10日ほど。羽が生え揃ってないので、枝渡りをするだけで精一杯です。日中はそのほとんどを寝て過ごしていますが、時折目を開けて周囲を見渡しては、あくびを繰り返しています。一応は親もすぐ近くにいるのですが、こちらも同様に寝ていることが多いですね。

20080628
巣立った幼鳥は3羽で、他の2羽は葉の陰になって見通せない場所にいました。別段隠れているわけではなさそうで、たまたまそのような配置になっただけのようです。

20080628b
こちらは雌親。寝ているとは言っても、やはり何か物音がすると、目を開けてその方向を凝視しています。

XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)

昨日のオオタカも然りで、基本的にこの手の映像はあまり載せない主義ですが、今シーズンは生きものでもとりわけ鳥類のハイビジョン撮影に力を入れているので、まあたまには良いかと。

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2008年6月27日 (金)

若タカ巣立つ!

オオタカの営巣木がある林に近づくと、すぐに幼鳥の甘えたような鳴き声が聞こえてきました。仲間内では今週辺り巣立ちではないかと話していましたが、どうやらその通りになったようです。

現場にはすでに大御所のS氏が現着しており、朝からの状況について聞き取りしたところ、2羽とも無事であるとのこと。畑に行く途中だったというS氏..実は私もクライアントに向かう途中だったりする(汗)..と別れた後、注意深く木々の隙間から樹冠を探して歩いたところ、ほどなく幼鳥の無事な姿を確認できました。1羽は盛んに樹冠を飛びながら移動し、もう1羽はジッとしてほとんど動かないところを見ると、巣立ち日に若干のずれがあったようです。

やがてケーケーケーという警戒音を発しながら親が餌..一瞬だったが小鳥だったのが判る..を運んできたので、機材を肩に静かに林を後にしました。

20080627
恐らく先に巣立ったと思われる元気な幼鳥

20080627b
まだおとなしくジッとしている幼鳥

20080627c
餌を運んできた雄親

iVIS HV30(TSN-774)


甘えたように親を呼ぶ幼鳥。背景の音は車の走行音ですが、自然保護のシンボルバードのように扱われる彼らも、実は驚くほど賑やかな場所で営巣するペアもいるのです。幽山深谷よりも、むしろこういった平野部の人里のほうが、餌動物の種類からして彼らの生活に適していると言えます。
MP3 128kbps/48KHz

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2008年6月21日 (土)

若ワシ巣立つ!

20080621
フィールドスコープで営巣木を遠望していたF君が、巣内に幼鳥の姿が見えないことを確認する。昨日の時点で間近の巣立ちを予感させる動きがあったと言っていたのが、まさにその通りになったわけだ。手早く身支度を調え、営巣木のある原野の河畔林に分け入ると、不意にカラスに追われた親ワシの影が樹上を横切る。慎重に辺りを探ると..

20080621c
今シーズンの根釧台地の巣立ち第一号。巣から外界へと飛び出し、初めて見る人間の姿に、あどけなさの残るキョトンとした眼差しを向ける。自分の置かれている状況をまだ理解はしていないが、それすらも時間の問題だろう。とにかく幼鳥の無事を確認できれば長居は無用、雨で濡れるブッシュをかき分け、早々に来たルートを引き返した。

今回はここを含め3ペアの営巣状況を観察させてもらったが、F君はさらに他にも複数のペア..故あって正確な数など記すことはできない..について観察中で、これから順次巣立ちラッシュを迎える。ワシの種類が違うとはいえ、私など1ペアで精一杯だが、精力的に複数の営巣環境を調査し続けるF君の熱意には頭が下がる。もちろんそれを支えるご家族にもだ。ま、何はともあれ若ワシに乾杯!

20080621b
もう何年も若ワシを巣立たせているハルニレの大木。一体何羽の若ワシの巣立ちを見送ってきたのだろう。オジロワシが何世代にも渡って繁殖し続けられる、この原野の貴重さは何にも代え難い。がしかし、世界自然遺産に登録された知床のように、未来への保護が約束された地ではないのもまた事実。未だ押し寄せる開発の波に、いつその命のリレーが途切れるやもしれない危うさをも内包するのだ。物言わずそこに立ち続けるハルニレと、そこを住処とするオジロワシ。彼らの子孫へそのバトンが受け継がれることを真に願ってやまない。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
GR DIGITAL

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2008年6月20日 (金)

鷲と鶴

今日は根室海峡に接する湖沼群と湿地を見て回る。今の季節は様々な生きものに遭遇するが、とりわけ目に付くのはオジロワシとタンチョウ。両種とも冬の鳥のイメージを持つが、ここ道東エリアでは繁殖活動を行っているため、オジロワシなどは通年を通して観察できる。冬の取材で目星を付けておいた営巣木を見て回り、繁殖状況を確認。

20080620

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XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

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2008年6月19日 (木)

道東の原野に生きる

いつもの如くの韋駄天走りで、道央の山岳地帯より一気に移動。取材は後半戦の道東ラウンドに突入、根釧台地の原野に生きる野生の命へと撮影の軸足を移す。

根室海峡側ではいつも世話になっているF君の的確なガイドとアプローチにより、原野に河畔に原生林にと、着いて早々初日から超多忙。幾多の命育む道東の自然の中、その恵みを受けて生きものたちの夏は進行中。通信環境がモバイルから一時的にブロードバンドになったので、今日はやや枚数多く写真をアップ。

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20080619h 

XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

しかし、相変わらずこの季節の北の原野での野外活動は厳しい。前日の29℃から今朝は一気に下がって8℃と、20℃以上の気温の乱高下もさることながら、猛烈なヤブ蚊の襲撃と、藪漕ぎ中のダニ攻撃には頭が痛い。そもそも今回は急遽の渡道であったため、ダニ対策用の雨合羽..雨具では私はポンチョ派なもんで..を忘れてしまい、F君に借りることに。F君とは体格が同じ..敢えて体型とは言わない(汗)..なので助かった。

それにしても、しっかりと根釧台地に根を下ろした、若きフィールド研究者の見つめる目は頼もしい限り。研究者はその現場に居てこそ、持てる能力を最大限に生かせるということを、F君を見ていていつも感じる次第である。野生の生きものは研究室にいるのではない。あくまで自然の現場で生きているのである。

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2008年6月16日 (月)

草原に舞うハリアー

20080616
風薫る初夏の原生花園。昨日午後遅くに降り出した雨も夜半には上がり、渡道後初めて利尻富士を目にする。この名峰を拝まずして、道北に行ってきたなどど言ってはいけない。

20080616b
ヒラリヒラリとまるで重力を無視するかの如く、草原や湿地の上空を低空で舞うように飛ぶハリアー(Asian Marsh Harrier)ことチュウヒ。写真はその雄。普段はイ○ワシやクマタカなど、大型の森林性の猛禽類を相手にしていることもあって、草原で生活する..何と地面に営巣する唯一のタカの仲間なのだ..チュウヒは非常に興味深い猛禽類。我が地元にも越冬にやって来る個体が少数いるが、ここ道北と東北の一部では繁殖している個体がいるのだ。

今日は数年前に見付けたポイントで、2ペア4個体を観察することができたが、草原や湿地などと言う脆弱な環境でなければ生きられない彼らの未来はあまり明るいとは言えない。特に国土が狭く、昔から土地を有効利用することを目指している我が国においては、ラムサール条約登録湿地をバンバン増やす以外に、彼らが生き残る道はないだろう。そう、世界自然遺産登録よりも、実はラムサール条約登録湿地のほうが、生きものたちにとっては重要だったりするのだ。

20080616c
むぅ、よもやまだいるとは思わなかったぞ、ゴマフアザラシ。風呂の帰り道、近年冬にアザラシが数百頭単位で集まることで有名な最果ての港を覗いてビックリ。子育ての季節だけでなく、通年を通して居着いているようでは、冬の観光の目玉とはいえ地元の漁師に嫌われるわけだ。かわいいと観光客に評判の良い生きものなれど、数にものを言わせてブイブイ海を荒らし回っているようでは、早晩トドのように頭数管理の名の下に駆除される日も近いだろう。

XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

日中は昼寝をして過ごすと書いたが、風呂に入るのも時間の空いている昼間。この季節の北海道は日中でもほとんど汗をかくことがないため、お気に入りの湯でもない限り風呂は一日おきでOK。今日の午後はハリアー探索も兼ねて日本海側の海岸線を北上したため、そのついでに日本最北の温泉にて汗を流す。土地柄なのかロシア人の船員が入っていることがあり、異国情緒たっぷりの日帰り温泉施設なのだが、今日はやたら年寄りばかり目について、特養温泉施設ムードが漂っていた(苦笑)。

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2008年6月10日 (火)

平地の蒼鷹

貴重な梅雨の晴れ間が続きますが、そんな日に限ってクライアントとの打ち合わせが入っていたりします。しかし、偶然にもそのクライアントの事務所近くに、オオタカ..漢字では大鷹ではなく蒼鷹と書くのが通例..が営巣していたりもするわけで、早朝よりアポの時間まで張り込んで観察しました。

20080610
営巣木の近くの留まり場でまったりと休む雌。我が家の近く..500mほど離れた雑木林..でも、この数年続けて繁殖に成功していたのですが、今年はその雑木林近くを工事車両が通るようになったためか、営巣地を他に移してしまったようです。オオタカ自体は散歩中に時折見掛けるので、工事車両の出入りが止めば、また戻ってくるかも知れません。

20080610b
この営巣木を観察している仲間のIさんによれば、先週の時点で雛を1羽しか確認できなかったとの話でしたが、両親が餌を探しに出掛けたスキに、営巣木の近くまで行って確認したところ、2羽の雛の無事を確認できました。近くの鉄塔にライバルのハシボソガラスが営巣中なので、気にはなっていましたが、もう日齢も20日を過ぎているので、そうそうカラスに襲われることもないでしょう。

GR DIGITAL


営巣木近くに飛来したハシボソガラスに警戒する両親。鳴き交わしながらカラスを牽制していましたが、すぐに雄がスクランブルして林を飛び出していきました。
MP3 128kbps/48KHz

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2008年5月18日 (日)

ハチクマ春の渡り

20080518
月例調査で北部山域へ。下界ではもう単一の緑一色ですが、北部山域では様々な緑に彩られた新緑が良い感じになっています。今朝方、赤城高原ではホトトギスを、北部山域ではカッコウを初認しました。夏鳥の最終ランナーであるカッコウがやって来たことで、北毛にも初夏が訪れようとしています。

20080518b
そしてカッコウに続いて、同じく夏鳥であるハチクマの渡りも確認。サシバに遅れること約一ヶ月、お昼前後を中心に数羽が谷沿いに飛来、調査地点を次々と北上していきました。これで夏場に見られる猛禽類も、すべて出揃ったことになります。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)

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2008年5月 8日 (木)

天狗と全力疾走

話は遡ること約一月前。某所でミズバショウのビデオ撮影中、沢の奥からキツツキのドラミングが聞こえてきたので、音源を辿って足を運んだときのこと。視線を上げて上流方向に目をこらすと、何やら大型の鳥がこちらに向かって飛んで来るではないですか。飛行高度も異常に低く、10mほどの樹冠すれすれに滑空しているため、ハッキリとその鳥の表情も判ります。もちろんその鳥とは愛しの天狗様。私がいつも追い掛けているこの山の主たるまさにそれ。

キョロキョロと顔を左右に振っていることから、谷筋でハンティング行動中であることが判ります。やおら私の手前20mほどで彼..雄であることはすぐに判った..はこちらを凝視、目と目が合いつつも、しかし飛行高度はそのままに頭上を通り抜けようとしました。当然慌てたのは私のほうですが、間抜けなことに手には携帯レコーダーしか持っていなかったため(苦笑)、ミズバショウの側に置いてあるバックパックまで思わず走り出してしまいました。

滑空する天狗様の真下10mほどを、自分でも信じられないほどのスピードで全力疾走、足を木の根や石に取られつつも、何とか転ぶことなくバックパックまで到達、転がっていたカメラを掴んだときには、彼はすでに右岸側の尾根を超えていくところでした。何をこいつは慌てて走っているんだと言わんばかりの表情で見下ろす天狗様の姿が、今でも目に焼き付いて離れません。

しかし、もしあの時の光景を事情を全く知らない人が見たら、天狗に襲われて一目散に逃げる人間..の図に見えたのは間違いないでしょうね(笑)。

20080508
北部山岳地帯の主、天狗様の肖像。
Canon XL H1(EF400/5.6L)

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2008年4月27日 (日)

たろっぺと春のタカ渡り

20080427
今日は月例調査。昨日の冷たい雨も上がって、北部山域は晴れやかな一日でした。

20080427b
調査地点に隣接する伐採地で見掛けたカモシカ。見た感じ牡の成獣のようです。本来は彼らの侵入を阻止するために張り巡らされた防獣ネットですが、どこから入ったのか思いっきりその中に佇んでいます。またこいつも前回みたいに、ここから出られなくて大騒ぎするのかと心配です。

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と思ったけど、自分の置かれている状況は理解していないようで、我々を気にすることなく呑気に食事を始めました。しかしこんなシーンを組合の連中が見たら、さぞ怒るだろうなぁ。

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森の中に麦チョコが..って言うのは冗談ですが(笑)、これはカモシカの溜糞です。場所を考えると十中八九さっきの奴のに違いないですね。

20080427f
今日も谷筋に沿ってサシバが続々北上しました。ノスリも地元ペア以外の数羽、それにハヤブサも調査地点上空を旋回しながら北上していきました。最後は渡りではないですが、周辺一帯をテリトリーとするクマタカのペア(写真はその雌)が、調査地点上空で派手なディスプレイフライトを見せてくれました。タカ達も春ですね。

20080427g
フキノトウに続く春の山菜と言えばたろっぺ(タラの芽)。調査地点への道中、皆で買い物袋片手に藪に分け入り、思い思いに寄り道しつつ収穫。今宵は天ぷらにして塩振って、冷たいビールで頂きました(嬉)。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
iVIS HV30(TSN-774)
GR DIGITAL

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2008年4月 6日 (日)

サシバの渡来と直立するカモシカ

20080406
今日は春の月例調査。調査地内の日当たりの良い南斜面には、雪解け水が集まって沢が出来ていました。終日風も弱く、まったりと暖かい一日でしたね。

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週初めに降った春のドカ雪はあらかた解け、未だに残っているのは冬に降って圧雪状態になった分です。さすがに我々が踏みしめると踏み抜いてしまいますが、カモシカの子供なら平気のようです。

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雪解け、そして日当たりの良い斜面とくればフキノトウ。これはやや開きすぎていますが、まあ何とかいけるでしょう(笑)。

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調査地の対岸の稜線には雪庇が出来ています。よく見れば崖下には氷柱まで下がっていますね。

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サシバは今シーズン初認です。西の空から姿を見せ、調査地の上空を数回旋回してから、東へと飛び去りました。これからまだ北上していくのでしょうか。ワシ屋というか猛禽好きの私にとって、サシバほど季節感を感じさせるタカはいないですね。黒色型の1羽だけでしたが、いよいよ春来たりなば..と言ったところです。

20080406f
何と二本足で直立するカモシカです。驚いたことに彼女はこのまま歩いて行きました..と言うのは冗談ですが(笑)、一体何をしているのかと言えば、調査地に隣接する柵に囲まれた伐採地から出ようと、柵に前足をかけているところです。入ったところから出れば良さそうなものですが、さすがにそこまでは頭が回らないようですね。結局出ることを諦めたようで、我々が引き上げるまで、終日斜面で寝そべって過ごしていました。ちなみに何故牝だと判るのかと言えば、それはお腹の張り具合で、明らかに子供がお腹にいる体型です。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
iVIS HV30、GR DIGITAL

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2008年3月 2日 (日)

Eagle Identity

20080302

先日コメントにも書きましたが、ワシという大型の猛禽類はとかく神格化される傾向にあります。大空を自由に飛び交い、天空の高みより獲物に襲いかかるその勇猛果敢な姿から、欧米では王家の紋章などにあしらわれてきました。北米のネイティブの中には、強さの象徴とも言うべきその立派な風切羽を、祭事の折に頭部に飾る風習もあります。しかし、果たして今回紹介している道東で越冬する海ワシ達の姿に、そのような気高い崇光なイメージを感じることができるでしょうか。漁船の網からこぼれ落ちるスケソウダラをかすめ取ったり、観光船から投げられる撒き餌に群がったり、漁師が捨てていった雑魚に大挙して押し寄せたり。

もちろん、山岳域や原野でノウサギなどを狩るイ○ワシのように、海ワシ達もまた生き餌の狩りをします。カモメやカモなど水辺に憩う鳥類を中心に、キツネなどの小型のほ乳類を襲ったりもします。逆にイヌ○シでさえも、雪崩や崩落に巻き込まれ滑落死したカモシカや、ハンターが残していった残滓に付くこともあります。特に餌の確保が難しい冬季においては、人間の生産活動から発生する廃棄物や生きものの偶然の死に依存しなければ、厳しい冬を乗りきることが出来ないのもまた事実なのです。単独で生き餌を狩る孤高の姿も、集団でスカベンジャー..自然界の掃除屋..の役割担うハゲワシのような生活振りも、そのどちらもが真実であり、そして彼らのありのままの姿なのです。

かく言う無類のワシ好きを自認する私も、ワシを好きになった理由はやはりその気高い勇猛さ..早い話が格好えぇなぁって感覚(笑)..に他なりません。ワシという生きものは山奥にひっそりと暮らし、人知れずけものを襲って生活していると考えていました。子供の頃の話ですから、何も難しい事を考える余地などそこにはありません。実際、近所の山で見付けたイ○ワシもそのイメージ通りのワシでした。しかし、その後に世界中のワシの仲間を調べ、さまざまな地域に生息する彼らの生態を知るうちに、日本に越冬にやってくる海ワシ達は、意外にも人間の行う生産活動に深く依存した生活をしていることを知ります。

以来、海ワシ達の個々の生態はもとより、彼らの生活するバックボーンやエコシステム(生態系)について俄然興味がわくようになりました。彼らは何故北海道に渡ってくるのか。人間生活に深く関わる彼らの越冬生活とは一体どのようなものなのか。渡道取材を始めた十数年前こそ、海ワシの姿をどう美しくフレームに切り取るかに腐心していましたが、ブログの一連の記事でも判るとおり、近年は彼らのそれこそ「ワシらしくない」姿に拘って記録してきています。そもそも世間一般の方が一方的に抱くワシらしさとは、我々人間が忘れてしまった野生への追憶を、ワシを通して彼らにオーバーラップさせて作り上げた虚像に過ぎず、実際の彼らの生活はもっと泥臭くかつ強かなものであると考えています。

余談ですが、ワシは生態系の中ではアンブレラ種と呼ばれ、その傘の頂点に位置する生きものです。すなわちワシの生息する環境を知ることは、ワシと共に生きる生きもの..もちろん餌動物を含む..を知ることになり、結果的には生きものの多様性を深く考えることにつながるのです。ワシは典型的な他の生きものの命を奪って自らの命をつなぐことを、実に分かり易く具現化している生きものです。それ故、餌となる生きもののやその供給源..たとえ人為的なものであれ..を探ることは、まさに彼らを頂点とする生態系を知ることにもなるのです。

20080302b

最後に、以上は日本で越冬する海ワシに限った話であることを付け加えておきます。世界の辺境の地で、それこそ人間の生産活動などに頼らずとも暮らしているワシも沢山おり、それもまた彼らの実像なのです。そして恐らくはそのようにひっそりと暮らしていくことこそ、そこで暮らすワシ達自身にとってのワシらしさ、つまり「Eagle Identity」なのかもしれない..と言うやや矛盾した思いを抱きつつ、今回の取材を締めくくりたいと思います。

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2008年2月29日 (金)

穏やかなり根室海峡

今日は先日の暴風雪が夢か幻かと思えるほど、穏やかでそして暖かい1日でした。連日氷点下だった気温も一息つき、渡道後初めて日中の気温がプラスになりました。お陰で車体周り下部やフェンダー内にビッシリと凍り付いていた雪と氷がすっかり落ちてくれ、洗車場で洗い落とす手間が省けました。

ワシ達の動きも心なしか活発で、氷下待ち網漁で漁師が雑魚を氷上に捨てていくのを、いつもなら漁師がその場を去ってしばらくしてから飛んでくるのに、今日は漁師のスノーモービルが動き出すと同時に行動を開始し、賑やかに争奪戦を繰り広げていました。まあ単に腹が減っていただけかもしれませんが(笑)。

