カテゴリー「森・植物」の154件の記事

2012年8月 3日 (金)

柿九年

我が家の柿の木に今年初めて実が付きました。実はこの柿、実家の母親が記念にと下界の園芸屋から買ってきた鉢植えの小さな植木で、700mのハイランドではとても実はならないと思っていたので、適当に庭の隅に植えてありました。が、そんな主役でない扱いがあだになって、2年目に刈り払い機でバッサリないでしまいました(苦笑)。すぐに根本付近で挿し木にして、あれからおおよそ9年間放置。その間うんともすんとも動きは無かったのに、今年は何を血迷ったかご覧の通りです。まだピンポン球をちょっと大きくした程度ですが、数だけは結構揃っていて、何となく熟すのを期待してしまいますね。

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とは言っても寒冷地仕様ではないので、恐らく、いや間違いなく渋柿でしょう。なので最終目的は干し柿。そして半分は甘党の鳥たちへの冬前のご奉仕となります。朝たまに見掛けるアオゲラが来てくれると嬉しいですが、基本的にヒヨの縄張りなので、そう上手い具合にはいかないでしょうね。


2012年7月 5日 (木)

蛍袋

仕事は人手が足らないときに限って重なるものらしく、見計らったようにやや多忙モードに突入中。零細弱小の自営業には波があるため、来たるべきヒマなとき..来月も忙しいとは限らない..のために、忙しいときほど依頼仕事を断りづらいという悪循環がある。今日はそんな気分を察してか、珍しく午後から夕立となった。そう、晴れていると山に行きたくなるんでねぇ..

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暑い。PCがブンブン唸っていることもあって余計に暑い。下界では30℃オーバーの真夏日だそうで、ハイランドの赤城高原でもそれは逃れられず。思わず路傍の蛍袋の中で涼みたくなるというもの。


2012年6月29日 (金)

熟すの待つ

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畑は基本的に家人の領分なので、私は植え付け時や耕作時、収穫時の人足要員としてのみ従事が基本。ただ例外もあって、ブルーベリーは私が近所から苗木をもらってきたこともあって、最近は私が面倒を見ることになっている。とは言っても手間は剪定ぐらいしか用事は無いが、実が熟せば毎朝ヒヨドリと競争で収穫しなければならない。このところ大して雨も降らず日射しが多いせいか、どの木も粒が揃って今年も豊作の様子。後は青くなるのを待つばかりだ。


2012年6月28日 (木)

赤い日本

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灯台躑躅と書いてドウダンツツジ。まあ難しい漢字を当ててますな。知らなければまず読めません。写真はベニドウダンツツジのようですが、庭木じゃありません、山中に自生していたやつです。

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季節の遅い北部フィールド界隈でも、さすがにヤマツツジはこれで終わりかな。

赤い花を並べてREDの話題。かの映画業界の異端児、RED Digital Cinemaがなんと赤坂に日本法人を設立。その間もずばりREDジャパン。ショールームだけでなく当然の如くWebサイトも開設済み。Scarlet-Xに興味津々なれど未だ実物を見たことが無いRED..そう言えばつい先日CINEMA EOS C300の実物を始めて見た..なので、お江戸に出張した際には是非とも立ち寄りたいスポットですな。ちなみに販売は今まで通り日本総代理店である西華デジタルイメージが担当とのこと。


2012年6月 4日 (月)

二番茶

赤城高原では奥ゆかしくなくホトトギスも、関東の南まで来ると真昼間から鳴きっぱなしです。まあ渡来したてというのもあるんでしょうが、それにしても今日は結構派手に騒いでいました。賑やかさでは負けないさすがのガビチョウも、ホトトギスの血を吐くような連呼にはやや押され気味でした。

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新茶の季節はとうに過ぎた茶畑。そろそろ二番茶の時期ですね。


2012年5月28日 (月)

朴香る

本日の芳香はホオノキの花。高木ゆえ思ったほど山中でその香りに触れる機会は少ないですが、写真の花は目線の高さに咲いていました。たまたま斜面の低いところから伸びた幹のすぐ脇に立っていたため、というのがそのカラクリですが、それでも根元は急斜面を10m近く下りたところにありました。

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アレロパシーの影響で根本付近に下生えが見られませんが、たまたま上から覗いていたら、キツネの成獣が通りがかってすぐにこちらに気付き、慌ててきびすを返して逃げていきました。一応写真は撮りましたが、感度が低すぎてブレブレに。こういう時こそISOオートにしておくべきなんでしょうね。特に新型は高感度性能が良いですからねぇ..


