カテゴリー「クマ」の58件の記事

2009年11月13日 (金)

フードコンテナ

20091113
これが通称フードコンテナ。私が所有するものは正式には「Backpacker's Cache」と言い、バックパッカーの食料隠し場所的な意味になるだろうか。

正直なところ、フードコンテナなど観たことも聞いたこともない人がほとんどであろう。これは一体に何に使うのかと言えば、ベアカントリーにおいて、キャンパーがクマから食料を守るために使うものである。強化プラスティック製の角のない円筒形をしており、グリズリークラスの大型のクマが、力任せに押しつぶそうとしても、コロコロと転がるだけで、中身まで手を出すことはほぼ不可能。食料を素のまま保管するよりも、匂いが漏れづらいという利点もある。北米のキャンプ場などでは、頑丈な食料保管庫が併設されていることが多いが、バックカントリーなどでキャンプする場合には、この手のフードコンテナは必携である。

20091113b
北米のキャンプ場にあるフードロッカー

日本屈指のベアカントリーである知床でも、「知床半島先端部地区利用の心得(2008年度 知床国立公園利用適正化検討会議策定)」内にて、半島先端部及びその周辺において野営する場合、フードコンテナの使用を強く求めている。

20091113c
海側から見た知床岬周辺

知床では、遺産登録と並行して自然保護対象地域の核心部や岬への人の進入を制限する案が検討されてきた。実際に岬への船舶による上陸は禁止されている。しかし、半島主稜線を辿るルートや海岸線からのアプローチに関しては、今のところ規制は設けられていないため、夏季に徒歩で岬までやって来る人が後を絶たず、自然保護の観点から早急に立ち入りの制限を設けるべきとの声も多い。ただでさえ、台地状になった岬は増えすぎたシカたちの格好の餌場となっており、貴重な固有植物の群落が食害を受けて減少傾向にあるため、シカの頭数管理と植生回復が急務と言われているのだ。

今回の記事の発端は9月末のこと。まさにその知床岬へ羅臼側からトレッキングで向かっていたキャンパーが、途中の海岸にテントを張ったまま岬へと往復している間に、テントの食料をクマに襲われるという事件が起きた..一人はフードコンテナを持っていたが、もう一人は使っていなかった..のだ。レトルトカレーなどが食い荒らされた形跡があり、クマが味をしめた可能性があるため、現在は岬への出入りは自粛されている。実は7月にも同じ場所で、やはりトレッキング中に食料を狙われる事故が起きており、今回のクマはその時と同じクマではないかと見られている。

20091113d
自分で埋めたシカの死体..彼の地ではこれを土饅頭と言う..を掘り出して食べるヒグマ。クマは自分のものだと認識したものについて、恐ろしいほどの執着を見せる。過去に起きたクマによる殺傷事故の大半は、奪われた荷物や食料(含む人の死体)などを取り返そうとして、クマに逆襲されたものがほとんどである

先の立ち入り制限を設ける考えに反対する意見もある。特にアウトドア愛好家を名乗る、主にはシーカヤックなどで旅をする人たちの間では、上陸禁止に対し反対の声が多数上がっている。彼らの主張は、知床は誰のものでもない、また誰でも自由に行動できる場所であるべきだということらしい。もちろん国民共通の財産である国立公園である以上、ルールに則っての利用については、その通りであるとも言える。

しかし前述のような事故が起きるのも、結果ではあるが事実なのである。しかもそれは事前に十分想定された事態であり、あのような行為..周到な準備もせずベアカントリーに足を踏み入れる..に出れば、当然起きて然るべきであったのだ。

事故の当事者は道外の人で、事情に明るくないから致し方ないという意見もあるようだが、何をかいわんや。知らないから何をしても良いなどと言ういい加減な声が、どれだけ事後の同行為に及ぶ人たち、また関係者に迷惑をかけていることか。彼らのやったことは、知床を知り尽くし、知床の自然を守るべく日夜活動してきた先人たちの行為を踏みにじるものであり、冒涜以外のなにものでもない。フードコンテナを持っていない、または忘れてしまったなどという自分勝手な理由で、自分自身の命やその後にそこを訪れる人の命を危険にさらし、最悪の場合は当事者であるクマの命まで奪うことにもつながってゆくのだ。

20091113e

クマは我々人が作り出した極端な二面性を持つ希有な動物である。一つは、クマのプーさんに代表されるような愛玩動物としての顔。そこから来るイメージはどこか呑気でのろまな感じを受けるであろう。そしてニュース報道に登場する実際の姿と言えば、「どこそこでクマに襲われた」的な、我々人に対して危害を加えてくるという、野生動物が本来持つであろう粗暴かつ強大な強さに対するイメージ..これを凶暴と書くことでさらに悪いイメージとなる..に他ならない。縫いぐるみのクマは人は襲わない。しかし実際のクマは人を襲うこともあり得る..それとて「時と場合によっては」という前段があるのだが..という当たり前の事が、どれだけ一般に認知されていないかと言うことだろう。