2月も終わりを告げ、明日からは暦の上では春へと向かいます。人のカレンダーなど野生動物には何ら関係はないものですが、根室海峡に流氷が流れ込んで以降、季節も確実に春に向けて動き出しています。3月に入ってオホーツク海沿岸の港から海明け..流氷が岸から離れて漁が開始される..が宣言されるようになると、ワシ達もボチボチ北帰行の算段を始めるようになります。繁殖予定のない若鳥たちの中には、GW頃まで道内に留まる個体も居ますが、成鳥たちは一刻も早く自分たちのテリトリーに帰って、繁殖の準備を始めなければなりません。

道内で繁殖する地元のオジロワシなどはすでに準備に入っており、時折ディスプレイフライトなど越冬組のワシ達の前で見せつけるようにやって見せます。そうするとそれに触発されるのか、ペアリングの済んでいるオオワシのカップルが、唐突にディスプレイを見せてくれることがあります。今日も2組のオオワシ成鳥が、漁師の投げたカジカを拾ったかと思うと、雄が雌に空中で餌を投げ渡す..いわゆる求愛給餌..ところを観察できました。何気に数羽で群れているところを見ていると、夫婦なのか兄弟なのか今ひとつ血縁関係が判りにくいワシ達ですが、この時ばかりは夫婦であることを確認することができます。

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先日の暴風雪の影響で野付の沿岸から流氷は一旦離れましたが、浜辺にはしっかり置きみやげを残していきました。折り重なるように盛り上がった厚い氷や、テーブル上の平らな氷など形は様々ですが、何れもワシ達の見張り台にはうってつけで、少しでも高いところがあると、大抵ワシがパーチして辺りを睥睨しています。そんなワシが急に飛び立とうものなら、氷の間でくつろいでいたホオジロガモやクロガモなどが、大騒ぎで逃げまどう姿を見ることができます。そうそう、ちょっと浜から距離があってフィールドスコープによる確認になりますが、沖合の流氷帯近くに10年振りにコオリガモを見付けました。

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北海道の道は絵に描いたように真っ直ぐです。だからというわけではないでしょうが、河川も真っ直ぐなものが多くみられます。しかし当たり前ですが、自然環境下で真っ直ぐな川などあるわけもなく、言うまでもなく治水名目の河川改修で、直線的に流れるように人為的に工事されたものになります。川は氾濫して蛇行することで、山間部の森林地帯より栄養分の高い土砂を下流域に運びます。それが流域に肥沃な土壌もたらすわけですが、蛇行河川を真っ直ぐにして氾濫することを押さえてしまっては、その自然の摂理を抑制してしまうも同然なのです。

そしてF君が渦中の人となっているのが、標津川の蛇行復元問題。元々は治水事業の一環なのですが、30数年前の河川改修工事で真っ直ぐな流れに改修したものを、その以前のように再び蛇行した河川に戻すというものです。話を聞くだけで何とも無駄なことをするものだと呆れかえるわけですが、問題は30年以上の時を経て、真っ直ぐなら真っ直ぐなりに適応してきた現在の自然を無きものにしてしまうという、その傍若無人な北海道開○局の考え方にあります。

既に現在の自然環境下に、オジロワシやタンチョウがそれぞれ複数の生活圏を築いているのを、自然を回復するというキャッチコピーの蛇行復元工事で、すべてご破算にしようというのだから本末転倒と言わざるを得ません。今日はその辺りの勉強会が標津と中標津で行われ、F君の他、工事に疑問を抱く住民代表らが毅然と意見を述べるのに対し、事業主側では明確な回答が出来なかったようです。F君らの活動は、これからしばらく緊張状態を続けることになりそうです。

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本日の肴は利尻産のホッケ。内地の居酒屋などでホッケを頼むと、これはアジの開きか?と見まがうようなものが出てきますが、北海道のホッケは倍以上に大きく且つ肉厚です。F君と標津川蛇行復元問題について協議..と言っても私はただ聞いていただけですが(笑)..しつつ、今宵は十勝池田のワインと一緒に頂きました。

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2008年2月28日 (木)

根釧台地に風車は回る

早朝から始まる氷下待ち網漁も概ねお昼前には終わるので、午後は以前から気になっていた根室半島の昆布盛に足を運びました。そこには地元の風力発電事業者の運営する昆布盛ウィンドファームの風車が、強い北風を付けて力強く回っていました。

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何故ワシ撮りカメラマン風情が風車など見に行ったのかと言えば、それは以前にも記事に書いているのでここでは割愛しますが、簡単に言ってしまえば、この巨大な風車に巻き込まれて命を落とすワシがいる..いわゆるバードストライク問題..と言うことに他なりません。こんな大きなものにぶつかる間抜けなワシがいるのかと訝る向きもあるかと思いますが、ワシをはじめとした猛禽類というのは、普段から獲物を探して飛んでいることが多いため、その目の良さが災いしてか、すぐ近くで風車のローターが高速で..羽の先端付近は時速80km程度は出ているらしい..回っていたりしても、すぐには目に付きづらいようです。何より風車の回転など自然界ではあり得ない現象なので、彼らの中にも十分認知されてないことが大きな原因のように思います。

【風車問題】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_71fd.html

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風車が林立するのは風の強く吹く海岸段丘。写真には5基写っていますが、もう1基左に建っています。海岸段丘に海風が吹き付けると、そこに上昇気流が発生するため、カモメなどはよくその風を利用して飛んでいます。それはワシ達も同様で、オホーツク海沿岸や知床半島などでは、場所によっては海岸段丘に沿って移動することが知られています。写真では北西の風を受けて風車が回っていますが、季節や時間が変われば風向きもまた変わるので、それによって鳥たちの行動も変わってくるでしょう。

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3時間ほどの観察中、2度ワシの接近がありました。オジロワシとオオワシの何れも若い個体で、オジロワシのほうは飛行コースを高くとって風車を回避したように見えましたが、写真のオオワシは風車とほぼ同じ高さで飛行しつつ、風車と風車の間を海側から抜けていきました。偶然とはいえこんな短時間でも問題の行動の一端を見ることができるわけですから、通年を通してだとその状況は推して知るべしなのかも知れません。

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何度も書いているとおり、今年の流氷は近年になく良い状態です。今日現在の海氷速報では、オホーツク海沿岸から根室半島にかけてビッシリと氷が入っているのが判りますし、何より太平洋にまで流れ出しているのは久しぶりのように思います。昨日の強風の影響で、羅臼から野付半島にかけての沿岸からは一旦離れてしまいましたが、春になって南風でも吹けば再度接岸することになるでしょう。ちなみに根室の流氷初日は16日で、2年振りのことになります。根室のネイチャーセンターからも、春国岱前の浜が流氷に埋め尽くされている様子を見ることができます。

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例年と比べて根室海峡周辺のワシの数が少ない..と先日書きましたが、本日関係者から定時カウントの情報を得たところ、やはり実感そのままにしっかり数値に表れていました。基本的に定点カウントなのでイレギュラーには弱い結果になる傾向がありますが、その数値情報からは、特にこの1~2週間はワシ達が分散傾向にあるように思われ、詳細原因については、全道一斉カウントの結果集計を待ってからになります。

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みんなの道?そうですここはカムイの国。この旗の意味が判る人は、かなりの通と言えますね。

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某所で待機中、気配に気付いて振り向けば、そこにはキツネの姿が。空や氷の上ばかりに気が行っているので、四つ足動物の接近に気が付かず。そう言えば今年はシカもあまり撮ってないなぁ。

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昨年は使われなかった氷結した湖を見通す巣に、オジロワシのペアが入っていました。近くにもう一つ巣がありありますが、果たして今年はどちらが使われるのでしょうか。そう言えば今日になって思い当たったのですが、このペアはあのペアなのではないか?オジロワシの行動圏を考えると、それも十分考えられるのではないかと、急にその答えを知りたくなってしまいました。が、旅の空の下ではそれも叶わず..

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根室名物エスカロップ

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今晩の肴は野付湾で獲れた北海シマエビ。F君の長女のMちゃんが旨いを連発して食べていたのが印象的で、やはり食べ物は地産地消が一番よろしいようで..

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2008年2月27日 (水)

風強く、ワシ少なく

先週末の暴風雪の余波も明けぬまま、またまた低気圧の影響で風雪の強い1日でした。根北峠など終日吹雪のため通行止めで、弟子屈から標津へ抜ける国道・道道も軒並み地吹雪で通行止め。完全にオホーツク海側と根室海峡側の往来が遮断されてしまいました。こういった暴力的な気象状況というのは、内地ではなかなか味わえないものです。

それはそうとこの冬は、根室海峡周辺の湖沼群で見掛けるワシが少ないように感じますが、実際はどうなんでしょうね。後日、一斉カウントのデータを入手してみないと何とも言えませんが、昨年も同じような印象を受けているので、少々気掛かりですね。昨年は暖冬で氷が張らず、氷下漁そのものが不漁だったようですが、今年はどの湖沼も十分に氷結しており、先日地元の漁師と話した際にも、2月だけ見れば水揚げは悪くないと言っていました。その割にワシの集まりが芳しくないように思えますが、まあ先週今週の状況だけで、良いも悪いも断じようがありませんけど..

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こういう風が強い日というのは、ビデオはまったくダメですね。車載ポッドに積んだとしても、遮るもののない氷上だと、結局車そのものが風を受けて揺れてしまうのでペケ、ましてや三脚を立てるなど自殺行為に等しい..間違いなく風で倒れる..です。自ずからスチル撮影がメインとなりますが、同じく風の影響を受けるのでフードを外して撮影に挑みます。

今回初めて酷寒の地に1D MarkIIIを持ち込みましたが、その新型バッテリーの保ちの良さには舌を巻きますね。渡道前日にフル充電してきましたが、いよいよ30%を切ったので、昨晩ようやく追加で充電しました。日中でも氷点下10℃前後、早朝なら同15℃くらいまで下がり、日によってはCFカードで15GB程度まで撮影しています。当然動体撮影であれば、AI-SERVO AFにイメージスタビライザーもフルに作動させています。それでいてここまでバッテリーが保つのは驚異的ですね。MarkII以前のニッケル水素バッテリーの時もまあまあの保ちでしたが、新型はそれを遙かに上回る性能です。実はプロサービスから事前にそのような話を聞いていたので、予備のバッテリーを買わずに様子を見てきたのですが、私の使い方程度ではまったく予備の必要性はないですね。

それとMarkIII絡みでもう何点か。こちらで会うネイチャー系カメラマンと話をすると、皆が挙ってMarkIIIのAFは悪くなった、MarkII Nが良かったなどという話になります。そして必ずナイコンのD3は良いようなぁ..と続くのです(笑)。実際のフィールドでD3を使ったことがないので比較はできませんが、確かにMarkII Nの粘りのあるAFは良かったと思いますが、個人的にはMarkIII..もちろん対策後のね..のスピード感のある俊敏なAFも悪くないと思います。今回も様々なシチュエーションで設定を色々変えつつ撮影していますが、スパッと切れ味良くピントが決まる様は、MarkIIIならではのものですね。

皆一様に同じような感想を抱くのも、何だか裸の王様のような気がしないでもないですが(笑)、思うに使いこなしの問題なのであって、MarkII以前のような撮り方ではその性能を発揮させることができない、いわゆるじゃじゃ馬的な味付けのカメラのように感じます。

それに直接AF性能とは関係ないですが、DIGIC3の絵作りなのか1000万画素になった恩恵なのか、ビシッと露出とピントが決まった際の絵は、MarkII以前には戻れないと感じさせます。特にエクステンダーを併用しても、十分に光が回っていればそれを看破することは難しいでしょう。

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2008年2月26日 (火)

氷下待ち網漁

羅臼のスケソ漁と平行して取材を進めているのが、根室海峡周辺の湖沼群で行われている氷下待ち網漁です。氷下待ち網漁は、その名の通り凍結した湖沼の氷の下に網を仕掛け、チカやワカサギそれにニシンなどを獲る小型の定置網漁法です。古くは1900年代初頭まで遡る漁法で、現在は主に根室海峡周辺の汽水湖で行われています。汽水湖は海水よりも塩分濃度が低く、水温が一定に保たれるために冬でも魚の動きがよく、定置網漁法に適しているようです。しかし、ご多分に漏れず氷下待ち網漁の水揚げも年々減少の傾向にあり、それに追い打ちをかけるように、湖沼の凍結する時期が段々遅く且つ短くなっており、これもまた地球温暖化の影響なのではないかと言われています。

網に掛かった魚のうち、カジカやギンポ..地元ではガズナギと呼ぶ..など商品価値のない魚はそのまま氷上にうち捨てられていくため、それを目当てに周辺で越冬中のオオワシやオジロワシが多数集まってきて、賑やかに争奪戦を繰り広げます。近年根室海峡周辺の湖沼群で越冬するワシは、700~800羽、多いときで1000羽を越えています。実際、私も2年前の取材の折には、視界に入る範囲だけを数えて1000羽を越えていたことがあり、それはそれは圧巻の風景でした。そんな状況もあって、氷下待ち網漁に群がるワシ達の姿は、すっかり厳冬期の風物詩として定着した感があります。

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ウェブサイト The Northern Wanderer の Movie of Nature に、氷下待ち網漁の雑魚に群がるワシ達の様子を、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・ワシたちの宴」として公開中です。
http://tnwanderer.web.fc2.com/movie/hokkaido/washi_utage06.html

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流氷原の夕景。流氷は広くオホーツク海沿岸にやって来ますが、この景色が見られるのは知床のウトロだけです。

アパートにほど近い知床プリンスの風呂に向かったところ、何と日帰り入浴は夕方5時まで..昨年までは夜7時だった..とのこと。先日は時間帯が早く気が付きませんでしたが、こんなところにまで遺産登録の影響が出ていようとは。アパートにも風呂はありますが、せっかくのウトロ温泉なので、仕方なく以前よく利用していた知床自然村の風呂..オホーツク海を望む露天が最高に気分が良い..に向かいました。

自然村へ登る坂道の途中、ヘッドライトの光芒に白い紙切れがヒラヒラ飛んでいるのが浮かびました。その紙切れは右から左へと道を横切って、ピタッと吸い付くようにミズナラの幹に貼り付くではないですか。車を止め、マグライトの光を差し向けると、紙切れだと思ったのはモモンガ。すると間髪入れずにもう1枚紙切れ..いや、モモンガが飛んできて、ほぼ同じ場所に貼り付きました。風呂にいく途中だったので、着替えのパンツくらいしか持ってなかったので写真は撮れませんでしたが、久々にその愛くるしい姿を見られて、少し得した気分です。

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2008年2月25日 (月)

名峰斜里富士

斜里富士、オホーツク富士とも呼ばれる斜里岳(標高1545m)は、日本百名山にも含まれる道東を代表する名峰です。アイヌ語ではオンネヌプリと言い、オホーツク海や根室海峡からもその美しい山容もしくは頂を見ることができます。今日はオホーツク海側のワシの越冬状況を調べるため、網走から能取岬方面に足を延ばしたので、斜里岳をぐるり囲むようにオホーツクから根室海峡側へと移動してきました。

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斜里からの眺め(北側)。最も斜里岳が美しく見えるビュー。

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濤沸湖北浜からの眺め(北西側)。

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藻琴山からの眺め(西側)。右から斜里岳、海別岳、知床連山と続く。

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標津からの眺め(南側)。一番右奥が斜里岳(南斜里岳)

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能取岬から眺める流氷の海に浮かぶ知床連山。一旦は網走沿岸から離れていた流氷ですが、先日の暴風雪の影響で再び接岸しました。

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暴風雪の影響は根室海峡側にも波及しており、実に数年ぶりに標津の海岸に流氷がやってきました。海氷速報を見る限り、久しぶりに根室海峡のほぼ全域が流氷に埋め尽くされています。

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本日のワシから1枚。道すがらカウントしつつ距離が詰められる個体を撮影して回りましたが、これだけ流氷の動きがダイナミックだと、海岸段丘で見られるワシの姿は少ないですね。先日のカラスとカモメの話と同様に、流氷が入ってくることで沖合に足場が出現することになり、リード(開氷面)で餌を探しやすくなるのです。風が吹けばワシが喜ぶ..の喩え通りと言うことですね(って、ねぇしそんな喩え)。

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今日の野宿地を選定、いざ夕飯でも食おうと準備していると、根室海峡を見渡す海岸草地に何やらうごめく者の気配が。とっくに日は沈んでおり肉眼での視認は厳しく、双眼鏡で何とか確認してから、1D MarkIIIにEF50/1.8を装着、絞り開放、ピントは適当、ISO6400にて何枚かシャッターを切りました。DPPでノイズリダクションを効かせて現像してみると、草地で食事に夢中になっているシカたちの姿が浮かび上がりました。ちなみに水平線の白い帯は流氷、灯火の群れは根室の街並み(根室半島)です。

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網走ではサプライ品その他の買い出しと取材費の工面。そして当然のようにビッグサンへ。本日のおすすめはタラバの内子に外子、それに本マグロ。昨晩ややカロリー摂取し過ぎているので、今日は食欲もサイフもセーブ(笑)。

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2008年2月23日 (土)

盛況!トッカリレストラン

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野付半島から根室半島にかけての根室海峡沿岸にも、羅臼の沿岸同様に近年は流氷の接岸が見られません。先日の記事でも触れましたが、流氷自体が少ないことと風向きの影響もあって、東よりの国後島に近い海域に流れていくことが多いようです。上の写真は一昨日のものですが、今年は標津の海岸線から帯状になって流れる流氷を確認することができました。背景の陸地は国後島になります。

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東よりの風が吹けば久しぶりの接岸もあるかと期待しているのですが、こればかりは風任せなので如何ともしがたいですね。それでもポツポツと流氷の欠片が流れて付いてはいます。

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例のトッカリもこの数日の間に随分と食べられてしまいました。遠目にも骨と皮だけになっているのが判りますね。今日も朝から千客万来で引きも切らず、入れ替わり立ち替わりオオワシが取り付いては啄んでいきます。

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やがて雪が降り出し視界が悪くなってきましたが、それでもオオワシの行列は途切れません。私の観察中もっとも多かった時で一度に10羽が集っていましたが、そうなると押すな押すな大騒ぎが始まります。オオワシはなまじ図体がでかいだけに、やれ肩がぶつかっただの、お前邪魔だそこ退けだの、それは俺の見付けた肉片だのと、残り少ない肉片を巡って小競り合いが絶えません。もうこなるとカラスは近づくこともできず、オオワシ達が去るのをひたすら周囲で待つことになります。引き上げ間際に周辺に点在するワシをカウントしたところ、オオワシ68羽、オジロワシ24羽、合わせて92羽でした。

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こちらはビデオからの切り出し映像。ビューファー越しではありますが、降雪をついて皮を剥ぐ音や肉を切り裂く音が聞こえてきそうです。

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トッカリレストランの賑わいをよそに、周辺にも多数のワシが集まっていましたが、そんな時ちょっとしたハプニング発生。流氷にパーチしようと飛来したオオワシ(写真左から2羽目)に驚いた別のオオワシが、何を慌てたのか足を滑らせてそのまま海へ落水してしまいました。一番驚いたのは当の本人のようで、しばらくは海面に浮いて途方に暮れていましたが、ここから驚いたのは私のほうで、何とオオワシは羽をオールのように動かしながら海面を泳ぐではないですか。そしてそのまま写真奥の流氷まで泳いで近づいて、流氷上に無事はい上がったのです。漁船の水揚げをかすめようとするうちに落水する例はたまに聞きますが、まさか流氷から足を滑らせて落ちる間抜けをこの目で見ようとは(苦笑)。落ちたワシには申し訳ないですが、落水後すぐにビデオに切り換えたので、なかなか興味深い面白い映像を撮らせてもらいました。

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今日の撮影風景。車をブラインド代わりにしています。

午後から天気が悪くなるという話だったので、撮影はお昼で切り上げ、根北峠が吹雪かないうちにオホーツク海側に移動。ワシ絡みの所用で斜里の知床博物館に寄った後、知床プリンスの風呂で汗を流してから、これまた居候しているウトロのアジトに6日ぶりに帰還しました。荷物をひもときつつニュースを眺めていると、関東では春一番が吹いたとか。道内も今晩から明日の朝にかけて、風雪が強くなるようです。

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2008年2月22日 (金)

カラスとカモメの事情

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羅臼の海に数年ぶりに流氷がやって来ました。もちろん程度の差こそあれ根室海峡自体に流氷は流れ込む..風向きや氷の量によって年によって異なるが..ものですが、近年は羅臼沿岸まで届かないことが増えているように思います。その昔初めてワシを撮影に羅臼を訪れた頃は、2月に入れば港の前にゴロゴロと氷塊が浮いていたように記憶しています。安易に言ってしまえば、これもまた地球温暖化の影響というような話につながっていくのでしょうか..