2012年5月27日 (日)

栃香る

渓谷の上流より吹き抜ける風に、トチノキの花が良い香りを漂わせています。トチノキの花は上から順に開花して、しかも花期がそこそこ長いため、山間地で養蜂を営む農家には無くてはならない存在です。かくいう我が家も奥信濃の某所で採取されたトチ蜜にハマっており、パンケーキやホットケーキにかけて食べるのが恒例となっています。

トチノキは成長すると軽く20mを超える高木となりますが、尾根筋など乾いた場所よりも、サワグルミなどと同様に沢筋や谷地など湿潤な環境を好みます。本州でも中部以北の山間地を中心に分布し、特に東日本ではその実を渋抜きして保存食としてきました。ちなみに我が県の隣県である栃木県の栃は、栃の木の栃と同じであり、よく栃の木が多いからとか言われてるようですが、実際は口語の当て字である説が有力のようです。

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ウマグリという呼び方もあるようですが、horse chestnutという英名をそのまま直訳したものらしく、本種ではなくセイヨウトチノキのことを指すようです。そう言えば英国辺りでは、日本人がサクラを愛でるように、トチノキの花で花見を行う習慣があるそうですね。


2012年4月28日 (土)

奥山の春の息吹

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雪国の奥山はまさにこれからが春本番。展葉直前のブナの褐色の鱗片葉は、春を待ちわびる奥山の早春の息吹。

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まだ落ち着きなく樹冠を飛び回るキビタキのいる日当たりの良い南斜面では、少しずつ根開けが目立ち始めています。ブナの幹を伝うお天道さまのエネルギーが徐々に増して、林床の雪解けも一気に進んでいきます。


2012年4月25日 (水)

ワシとクマの住む森

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みちのくのブナの森は気持ちいいほど晴れ渡り、汗ばむ陽気に雪解けも進んでいます。

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ブナの森はクマの森。大木の幹にはあちこちその痕跡が見られます。

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クマが好物とするミズバショウは、成長すると葉っぱだけやたら大きくなって、世間一般で持たれているイメージを損ねますが、このくらいのサイズがまあ鑑賞にはちょうど良い感じでしょうか。それにしても、北海道やみちのくでは、山地の湿地や林道脇に普通にミズバショウが咲いていたりします。これが我が郷里だと、わざわざミズバショウの自生地..尾瀬や玉原など奥利根エリア..まで行かなければなりませんから、やはりこちらは緯度が高くより寒冷であることを証明..本種は北方系の植物に分類される..していますね。

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そして今日も陽炎にゆらゆら揺れるクマの姿を。こう連日似たような環境下でクマがうろつく姿を見かけるようだと、冬眠明けのラッシュだったのかと、ついぞ勘ぐりたくなりますね。何れも単独で遠目にも大きいのが判るので、雄であろうことも想像つきます。

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そしてこちらも陽炎ゆらゆらの天狗様。こうしてワシとクマが生息しているというこの自然度の高さこそ、未来永劫守られるべきみちのくの、いや日本の素晴らしき共有財産。経済性を優先したつまらん観光地化された場所でなく、こうしたエリアこそ日本が世界に誇るべき自然遺産だと断言できますね。いやマジこれ本音です。

2011年12月14日 (水)

枯れ葉散る

キンキンによく冷えた朝、風もないのに一気に枯れ葉が落ちるのを見ることがあります。皆に遅れまいとするように、カサカサと音を立てながら、次から次へと落ちてきます。葉のクロロフィルが分解され、カロチンからタンニンへと色素が変化、その色を失った段階で本来の役目を終えていますが、季節の歩みに反して意外に遅くまで葉が残っています。それがまるで力尽きるが如く、連鎖的に一気に落ちることがあるのです。枯れ葉に至るメカニズムはさておき、森の中を歩きながら、ふとそんなシーンを目にすると、何となく得した気分になりますね。

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