高原と山岳と
GW連休に信濃の国へ。親父たちの本来の目的は別にあったものの、連休ということでファミリー要素も多分に含んだ行楽道中になるのは必然、高原にアルプスにとオプション観光も催行。ある程度は計算尽くで行動しており、予測された渋滞はすり抜けられたのですが、某国営放送の朝の連ドラが安曇野を舞台にしていたのをうっかり忘れており、そちら界隈ではさすがにエライ目に遭いました(苦笑)。
GW連休に信濃の国へ。親父たちの本来の目的は別にあったものの、連休ということでファミリー要素も多分に含んだ行楽道中になるのは必然、高原にアルプスにとオプション観光も催行。ある程度は計算尽くで行動しており、予測された渋滞はすり抜けられたのですが、某国営放送の朝の連ドラが安曇野を舞台にしていたのをうっかり忘れており、そちら界隈ではさすがにエライ目に遭いました(苦笑)。
冬の関東平野は、西高東低の気圧配置の影響で高気圧の勢力下に置かれるため、すっきりと晴れる日が多くなります。県内も上毛三山以南ともなると、その関東平野の端っこに引っ掛かるため、利根とは違って基本的に晴れがお得意日となります。今日は西上州の某所..個人的には聖地と呼んでいる(笑)..へ巡回に赴きましたが、鋭く尖った岩峰群がスカイラインとなって、そんな冬の空に美しく映えていました。
ちなみに一枚目の写真ですが、個人的に懐かしく且つ想い出深いものが写っています。いつ何時訪れても、若かりし頃にフラッシュバックしてしまう自分がいるのですが、そんな感傷的な気持ちを知ってか知らずか、昨年生まれのK天狗の若様が、例の間延びした声で鳴いているのが印象的でした。
冬の青空に映えると言えば、この季節に旬となるロウバイの花もその一つです。帰りに松井田の下増田に立ち寄ってみましたが、配色の妙とでも言うのでしょうか、青空と黄色の組み合わせは絶妙。独特のその香りと相まって、訪れる人たちを楽しませていました。ただ、相変わらず有線放送を流しているのは興ざめですね。ビデオ撮影にはまったく要らん演出です..
榛名山・妙義山と続けば、当然今週の山歩きは赤城山..地元では赤城・榛名・妙義の三つの山を指して、上毛三山と呼んでいる..です。本当は荒山高原か黒檜山辺りを考えていましたが、午後から二つほど村の用事が入っていたので、取り敢えず近場の大滝に出掛けてきました。
大滝は別名不動大滝とも言って、赤城の小沼から流れ出す粕川の途中に位置し、落差50mのその景観は、季節を問わず訪れる人を魅了します。特に厳冬期の氷瀑は有名ですね。すぐ近くには、上州の幕末のアウトロー「国定忠治」が隠れ住んだと言われている岩屋もあり、ちょっとした歴史ロマンの舞台でもあります。
大滝周辺は、今日現在では新緑には若干早いですが、マイナスイオンの飛沫の中、アカヤシオやヤマツツジが咲き、オオルリやヤブサメが囀っていました。GW後半には、芽吹きも本格化するでしょう。
EOS40D(EF-S10-22/3.5-4.5、EF28-300/3.5-5.6L IS)
GR DIGITAL
調査の予定が突然の大雪で中止となったため、家人を連れて鬼石(現藤岡市)の桜山公園に冬桜を見に行ってきました。
桜山公園には約7000本の冬桜..国の名勝および天然記念物に指定されている..が植えられており、見頃となる11月から12月に掛けて観光客で賑わいます。関係者の話では今日現在で八分咲きのまさに見頃で、連休初日と言うこともあって、駐車場には長蛇の列ができていました。今年は秋が遅れたおかげで、桜山公園周辺ではまだ紅葉の色付きが見られ、その辺りも観光客が多い理由のようです。例の如く我が家は午前中の早い時間に出掛けたので、その列には加わらずに済みましたが、最近はとバスも乗り入れるようになったと聞いたので、これからますます混雑しそうです。
冬桜(フユザクラ)はヤマザクラとマメザクラから作られた園芸品種で、冬と春の年2回花が咲きます(ただし実がなるのは春だけ)。またソメイヨシノのような高木にはならず、樹高はせいぜい5m程度です。花も一輪ずつ下から上へと徐々に咲いていくので花期が長く、花見の桜のような盛大な華やかさはありません。葉が落ちてから花が咲くので、遠目には桜と言うより梅のような感じですね。
ちなみに緋寒桜の雑種である寒桜ですが、1~2月頃に一度だけ花を咲かせるので冬桜と混同されがちですが、冬桜とは別の種になります。
EOS-1D Mk3(EF28-300/3.5-5.6L IS)
本日も朝から県西部の某所にて調査。最近開けた林道と伐採地を踏査した後、お昼頃に草津白根山に上がってきました。先日同様に山田峠から北はガスの中でしたが、白根山から下、スキー場にかけてはちょうど紅葉が見頃になっています。
EOS40D EF28-300/3.5-5.6L IS(4枚目はEF17-40/4L)
ISO200 高輝度側・階調優先
DPP3.1 Picture Style「風景」
(以上データ共通)
1D MarkII N と5Dは、晴天下だと1/3から半絞り程度露出オーバーになる傾向が見られましたが、1D MarkIIIと40Dではそれが気にならなくなりました。フィルムカメラの頃よりキヤノンは1/3露出アンダーが伝統だったので、1D MarkII N と5Dでは少々戸惑いましたが、1D MarkIIIと40Dの組み合わせでは安心して使うことができます。