そしてそれが理由なのか定かではないですが、今日はワシ達の動きがやけに活発で、特に普段は警戒してあまり近づかないオオワシが頻繁に餌を狙って飛び交っていました。私も最初こそスケソ漁船団を狙っていましたが、ここまでサービスが良いと撮らないわけにはいかず、最終的には手持ちのメディア一杯にワシの姿を記録することになりました。何度撮っても同じような絵面のカットばかりで、取り立てて新鮮味はないのですけどね。

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さて話は変わって、今日はカラスの話。

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カラスは鳥類の中でも特に学習能力が高いことで知られていますが、頭が良いだけでなくその飛翔能力もかなり高いものを持っています。町中では人の目を盗んで自在に飛び回り、人間の生活ゴミや廃棄物をかすめ取ったり、飛翔の達人とも言えるワシやタカを山中深く集団追い回してみたりと、その飛翔に関する運動性能は相当なものがあります。都市や農村部から果ては亜高山帯まで、陸上で彼らの行動出来ないエリアはないと言っても良いでしょう。

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その陸上におけるカラスの役割を担うのが、海上ではカモメと言うことになります。流氷観光船が沖に出航してすぐに後に付いてくるのはそのカモメたちで、観光船がワシ達のために餌を撒くことを承知した上での行動なのです。餌を撒いてすぐにはワシ達は近寄ってこないので、まずはカモメたちが我先にと集まってきて、周囲は相当賑やかな様相を呈してきます。

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そのカモメの最大の特徴は水に浮くこと。狂騒劇が一段落すると、まるでミズスマシのように海面でクルクルと円を描きながら泳いだりしてみせます。同じようなスカベンジャーの性格が強いカラスとカモメではありますが、両者の最大の違いはこの水に浮けるか否かと言えますね。いかに飛翔能力が高いカラスと言えど、空を飛びながら餌を食べつつけるのは無理があるというわけです。

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しかし、海岸縁から指をくわえて餌捲きを眺めていたカラスたちにとって、大量に流氷が流れ込んでくることは朗報になります。カラス同様にワシ達にとっても海上での事情は同じなので、観光船が餌を撒くのは流氷の上になります。その流氷が沢山あればあるほど、カラスたちにとっても餌を食べたり羽を休めたりするのに好都合な環境となるわけですね。

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餌を巡って流氷上で争う両者。一般的に言って、余程海風が強く吹かない限り、海岸縁だとカモメよりカラスのほうがやや優勢になります。しかし一度海上に出てしまうと、たとえそこが船上や流氷の上であっても、立場が逆転してカモメのほうに分があるようです。うねりのある海風の中を、グライダーのように滑空できるのカモメの特徴ですね。ちなみに写真のカラス、結局多勢に無勢と言うこともあって割とあっさり引き下がりました。

などと、ワシそっちのけでスケソ漁船を撮っていたかと思うと、カラスとカモメの行動を観察して大事なシャッターチャンスを逃してしまい、顔見知りのカメラマンたちに笑われる私だったりします(苦笑)。

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午後は羅臼のある根室海峡北部から南部へと移動、ワシ達のもう一つの集団越冬地を訪れました。

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氷上から近くの森をフィールドスコープで探索すると、小群となったワシ達のねぐら木をいくつか見付けました。もうすでに今日の食事にはありついた様子です。

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氷上にも三々五々ワシの姿が。遠く対岸にはワカサギ釣りの車が見えます。

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すっかりF君宅の居候と化していますが、今日の夕飯はスケソ鍋。羅臼昆布と塩だけでだしを取り、スケソウダラの切り身を鍋にしたものです。羅臼の豊饒の海から幸を頂き、これで少しはワシの気持ちに近づいたかな(笑)。

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酒はF君自家製の野付産野バラ酒。すっかり酔っぱらってしまってウィ~..

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2008年2月21日 (木)

スケソグラフィティ

豊饒の海根室海峡を眼前に抱く羅臼。魚の城下町と称されるほど漁の盛んな町で、羅臼昆布やエゾバフンウニなどがよく知られていますが、特に厳冬期から春にかけて行われるスケソ(スケソウダラ)の漁は有名ですね。我が愛すべきワシ達の胃袋を満たすその豊饒さは、そのままスケソ漁の歴史にも深く関わってきます。スケソ漁は70年代から80年代にかけてその最盛期を迎え、現在は水揚げが減少する傾向にありますが、独自の資源管理漁業を目指して、漁業の町として再生の道を歩みつつあります。

知床半島は斜里側・羅臼側共にその貴重な自然生態系が認められ、05年に世界自然遺産に登録されました。折しも今週、IUCN(世界自然保護連合)の調査団が知床を来訪中で、スケソをはじめとした海の生態系保護のための「海域管理計画」を策定、生態系保全の取り組みについてさらなる強化を求めているそうです。漁業資源としてのスケソの減少と、世界自然遺産として守らなければならない海の生態系。羅臼のスケソ漁は過去にない難しい時期を迎えていると言えます。

以前にも何度かブログの記事に書いていますが、知床や根室海峡周辺のワシの越冬生態を映像で表現する際、ただ単に流氷や海岸段丘のダケカンバに留まる姿を撮しただけでは意味はありません。彼らがここで越冬する事情と理由についても、それなり深く掘り下げていく必要があります。ただ単に鳥類の一つの種として捉えるのではなく、彼らを育む自然生態系をその彼ら自身の生活史を通して、写真や映像で表現していきたいと考えています。と言うわけで、せっかくワシの都羅臼に足を運んいるにもかかわらず、相変わらずワシ以外のものにレンズを向けている次第です(笑)。

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お昼頃から風雪が強まり視界が悪くなってきたので、取り敢えず羅臼を後にします。ちょっと早いですが、こんな日はビールでも飲みながらデータの整理をしつつ、残りの取材日程の見直しをするに限ります。渡道前に取り敢えず大日程だけは組んできますが、そこはそれ相手は自然の事象と野生動物なので、天候や彼らの動きに左右されてしまい、結局は万事が予定は未定の成り行き次第がお決まりコースです(笑)。

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尾岱沼の浜の湯で露天に出てみると、いつの間にか青空が広がっていました。氷点下5℃で半身浴しつつ、のんびりと空の高みを見上げていると、オオワシが1羽、海の方向へ飛んでいくのが見えました。このまま明日も晴れるかな。

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EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS、EF-S10-22/3.5-4.5)
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2008年2月20日 (水)

トッカリは海からの贈り物

餌の乏しくなる冬季、生きものたちは日々食べるものを探すことに日常を費やします。釧路湿原のタンチョウの給餌や、羅臼のスケソウ漁船(または流氷観光船)のような、たとえ人の手から得る食べ物であっても、そこには背に腹は代えられない自然界の事情、もしくは野生の強かさを垣間見ることができます。そしてそれが生きものの死体であったとしても、それはまさに自然界からの贈り物と言えるでしょう。

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海岸に打ち上げられたトッカリ(アザラシのこと)の死体。死因は不明..自然死亡の場合もあれば、定置網などに掛かって死ぬ場合もある..ですが、野生に生きる生きものにとってこのような海獣類の死体は、天からの恵み..いや、海からの恵みとなります。理由はともあれトッカリが命を落とすと同時に、それを食べ命を継ぐ生きものたちがいるこの事実。一見残酷のようでもあり、実は太古から現代まで連綿と受け継がれてきた食うものと食われるものの約束、それこそまさに食物連鎖、つまり生態系と言えるのです。

事前に知り得た情報とF君からの的確な位置情報に基づき、2日間漂着トッカリに張り付き、そこで繰り広げられる野生動物たちの食いっぷりを記録しました。

20080220b
まずはオジロワシ。この個体は飛来後真っ直ぐそのままトッカリに降り立ちました。もうすでに何回も足を運んでいるようです。

20080220c
そしてオオワシ。一旦やや離れたところに降り立ち、肩を怒らせながら歩いて近づくと、前述のオジロワシは黙って席を譲りました。

20080220d
ワシ達の腹がいっぱいになれば、次はカラスの番。写真(ビデオ映像からの切り出し)はちょうどワタリガラスがやって来たところ。

20080220e
午後はオジロワシの調査に出たF君に同伴。周辺5ペアの巣の状況を確認、まだ本格的な営巣には至っていませんが、いくつかは有望と見られるペアもいました。シマフクロウも含め、F君はこれから超多忙なシーズンを迎えます。

20080220f
海岸に出てコクガンを撮影するF君。通常は春秋の渡りの時期に姿を見せるコクガンですが、この季節にも残っているのは珍しいことです。

20080220g
ワシ達の冬季のねぐらであるトドワラの落日。

EOS-1D Mk3(EF500/4L IS + EF1.4x)
EOS40D(EF-S10-22/3.5-4.5)
XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)
Caplio R6

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2008年2月19日 (火)

羅臼の海はいと穏やかなり

羅臼の今朝の気温は氷点下10℃。厳冬期の車中泊にしては暖かい朝です。もう少しビシッと寒くならないと、予定しているとある撮影に挑めないのですが、今週の週間天気予報を見る限り、気温は期待しているほど下がらないようなので、撮影スケジュールの見直しをする必要がありそうです。あれもこれもと欲張っても仕方ないのですが、貧乏カメラマンのタイトなスケジュールでは如何ともしがたいものがありますね。

20080219

20080219b

20080219c

20080219d

20080219e

ちょっとしたトラブル発生。私のMarkIIIには4GBのCFカードとSDHCカードがそれぞれ刺さっており、都合8GBの連続撮影が可能になっています。今日は予備のCFカードと合わせて合計で15GBほど撮影したのですが、撮影後にそれらをノートPC(パナの古いLet's note)のポータブルHDDにコピーしようとした際、何とSDHCカードをノートPCのカードスロットが認識しないのです。PCの購入時点を考えると当たり前の話..当時はまだSDHCが規格として存在してなかった..で、これはどうしたものかと困り果てました。

取り敢えずSDHCカードを使わずに持ち帰ることも考えましたが、今日の時点で4GB分のメディアが使えなくなるのもそれはそれで困るので、各方面の仕事仲間に電話しまくって方策を聞きまくったところ、何のことはなくMarkIII単体でダブルスロットに刺さったカード間のコピーができることが判り、SDHCカードからCFカードにコピーして事なきを得ました。取り敢えず電話した皆様方、仕事中に失礼いたしました(笑)。

20080219f_2 
本日は車中泊を免れ標津のF君宅へ上がり込みました。元々は内地の人であったF君も、北の大地で2回目の繁殖を無事に終え、すっかり屯田兵となっています。今は標津川の蛇行復元問題で遁走しているようですが、北海道の自然は外から来たF君のような若い力..もちろん地元の人の努力もあるが..で支えられていると言っても過言ではありません。何たって北海道は開拓で切り開かれてきた大地、いわば余所者の歴史ですから。

EOS-1D Mk3(EF500/4L IS)
EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
Caplio R6

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2008年2月18日 (月)

根室海峡偵察

20080218
まだやや風が強く吹いていますが、4日間降り続いた雪もようやく止み、オホーツク海に青空が広がりました。寒風に耐えつつプユニ岬より幌別の海を見下ろしていると、時折オオワシが流氷の海を滑空していく姿が見えます。北風で海水面が大きく広がったので、沖合まで餌を探しに出掛ける途中のようです。

20080218b
海岸段丘の断崖にパーチするオジロワシのペア。この彼らは越冬組ではなくいわゆる地元勢になりますが、もうかれこれ15年近くその姿を同じ岩場で観察しています。

20080218c
今日中に主たる取材地の状況を把握すべく、午後には一気走りで根北峠を越えて根室海峡側へ移動しました。話には聞いていましたが、この冬の根室海峡側は本当に雪が少ないですね。ご覧の通り走古丹にはほとんど雪が残っていません。

20080218d
これまた地元勢のオジロペアを、車をブラインド代わりにして撮影。愛の交歓をするかの如くしばらく鳴き交わしていましたが、やがてペア同時に飛び立つと、波頭の立つ海の上でディスプレイ飛行を数回見せてくれました。

20080218e
野付トドワラの日没。一旦雲に隠れた太陽が再び顔を出すと、待ちきれないといった様子でオオワシが飛び立っていきました。

EOS-1D Mk3(EF500/4L IS + EF1.4x)
EOS KISS DN(EF-S10-22/3.5-4.5)
XL H1(EF400/5.6L)
Caplio R6

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2008年1月 9日 (水)

若クマVSノスリ

「ピィー、ピィー」という鳴き声と共に、目の前の谷筋からクマタカが現れました。双眼鏡の視野に映る、フワフワとした頼りなげな飛び方はまさに若鳥そのもので、旋回しながら徐々に高度を上げていきます。双眼鏡を降ろし、ビデオのビューファインダーに若クマを捉えてみると、何やら必死の形相に見えるではないですか。

20080109
XL H1(EF500/4L IS)

するとファインダーの隅にもう1羽のタカが飛び込んできました。若クマより一回り以上小柄で、そして腹帯が目立つのはノスリです。ノスリは旋回中の若クマに突っかかっていき、執拗に追い回しています。若クマは自分よりも小柄なノスリの攻撃に防戦一方で、高度を上げたり下げたりを繰り返し、何とかノスリを振り切ろうと必死ですが、ノスリは飛んでる小鳥を補食することもあるほど旋回性能は高いので、つかず離れず若クマを追い回しています。一体何が原因で喧嘩をしていたのかは定かではありませんが、やがて二羽で向かいの尾根を超えて消えていきました。

カラ類など小型の鳥が集団でフクロウなどに向かっていくことがあり、それをモビングなどと言いますが、同様にツミやハイタカなど比較的小型のタカが、より大きいワシやタカに突っかかっていくのをよく見掛けます。猛禽類は小型になるほど気が強くなる傾向がありますが、ノスリは比較的おとなしい種ですから、よほど何か気に触ることでもあったのでしょうね。

それにしてもいくら若い個体だとはいえ、勇壮なイメージのクマタカにしてはちと情けないですね。少しは反撃に転じても良いものを、全く為す術もなく逃げていきましたから(笑)。

20080109b
今日の北部フィールドは、昨日同様に気温が高く過ごしやすい1日でしたが、時折谷を吹き抜ける風は間違いなく冬の風で、さすがに昨日のように上着要らずというわけにはいきませんでした。風が冷えて空気が乾燥してくると、指先のあかぎれに響きます..
GR DIGITAL

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2008年1月 3日 (木)

一富士二鷹

南側の開けた標高1500m級の頂に上がれば、我が上州からも天気さえ良ければ富士山を拝むことができます。もちろんフルストリップは望むべくもありませんが、日本一の霊峰をほんの少しでも目にすることができるのは、日本人として何となく嬉しいものです。

ところで、富士山が見える地名として最も多いのが富士見ということですが、上州にもそのまんま富士見村という村があります。富士見村は我が赤城高原と同様に赤城山の裾野に広がる村で、赤城山の山頂から南麓一帯を占めています。そしてその名に違わず、標高500m付近から望む秩父連山の稜線奥に、富士山がその頂をわずかに覗かせています。

20080103
お正月ということで、からっ風街道を使って実家に向かう途中、富士見村のビューポイントにて富士山とタカ..取りあえずトビですが、一応タカの仲間と言うことで..を同時に見ることができました。正月早々縁起が良い出会いですが、今年は何か良いことがあると良いなぁ(笑)。

EOS40D(EF400/5.6L + EF1.4x)

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2007年12月29日 (土)

Movie「ワシたちの宴」公開

20071229z
YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・ワシたちの宴」を公開しました。

※※映像解説※※
「根室海峡におけるスケソウダラ漁の水揚げ減少に伴い、一時は羅臼に集中していたワシたちも、次第に道内各地に分散するようになりました。そんなワシたちが次に目を付けたのが、古くから道東の湖沼で行われてきた伝統的な漁法である、氷下待ち網漁です。漁師たちが氷上にうち捨てていく雑魚を狙って、朝早くから三々五々湖周辺に集ってきます。オオワシもオジロワシも、年寄りも若い個体も皆押し合いへし合い譲り合い、そして時には餌を巡って争います。あたかもその様子は、厳しい冬を乗り越えるべく皆で催す宴のようです。」

海ワシと呼ばれるオオワシとオジロワシは、ロシア沿海州やサハリン、カムチャツカなどから越冬のために日本にやって来ます。両種とも天然記念物、そして絶滅危惧種にも指定される貴重な大型の猛禽類です。特にオオワシは極東地域に4000羽程度しか生息しておらず、日本の北海道が重要な越冬地として知られています。冬季に北海道で海ワシたちの姿を目にする機会も少なくありませんが、本来野生動物であるはずの彼らの越冬の様子は、意外にも人間社会の生産活動に深く依存したものなのです。

6回に渡って公開してきた「海ワシ越冬記」のストリーミングビデオ版は、ハイビジョン映像にて制作したワイルドライフドキュメンタリーより、テーマ毎にショートに編集し直した作品です。一連の映像は彼らの生活のごく一部を紹介したに過ぎませんが、海ワシたちの北の大地における越冬生活ぶりを知る一助になればと思います。

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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2007年12月24日 (月)

イブにハヤブサ

やけに太ったオオタカだなぁ..などと考えつつ、頭上を旋回する中型のタカを視線で追ううちに、それがハヤブサであることに気が付きました。割と近くに営巣地があるので、この辺りに姿を見せてもおかしくはない..地付きでなく流れの個体の可能性もあります..ですが、ここ赤城高原では初見参になります。惜しむらくは、持っていたレンズが短い玉だったことですかね。

20071224
まだ陽も昇らない暗い朝、防風林と牧草地の上空を旋回するハヤブサを、しばしララァと見上げていると、頭上に雪が舞い落ちてきました。

20071224b
昨日に続いて今日も本降りの赤城高原です。昨日もそうでしたが、やや気温が高く水分の多い雪質なので、中途半端に解けてそれが夜のうちに凍るため、朝の散歩の際につるつる滑って危なくて仕方ないです。何しろララァの散歩コースは、高低差150mほどの山道なもんで。明日からはスパイク付きの長靴を出さなければ。

今日は終日仕事部屋の大掃除。例年だともう少し月末近くなってから行ってますが、今年は女房がいつになく早くに始めていたため、触発されて早めに手を付けた次第です。DVDプレーヤーをPCモニターに接続し、「星のような物語」のDVDをエンドレスで流しながら、まずはデスク周りから始めます。

毎度のことながら、問題は荷物置き場と化している本棚。まだ読んでない本、読みかけの本、あちこちから入手した様々な資料..調査関係や関係学会の論文等々..に、仕舞い忘れているカメラやレンズにアクセサリー、果ては山で拾ってきた種々雑多なもの..骨とか羽とかペリットとか..に至るまで、整理もせず端から積んであるのを何とかしなければなりません。しかし、それらを所定の場所に配置し始めるとさらに時間を要するため、結局は掃除優先で整理は後回し..というか先送りです(苦笑)。

EOS-1D Mk3(EF?)

