今年も狩猟の季節が始まりました。基本的に猟期は11月15日から翌年の2月15日となっていますが、各県ごとに事情が異なる部分があるので、狩猟対象によっては一部地域において延長されています。昨年までと同様、今年も県北東部のシカ猟については2月28日まで延長となっていますが、今年から県南西部も対象となったようです。
猟期が始まってしばらくは鉄砲撃ちもやる気満々なので、フィールドに分け入る場合は十分注意が必要です。登山道などを歩くのと違い、私は低山のチョイ奥や奥山の中腹辺りをうろつくことが多いので、特に危ない(苦笑)。本来は撃つ側が最大の注意を払うべきですが、誤って撃たれてからでは遅いので、こちらもそれなりに神経を使わなければなりません。普段はクマ除け鈴を好まない私も、さすがに猟期の初期だけは例外ですね。
農道上に付いたばかりの蹄の跡。このちょっと前に犬に吠えられながら逃げていくシカの姿を見かけたので、おそらくその際に付いたものでしょう。
私の住む地区は村内でもシカが多いところなので、解禁後は朝早くから鉄砲撃ちが姿を見せています。
人が他の生きものを狩って生活していた事実、それは縄文期など狩猟採集時代まで遡らずとも、割と近代まで続いていました。東北に見られたマタギという狩猟集団が有名ですが、何の産業もない山深い里では、先の大戦前後まで狩猟と採集で生計を立てていた人たちが普通にいたのです。言わずもがな獲った獲物の肉は食料に、剥いだ毛皮は軍事用や交易の商品として扱われていました。現代においては、狩猟はほぼ高齢者の趣味の分野に生き残っていますが、有害駆除という野生鳥獣問題の解決手段の一つにもその技術が活かされています。
狩猟は一方的に生きものの命を奪う行為であるため、自然保護や動物愛護を叫ぶ人たちとは相容れませんが、私は周りから思われているほど自然保護論者ではないので、人の生産活動によって増えすぎた生きものが、同じく人の生活に害なす場合に限り、それを人の手で調整する考え方、つまり野生動物の頭数管理は止むなしと考えています。調整や管理などとはなはだ不遜な言い回しになっていますが、自然界でまかないきれない数にまで増えた野生動物との軋轢は、今や単純な保護一辺倒では追いつかない現実があるからです。もちろん、ちょっと村はずれに姿を見せただけのクマを有害駆除するなどは論外ですが、シカやイノシシ、それにサルによる農作物への被害には看過できないものがあるのです。身から出た錆という意見もありますが、現実はやはり直視する必要があるでしょう。
その狩猟を担う鉄砲撃ちには、時々張り倒したくなるような自分勝手な輩も見かけますが、私の知り合いの範囲では、しっかりとした自然観に基づき野生を敬い、生きものの命を尊ぶ価値観..生きものの命を分けてもらうという考え方..を持つ人もいるので、その辺りは安心しています。しかし、前述したとおり高齢化が進んでいるため、これからさらにその必要性が高まるであろう有害駆除を担う人材は、年々減りつつあるのも事実です。冗談抜きで、シカやイノシシがその数を減らすよりも、案外鉄砲撃ちが絶滅するほうが先かも知れませんね。
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