玉原ラベンダーパークでは、ラベンダーの他にニッコウキスゲやヤナギランなどをほぼ同じ時期に見ることができます。今夏は梅雨明けが遅れ、日照時間不足の影響からかラベンダーもなかなか咲き揃いませんでしたが、先週末辺りからようやく見頃になりつつあります。
今日はやや雲の多い空模様なれど、平日にもかかわらず人出も多く賑わっていました。私らは例の如くお昼で引き上げてきましたが、他県ナンバーが多いところを見ると、テレビのニュースか何かで情報が流れたのでしょうね。
ここのラベンダーパークは企業による営利目的の観光施設なので、個人的にはあまり興味はありません。が、そうは言っても観光絡みでの写真や映像の需要はそこそこあるので、個人的な好みは置いておいても一応押さえておく必要はあります。
ラベンダー
LEICA APO-MACRO-ELMARIT-R100/2.8
ラベンダー
LEICA APO-MACRO-ELMARIT-R100/2.8
ニッコウキスゲ
EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ヤナギラン
EF28-300/3.5-5.6L IS 120mm
ラベンダー園の中央に残されたブナの大木。ここは元々は上州武尊山の山麓に広がる関東有数のブナ林だったのですが、バブルの頃に森を切り開いてスキー場として建設されました。訪れる人のどれだけが気付くか判りませんが、ちょっと周囲を見渡せば、当時の面影をしのばせるブナの大木を見ることができます。今でこそ名の通った観光地として賑わいを見せていますが、貴重なブナの天然林のことを思うと少々複雑な気持ちになりますね。
EF28-300/3.5-5.6L IS 28mm
EOS-1D MarkIII ISO100
DPP3.0 Picture Style「風景」
(以上データ共通)
1Ds MarkIIと5Dをぶら下げたやけに重装備のおっさんがいるなぁと眺めていたら、何と知り合いのTカメラマンでした(笑)。化粧品メーカーのCM撮影に来ているとかで、早朝より現場入りして準備していたそうです。パッと見は簡単な物撮りのようでしたが、有名メーカーのCMともなるとスタッフも機材も大掛かりですね。CMの世界ではすでにハイビジョン撮影がスタンダードのようですが、方や24時間テレビのロケ..ドラマか何かの回想シーンだとか..で来ていた日テレさんはSDカメラでの撮影でした。
白根山の南側に位置する本白根山では、半世紀の時を経て復活したコマクサの大群落を見ることができます。
高山植物の女王と言われるコマクサはもともと白根山一帯で自生していましたが、盗掘が相次いで戦前には絶滅寸前まで追い込まれました。本来は3000m級の高山に生息するコマクサですが、草津白根山一帯は2000m程度で比較的アプローチがしやすく、戦前は主に薬草として、その後は高山植物ブームによる自己満足的盗掘の被害が多かったようです。それを万座の干川文次氏と六合村の山口雄平氏(何れも故人)の並々ならぬ努力によって復元までこぎ着け、今や日本一のコマクサの大群落となっているのです。移植した数は37000本、まいた種は300万粒と云いますから、その途方もない努力と労力は推して知るべしですね。
現在その遺志は地元の有志..地元の中学生、草津町、嬬恋村、森林管理署、自然保護団体..によって引き継がれ現在に至っています。が、悲しいことにコマクサ(に限らず)の盗掘は今でも時々あるようで、有志による巡視活動が引き続き行われているそうです。
EOS-1D MarkIII EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)
時は移ろい現在のコマクサの敵はこんな輩です。写真撮影のツアーか何かで来ていたカメラ親父ですが、思いっきり三脚がコマクサの群落の中に入っています。しかもこの後は調子に乗って自身もロープの内側に入り込んで、すぐ手前のコマクサを踏みつけ始めました。私の目の前でこのような暴挙に出るとは良い度胸のこのおっさんに「お前のためにコマクサは生えているのではない!」と一喝。いい年した本来分別あるべき人生の先輩が、私のような若輩者に公衆の面前で説教される情けなさ。カメラマンと世に一括りに蔑まれている連中が、自分たちで自身の首を絞めていることになぜ気が付かないのだろうか。団塊の世代と呼ばれるリタイア組の中から、ますますこんな輩がこれから増えてくると思うとやりきれませんなぁ。
草津白根山とは白根山・逢ノ峰・本白根山を総称する呼び名です。一般的に草津白根と言えば、湯釜(昨日の記事中8枚目の写真)を擁し現在も活火山として活動する白根山を指すことが多いですが、現在の山体を形作ったのは本白根山の噴火活動になります。写真奥のピーク(2165m)が本白根山の三角点があるところですが、地図によってはその手前のピーク(2150m)を本白根山と記してある場合もあるようです。
本白根山の爆裂火口の跡である「から釜」を望む。コマクサの群落はこのから釜の縁に沿って点在しています。
南側から見たから釜。ここから岩場の展望台に上がると360℃の視界が開け、天気が良く条件がそろえば遠く富士山まで遠望できます。