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2007年12月22日 (土)

Movie「給餌場に飛来するワシ」公開

20071215z
YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・給餌場に飛来するワシ」を公開しました。

※※映像解説※※
「阿寒町と鶴居村には、タンチョウの保護を目的とした給餌場があります。餌はデントコーンが主ですが、ウグイなどの川魚も与えています。そんな給餌をタンチョウだけでなくワシたちも知っていて、時間になると給餌場にやって来て賑やかに争奪戦を繰り広げます。冬でも餌の豊富な海辺と異なり、河川や湖沼が凍結してしまう内陸部で餌を探すのは容易ではありません。人の撒く餌を求めて給餌場に飛来するワシたちの姿は、野生動物の持つ強かさを現していると言えます。」

ワイルドライフドキュメンタリーとしてハイビジョン映像制作した「海ワシ越冬記」より、テーマ毎にショートに編集し直した映像を、ストリーミングビデオとして6回に渡って順次公開しています。

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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2007年12月15日 (土)

Movie「流氷観光船とワシ」公開

20071215z
YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・流氷観光船とワシ」を公開しました。

※※映像解説※※
「根室海峡におけるスケソウダラ漁の水揚げ減少に伴い、羅臼で越冬する一部のワシたちのお目当ても、スケソウ漁船から流氷観光船へと変わってきています。流氷観光船は沖合の流氷上に餌をまくことでワシたち集めるため、観光目的で野生動物に餌を与えることは好ましくないとの意見もありますが、当のワシたちにしてみれば、船から落ちた(投げられた)スケソウダラにありつける点では、スケソウ漁船も観光船も同じように映るのかもしれません。」

ワイルドライフドキュメンタリーとしてハイビジョン映像制作した「海ワシ越冬記」より、テーマ毎にショートに編集し直した映像を、ストリーミングビデオとして6回に渡って順次公開しています。

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http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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2007年12月 8日 (土)

Movie「羅臼のワシ」公開

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YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・羅臼のワシ」を公開しました。

※※映像解説※※
「スケソウダラ漁で賑わう冬の羅臼。その漁のおこぼれを目当てに集まるワシたちは、80年代頃までに多いときで2000羽を数えました。その後スケソウダラ漁の水揚げも年々減り続け、それに連れ羅臼へやって来るワシたちも数を減らしていますが、それでも道内で有数な越冬地であることに変わりありません。この冬も、海岸段丘の止まり木に集まり、羅臼の港と根室海峡を見下ろしていることでしょう。」

ワイルドライフドキュメンタリーとしてハイビジョン映像制作した「海ワシ越冬記」より、テーマ毎にショートに編集し直した映像を、ストリーミングビデオとして6回に渡って順次公開予定です。

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http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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2007年12月 3日 (月)

Movie「ワシのいる風景」公開

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YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・ワシのいる風景」を公開しました。

※※映像解説※※
「海ワシと呼ばれるオオワシとオジロワシは、越冬のためにロシア沿海州やカムチャツカから北海道に渡ってきます。厳しい北の大地の冬を、流氷の海で、凍てつく河川や湖沼で、降りしきる雪も意に介すことなく、力強く生き抜いています。時に凛とする冬の景色にとけ込み、時に風を捉え静かにグライディングするその姿は、見るものを魅了してやみません。」

ワイルドライフドキュメンタリーとしてハイビジョン映像制作した「海ワシ越冬記」より、テーマ毎にショートに編集し直した映像を、ストリーミングビデオとして公開します。第一弾は前回の「オオワシの渡り」で、今回の「ワシのいる風景」と合わせ6回に渡って順次公開予定です。

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http://www.youtube.com/user/ChannelTM

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2007年11月30日 (金)

若クマ

20071130
朝早くまだ日の差し込まない谷筋の斜面に、白く目立つ鳥影を見つけました。遠くから双眼鏡で眺めるとノスリのように見えます。やがて距離を詰めて近づくにつれ、ノスリの特徴である腹帯がないのと、遠目にも判るガッシリと大柄な体型から、白い鳥影がクマタカであることが判りました。
EOS40D EF400/5.6L ISO1600
DPP3.2 Picture Style「忠実設定」

それも今年生まれの若鳥のようで、餌を探すように地面をしきりに気にしていますが、時折情けなさそうな甲高い声で鳴いています。始めはこちらを警戒して鳴いているのかと思いましたが、距離を取っても鳴くことを止めなかったので、どうやら近くにいる親を呼んでいるようです。

すっかり葉が落ちて見通しの利くようになった周囲の森を、双眼鏡でしばらく探してみましたが、親らしい姿は見つけられませんでした。冬枯れているとは言え、忍者鷹とも言われるクマタカを、薄暗い森の中から探すのはそう容易なことではありません。結局この後何回か飛び立つ動作を見せましたが、この谷筋より遠く離れずにいるところをみると、やはり近くに親がいたのかもしれませんね。


これは若鳥の鳴く声。巣の近くでもない限り、猛禽類の鳴き声を間近に聞く機会はそうはありません。風が吹いてなかったおかげで、いつも携行している小型レコーダーの内蔵マイクでも、何とか収録することができました。
MP3 128kbps/48KHz

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2007年11月28日 (水)

若オジロ

20071128
今日の日中は、昨日とは打って変わって快晴。風は東よりにやや強く吹いて、湖面には終始さざ波が立っていました。

20071128b
今日の狙いはオジロの若鳥。先週偶然見つけて以来探していたのですが、今日ようやく某所で再会、終日観察・撮影することがきました。しかしこの若鳥、他のオジロの成鳥やオオワシ..私は未確認だが成鳥が2羽いるらしい..が怖いのか、湖には近づかず終日川の中流域で餌を探しています。

オオワシやオジロワシ(以後海ワシ)は、その大半が北海道にて冬を越します。生きものが集団で越冬するのは、餌が不足しがちな冬季に、目が沢山ある方が餌を探すのに有利だからです。孤高のワシなどと言われる海ワシであっても事情は同じで、自ずから北海道の越冬地では沢山の海ワシを見掛けることになります。

ところが北海道に留まらず、本州まで南下して越冬する個体には単独..複数が一緒にいたとしてもそのほとんどはペア(つがい)..が多く、そういうワシは得てして自力で餌を探すのに長けています。それ故、本州以南で越冬するワシには経験豊富な成鳥が多く、若鳥は少ない傾向にあるのです。若い個体にしてみれば、単独で餌を独占できる可能性があるにしても、危険を冒す..餌が獲れずに命を落とす..よりは、仲間と一緒に過ごす方が経験も積めて効率が良いでしょう。

と言うことで、総じてカメラマンには人気がなく見向きもされない若鳥ですが、ワシ屋の私としては、本州でけなげに越冬する彼らの様子には興味が尽きません。

20071128c
ビデオから画像を切り出し、胸部や腹部、それに翼の下面が判るよう明るく補正してみました。全体的な印象から、第2回冬若鳥といった感じですね。

20071128d
積雪と同様、砂地や泥地は生きものの痕跡を探すのが容易です。水の退いた河原に沢山の足跡が付いていましたが、ザッと見ただけでも、数頭のシカ(手前)とキツネ(奥)、それにタヌキやテンが往来しているのが判ります。

20071128e
今日の「バスの中からこんにちわ(笑)」はキツネ。山中とはいえすでに日が昇っているというのに、ミヤコザサの下生えをかき分け、警戒の表情を浮かべつつも割と呑気に姿を見せました。なかなか美しい冬毛をまとい、来る冬への備えは怠ってないようです。

EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
XL H1(EF400/5.6L)、GR DIGITAL

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2007年11月27日 (火)

オオワシ現る

20071127
今日は雲がたれ込めやや風が強く吹きましたが、気温は思ったほど下がらず、湖岸に待機していてもそれほど寒さを感じずに済みました。

20071127b
前回遠目に飛んだのを見送っただけでしたが、今日はしっかりと頭上近くを何度か旋回してくれました。しかし風が強く気流が安定しないのか、オオワシの飛行はやたらとゆらゆら不安定で、近くを飛ばれるとフレーミングし辛いことこの上なかったです。それに曇天のどんより空バックでは、白黒ツートンと巨大な黄色い嘴が映えませんね。ちなみにオジロワシは朝一で一回飛んだきりで、その後はオオワシに気圧されたのか姿を見せず。

20071127c
ここのカワガラスは異常なほど人慣れしています。餌を探しながら自分から近づいてくるカワガラスなど初めてですね。いつも渓流で見掛ける奴は、ビビッと警戒音を発しながら一直線に川面を飛び去るのが常ですから。

20071127d
バスが小田代原を通過中、奇妙な角の牡ジカを見つけました。普通シカの角は頭頂部から上に伸びていくわけですが、彼の右の角は後頭部より右横に生えているのです。もともとこういう生え方なのか、それとも夏の間にどこかにぶつけてしまったのか定かではないですが、牡にとって大切な角がこれでは、この秋の繁殖活動に支障が..と思いきや、一応2頭の牝を連れていたので、そう大事ではなかったのかもしれません。

それにしてもこのシカ、写真でも判るとおり湿原に張り巡らせた電気柵の内側にいるのです。恐らく戦場ヶ原側から入ったのだと思いますが、これでは何のための電気柵なのか判りませんね(苦笑)。

20071127e
先日発売されたばかりの、ナイコンのD300の実物を初めて目にしました。持ち主に聞いた話では、予想通り鳥屋にはFXフォーマット(いわゆるフルサイズ)のD3よりDXフォーマットのD300のほうが人気があるようです。少し触らせてもらいましたが、手にした感触やシャッターの動作などはさすがにナイコン製で、某C社の40Dが値段なりにちゃちく感じました(笑)。画質などは未知数ですが、持ち主曰く「D200よりはマシ」とのことです。

EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
XL H1(EF400/5.6L)、GR DIGITAL

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2007年11月25日 (日)

個体識別情報

今日は月例調査で北部山域へ入りましたが、フィールドには数日前まで続いた降雪の影響が少し残っていました。今のところアプローチ林道はまだ長靴で歩行可能ですが、今シーズンは来月中にもスノーシューの出番がありそうな気配です。

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Caplio R6

今日の山ワシは親子3羽が別々に姿を見せ、ほとんど同じ距離・同じ高度・同じ角度を飛ぶので、まるで羽の見本映像を撮ってくれと言わんばかりの行動でした。個体毎の羽の欠損情報..換羽や何らかの要因で折れている状態を指す..は、そのシーズン中に正確な個体識別を行うための重要な情報になります。個体差はありますが、繁殖期を経過するとかなり羽の状態は変化してしまうので、最低でも年2回は個体毎の映像を記録しておく必要があります。そう言う意味で、同じ日に同じ光線状態での羽の情報を残しておけるのは、個人的にも調査記録としても非常に助かるというわけです。

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2007年11月21日 (水)

初オオワシ

先日の初オジロはやや消化不良だったので、再度チャレンジしてきました。

20071121
天気予報によれば、今日明日は冬型が強まる傾向にあって、関東北部の山沿いは雪になるとのこと。あまり冬型が強いと奥日光も風雪模様になることが多いのですが、今日よりも明日の方がよりその傾向が強いと判断しての出撃です。が、そんな賭けも杞憂で終わり、6時間後に引き上げるまで天候には恵まれました(寒かったけど..)。

さらに先週のオジロワシに続いてオオワシもやって来ており、話に聞けば一昨日辺りに姿を見せたとのこと。今日はご挨拶程度に二度ばかり湖岸の稜線上に姿を見せましたが、何れも距離があったのと、気が付いた時点ではすでに撮影レンジを超えていたので、映像は次回に持ち越しです。ちなみにオジロワシ同様、やはり北海道に出掛けていないので、これが初オオワシと言うことになります。

20071121b
早朝の金精峠は路面凍結注意。でも冬タイヤに換装済みなので、先週よりはスイスイです。

20071121c
バスに乗車中、対向車とのすれ違いで停車した際、何気に窓の外を見たら、すぐ脇の路肩に牡ジカがいるではないですか。ゆっくり窓を開けて..この時のポイントは絶対に目を合わせないこと..取りあえず1枚だけ撮影しましたが、手前の立木が邪魔なので席を少し前に移動したら、さすがにあっという間に走って逃げていきました(苦笑)。

20071121d
この時期の戦場ヶ原には、渡ってきたばかりの沢山のツグミが溜まっています。これから徐々に山を下って、年が明ける頃には大半が里に姿を見せるでしょう。ツグミは警戒心が強く近づくことは難しいですが、こいつは珍しく300mmで撮影できる距離まで接近を許してくれました。

20071121e
先日はあまり湖岸に近づいてくれなかったオジロワシですが、今日はサービスよく近くを飛んでくれました(こっち見てるし)。ビデオ映像からの切り出しなので鮮明ではありませんが、そこそこ歳いった成鳥であることが判ります。羽に欠損もなくキレイな個体ですね。

20071121f
これは近すぎ。湖岸近くに漂うハジロカイツブリの群れを撮影するため、ビデオのレンズをEF28-300ISに交換してあったので、目一杯広角側にズームを引きましたが、それでもほぼ頭上を低空で飛んだため、フレームに入りきらずはみ出してしまいました(苦笑)。

EOS40D(EF28-300/3.5-5.6L IS)
XL H1(EF28-300/3.5-5.6L IS)
GR DIGITAL

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2007年11月18日 (日)

Movie「オオワシの渡り」公開

20071118z
YouTubeに、ストリーミングビデオ「海ワシ越冬記・オオワシの渡り」を公開しました。

※※映像解説※※
「秋も深まる知床に、オホーツク海から季節風が吹く頃、ロシア沿海州やカムチャツカから、人知れずオオワシが渡ってきます。翼を広げると2.4mにもなる大きなワシが、季節風に乗って滑空する姿は、それを見るものを魅了します。時には必死で羽ばたき、集まってはワシ柱を作り、そして東の空を目指します。」


ワイルドライフドキュメンタリーとしてハイビジョン映像制作した「海ワシ越冬記」より、テーマ毎にショートに編集し直した映像を、ストリーミングビデオとして6回に渡って順次公開予定です。

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

今年のオオワシの渡りは、先週13日が極大日だったと彼の地の友人から連絡がありました。終日カウントして、約200羽ほど観察できたそうです。オオワシはもともと数が少ない..極東地域に4000羽程度..ため、サシバやハチクマなどと異なり、一度に沢山渡っていく姿を見られるわけではありません。1羽もしくは数羽ずつで、ひっそりと晩秋の知床を通過していきます。それに季節風の加減にもよりますが、運が良ければ20~30羽程度のワシ柱..ワシたちが蚊柱の如く集まって旋回する..が見られることもあります。

【美しい海鷲】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_8a41.html
【直面する問題・その1】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/ii_ad07.html
【直面する問題・その2】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_71fd.html

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2007年11月16日 (金)

初オジロ

友人から隣県の湖にオジロワシが飛来したと連絡があり、今年もいよいよやって来たかと胸躍らせ、いそいそと出掛けてきました。

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ここは関東では数少ないオオワシ・オジロワシの越冬地になっており、今のところオオワシはまだのようですが、オジロワシは今月11日には姿を見せたそうです。海ワシ..オオワシ・オジロワシの別称..は、例年だと秋の知床取材がシーズン初対面になるのですが、今年は他の撮影が忙しくて渡道する機会をもてず、今日が初オジロになります。

冬の北海道ではまとまった数を見るので、特に珍しくもない海ワシたちですが、本州の越冬地では1羽から多くても数羽であり、自ずから貴重な大陸の渡り鳥という存在になります。

20071116b
しかーし。今日は5時間ねばって出現は一度きり。しかも広大な湖の中央付近を高々度で旋回しただけ。空バックの飛翔シーンではどこで撮っても変わり映えしないので、冠雪した男体山を入れてみました。さてオジロはどこにいるでしょうか(笑)。

20071116c
天気は基本的に曇り。そして時々晴れ。そして時々小雪舞う空模様でもありました。昨晩の天気予報から冬型で寒くなると予想はしていたので、テルモスには熱いコーヒー、そしてアンダーウエア等の防寒対策はぬかりありません。今シーズン初めてフリース帽も着用しました。

20071116d
待機中に湖畔周辺を歩いてみましたが、そこかしこにシカの足跡が見られました。写真の足跡は今朝方のものらしく、湖まで水でも飲みに来たのでしょう。その他、キツネとイタチの足跡もありました。

20071116e
目的は初オジロでしたが、前述の通り出現は一度きりだったので、水辺と言うこともあり撮影対象は自ずからカモ類..カワアイサ、キンクロハジロ、ホシハジロ、それにハジロカイツブリ..が中心に。でも最も愛想が良かったのは写真のカワガラスで、水に潜る独特の採餌行動を存分に撮らせてもらいました。

20071116f
金精峠で降られました。雪道は走り慣れているとは言え、シーズン最初はやはり緊張しますね。何たってまだ思いっきりノーマルタイヤのままですし(爆)。

20071116g
午前7時40分。戦場ヶ原にて。寒ぃー。

20071116h
シカの食害対策のためか、某湿原は全域が電気柵で囲われています。写真はバスの車窓からですが、写真家の間で貴婦人とか呼ばれている有名なシラカバより、こっちの方が気になるのは、もはや職業病かもしれない(苦笑)。

20071116i
人気のない湖畔で待機中、突然ドラム缶が歩いてきてビックリ。よく見ると人が背負って歩いていた..当たり前だって..のですが、恐らくクマ捕獲用のものと思われます。近くに民家はないので、駆除ではなく学術捕獲目的でしょうね。

EOS40D(EF-S18-55/3.5-5.6II、EF28-300/3.5-5.6L IS)
XL H1(EF400/5.6L)、GR DIGITAL

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2007年10月 5日 (金)

少しずつ秋らしく

今週末、私の所属する研究グループの全国合同調査が行われます。今日は先月の下見で決まった調査地点のうち、林道を使ってアプローチするところを、念のため再度チェックに出掛けました。万が一林道が使えない場合は、他の地点へ再配置する必要ができてきますが、取りあえず全線クリアでした。

20071005

20071005b

写真は林道の標高1300m付近のブナ林の様子。今年は9月の気温が高かったせいで全般的に紅葉が遅れているそうですが、確かに例年よりは色付き加減が鈍い感じがします。それでも北部山沿いは少しずつ秋らしくなってきているようですが。

EOS40D EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO200 DPP3.0 Picture Style「風景」
(以上データ共通)

上の写真を撮った後、谷間からクマ○カがゆっくり旋回しながら上昇してきました。ちょうど北風が冷たいと感じて、車に戻ってシャツを羽織った時だったので、写真は逃しましたが、目の前50mほどを悠然と滑空してブナ林に消えていきました。

それとクマネタをもう一つ。調査地点からエリア内を双眼鏡で眺めているとき、突然背後からキノコ採りのおっさんが話しかけてきました。つい10分ほど前に、現在地より200mほどの笹藪で、出会い頭にクマに出くわしたと息咳き込んで話し始め、いかに驚いたかを身振り手振りで教えてくれました(俺はあんたにビックリしたんだけど..)。

そのおっさんは、危ないから早く下ったほうがいいと言い残すと、スタスタと林道を歩いて行ってしまいました。私は慌てて機材を車に放り込んで、おっさんの話の場所と思われる笹藪に急行、しばらく様子を見ましたが、30分経ってもガザガサ言うのは風の音だけで、クマは姿を見せませんでした。この秋最初の出会いになるかと期待したいのですが、少々残念でしたね。

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2007年9月23日 (日)

EF400mm F5.6L

現在、近距離を飛ぶワシやタカを撮るのに使用しているのは、キヤノンのEF400/5.6L(以後EF400)です。

20070923

EF400はEOSの黎明期から存在するレンズで、スタビライザーを装備した超望遠レンズ群からみると一世代前の感は否めず、華々しさに欠けるところがありますが、元々望遠レンズの設計は枯れたもの..EF400/4DO ISなどというエポックな兄弟レンズもあるが..なので、写り自体はまったく遜色在りません。レンズ単体での画質はスッキリとヌケがよく、EF1.4xのエクステンダー装着時でも画質の低下はほとんどありませんし。

20070923b
渡り途中のサシバの飛翔。EF1.4xのエクステンダーと併用..400mmx1.4x1.3=730mm相当..しても、光が十分にまわった状態ならばそれを看破することは出来ないでしょう。
EOS-1D MarkIII EF400/5.6L + EF1.4xII
ISO400 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

「飛んでいるワシやタカ」という被写体を限定した使い方だと、キヤノン自慢のスタビライザーが無いことも取りあえずは目をつぶれます。EF500/4L IS(以後EF500IS)のようにそれ自体が重いレンズでは、取り回しの点からスタビライザーは有効ですが、EF400は片手でも楽々扱える重さなので、よほどシャッター速度が遅くならない限り、手振れを気にすることはないでしょう。飛んでいるということは必然的に流し撮りになるわけで、それ自体がブレているのと同義ですから。

焦点距離が重なるEF100-400/4.5-5.6L IS(以後EF100-400IS)も持っていて、以前はこちらをよく使用していましたが、機材がデジタル化されてからはほとんど使用していません。EF100-400ISは望遠側が400mmで尚かつスタビライザーを装備している点で、動物や鳥を撮るのに人気があるレンズです。実際そのような用途で私も使っていましたが、EF28-300/3.5-5.6L ISを導入してからは、動物相手にはこちらがメインになっています。

現在、EF100-400ISが前線をリタイヤしている主たる理由は、EF400と較べて明らかに劣る400mm側の画質です。これはフィルムカメラの時代から感じていたことですが、デジタルカメラになってからは特に顕著に判るようになりました。そんな状況なので、望遠側を延ばそうとエクステンダーを装着することも憚られます。それにEF100-400ISはAFが遅いのも気になりますね。

EF400で気になる点もあります。EF500ISなどと比べると確かにサイズは小さいですが、26cmという長さはカメラバッグへの収納には困るかもしれません。私はバックパックタイプのバッグなのでそれほど気になりませんが、ショルダータイプのバッグだとまず立てては収納できないでしょうね。

それと開放F値がF5.6と暗いことで、EOSの高精度クロスセンサーの恩恵にあずかれないことと、EF1.4xのエクステンダー使用時に1D系の45点エリアAFが使えない..合成F値がF8になるので中央1点の固定になる..のは残念ですが、この点はフィルムカメラの時代からの仕様なので、まあ仕方ないといったところです。

ちなみにフィルムカメラの時代は開放F値が暗い..それがコンパクトさとの引き替えですが..ことが問題でしたが、デジタルカメラになってISO感度が自由に変更でき高感度が使えるようになってからは、その点は気にならなくなりました。

20070923c
調査時やワシタカ撮影時にはビデオカメラ(XL H1)でも使用しています。この場合は35mmカメラに換算すると、約3000mm相当の焦点距離になります。

望遠レンズといえどズームレンズが主流の時代、今さらコンパクトな400mmの単焦点という仕様についキヤノンの良心を感じたくもなりますが、恐らくは在庫の都合か何かでレンズラインナップから外れてないだけなのでしょう(笑)。それでもレンズメーカーを含め他社にはない貴重な仕様のレンズであることに変わりはなく、願わくは最新のスタビライザーを装備してリニューアルしてほしいですね。もっともモデルチェンジするとすれば、EF100-400ISのほうが可能性は高いでしょうけど。

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2007年9月21日 (金)

白樺峠のタカ渡り

20070921
秋の恒例となっている白樺峠のタカ渡り見物に出掛けてきました。
Caplio R6

タカたちは台風などで天候が急変した数日後が一番飛ぶ可能性があるのですが、このところ快晴の日が続いて安定しているせいか、信州タカ渡り研の速報を見る限りタカの渡りもバラけている感じです。二日続けて700を超えているので、今日はあまり期待しなかったのですが、最終的には766羽飛んだようです。現場ではそこまで飛んだ感じは無かったので、高空や谷筋の低いところを飛んだ個体を見逃していたのでしょう。

今日は風がほとんど吹かなかったせいか、タカたちも上昇気流を捉まえるのに苦労しており、あまり高く上がることなく展望広場の前を通り過ぎていく個体が多かったですね。ビデオはまあまあ良い線いったのですが、スチルは高いか遠いかのどちらかで今ひとつでした。広場手前の谷筋で上昇しつつ、広場の上空を通過してくれるのがアングル的にはベストなんですが、まあ相手は自然と野生動物ですから、そう上手くはいかないですね。

渡りと思われる記録鳥種は、サシバ・ハチクマ・ノスリ・ツミ・オオタカ・ミサゴ・トビ・ハリオアマツバメ・アマツバメ・ヒメアマツバメ・イワツバメ・ショウドウツバメ。割とツバメ類が多かったですね。あ、それと鳥じゃないけど調査仲間のMさんにバッタリ遭遇(笑)。

20070921b
ハチクマ

20070921c
サシバ

20070921d
ハリオアマツバメ

20070921e
アサギマダラ

20070921f
機材を片付けてバックパックを背負ってから、帰り間際に出現したタカ柱。50羽単位で連続して2回見られましたが、危うくもう5分早く下山していればNGでした(汗)。

EOS-1D MarkIII EF400/5.6L + EF1.4xII
ISO400~640 高輝度側・階調優先
DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)

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2007年8月27日 (月)

奥利根のミサゴ

ミサゴ(英名:Osprey)は日本全国の海岸や河川に棲息するカラスほどの大きさの猛禽類です。内陸部の湖沼にも姿を見せますが、日本での繁殖例のほとんどは海岸付近になります。また、北日本の個体の多くは冬には南へ移動することで知られ、伊良湖岬あたりでサシバに混ざって南下する個体を見掛けます。

時折、小型の鳥類などを襲うこともありますが、食性は基本的に魚類になります。海上や湖沼の上を飛びながら、水面付近に浮かんでくる魚を急降下して捕らえますが、体が水没するほど水中に飛び込むこともあります。捕まえた魚の頭を前にしてつかみ、空気抵抗を減らして飛ぶ姿は有名ですね。

亜種を含め世界的に広く分布する種ではありますが、魚食と言うこともあって、汚染物質の蓄積による弊害からその数が減りつつあります。極東では同じく魚食のオオワシやオジロワシ、欧米ではオジロワシ、それに北米あたりではハクトウワシが同じような傾向にありますね。

写真のミサゴは、先日の調査の際にすぐ目の前でハンティング行動をとった個体で、頭部と胸部の暗色の様子から雄の成鳥と思われます。奥利根は関東最後の秘境と言われるほどの山奥ですが、夏になるとミサゴがやって来て繁殖をしています。

20070827

20070827b

20070827c

Canon XL H1 + EF400/5.6L
(データ共通)

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2007年5月29日 (火)

レタス作付け

20070529
カッコウの鳴く赤城高原でもレタスの作付けが始まりました。女房曰く、現在朝採りの収穫は富士見村方面とのことで、これから季節が夏に向かうにつれて、徐々に昭和村へ戻ってくることになります。今植えているレタスが収穫されるのは、大体6月下旬から7月上旬にかけてですね。
EOS30D EF-S18-55/3.5-5.6II 18mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070529b
家のすぐ近くでも始まってます。この畑では林沿いをシカに食べられてしまうと持ち主が嘆いていますが、一応その分はロスの計算に入ってるそうです。防獣ネットでも張ればそれなりに効果はありそうですが、今のところは被害額の方が少ないので様子見とのこと。ちなみに奥に見える林を降りたところで、目下オオタカが営巣中です。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

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2007年5月23日 (水)

空の亡霊

それまで座ってのんびりしていた雛が、遠くを凝視するのが判りました。親が戻ってきたならすかさず鳴くはずですが、一点を見つめたまま動きません。ブラインドの隙間から雛の見つめる方向を双眼鏡で覗いてみると、2つの物体..この時点ではまだ点のように小さい..が並んで飛んでくるではないですか。

これは親鳥がペアで戻ってきたのだと思い、三脚ごとビデオカメラの向きを変え、物体をファインダーに捉えて待ちます。たまたま巣内をアップで撮るためスチル用の500mmレンズを装着してあり、35mm換算で3000mm超の焦点距離でしたが、やがて点のような物体が近づいてくると、妙に直線的な動きで且つお互いまったく距離が変化しないことから、それは親鳥ではなく飛行機であることが判りました。

20070523
さらに近づいてきたところをファインダー越しにフォローすると、日の丸を見るまでもなく、時代を感じさせる古くさいフォルムに独特のカラーリングから、航空自衛隊のF-4EJ(通称ファントム)という機体であることが判ります。今日の日中は気温も上がってかなり大気の揺らぎを感じましたが、陽炎の中をゆらゆらと飛んでいくその姿はまさに「亡霊」のようでした。下の倅が学校から戻るなり「昼間、戦闘機を2機見た」と言っていた正体はまさにこれですね。
Canon XL H1 + EF500/4L IS

最近県内においてソニックブーム..航空機が超音速で飛ぶ際に発する衝撃波..による事故が起きています。轟音とともに窓ガラスが突然割れるという被害が数件報告されており、一応犯人は正体不明の飛行機ということになっていますが、まさか国内の空をそんな物騒なものが飛んでいるとは考えられず、恐らくは在日米軍機による飛行訓練だと言われています。実際、F-15と思しき機影2つが沼田市内の上空を飛んでいるところを、私自身も目撃しています。

どうも某国戦を意識した山岳域の飛行訓練のように思えてならないのですが、お願いだからこの時期に県内北部の山に近づかないでもらいたいものです。我々が観察している猛禽類は今がまさに育雛期に辺るので、そんな状況下で巣の近くでソニックブームでも起こされたらたまったものではありません。どうかこの手の訓練は自国のだだっ広い荒野で済ませてきてほしいですね。

と、機影を見送りながらそんなことを考えていると、機影が視界から消えると同時に、後から追いかけるようにジェットエンジンの爆音が谷の中を通り抜けていきます。一瞬、エゾハルゼミの合唱が止んだように思えましたが、爆音が聞こえなくなるとまたブラインドの外でジージーと鳴き出しました。勝手なもので、いつもはうるさいと感じているエゾハルゼミの鳴き声も、この時ばかりは優しく感じましたね(笑)。

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2007年5月 1日 (火)

オオタカの食痕

考え事に頭を巡らせつつ、仕事部屋の窓の外をボンヤリ眺めていると、オオタカ..近所で営巣中の雄と思われる..が雨をついて低空で飛んでいるのが視界に入りました。すかさず窓辺の双眼鏡で視野に捉え行方を追尾すると、500mほど離れた農道に沿った畑の際に突っ込むのが判りました。折しも農道を軽トラックが上がってきてすぐ側を通り過ぎましたが、飛び立つ気配がありません。どうやら何か獲物を捕獲したようです。見に行こうかと家を出る寸前に携帯が鳴ってPCの前に引き戻されてしまいましたが(苦笑)、その後に用事で出掛けたついでにオオタカが突っ込んだとおぼしき辺りを探してみると、やはり何か獲物にありついていたようです。

20070501
農道沿いの畑の畦に羽毛が散らばっていました。羽毛を見る限りキジの雌のようです。
GR DIGITAL F3.2 ISO64

20070501b
獲物の捕獲地点よりさらに20mほど離れた農道上に、キジの翼と骨数点が落ちていました。やはり襲われたのは雌ですね。オオタカは捕獲地点ですぐ獲物をバラして、胴体だけをどこか安全な場所..食事するところは大体決まっている..へ運んだようです。近くの畑にハシボソガラスがたむろっているところを見ると、恐らくこのキジの残渣は彼らがここまで運んだのでしょう。それが証拠に私が記録写真を撮影して現場を離れると、途端に飛んできて残渣をつつき始めました。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

今朝、近くの演習林でキビタキとヤブサメを確認しました。ヤブサメは声だけですが、赤城高原では今シーズン初認になります。

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2007年4月26日 (木)

強風にて撤退

事前にある程度は覚悟して出掛けたのですが、今日の北部山域は予報通り猛烈に風が吹き荒れました。

それでも朝のうちは晴れ間も出て、もしかしたらと期待もしたのですが、9時を過ぎた辺りから風が強く吹き始め、谷伝いに通り抜けてくる風圧にブラインドが吹き飛ばされるかと思いました(汗)。ここの撮影ポイントで使っているブラインドは常設ではなく簡易的なもので、四隅を周囲の木々にザイルで結んであるだけなので、吹き上げる風にはめっぽう弱いのです。本当はシーズンを通して常設しておきたいところですが、ネコの額ほどしかない狭い岩場の隙間なので、なかなかそういうわけにはいかないのです。

バタバタと風にはためくブラインドもさることながら、その震動でビデオカメラまで揺れるのには閉口しました。レンズはスチル用の超望遠レンズ(500mm)を装着しているので、少しの震動でもファインダーの映像が大きく揺れてしまうのです。少しでも風の影響を受けぬようフードと外付けマイクを外してはいるのですが、それでも揺れは収まりません。そうこうしているうちに空が暗くなったかと思うと、雷が鳴り出して雨も降り始めたので、仕方なく速攻で荷物を撤収、巣内に親がいないことを確認して岩場を後にしました。

20070426
新緑にはまだ早いモノトーンの山々ですが、500mほど離れた対岸の尾根筋でコブシが白い花を咲かせ始めました。
EOS30D EF500/4L IS
ISO400 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070426b
この美しいブルーに彩られたのはカケスの羽。大きさ(約5cm)から言って次列雨覆の辺りでしょうか。ブラインド内でいつも椅子代わりにしている石の上に、まるで誰かが置いたかのように落ちていました。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

20070426c
こちらは車の脇で見つけたヤマドリの羽。これだけだと部位までは特定できませんが、恐らくお腹の辺りではないでしょうか。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

20070426d
帰りがけに林道脇の水たまりでニホンヒキガエルを見つけました。それも1匹や2匹ではなく、20匹以上はいたようです。動作は鈍いですが追いかけっこをするもの、背後から抱きしめるもの、今まさに彼らの恋の季節のようです。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

20070426e
31日齢の雛と雌親。とりあえず順調です。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

今日は散々な天気でしたが、気温がそこそこ高かったせいか、エゾハルゼミがほんの一瞬だけジーコジーコと鳴きました。それとセンダイムシクイも今季初認です。ブラインドのすぐ目の前までやって来て、「チヨチヨビー」と鳴いてくれました。

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2007年4月24日 (火)

窓辺のオオタカ

仕事場の窓の外..それも窓辺より低い位置..を大きな鳥影が横切ったので、カラスかと思って窓の外に目をやると、庭先の電柱にオオタカが留まっているではないですか。

20070424
慌ててカメラを探すと床に30Dが転がっているのが目に入りました。朝早くまだ暗いのでISO感度をやや上げて、500mmを手持ちでシャッターを数枚切ります。エクステンダーを挟むかどうか悩みましたが、意を決して500mmから30Dを外そうと下に向けた途端、何か獲物を見つけたのか、低空で一気に飛び出して隣家の死角に飛び去っていきました。我が家から500mほど離れた雑木林内のアカマツにて、今年もオオタカのペアが営巣していますが、この個体は大きさから見てそのペアの雄のようです。
EOS30D EF500/4L IS
ISO640 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070424b
標高700mの赤城高原で、真っ先に新緑の準備を始めるのはミズキです。ララァの散歩コースでも、この数日で若芽が一斉に開き始めました。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

今朝、上のミズキの写真を撮っている際、樹上にサンショウクイを確認しました。すでに渡来しているツバメ・クロツグミに続いて、赤城高原では3番目の夏鳥になります。

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2007年4月12日 (木)

クマタカの風切り音

今日は午前中に至急のデスクワークが入っていたので、お昼からの出撃となりました。向かった先は、昨日の森とは尾根を二つ隔てた調査地内の中核をなす谷の右岸側です。

20070412
湧き水の出ている日当たりの良い林床に、気の早いミズバショウが顔を出していました。ミズバショウもクマの好物なので、早めに起き出してきた若いクマたちにとってはありがたい話ですね。それにしても、この辺りだと例年より半月近くも早いわけですが、この分だと尾瀬もかなり早い時期にミズバショウのオンシーズンとなるかもしれません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412b
遠く上越国境の山々を望む稜線上にて、沢山のクマ棚を載せたミズナラを見つけました。先日の月例調査時にフィールドスコープで覗いていて偶然見つけたもので、近いうちに見に行ってみようと考えていたのです。何回もクマが足を運んでいたところ見ると、どんぐりのなり具合が相当良かったか、上越国境の山々を眺めながら食べるどんぐりの味が格別だったのかもしれませんね(笑)。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「スタンダード」

20070412c
こちらはクリの木に作られたクマ棚。この稜線一帯にはミズナラ・コナラの他にクリも多く、クマ棚もミズナラよりもクリのほうが目に付きます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

20070412d
それもそのはずで、林床に目をやればそこら中にクリのイガが落ちています。もちろん中身はすべて空で、ほとんどクマやサルの胃袋に収められたのでしょう。器用に割ってあるのがサルで、かみ砕いたように割れているのがクマの仕業でしょうか。あ、イノシシの可能性もありますね。何れにせよ彼らにとってご馳走であることには違いありません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412e
この山域もすっかり春かと思いきや、稜線上の北向きの斜面で冬のなごりを見つけました。時折残雪の上を吹き抜ける風が、汗をかいた体に心地よく感じられます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

ビデオで林床の映像を撮っているとき、眼下の谷間から「ピィーヨ、ピィーヨ」という猛禽類特有の声が聞こえてきました。旋回しながら上昇してくるその声の主は、樹間越しではありますがクマタカであることが判りました。そのまま空高く上がるのだろうと思って眺めていると、寝そべっていた私の存在に気が付かないのか、いきなり上下方向に翼を開き変えた..つまり背面をこちら側に向けた状態..かと思うと、そのまま一気に木立を横切って反対側の谷へと飛び去っていきました。大型の猛禽類にしては翼開長が短く、イ○ワシとは異なり森の中を自由自在に飛ぶことができるクマタカならではの芸当と言えるでしょう。

それにしても、林床に寝そべっていた私との距離は、控え目に言ったとしても10mそこそこで、風切り音まで耳に響く近さでした。横切る際にチラッと私を見たような気がしましたが、野生のクマタカ..それも飛翔中の個体..をこのような至近距離で見たのは初めてで、しばし興奮冷めやらぬ心持ちでした。

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2007年4月 9日 (月)

珊瑚寺の桜とオオタカ

仕事で前橋に出掛けた帰路、富士見村の珊瑚寺に寄ってみました。ソメイヨシノは8~9分咲きといったところで、木によってはほぼ満開、ちょうど今が見頃ですね。桜前線自体は富士見村から旧北橘村辺りまで上がってきており、やはり例年より一週間近く早い感じです。富士見と標高の近い嶺公園辺りだと、そろそろ散り始めていました。

20070409

20070409b

20070409c
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO100 DPP3.0 Picture Style「風景」
(以上データ共通)

20070409d
ソメイヨシノの花の蜜を吸いに、メジロとヒヨドリが入れ替わり立ち替わり頻繁にやって来ていましたが、突然のオオタカの来襲にパニックに陥り、右往左往していました。一番高いソメイヨシノの樹冠に突っ込んだ際は、ハンティングに成功したかと思いましたが、出てきたときは手ぶら(足ぶらか)で、その後池の上空を2回ほど低空で旋回した後、再び飛んできた方に戻っていきました。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

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2007年3月 9日 (金)

オオタカと一筆啓上

20070309
今年もオオタカが戻ってきたのを確認しました。早朝より、我が家から100mほどの雑木林にて、営巣木のある谷を見下ろしていました。ここ数年続けて子育てに成功しており、昨年も若鳥を2羽無事に巣立たせました。営巣木が近所の家の目と鼻の先にあることもあって、なかなか集中して観察するわけにも行きませんが、家の近くで悠々と猛禽類が繁殖しているという事実は、ラプター好きには堪りませんね。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 110mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070309b
ヒバリと並んで、今一番囀りに忙しいのがホオジロ。電線に庭木に場所を問わず、「一筆啓上、イッピツケイジョウ」と日がな一日鳴いている姿をあちこちで見かけます。近づくと一旦囀りを止めますが、だるまさんが転んだを繰り返すことで間近に寄ることも可能です。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6DO IS 300mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

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2007年3月 7日 (水)

西のサル

20070307
今日は昨秋以来の県西部の谷へ出撃。県の西部はもともと積雪は少ないので、景色としてはいつもと変わらずですが、例年ならば見事な氷瀑ができる滝も、いつになく規模が小さく寂しい限りです。
EOS-1D MarkII N EF17-40/4L 17mm
ISO100 Picture Style「スタンダード」

谷筋でひとしきり撮影の後、沢に沿って走る林道を伝って谷を見下ろす尾根に取り付きました。冬の間は誰も入らなかったようで、林道は荒れ放題、ジムニークラスの軽四駆でないとまず進入は不可。それもパンクを覚悟しないと厳しいですね。そう言えば1日に県内一斉に渓流釣りが解禁になったので、平日だというのに数人の釣り師を見かけました。

20070307b
昼飯を食いつつ定点調査開始。やがて対岸の稜線上をク○タカが旋回、高度を下げつつ谷間の森へロスト。隔年で繁殖活動を行うク○タカは、今年がその年に当たります。対象をロストした辺りに巣があると見当を付けていますが、あまり真面目に探してないこともあって、未だ営巣木は不明です。
EOS30D EF17-40/4L 17mm
ISO100 Picture Style「スタンダード」

20070307c
調査中、気が付くと周囲にサルの姿がちらほら。姿が見える範囲で20頭ほど、藪の中を移動している個体も含めれば30頭以上はいそうです。この辺りは県内でもサルが多いところで、ほぼ毎回その姿を見ることができます。写真は若い雄ですね。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO200 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070307d
定点の足下からも気配を感じ、望遠レンズを抱えて谷をのぞき込むと、子連れの雌が日向ぼっこをしていました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS + EF1.4xII
ISO200 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