EOS-1D MarkIII EF17-40/4L
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)
関連記事(高山植物の女王)
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_3485.html
先日の尾瀬では思いのほかワタスゲの穂を見ることができず、それならばと草津の芳ヶ平に出掛けてみました。
芳ヶ平は草津白根山の北東麓、大沢川の源流域に広がる標高1800mの高層湿原です。広さでは尾瀬に遠く及びませんが、標高では尾瀬(標高1400m)よりも高い位置にある湿原..高層湿原とは標高の高い位置にある湿原の意味ではないので念のため..になります。
秋は黄金の草もみじの中、ナナカマドの赤やダケカンバの黄など極彩色とも呼べるような見事な紅葉が見られますが、夏の主役は何と言ってもワタスゲの群落ですね。今年は全体的に例年よりはやや少ない感じを受けますが、それでも湿原の北側には見事な群落が広がっています。白根のレストハウス近くにある弓池周辺にも若干ワタスゲが穂を付けていますが、やはりこの辺りの本家は芳ヶ平ですね。
日産スカイラインの生みの親である桜井眞一郎氏が、芳ヶ平の夕暮れに浮かぶ山稜(スカイライン)を見て命名したというのは、車好きなら知る人ぞ知る逸話です。そしてその山稜が写真背景の稜線になります。
EOS-1D MarkIII EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)
帰りがけに久しぶりに湯釜を覗いてみました。相変わらず草木一本生えない荒涼とした景色..写真で見ると妙に爽やかな印象ですが(笑)..ではありますが、みずみずしい芳ヶ平がこの釜の向こう側に広がっているというのはにわかに信じがたいですね。
EOS-1D MarkIII EF17-40/4L
ISO100 DPP3.0 Picture Style「風景」
渋川市内にある小野池あじさい公園であじさいまつりを開催中です。園内には渋川市の花であるアジサイ20種8000株が植えられ、7月15日までは夜間にライトアップも行われるようです。
小野池とは地名ではなく人名になります。江戸時代の地元の名主で小野沢平左衛門という方が、当時の水不足を解消すべくこの地に貯水池を作ったのが始まりだそうです。現在は貯水池を釣り堀として利用し、その周辺をあじさい公園として整備しています。アジサイは日向よりも日陰を好むので、北向きの立地がアジサイの植生に適しているようです。
意外に知られていませんが、アジサイはもともと日本が原産になります。ガクアジサイ(写真3枚目)を原種として、球形に花が付くいわゆるセイヨウアジサイが品種改良で作られました。花の色も本来は青色が中心で、それが土壌のpH濃度によって変化していく..咲き始めから散り際までの間にも変化します..というわけです。名前の由来も青に起因していると言われ、藍色が集まることを意味する「集真藍(あづさい)」からきているようです。
EOS-1D MarkIII EF17-40/4L、EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)
この時期の小野池あじさい公園はそれなりに県外にも知られているようで、大型バス横付けで観光客が訪れます。特に午後からライトアップされる宵の口までは結構混雑するので、静かにアジサイを楽しみたい方は朝のうちが良いでしょう。私も一度お昼頃に出掛けて、テレビの撮影と勘違いされてエライ目に遭いました(苦笑)。
高崎で仕事の打ち合わせが入ったので、その前に寄り道して吉井町の古代蓮の花を撮りに行ってきました。古代蓮の花が見られるのは、多胡碑記念館に併設されたいしぶみの里公園になります。
このハスは別名「大賀蓮」とも呼ばれ、昭和26年に植物学者である大賀一郎博士によって、千葉県の検見川の泥炭層から発見された2000年前のハスの子孫になります。発見されたハスの実は3粒で、その内2粒は失敗しましたが、残った1粒が発芽に成功、以降順次増えたものが世界中に友好の印として配られているそうです。
ハスの花は早朝に咲いて日中は一旦閉じてしまうので、見頃は午前の早い時間帯に限ります。特に古代蓮は3回咲いてから4回目に散るという習性があるそうですね。ちなみに今日現在で花とつぼみが半々と言ったところでしょうか。
EOS-1D MarkIII EF28-300/3.5-5.6L IS
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」
(以上データ共通)
多胡碑と言えば、上毛かるたで「(む)昔を語る多胡の古碑」と詠んでいるので、群馬県民ならば皆ご存じでしょう。高さ125cm、幅60cmの安山岩の石柱に、和銅四年(711年)にこの地に多胡郡が設置されたことを記念した碑文が彫られています。栃木県の那須国造碑、宮城県の多賀城碑と並んで日本三大碑の一つに数えられ、国の特別史跡にも指定されており、多胡碑はその中でも最古の碑ということになっているそうです。
GR DIGITAL F2.4 ISO154