定点調査で気が付いたのがクマ棚の少なさ。目を皿のようにして双眼鏡で眺めて、やっといくつか数えられる程度なのです。しかもいずれも規模が小さいものばかり。この谷に足を運ぶようになって10年以上経ちますが、こんなにクマ棚が少ない年は初めてです。昨秋の山の実りは、北部山域とはかなり様子が違ったようですね。

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2007年2月25日 (日)

阿寒の餌付けワシ

今日も昨日に引き続いて阿寒の餌付けワシの撮影です。ワシの北海道における越冬事情の一つとして、タンチョウの給餌場の餌を横取りするワシの行動は、非常に興味深いものがあります。その理由は..いや、今日も眠いのでまた別の機会にしましょう。

20070225
コッタロ湿原にて
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 12mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070225b
タンチョウのねぐら
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

20070225c
ウグイを狙う
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

20070225d
タンチョウの様子を窺う
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

20070225e
おやここでは珍しい
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

20070225f
あれ?勘違い?
Canon XL H1 HD20x

20070225g
SL冬の湿原号
Canon XL H1 HD20x

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2007年2月23日 (金)

2月の雨

今日は東京農○大学のU氏主催による根室海峡の鯨類調査の予定でしたが、生憎の荒天のためチャーター船が欠航、予定が空いてしまったので、急遽標津のF君のオジロワシ調査に同行しました。

20070223
普段は入ることの出来ない野付の竜神崎灯台から先は、荒天の影響もあってまさに荒涼とした世界。海にはコオリガモやビロードキンクロが浮き、雪原にワタリガラスの声が響き渡る辺り、どこか極北の村を彷彿とさせる風景ですね。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070223b
林○庁の委託で野付周辺のオジロワシの定期調査を行うF君。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070223c
荒涼とした無機質な雪原にただ1羽のワシがいるだけで、そこはもう確かなワイルドライフの世界。オオワシは存在感ありますね。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070223d
海岸を吹き抜ける強い風に耐えるため、風上に向かって中腰姿勢で棒杭に留まるオオワシ。この後飛び立つのですが、思いっきり風下に流されていきました。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070223e
F君が顔見知りのキツネ。この季節ならではの見事な冬毛をまとっています。我々が側で観察していても、まったく警戒することなく何かを探して歩いていました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO200 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070223f
F君と別れた後、どうにも天候が悪く視界不良のため、根北峠を越えてオホーツク海側に戻ってきましたが、驚いたことに昨日は一面真っ白だったオホーツク海..陸から見える範囲..に、流氷の姿がまったくありません。それは見事に離岸しています。いやホントに今年の流氷の動きは速い..
GR DIGITAL F7.1 ISO64

今日は2月の北海道だというのに雨がパラつく始末。気温6℃では仕方ないですが、暖冬の影響極まれりといった感じです。19日に風蓮湖の海側でオオヒシクイを見掛けましたが、先日のニュースではウトナイ湖にマガンの第一陣が到着したと伝えていました。例年より2週間ほど早い北帰行の始まりですね。

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スケソウ漁とワシ

※以下、22日の記事になります。

20070222
今朝のプユニ岬からの様子。昨晩は少し南風が吹いていたのでもしやと思いましたが、やはり流氷は離岸していました。気温が下がらないので流氷同士なかなか固まらず、そうこうしているうちに風で再び動いてしまうのです。それでも観光客が流氷ウォークを楽しむくらいの量を、幌別前には残していってくれたようですが。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070222b
海岸流に乗って流される流氷とワシ。真鯉から日の出にかけては適度に海が開いているので、ワシ達が開氷面の縁に陣取って餌を探しています。根室海峡側にもまだ流氷は入っていませんので、こういうシーンが見られるのは斜里側になります。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070222c
知床連山の主峰である羅臼岳を頂く羅臼港の様子。同じ知床半島にある漁師の町といっても、流氷に閉ざされるために漁が行われないウトロと異なり、羅臼は冬でも稼働していているので港に活気があります。羅臼の冬の漁の主力はスケソウダラの刺し網漁ですね。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070222d
午後になると、次々と漁を終えたスケソウ漁船がカモメたちを従えて港に戻ってきます。ワシのなる木が見られほど羅臼にワシが集まるのは、このスケソウ漁が盛んになる冬です。カモメ同様にワシ達も、スケソウ漁船が刺し網を巻き上げる際にこぼれ落ちる、いわゆる漁のおこぼれを狙っているのです。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070222e
スケソウ漁が豊漁に沸いて久しいですが、最も水揚げの多かったのは70年代から80年代にかけてで、その後は減少の一途をたどっています。まあ乱獲と言ってしまえばそれまでですが、それでも資源管理の名の下に、近年は様々な自主規制が行われるようになったようです。当たり前ですが、肝心の魚がいなくなってしまっては、自ずから漁師の仕事もなくなってしまうこと意味するので。
Canon XL H1 HD20x

20070222f
これがスケソウダラ(またはスケトウダラ)。スケソウダラはベーリング海からオホーツク海など北太平洋を広く回遊する中層域の魚で、流氷に追われるように1月から3月にかけて、産卵のために羅臼沖の海にやってきます。知床半島と国後島に挟まれたこの狭い海域は意外に深く、水深500mくらいの海底を好むスケソウダラにとっては産卵の好適地なのです。すり身はカマボコの原料、卵は言わずと知れたタラコですね。
Canon XL H1 HD20x

20070222g
港にスケソウ漁船が戻ってくるのを見付けると、それまで海岸段丘の木でぼんやりしていたオオワシが、力強く羽ばたいて沖に飛んでいきます。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222h
オジロワシ同士の空中戦。嘴と翼及び尾筒下面の白バフからみて、スケソウを掴んでいる方が第二回冬若、横取りしようと仕掛けている方が第一回冬若(つまり昨年生まれの意)のようです。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222i
沖から手ぶら(足ぶらか?)で真っ直ぐ戻ってきたオオワシ。海岸段丘に吹き付ける上昇気流を巧みに利用、フワリと軽々パーチして見せます。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS + EF2x II
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222j
沖合からスケソウダラを掴んでオジロワシが戻ってきます。海風が強いせいか高く飛べず、私のすぐ頭上を通過していきます。その際、バッサバッサと力強く羽ばたく羽音が聞こえてきました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070222k
夕暮れ時、海岸段丘にて休息するワシ。さて今日は皆餌にありつけたでしょうか。この後辺りが薄暗くなる頃、彼らも川の上流にある塒へと帰って行きます。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 150mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

羅臼でワシを撮るというと、昨今は餌付け船..もとい流氷観光船(17日の記事参照)に乗って流氷とワシの姿を狙いがちですが、それだけでワシたちの越冬生活史を表現するにはまったく十分ではありません。スケソウ漁が豊漁の時代、ワシ達は人間の生産活動に割り込んで強かに生き抜いていましたが、それが今や餌付けという非生産的な行為によって一部まかなわれているという現実があります。その辺りも踏まえ、本来なぜワシ達は日本に越冬にやってくるのか、なぜ羅臼にワシが集まるのか。そう言った視点で掘り下げていかないと、真の野生たる彼らの生態は見えて来ないのだと思います。

未だ根室海峡側に流氷がやってこないので、流氷観光船も満足に営業できず、そのせいか羅臼で見掛けるカメラマンの姿もまばらです。端から私の今日の取材目的は港にあったので、幾つかの港湾内で目的のシーンを撮影していたところ、珍しいと見えて何人かの漁師に声をかけられました(お陰で仕事がはかどった)。目的のシーンと言っても、以前にそのほとんどは押さえてあったのですが、今回あらためてハイビジョンカメラで撮影し直しているというわけです。確かに、ワシを撮るためにこの地を訪れるカメラマンの類は数いれど、ワシ撮りカメラマンを自称しつつ、ワシではないものを撮影しているのは不思議なのでしょうね(笑)。

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2007年2月21日 (水)

ようやく流氷安定

20070221
寄っては離れ、離れては寄ってを繰り返していた流氷が、昨日辺りからようやく安定し始めました。朝のいつもの日課でプユニ岬に上がってみると、沖合までびっしりと流氷が埋め尽くしています。やはり冬の知床の景色はこうでないとね。とか何とか書いておきながら、うっかりすると明日の朝にはまた離れていたりするのですけどね(苦笑)。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 10mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070221b
こうして流氷をアップで見ると、まだまだ隙間が多く見られますね。氷の隙間は氷泥と呼ばれる粘性の高い海水で埋められおり、これらが波に揺られつつ互いに押し合いへし合いしているうちに、気温が下がって氷泥が接着剤の役割を果たして、やがて固まっていくのです。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 195mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070221c
波の荒い岩尾別の断崖下はまだ流氷が接岸できず、代わりにシャーベット状の氷泥が漂っていました。ふと双眼鏡を覗いてみると、断崖に阻まれてまだ陽が回らない岩場に、オオワシがパーチしています。距離はかなり離れているのですが、オオワシの特長である黄色い大きな嘴と、肩の白いパッチがよく目立ちますね。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070221d
雲一つない紺碧の青空に、白銀の知床連山が浮かびます。流氷原と並んで、冬の知床を代表する風景ですね。
GR DIGITAL F9 ISO64

20070221e
不意に雪面に大きな影が映ったので、瞬間的にワシが近くを飛んでいると判断、500mmレンズを振り上げると同時にワシの姿を探すと、頭上近くを低空でオオワシが滑空していくところでした。慌ててファインダーにその姿を捉えましたが、あまりに近すぎて両翼が入り切りません。オオワシは焦る私にレンズ越しに一瞥くれると、真っ直ぐに流氷原の彼方へと飛び去りました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070221f
オシンコシン崎で流氷原を見下ろすオオワシを発見。しばらく観察の後、撮っては止まり、止まっては撮ってを繰り返しながら少しずつ距離を詰めていきます。オオワシと私の間に一切の遮蔽物がない以上、だるまさんが転んだ作戦で近寄るしかありません。以前、電柱の上に止まるオオワシに対し同じ作戦をとったところ、最終的には電柱の真下に行っても全然逃げなかったという経験が何回かあります。もちろんオオワシに警戒心が無いということではなく、個体差がかなりあると考えるべきですね。実際多くのオオワシの逃げ足は速いですから。野生動物が人に対しどれだけ接近を許すかというのは、個体差がある以上一概には言えませんが、もちろん経験的にこれくらいが限度かな..という見切りはこちら側でする必要があります。
Canon XL H1
EF400/5.6L + EFアダプターXL


20070221g
オオワシとのだるまさんが転んだを、反芻しながら側でのんきに眺めていた雌ジカ。そう言えば、私が空ばかり眺めているからかもしれませんが、今年はシカの姿が少ないような印象を受けますね。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070221h
以前のウトロの町中は、季節を問わずシカ達の無法地帯でした。さすがに日光のサルのように土産物屋を襲撃するような暴挙にまでは出ませんが、我が物顔で民家の庭先に侵入、庭木を食い荒らす等の被害が続出したのです。しかし世界自然遺産を標榜する知床の町で、まさか走古丹のような直接的な手(19日の記事参照)は打てません。そこで町の周囲に防鹿柵を張り巡らし、シカの侵入を防ぐ対策が施されたのです。つまり人間が檻に中に入ったようなものですね(笑)。それでも柵自体に隙間があったり、そもそも町への進入路である海岸線は開いているので、完全にシカの侵入を防ぐことは困難なようです。こうして今日もシカ達は、町中をのんびり闊歩しているのです(笑)。
GR DIGITAL F2.8 ISO64

20070221i
今日のお薦め。プルプルと並ぶ一休屋(ウトロの知床料理屋)最強メニューの一つ、天かつラーメンとライスのセット。

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2007年2月20日 (火)

濤沸湖のワシ

20070220
湖畔に陣取っていたオジロワシが飛び立つと、それまで人から餌をもらって和んでいた水鳥たちが、一斉に乱舞し始めました..というのは冗談でして、実際は観光客の連れた子供が、餌を持って突然走り出したことによります(笑)。
GR DIGITAL F5.6 ISO64

20070220b
私は基本的に山の人なので、水鳥系は得意ではありません。特にカモメの類となるともうこれはお手上げなのですが、このシロカモメだけは判ります。何となく北の鳥のイメージが強く、北方指向者の心をくすぐるのでしょうかね。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 300mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070220c
今日は網走湖~能取岬~濤沸湖と、網走方面への遠征です。何れもワシの越冬地として知られていますが、濤沸湖を擁する小清水一帯は、地元オジロワシの繁殖地でもあります。写真はまさにその地元のオジロワシペア..雌は後ろにパーチしています..の撮影中の絵ですが、降雪が強まるのをものともせず、湖が見渡せる高台に陣取って辺りを睥睨していました。余談ですがこのペア、結構年齢がいっていると見られ、後頭部を含め首周りがかなり白化しており、パッと見まるでハクトウワシのようです。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

20070220d
濤沸湖近くの森にあるオジロワシの営巣木。昨年この巣が使われた事実は確認しています。まだ巣材に雪が積もっていますが、さて今年はどうでしょうか。この少し前に、家主のペアが森を抜けた湖畔のミズナラにパーチしているのを観察しています。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 300mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070220e
朝はやや開け気味だった流氷ですが、夕方には再び接岸していました。今年の暖冬とは別に、年々流氷が小さく且つとなだらかになっていくと、地元の人たちは一様に口にします。以前は家一軒ほどもあるような大きな起伏を見せていたのに、近年は一つ一つの氷塊がこぢんまりとしていて、シャープさがないとのこと。私も十年以上知床に通っていますが、確かに同じ思いがありますね。写真は夕方の真鯉の様子。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 70mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070220f
今日のお薦め。釧路産ぼたんエビに生たらば、それに地元産ではないですが脂ののった関サバ。店は..湯呑みに書いてあります(笑)。

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風連結氷せず

※以下、19日の記事になります。

20070219
エルニーニョの影響で今年は暖冬だと言われていますが、その影響がもろに出ているのが湖沼の凍結です。ご覧の通り根室海峡沿いの湖沼も岸近くを除いてほとんどが凍結していません。道東地域の冬の風物である氷下待ち網漁も、ここ風連一帯では例年の半分程度しか出来ないとのことです。
GR DIGITAL F6.3 ISO64

そうなると気になるのは越冬するワシの数ですが、ちょうど先日18日に一斉カウントが行われ、早々にその結果を入手したところ、風連一帯で748羽という数字が出ています。一見するとかなり多い数に見えるでしょうが、例年だと900羽近く、多い年で1200羽を数えることもあるので、748という数字はやはり少ないと見るべきでしょうね。実際、根室半島..温根沼も結氷せず..の海岸線から野付湾周辺を流しつつワシの姿を追ってみましたが、確かに実感として少ないと感じるものがあります。暖冬の影響で結氷せず、氷下待ち網漁が減っていることが、ワシ達の胃袋に直結していることは火を見るより明らかですね。

暖冬の影響..と言うよりは湖が凍ってないことに起因?..をもう一つ。昨年は越冬数がゼロだったタンチョウですが、今年は4ペアがそのまま越冬しているとのこと。それにオオハクチョウも、結構な数が南下せずに湖に留まっているようですね。かく言う私も槍昔にて、ヒシクイ3羽が湖に向かって飛んでいくのを目撃しました。越冬云々ではなく、もう北帰行も始まっているということでしょうかね。

20070219b
走古丹では昨年まで行われていた駆除から一転、シカの有効利用を目的とした捕獲が行われているらしく、集落の外れに捕獲用の柵が設置されていました。こんな簡単な仕掛けに引っ掛かるものなのか疑問もありますが、おびき寄せるのに使われる干し草のロールは、この季節のシカ達にとってはご馳走以外の何ものでもないのでしょうね。ちょうど行ったときは業者が干し草を搬入中でした。ちなみに有効利用とは、増えすぎて走古丹の植生に多大な影響を及ぼすシカたちを、まあ早い話とっ捕まえて食っちまおうということです。シカの間引きと、食肉としての資源活用という一石二鳥的な試みですね。
GR DIGITAL F8 ISO64

20070219c
根室海峡に流れ込む某川の河口付近で、この辺りをテリトリーとするオジロワシの雄を見付けました。実は直前まで雌も隣にパーチしていたのですが、ちょっかいを出してきたカラスを追って飛んでしまいました。ちなみにこのペア、ある筋の方々にはかなり有名なペアです。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070219d
根室海峡周辺の湖沼群でもオジロワシの営巣チェックです。この巣は見通しの利かない..周囲の葉が茂ると雛が大きくなる頃は特に有効..二次林の奥にあるため、営巣には好適地だと思うのですが、巣材に雪が積もっているところみると、今日現在ではまだその気はないようですね。1000mmの手持ち撮影でスタビライザーを効かすのを忘れてしまったため、ちょっとブレていますがご容赦を。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS + EF2x II
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070219e
こちらは湖を見渡す崖地のハルニレに作られた巣。標津のF君によれば、最近新たな巣材が運び込まれたらしく、それなりに修繕もされているようで、このペアはやる気はあるようです。しかしいつ見ても見事な巣の作りですね。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070219f
根室海峡に流れ込む某川の河畔林で出会ったオジロワシ。かなり手前からお互いに存在に気付いていたのですが、私の目的地がその奥にあるので、カメラを担いで構わず歩いていくと、結構近くまで接近を許してくれました。結局は飛ばず終いだったのですが、帰る際もジロジロと睨まれてしまいました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

この後、春国岱でフィールドスコープにてタンチョウを観察中、背後から突然英語で声を掛けられビックリ。振り向くと、双眼鏡とカメラを構えた初老の外国人ご夫婦が立っていました。物腰からしてただ者ではない雰囲気を漂わせていましたが、聞けば遠くイギリスからはるばるやって来たらしく、鳥類の中でも日本固有種を観察して回っているとのことです。しかしさらに驚くのはその後でして、話を聞いているとどうやらこのご夫婦は、今までに約8600種の鳥類を観察しているというのです。鳥類は世界に約9900種と言われていますから、実にその87%の種類をその目で見ているということになりますね。いやはや世界には凄い人たちがいるものです。

20070219g
トドワラの枯木でオオワシが羽を休めています。このまま日が沈めば絵になるなぁ..と考えていましたが、残念ながら西の地平線には雲があって、狙ったようにはいきませんでした。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 240mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「スタンダード」

日没を見届けて機材を片付けていると、近くで同じように撮影していたカメラマンの一群から、「雲の野郎が邪魔しやがって」とか「高い金払って北海道まで来ているのに」等の罵詈雑言が聞こえてきました。一体この人達は何様のつもりなのでしょうか。目の前で起きた自然の出来事を、ありのまま記録してこその自然写真であるはずです。そしてそれこそが写真本来の醍醐味なのです。まだ若い人たちならば若気の至りもあるでしょう。しかし、恐らく年の頃は初老を迎えようとしているような、人生経験豊かな人たちがこのような態度いるようでは、ほとほと開いた口がふさがらないというものです。こういう謙虚さの微塵もない連中こそ、永遠に地平線の彼方に沈めてやりたいですね(苦笑)。

20070219h
夜は潮風(ウトロの食事処)にて友人と一杯。写真は今晩の獲物である、最高に旨いコマイのフライ。でもこの後に出てきたホッケの味噌漬けはもっと旨かった。残念ながら写真を撮る前に食べてしまったので、紹介はできません(笑)。

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2007年2月18日 (日)

オジロの営巣チェック

20070218
今日のウトロは午前中は晴れていましたが、お昼頃から雲に覆われ出し、夕方には弱い雪になりました。それにしても幌別は見事に流氷がありませんねぇ。海氷速報では接岸状態に見えますが、日の出までの海岸線で実際に接岸しているところはありません。何やら氷の上に人が乗っているのが見えますが、決して漂流しているのではありません。流氷ウォークを楽しんでいる観光客の皆さんです。
GR DIGITAL F4.5 ISO64

20070218b
こちらでは溺れかかった人の救助が..ではなくて、これもやはり流氷ウォークを楽しむ観光客の方々です。結局のところ流氷があろうが無かろうが、どうあっても流氷ウォークをやりたいようですね。でも楽しいのかなぁ、これって..
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 135mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070218c
今日は流氷が離岸して沖合に離れてしまっているせいか、海岸段丘上のワシ達の姿もまばらです。恐らく流氷を追って沖合に出掛けてしまっているのでしょう。こんな日は越冬ワシでなく、地元のワシ達の営巣状況を探るに限ります。早々に真鯉周辺を縄張りとしているペアの雌を発見し、しばらく観察をしました。もう少し視界を良くしようと、岬の高い位置に移動して観察準備をしていると、昨晩ご馳走になった料理屋のSさんが、スノーシューを履いて森から出てきてビックリ。林道の奥で人知れず伐採が進んでいるような状況らしく、今日はその様子を確認してきたとのこと。昨晩は午前様だったのに、いやはや何ともタフな人だ(笑)。
Canon XL H1
EF400/5.6L + EFアダプターXL

20070218d
午後は半島基部に移動、以前に見付けておいたオジロの巣を幾つか見て回りました。結論から言うと、その内の一つでペアの1羽が巣材を運び込むのを観察した以外、他はまだ使われてないような感じでした。まだこの時期だとハッキリと断定出来ないので、距離をおいてフィールドスコープで観察しましたが、何れも近くにペアの姿を見付けることは出来ませんでした。写真は某川の支流沿いにある巣で、もう過去何回も使われてきたのでかなり大きな巣ですが、巣材の半分が崩れてしまってますね。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

20070218e
帰りに以久科の海岸に出てみましたが、こちらでは流氷が接岸していますね。一応写真は半島方向を撮っていますが、雪雲に隠れて見えません。
GR DIGITAL F4.5 ISO64

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羅臼のワシ

※以下、17日の記事になります。

20070217
今日は環○省羅臼事務所のIレンジャーとF君に同行し、羅臼海域のトド調査に参加。海を見渡せる幾つかのポイントから、双眼鏡とフィールドスコープを使った目視によるカウントを行います。今日のカウントでは圧倒的にトッカリ(アザラシのこと)が多く、肝心のトドは海岸から離れた位置を遊泳していました。カウント数等の詳細な情報は、羅臼ビジターセンターの情報掲示板をご覧ください。
GR DIGITAL F8 ISO64

今日の根室海峡は、昨日通り過ぎていった低気圧の余波でやや風があり、うねりがある状態でした。流氷は未だ入ってきていませんが、相泊沖に流氷帯が見られたような話を観光船のスタッフから聞きました。

20070217b
これがトドです。トドはいても波間に見え隠れしていたので、証拠写真程度しか撮れず。その代わりにビジターセンターの剥製で失礼します。
GR DIGITAL F2.4 ISO141

トドの牡の成獣は、大きいものになると体長3m、体重1tと言いますから、ゴマフアザラシなどから比べるとかなり大きい鰭脚類ですね。彼らの仲間を専門分野としているIレンジャーの話によれば、羅臼海域で見られるのはほとんどが牝とのことで、大きい牡は滅多に見られないそうです。さらに、刺し網を破ってスケソウダラを食い荒らすその行状からして、ここ羅臼でのトドの評判はかなり悪いものがあり、一応捕獲制限枠が設けられてはいるものの、昔から有害駆除の対象になっています。その辺りは知床の世界自然遺産登録の際にも問題になりましたが、IUCNのレッドデータリストでは絶滅危惧種に指定されているほど、トドは世界的には貴重な鰭脚類なのです。

トドの調査と言っても、当然私はワシの取材がメインですので、自ずから海よりも陸側に目が行ってしまいます(笑)。F君に断りを入れつつ、ビデオを向けて回すのはやっぱり海岸段丘上のワシのなる木ですね。それではまずはビデオ映像から切り出した静止画をどうぞ。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL


20070217c

20070217d

20070217e

20070217f

続けて飛翔シーンはデジタル一眼レフの画像からどうぞ。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070217g

20070217h

20070217i

20070217j

やっぱりワシは飛んでいる姿が美しいですね。

20070217k
これは何かの冗談かと思うような光景。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

前述の通り根室海峡側にはまだ本格的な流氷が入っていませんが、そうなると沖合の流氷上に魚のアラなどをまいてワシをおびき寄せ、お客であるカメラマンに撮影させることを生業としている観光船..我々は餌付け船と呼んでいる..は商売あがったり状態です。沖合に流氷がない場合、一昨年辺りまでは出港そのものを見合わせて自粛していたのが、あろう事か郊外の港..さすがに本港ではひんしゅくものなのでしょう..の堰堤上に予め餌を置いておき、そこにワシを集めて周りから撮影させるという、何とも困った行為を始めたようです。もうこうなると何でも有りの無法状態の様相を呈していますね(苦笑)。

これには一緒にいたIレンジャーも苦笑いしていましたが、法律で禁止されているわけではないので、今のところ注意喚起ぐらいしか打つ手はないとのこと。それでも環○省がワシの餌付けの実態調査に乗り出すらしいので、近い将来餌付け行為そのものに規制が掛かることになるやもしれませんね。

私自身、野生動物への餌付け行為を否定するつもりはありません。直接的であれ間接的であれ、その餌で命をつなぐ生き物がいることは紛れもない事実ですから。ただし直接的にそれに関与する場合、やはり程度の問題はあるでしょう。分別わきまえ常識の通用する範囲で商売すればいいものを、結局自分たちで自分たちの首を絞める行為を助長していることに、早く気付いて欲しいものです。このままだと、冬季にタンチョウやハクチョウに行っている給餌行為と同じだという言い訳も、何やら虚しく聞こえます。取り敢えずは同業他社が追随しないことを祈るばかりですね。

しかしお客であるカメラマンもカメラマンですな。堰堤の上の撒き餌に群がったワシを撮って、果たして目指す絵になるものなのでしょうかねぇ(苦笑)。

20070217l
原生自然環境保全地域に指定されている、標高1330mの遠音別岳を羅臼側から望む。斜里側から見るとなだらかな山容をしていますが、羅臼側はスッパリと切れ落ちている様子が判りますね。遠音別岳は山頂への登山道などまったく整備されておらず、夏季に調査のため斜里側からアプローチを試みた友人は、そのあまりの険しさに途中で断念したそうです。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 260mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「風景」


20070217m
夜はウトロへ戻り、知人の知床料理屋にて懇親会でウィ~。参加者は、料理屋ご夫婦、東京から来たエリート商社マン、地元の小学校の美人教師、それに怪しい三流カメラマンと、メンツは何とも多種多彩。こちらに来ると、とかく似たような思考の人と関わる機会が多いわけですが、たまにはこんな「住む世界が違う」人たちと話をするのも、旅の空の下の醍醐味と言えますね。ちなみに写真は「時知らず」の刺身。もう絶品です(笑)。
GR DIGITAL F2.4 ISO154

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2007年2月16日 (金)

オジロの若鳥

再び一昨日のような暴風雪を警戒しましたが、結局昨晩はそれほどでもなく、夜が明けてみれば普通の雪模様の天候で済みました。昨日緊急で入ったデスクワークをやっつけ仕事で片付け、早々にウトロ周辺を巡回です。

20070216
オホーツク海側の流氷は場所によって随分と様子が異なります。プユニ岬から眺めた限り、ウトロ付近にはほとんど見られませんが、真鯉から日の出にかけてはそれなりに接岸しています。流氷情報センターの海氷速報によれば、ちょうどその辺りだけが流氷本体とつながっているようです。
GR DIGITAL F7.1 ISO64

20070216b
まだ若干の吹雪模様ですが、流氷原を双眼鏡で眺めると、あちこちにワシ達の姿が見られます。
Canon XL H1
EF28-300/3.5-5.6L IS + EFアダプターXL

20070216c
流氷原のみならず、まだ海岸段丘上で様子を窺うワシも多数見られます。幌別~日の出間を2時間余りでカウントして回りましたが、オオワシ48(うち亜成鳥17)、オジロワシ7(うち亜成鳥4)、ハヤブサ1を数えました。
GR DIGITAL F8 ISO154

20070216d
オシンコシン崎でワシを撮影中、私が知床入りしている情報を嗅ぎ付けた標津のF君が電話をしてきました。今ならオジロの若鳥が近くで見られるとのことで、それならばと、午後は急遽根北峠を越えて根室海峡側にやってきました。写真は標津郊外の某河川支流にて撮影したオジロワシの若鳥。ここは標津在住のF君のフィールド内で、彼が調査で追跡しているオジロワシの若鳥が見られるところです。ここのペアは一昨年・昨年と連続して繁殖に成功しており、それぞれ2羽ずつ幼鳥を巣立たせています。F君によれば、この若鳥は一昨年生まれの個体とのことですが、さすがに地元の観察者の目は鋭いですね。
Canon XL H1
EF400/5.6L + EFアダプターXL

20070216e
夜は標津温泉でサッパリした後、F君宅に上がり込んで情報交換をしつつ飲んだくれてウィ~。酒のつまみはシカのスモーク。知り合いのハンターが獲ったものを分けてもらい、桜のチップで軽く燻したとのことで、もう香り味ともに最高でした(笑)。そんなF君も第2子が生まれるとのこと、奥さんもこれから大変そうでしたが、そんな中で歓待していただき感謝感謝であります。
GR DIGITAL F2.4 ISO154

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2007年2月15日 (木)

大荒れのウトロ

全国的に猛威をふるった今回の低気圧ですが、ここ地の果てシリエトクでも例外ではなく、もの凄い強風にアパートが一晩中激しく揺れました。オホーツク海に面したウトロでは、低気圧の影響で天候が崩れ出すと、手が付けられないほど大荒れになるのです。

20070215
暴風雪は昨夜から今日のお昼まで続きました。写真は居候している友人のアパートからの眺めですが、北側の窓は着雪して開けることが出来ません。窓の向こうでは、ミズナラの大木が折れんばかりに激しく揺れています。実際、午後に周辺を巡回した際、路上に折れた枝等が散乱していました。
GR DIGITAL F4.5 ISO64

台風の直撃でも受けない限り、我が赤城高原ではこのクラスの暴風は体験できません。ましてやそれに雪が伴っての暴風雪ともなると、季節からしてまずあり得ません。毎年、北海道滞在中に何回かこの手の荒天を経験してはいますが、なかなか慣れるものではないですね。実際、幼なじみの友人も海無し県からの移住組ですが、海が荒れるのを見ると恐怖感を覚えることがあると言っていますし。

20070215b
お昼少し前に取り敢えず第一波が止んで小康状態になったので、周辺の様子を見に巡回に出掛けました。最も気掛かりだったのは流氷ですね。あれだけ南から強風が吹き付けると、まず間違いなく流氷は離岸してしまうのですが、案の定、昨日まで接岸していた流氷は、一晩ですっかり無くなっていました。写真はプユニ岬からの眺め。
GR DIGITAL F4.5 ISO64

20070215c
氷泥と呼ばれるシャーベット状の海水に、昨日までの残氷が浮かんでいます。また北風でも強く吹かない限り、しばらく流氷を見ることは難しいかもしれませんね。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 70mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070215d
暴風雪が止んだ直後、本日最初に出会った生き物。カモメさえ姿が見えないのに、このハシブトガラスはやけに騒々しく鳴いていました。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 300mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070215e
真鯉で見つけたオオワシの成鳥。昨秋は諸般の事情で渡道出来なかったので、これが今シーズンのファーストコンタクトになります。よく見ると頭や肩に雪が降り積もっていますが、先ほどまでの暴風雪をどこでやり過ごしていたのでしょうか。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

しかし、もう十年以上も繰り返していることではありますが、彼らとのシーズン最初の出会いはなかなか感じ入るものがあります。オオワシもオジロワシも、近年は本州以南に南下して越冬する個体が増えており、我が上州周辺でも数個体が越冬してます。ただ、正直彼らに似合っているのは杉林の山やダム湖でなく、やはりこのオホーツクや根室海峡の流氷の海ですね。

20070215f
これまた本日最初に出会ったエゾシカ。なかなか体躯の立派な牡ですが、角が三尖であることから、まだ2~3歳の若い個体のようです。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 95mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20070215g
再び降雪が強まってきたので、今日の巡回は終了。引き上げる途中、二つ岩の上で降雪に耐えるオジロワシのペア..♂は撮影前に飛び立った..を見付けました。このペアは越冬個体ではなく、地元知床で繁殖しているペアなので、季節を問わずこの周辺で見ることができます。
EOS30D EF70-300/4.5-5.6 DO IS 70mm
ISO400 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

第一波と前述しましたが、そうです今晩から明日に掛けてまだ第二波がやって来るのです。こればかりは自然が為すことなので、抗うことなど出来ません。こういう時はセ○コーマートで酒と食料をたっぷり買い込んで、未読の本を読みふけりつつ、嵐が去るのを籠城して待つのが一番ですね。

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2007年1月21日 (日)

月例調査

20070121
林道脇のわき水の溜まりでヤマドリの羽を見つけました。

20070121b
さらにそこからほど近い林道上には、同じヤマドリのものと見られる羽毛が散乱していました。状況からして、わき水の溜まりに水浴びか水飲みに来たところを、何者かに襲われたものと考えられます。我々以前にハンターが数名入っているので、捕獲痕はすでにタイヤで踏みつけられていますが、羽に付着している雪の状態から、襲われたのは早朝であることが判ります。前の晩にうっすらと雪が舞ったことと、ヤマドリは夜間には行動しないことからの推理です。

では一体襲ったのは誰なのか。まず当然我々が調査対象としている猛禽類を真っ先に疑いましたが、捕獲時に付くはずの羽ばたきの痕や爪痕が見あたらないことから、猛禽類によるものではないようです。さらに周囲を丹念に調べると、複数のけものの足跡が見られます。犬のような足跡はキツネかタヌキ、そしてそれらよりも小振りなのはテンのようです。この時点で怪しいのはやはりキツネかテンということになりますが、足跡の付いた順までは推理しようもなく、さすがにどちらが犯人かまでは謎ですね。

20070121c
最近調査に皆勤のE画伯。新調したスワロフスキーのフィールドスコープを覗きつつ、対象のスケッチに筆を走らせます。

20070121d
E画伯のスケッチの一部。私の文字だけのフィールドノートに比べて華がありますね。筆心のある人はうらやましいです。

20070121e
この週末は北部山域の月例調査とメンバーによる新年会でした。恒例ですのでいつもの常宿に泊まって温泉&酒三昧です。忘年会をしたのに新年会もするのかと家人には訝られましたが(苦笑)、まあ今年は合同調査や何やらと色々イベント目白押しなので、その辺の打ち合わせも兼ねてのことになります。

上の写真は、私がフィールドで撮影対象としている北部山域のペア。同時に保護を目的とした調査対象でもあります。同種とは25年以上、そしてこのペアとはかれこれ8年の付き合いになります。撮り続けている記録から当初より入れ替わった事実はなく、雄の方が若く雌の方がやや年いっていますが、何とか順調に隔年で繁殖を続けてきています。さてさて今年はどうなることでしょうか。

GR DIGITAL

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2006年12月25日 (月)

熊鷹

20061225
最近フィールドに必ずと言っていいほどクマタカが姿を現します。昨年まではこの谷で見掛けることはあまり無かったのですが、この秋から少し様子が変わったようです。ビデオを見る限りでは第2回か第3回冬若鳥といった感じで、尚かつ常に単独行動であることから、どこからか流れてきたフローターの可能性が高いですね。この若鳥、私がメインで観察している対象種のテリトリー内でも、割と不用心に飛ぶことがあり、ここの主に見つかると猛烈なアタックを受けて這々の体で逃げていきます。そんなことを秋から繰り返しているのもかかわらず、未だにフラフラ飛んでいるところを見ると、よほどこの谷が気に入ったのでしょうか。
Canon XL H1 EF400/5.6L + ND8(EFアダプターXL使用)

クマタカの和名表記は「熊鷹」で、クマのように大きく強いタカであることから付いた名前です。それともう一つ「角鷹」とも書きますが、留まっている際、後頭部に冠羽を立てる姿を角に見立てたことが由来のようです。大型であり手なずけるのが難しいことから、古来鷹狩りに用いられるのはオオタカやハヤブサが多いのですが、東北のマタギの中にはクマタカを使って狩りを行っていた人もいるようです。そんな猛禽類本来の力強さもさることながら、体を立てて留まっている姿は実に気高く美しい鷹ですね。

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2006年12月20日 (水)

トビ乱舞

20061220
赤城の某所へ調査に向かう途中での一コマ。この季節になると飼料工場付近にトビが集まりはじめ、多いときには300羽近く数えるときがあります。上の写真も28mmの画角に100羽以上写り込んでいます。トビは一応猛禽類に分類されますが、一般的にはハンター(狩人)と言うよりもスカベンジャー的(屍肉漁り屋)な習性の方が強いので、このような工場から出る農産廃棄物に群がる傾向がありますね。
GR DIGITAL F6.3 ISO64

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2006年12月14日 (木)

Gallery「海ワシ」

20061214 20061214b
ウェブサイトのGallery「北海道・海ワシ」に作品を追加しました。

ウェブサイト The Northern Wanderer 本館 はこちら↓へ。
http://bigdipper.cool.ne.jp/

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2006年11月27日 (月)

村随一の眺望

我が家から少し北へ上がったところに広大な牧草地があります。ここは村の畜産系農家が共同で管理している土地なので、普段はゲートがあって立入禁止なのですが、牧草地下の部落に用事で立ち寄った際にたまたま同行者が土地の所有者だったので、特別に中に入れてもらいました。

20061127
まずは谷川連峰(中央奥)を擁する上越国境方面。

20061127b
こちらは白毛門(中央奥)、上州武尊山(右手前)方面。

20061127c
こちらは子持山(左手前)、草津白根山(中央奥)方面。

GR DIGITAL F8 ISO64
(データ共通)

以前から噂では聞いていましたが、村内随一と謳われるその眺望は実に素晴らしいものでした。眼下に広がる沼田盆地の標高が約400m、この牧草地の最高地点が約900m..ちなみに我が家の標高は700m..ですから、その高度差は約500mで、視界に雲一つ無い天気だったことも手伝って、180℃視界を遮るものがないまさに絶景のパノラマといった風情ですね。

さらに私的には猛禽類が多いのもポイント高いです。ザッと周囲を見渡しただけですが、双眼鏡が無くてもノスリ、チョウゲンボウ、トビ、それにオオタカを見付けることが出来ました。特にノスリとチョウゲンボウは数個体が居着いていると見られ、管理地の境界を示す杭の上に点々と留まっては、時折ホバリングを繰り返していました。恐らく牧草地に現れるネズミを狙っているのでしょう。

案内してくれた近所の農家に声を掛ければ、ゲートの鍵はいつでも貸すとのことだったので、時々覗いてみようかと思います。

上の写真3枚を合成して作った180℃のパノラマはこちら

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2006年10月 1日 (日)

コアラ大陸

20061001
県立自然史博物館にオーストラリアの動物をテーマにした企画展を見に行ってきました。
EOS30D EF17-40/4L 19mm
F5.6 1/250 ISO100 Picture Style「スタンダード」

オーストラリア大陸の成り立ちを中心に、様々な動物について剥製を展示しながらその特徴を説明してありました。彼の地の動物の特徴と言えば、何と言っても有袋類..に対して胎盤で子育てするものを真獣類・正獣類と言う..であるという点でしょう。よく知られたところではカンガルーが挙げられますが、人気のコアラも当然のことながら袋を持っています。

有袋類はオーストラリア原産というわけではなく、その起源は現在の北米大陸との説が有力なのだそうです。遡ること約1~2億年前と言いますから、時はまさに恐竜時代の白亜紀。名だたる大陸が皆まだ一つであった時代(パンゲア大陸)、現在の有袋類の先祖がオーストラリアに侵入、真獣類が進出する前の約4500万年前に他の大陸から隔離されたため、彼の地の有袋類は真獣類と競合することなく現在まで生き延びたとのことです。ちなみに他の地域にも有袋類は進出しましたが、南北アメリカ大陸に現存するオポッサム類を除いて、約1500万年前までに真獣類との生存競争に敗れて絶滅してしまったようです。

20061001b
子供に人気はやっぱりコアラ。写真の剥製は触れることは出来ませんが、ちゃんと別に自由に触れる剥製も用意してありました。でも展示してから時間が経過しているせいか、かなり黒々テカテカになってましたけど(笑)。
EOS30D EF17-40/4L 19mm
F4 1/90 ISO1600 Picture Style「スタンダード」


20061001c
オーストラリア産の鳥類と言えばエミューやワライカワセミが有名ですが、ワシ好きの私の興味の的はシロハラウミワシ White Bellied Sea Eagleと、何と言ってもこのオナガイ○ワシ Wedge-tailed Eagleですね。
EOS30D EF17-40/4L 19mm
F4 1/125 ISO1600 Picture Style「スタンダード」

学名がAquila audaxと言うことで、北半球に分布するAquila chrysaetosの近縁種になります。ただ、Aquila chrysaetos(いわゆるGolden Eagle)はjaponicaを含め世界に6亜種が分布しますが、本種とアフリカ大陸に分布するコシジロイヌ○シ Verreaux's Eagle(学名はAquila verreauxii)については、同じAquila属でも別種と言うことになっています。

20061001d
こちらが同博物館の常設展に展示されているAquila chrysaetosの剥製(japonicaかどうかまでは不明)。一見しただけでは判りませんが、恐らく2体を元にして剥製を作ったと思われます。所々ではありますが、羽毛のパターンに不自然な点が見受けられますので。
EOS30D EF17-40/4L 17mm
F4 1/45 ISO1600 Picture Style「スタンダード」

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2006年9月22日 (金)

サハリンII認可取消

20060922
サハリン島(樺太)は、冬季に日本に渡ってくるオオワシの重要な繁殖地の一つです。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS
F8 1/250 ISO200 Adobe Camera Raw 2.3

先日ロシア天然資源省は、シェルや日本の大手商社である三井物産、三菱商事が出資して事業を進めている、サハリンIIプロジェクトの開発認可を取り消したとのことです。サハリンIIプロジェクトとは、極東ロシアのサハリン島で行われている大型の石油・ガス田開発プロジェクト..特に液化天然ガス(LNG)の生産を行う..のことです。

日本は原油等のエネルギー資源の輸入を中東地域に多く依存していますが、昨今の中東情勢の不安定さもありエネルギー安全保障の観点からもその依存度下げるべく、今回のプロジェクトはその上で重要なものと位置付けられています。資源に乏しい日本のエネルギー事情からしても、海外から輸入すること自体至極当然の成り行きと言え、そしてなるべくなら自前の開発によって、他国の影響を最小限にとどめるような枠組みでの開発が望ましいのだと思います。その点サハリンIIは、前述の通り日本の大手商社が中心となって事業を進めるプロジェクトということのようですから、その重要性は推して知るべしです。

ただ、この手の開発事業につきものとして、周囲の自然環境に配慮して事業を進めているか否かという問題(環境アセスメント)があり、サハリンIIプロジェクトにしてもその例外ではありません。実際、極東でも貴重な自然の残るサハリン島東岸を縦断するかのように建設されているパイプラインについては、国内外からその計画の見直しが叫ばれています。オオワシ、オジロワシ、カラフトアオアシシギ、マダラウミスズメ等の海鳥の他、アザラシ等の鰭脚類の貴重な生息地における、パイプラインの施設やプラント建設に伴う工事による瑕疵、もしくは万が一の原油流出事故..知床での油漂着による海鳥汚染問題が記憶に新しい..が懸念されるているのです。

そんな状況での認可取消の報は、国内外で事業反対を訴える関係者に吉報となりましたが、ここで問題なのはその中止理由です。貴重な自然を守ると言った主旨の認可取消..建前上はロシアの環境規制を順守してないからとしている..でなく、エネルギー輸出立国として再生を図るロシアが、エネルギー産業に対する支配力を強化するという政治的且つ戦略的な思惑が絡んでいるようなのです。つまりロシア側の考え方次第でまた計画が認可される可能性があるわけです。

国が国として存続し、人が人として暮らしていくために必要なライフラインとしてのエネルギー輸入問題。それがどうしても避けては通れない問題なのは理解できます。エネルギーが不安無く供給されることの利便性を、末端で享受するのは他でもない我々自身なのですから。しかし、世界に誇れる貴重な自然、そして次世代に残されるべき貴重な生きものたち。そんな沢山の命の行く末が、国家とか企業とかの思惑で左右されそして決められていってしまうことへ、言い表せぬ不安と憤りを覚えるのもまた事実ですね。

20060922b
晩秋を迎える頃、サハリンから宗谷岬を経由して多数のオオワシ・オジロワシが飛来、そして知床上空を通過していきます。今年も無事に彼らがグライディングする姿を見ることが出来るでしょうか。出来ればそんな不安を抱くことなく、毎秋、毎冬、彼らと再会したいものです。
EOS 5D EF28-300/3.5-5.6L IS 210mm
F8 1/250 ISO100 Adobe Camera Raw 2.3

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2006年9月20日 (水)

秋の空にタカ渡る

20060920
北アルプスの某峠はタカも人も満員御礼。久々に極大日に当たりました。
GR DIGITAL F8 ISO64

今日の成果はサシバ1500以上、ハチクマ120以上、ノスリ・ツミ・その他合わせて合計で約1700羽とのことです。私も最初は真面目に数えていたのですが、20~30羽のタカ柱が次々と10数回も現れた為、撮影の忙しさもあって途中で放棄してしまいました。どのみち目線より高いところ飛ぶ個体しかカウント出来ないので、正確なデータを採ること自体は望むべくもありませんが。

タカがいつ渡るかということを予測するのはなかなか難しいですが、それでも空を飛ぶ生きもの故、天候に左右されやすいのは間違いありません。天候が飛ぶのに適さない..最も判りやすい例が台風ですね..と判断すると、付近の山に留まって天候回復を待ちます。そして回復と同時に再び移動を始めるわけですが、晴れればすぐ飛ぶのかと言えば必ずしもそうではないのです。実際、前日の19日も一応晴れはしましたが、カウントは100羽に満たなかったですし。

では何故今回、年数回しかない極大日に当たったのかと言えば、それは過去の経験とデータサンプリングに基づき綿密に分析した結果..と言うのは半分冗談(予想は出来ますが当たるとは限らないという意味)で、単に偶然当たったに過ぎないのです(笑)。そもそも仕事の予定がずれていれば、当初は19日に出掛けようと予定していたくらいですし、タカにも都合があるわけですから、やっぱり当てずっぽうと言っても過言でないかもしれませんね(笑)。

それと平日だというのにタカに匹敵するほどの人出にもちょっとビックリ。まあ、好きな人達同士、皆考えることは一緒と言うことなんでしょうけど。それにある程度は想定していましたが、チラホラ見知った顔ぶれにも遭遇。しかし、リタイヤ組でサンデー毎日の方々ならいざ知らず、働き盛りのサラリーマンが突如前日に有休取って出掛けてくるとは、いやはや(苦笑)。

20060920b
ビデオから切り出したサシバの画像。
Canon XL H1 EF28-300/3.5-5.6L IS(EFアダプターXL使用)

20060920c
上の小さい方がサシバで、下の2羽がハチクマの若鳥。
EOS-1D MarkII N EF400/5.6L
F8 1/500 ISO400 Adobe Camera Raw 2.3


20060920d
今日は圧倒的にサシバが多かったです。逆にハチクマは単独での飛来が多く、その分目立ってました。カメラマンに人気があるのもハチクマで、見た目バリエーションが豊かだというのがその理由のようです。ハチクマの記事はこちら↓をどうぞ。
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_c5d0.html
EOS-1D MarkII N EF400/5.6L
F8 1/750 ISO400 Adobe Camera Raw 2.3


20060920e
30羽以上のタカ柱の中心付近。二つのタカ柱が重なって、サシバ、ハチクマ、ノスリ、ハイタカの混成になってます。
EOS-1D MarkII N EF400/5.6L
F8 1/750 ISO400 Adobe Camera Raw 2.3


20060920f
澄み渡る秋の空の下、次から次へとタカ達が飛来し、そしてその流れは止むことなく帰る時まで続いたので、正直下山は後ろ髪を引かれる思いでした。
Canon XL H1 HD20x

20060920g
そう言えばどこぞのテレビ局が取材に来てましたね。何の番組かは判りませんが、案内役はバードウォッチャーでもある俳優のあ○い輝彦氏でした。おや?手前で写真撮ってるカメラマンって、もしかして..
GR DIGITAL F8 ISO64

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2006年9月14日 (木)

風変わりなタカ

20060914
雨の中、目の前のヒノキにハチクマがやってきました。どうやら翼が濡れてしまい上手く飛べなくなってしまったようです。
Canon XL H1 EF400/5.6L(EFアダプターXL使用)

ハチクマは猛禽類の中でもちょっと変わった習性をしたタカです。一般的に言って猛禽類の餌となるのは小鳥や小動物が多いわけですが、ハチクマが好んで食べるのはハチ(蜂)..特にクロスズメバチ..の蛹や幼虫です。それ故猛禽類特有の豪快なハンティングなどということはせず、忍者のように森の中を枝渡りしながら親バチを探し、その巣への出入りを確認すると地上を歩いて接近、地バチであれば嘴と脚を使って巣を掘り起こし、中の蛹や幼虫を食べるのです。ハチを襲って逆に刺されないのか不思議なものですが、一説にはハチが嫌う体臭をしているとも言われています。

ハチクマはサシバ同様、夏に日本で繁殖して冬は越冬のために南へ移動します。つまり渡りをするタカというわけです。他にノスリやハイタカなども渡りをしますが、ハチクマやサシバが彼らと異なるのは、前述の通り食性が夏季に活動する昆虫や小動物であるため、ほとんどが九州以南..ハチクマは東南アジア、サシバは南西諸島以南..に移動するのです。ハチクマはハチが主食である都合上、そのハチの活動に合わせて渡ってくるため、春の渡りは4月後半から5月中旬とサシバよりは遅めになっています。逆に秋の渡りでは8月から9月後半にピークが来るため、サシバよりは若干早めですね。遅く渡ってきて早くに去っていく。一見何やら矛盾しているような気もしますが、栄養価の高い蜂の子食べることで、他の猛禽類よりも繁殖期間が短いのも特徴です。

外観上、羽色に個体差が多いのも特徴で、淡色型・中間型・暗色型の概ね3タイプに分けられますが、淡色型と暗色型を同時に見ると、知らない人ならばまったく別のタカと思いこんでも仕方ないでしょう。また、ハチの巣を見付けたりして興奮すると、後頭部の冠羽を立てる点はクマタカに似ています。つまりハチを食べるクマタカのようなタカなのでハチクマと言うわけですね。

20060914b
件のハチクマは半時ほど羽を乾かした後、思い立ったように飛び立っていきました。
Canon XL H1 EF400/5.6L(EFアダプターXL使用)

我々が普段調査する中で注意するのは、類似種との誤認です。空を見上げると大概の猛禽類はシルエットになってしまい、慣れない人だとどれもこれも似たように見えてしまいますが、もう20年以上も空を見上げるのが仕事になってくると、そんなに識別は難しくありません。しかしそれが遠距離になってくると話は違い、陽炎が立つ数キロ先の稜線上にチラッと姿を見せたようなケースだと、識別は非常に厳しくなります。で何が言いたいのかというと、ハチクマとサシバが南へと渡っていくと、それだけ識別で悩む種が一時的に減ると言うことを意味するのです(笑)。

20060914c
8月に同調査地内で撮影したハチクマの暗色型。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS + EF1.4xII
F5.6 1/350 ISO100 Adobe Camera Raw 2.3

さて、チラホラ各地からハチクマやサシバの渡りに関する情報が入り始めました。今年も何ヶ所か観察に出掛けようと目論んでいますが、同時に足元である北毛エリアの渡りポイントも探さなければなりません。この4年ほど9月はポイント探しに力を入れているのですが、今のところまだ有力な場所は見つかっていませんので。

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2006年7月10日 (月)

風車問題

20060710
「風力発電」と言う言葉にあなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。直接的に考えれば、化石燃料に変わるクリーンエネルギー..脱原発..、イメージだけで捉えれば、オランダやデンマーク等ののどかな田園風景..。上の写真は北海道の日本海側で撮影したものですが、とても「のどか」には見えないですよね。

風力発電は、地球温暖化防止を含むエコの名の下に、近年各地で注目を集めている発電方法です。発電時に二酸化炭素を出さない..施設の建設費や維持費が安く済む..風力そのものは無尽蔵である..等、既存の原発や化石燃料を使う火力発電に比べ、クリーンである点が謳われています。しかし現実的には、風任せのため発電量は不安定..その発電量に比べて建設コストが割高(建設費の一部は税金が使われます)..鳥類の衝突事故であるバードストライクが発生する..等の問題があるのも事実です。もう一つ付け加えると、風車のタービンの耐用年数は10数年しかなく、それが過ぎると単なる巨大な産業廃棄物と化します。日本ではとかく「エコ」や「環境に優しい」といったプラスイメージが先行しがちですが、海外では既に多くのマイナス面が噴出して訴訟問題にもなっています。

ちなみに国内における発電施設の立地(計画も含む)は主に海岸沿いや山地が多く、前者では北海道のオオワシ・オジロワシの衝突、後者ではイヌ○シやクマタカの衝突問題が表面化しつつあります。また、風力発電事業推進に当たっての環境影響調査がアセスメント法の対象になっていないため、事業者側の自主的な調査のみに限定され、兵庫県のケースではずさんな調査の一端が浮かび上がってきています。

現在私が所属する研究グループでは、問題点に挙げた三つ目、すなわちバードストライクについて取り組んでいますが、風力発電問題全般については、以下のURL「猛禽の森」に詳しいです。私がここであれこれ書くよりも、より多くの核心に触れられます。
http://www.d1.dion.ne.jp/~akaki_ch/windfarm.html

20060710b
写真は昨秋稼働を始めた日本最大の風力発電施設「宗谷岬ウィンドファーム」です。宗谷岬というオオワシ・オジロワシの重要な渡りのルート上に、大型風車が57基も回っているのです。これで事故が起こらないわけがありません。

宗谷岬ウィンドファームについて
http://www.d1.dion.ne.jp/~akaki_ch/cape.soya.html

20060710c
北海道のとある湿原の上を滑るようにチュウヒが飛んでいます。そしてその背後には巨大な風車が陽炎に揺れていました。果たして日本中にこのような不自然な光景が広がっていってしまうのでしょうか。
Nikon F5 AF-S Nikkor ED600/4D II + TC-14E RDPIII

最後に、我々は全ての風力発電について反対しているのではありません。その意義、立地、そして本来の目的とするところが、「本当に二酸化炭素削減に寄与する計画であるか」ということ、「環境や野生生物への影響が最小限にとどめられるか、そしてそのための努力を事業者側が行うか」ということを問いたいのです。近い将来、風力発電を含むバイオマスエネルギーについてのさらなる研究、そして実用化が進むことを願って止みません。

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2006年4月14日 (金)

オオタカの追い出し

20060414
早朝からオオタカが近所の雑木林の上を低空で旋回していました。畑に隣接したこの雑木林はツグミたちのねぐらになっているため、オオタカが接近すると同時に彼らが林から飛び出して右往左往逃げ回っているのが見えます。オオタカのこの行動は追い出し行動と呼ばれるもので、猛禽類が狩りの時にわざと自分の姿をさらすことで獲物となる鳥や小動物の動きを促し、獲物を発見しやすくするものです。ツグミは日中は開けた見通しの良い耕地等で餌を探していることが多く、警戒心もかなり強いので、機動力の高いオオタカと言えど狩りを成功させるのは難しいでしょう。しかし、渡りを控え丸々太ったツグミたちの動きは見るからに鈍重で、今朝はそんな寝込みを襲われた感がありますね。オオタカはこの後さらに低空を飛行して林の奥へと飛び去りましたが、果たして首尾良く狩りに成功したでしょうか。
EOS-1D MarkII N EF28-300/3.5-5.6L IS
300mm F8 1/500 ISO100
DPP2.1 Picture Style「忠実設定」

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2006年3月24日 (金)

続・オオタカ

20060324
再びオオタカです。今度は先日の雑木林から200mほど離れた、昨年の営巣木のある谷を見下ろす位置にパーチしていました。春とはいえまだ芽吹きには早い時期なので、朝陽を受けて白く光る姿は遠くからでも目立ちます。10分ほど様子を見てましたが、最後は谷へ降りるようにロストしました。ちょっと期待が持てそうですね。背景の稜線は榛名山、奥の雪を被った山陰は八ヶ岳です。
EOS 5D EF28-300/3.5-5.6L IS
300mm F8 1/250 ISO100
Adobe Camera Raw 2.3

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2006年3月15日 (水)

侵入者撃退

20060315
ノスリのペアが若い侵入個体を迎撃していました。
EOS 5D EF400/5.6L F8 1/1500 ISO400
Adobe Camera Raw 2.3

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2006年3月14日 (火)

オオタカ

20060314
散歩から戻る途中、雑木林の林縁部にて朝陽を受けて白く光る物体を見付けました。望遠レンズを向けてみるとオオタカの成鳥でした。
EOS 5D EF100-400/4.5-5.6L IS
400mm F8 1/125 ISO100
Adobe Camera Raw 2.3

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2006年3月 1日 (水)

ワシのなる木

20060301
羅臼の港を歩きながらふと海岸段丘を見上げると、根室海峡を見渡せる場所にワシ達が陣取り、流氷の消えた海を恨めしそうに眺めていました。
EOS-1D MarkII N EF500/4L IS F8 1/500 ISO100
ピクチャースタイル「忠実設定」

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2006年2月28日 (火)

トドワラワシ

20060228
陽炎のゆらめくトドワラに、休息するワシの姿がありました。氷下漁の仕掛けが開いて餌にありついたのでしょうか、それともこれから餌を探すのでしょうか。何れにせよ、1000羽を越えるワシ達の胃袋を満たすだけの餌量が、ラムサール条約にも登録されたこの地にはあると言うことです。偉大なる冬の根室海峡に感謝。
XL H1 LEICA APO-ELMARIT-R180/2.8
1/420 F22 (EFアダプターXL使用)

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2006年2月27日 (月)

It has gone.

20060227
猛烈な北西の風に乗って知床から流氷が消え去りました。

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2006年2月26日 (日)

続・ワシ、ワシ、ワシ

20060226
冷たい風が吹き抜ける結氷した湖上を、オオワシが静かに滑空していきます。
XL H1 EF500/4L IS
(EFアダプターXL使用)

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2006年2月24日 (金)

ワシ、ワシ、ワシ

20060224
右を見ても左を見ても、どこもかしこもワシだらけです。

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2006年2月23日 (木)

カムイを求めて

20060223
コタンクルカムイとは..当ブログをご覧の方々は言わなくても判りますね。

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2006年2月22日 (水)

続・ワタリガラス

20060222
今日はとても真冬の知床とは思えない気温(6℃!)でした。天気予報によれば4月並の気温だそうです。

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2006年2月21日 (火)

正統派の海鷲

20060221
オジロワシには奇をてらった派手こそありませんが、どこか正統派の佇まいを感じます。そして、私の北海道通いのきっかけになったワシでもあります。

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2006年2月20日 (月)

美しい海鷲

20060220
見れば見るほど美しいワシですね、オオワシは。

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2006年2月19日 (日)

流氷は何処?

20060219
今朝のウトロは前日と打って変わって暖かかったです。

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2006年1月12日 (木)

フクロウ鳴く

20060112
「ゴロスケホーコー、ゴロスケホーコー」と二声鳴きました。

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2005年11月20日 (日)

知床波浪

20051120
昨日の低気圧の余波で、朝から激しく雲の流れた知床です。しかしそれも午後には快晴に向かい、オホーツク海には西日を受けて白銀の波が立っていました。海岸段丘沿いに海風が吹き上げたお陰で、朝8時から午後2時の間に昨日を越える約130羽のワシが飛びました..と、話を続けたいところですが、今日はこれから所用があるので取り敢えずここまで。一週間ぶりに半島を抜け出し根北峠を越え、今宵は標津泊であります。では。

EOS5D EF28-300/3.5-5.6L IS
300mm F8 1/3000 ISO100
ピクチャースタイル「忠実設定」

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2005年11月17日 (木)

知床点景

20051117
昨日に引き続き今日も快晴無風の知床です。何やら日本海側は連日降雪のようですが、道東一帯はここしばらく安定した天気が続くようです。前回この季節に訪れた時は荒天続きで辟易したものですが、今回の滞在では好天(シャレではない)に恵まれて助かります。写真は本日の観察ポイントであるプユニ岬。背景はウトロの街並みです。

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2005年11月15日 (火)

知床入り

20051115_1
今朝5時の網走近郊の外気温は-2℃。4シーズン用の化繊シュラフで快眠でありました(笑)。そう言えば朝から何やら地震の騒ぎで、北海道も津波警報が出ていました。取り敢えず津波は届かないであろう高い場所を選んでの車中泊ですが、近年地震が多い北海道での停泊地には気を遣いますね。写真は早朝のオホーツク海の様子。バックの山は海別岳。風が無い割に波が結構高いのは不思議でした。

EOS5D EF28-300/3.5-5.6L IS 250mm F8 1/500 ISO100
ピクチャースタイル「風景」

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