20091113f

大型犬程度のツキノワグマでさえ、ひとたび怒れば人を殺傷するのはたやすい。それがヒグマともなればなおさらで、とりわけ北米大陸の北部に分布するグリズリーは巨大かつ強大だ。ツキノワグマがせいぜい大きくても120kg前後..平均すると80前後だろう..であるのに対し、アラスカ州のコディアック島に棲息するブラウンベアは、最大では700kgを超える個体もいるのだ。とても人の太刀打ちできる相手ではない..

20091113g
このキャンプサイトで事件は起きた..

私が以前、南西アラスカのカトマイにおいてキャンプした際、早朝..白夜で一晩中明るいのだが..テントの外に気配を感じ、何事かと入り口のジッパーを下げて外を見ると、目の前ほんの数mのところを、今自分が入っているテントよりもはるかに大きいクマが、それこそのっしのっしと通り過ぎて行くのを見たことがある。思い出すことさえ冷や汗ものなのだが、件のクマはこちらに一瞥くれるだけで、素知らぬ顔で湖岸へと去っていったのだ。クマが去った方向からは、注意喚起すべくフライパンやコッヘルを激しく叩く音が響いてきたが、私は恐怖でしばらくテントから出ることができなかった。もちろん食料はフードロッカーに収めてあり、何より時期的に川にサケが遡上していたので、クマたちは人にはほとんど興味を示さないのだが、このとき肌身に感じた恐怖は、ヒグマという地上最強の肉食獣と対峙したことのある人にしか理解できないことであろう。

20091113h
コンテナの蓋には「SAVE THE BEARS」の文字が。クマから食料を防ぐためのコンテナに、クマを守れの文字が印されていることの意味が、果たして事故の当事者にどれだけ理解できるものか..

※クマとの遭遇、その時あなたは..
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_fa9c.html

| | コメント (2)

2009年10月19日 (月)

小さな柿

ご存じの通り、柿は大別すると甘柿と渋柿とに分けられます。最近では品種改良で寒冷地でも甘く熟す種類もあるようですが、一般的に寒いところでは甘柿も甘くならずに渋柿となってしまいます。我が県で言えば、概ね渋川以北では甘柿は珍しいと言えますね。

渋柿の渋さはタンニンという成分にあり、これが水に溶け出しやすいことから、果肉の渋みが強くなります。アルコールに漬けたり干し柿にすることでタンニンは抜くことができるので、渋柿だから食べられないということではありません。実が熟して柔らかくなっても同じような効果がありますが、普通その状態で実を採ることはまれなので、大体どこでも鳥たちの餌になっていますね。晩秋の頃、甘党のヒヨドリやムクドリ、それにアオゲラ辺りを見掛けることが多いようです。

その昔、田舎で甘いものと言えば、あんこかイモくらいなもので、中でも柿は子供たちの大切なおやつとして重宝されました。大抵どこの家に行っても庭先や畑の畦に柿の木の1本も立っており、時期が来れば家族で柿もぎをする風景が見られました。が、今ではお菓子など甘いものが普通に出回るようになったため、過疎化が進んだことも手伝って、柿の木は実を付けたまま放置されることが多くなっています。そしてその結果、里山近くの野生動物たちを誘引する原因の1つになっています。最近では、そんな里に現れて柿の実を食べるクマを防ごうと、一般から参加者を募集して、クマより先に柿の実を収穫してしまう..もちろん柿の実はお土産で持ち帰る..イベントが、クマ対策の一環として行われています。

一応我が家にも柿の木があるのですが、何年か前にうっかり刈払機で傷つけてしまってから機嫌を損ねたとみえ、どうも実を付ける気配がありません。まあどうせ実が付いたところで甘柿にはなりそうもないのですが、鳥たちの餌にしたいと思っているので、それまではと辛抱しているところです。やっぱり柿は8年でしょうかねぇ..

20091019
写真は近くの防風林に植わっているシナノガキ。中国原産で柿の野生種に当たるらしく、その実は小さいですが熟せば食べられます。とは言えやはり寒冷地では甘くはならないので、誰も近所でも食べる人はいませんね。これから北風が吹き付けるようになり、天然の干し柿状態に近づく頃は、鳥たちが端からきれい平らげることになります。

| | コメント (0)

2009年9月29日 (火)

蜂の巣急襲

秋はスズメバチなどに刺される被害が多くなる季節です。先週行われた山田昇杯でも、先頭グループが通り過ぎた後にやって来た集団が、クロスズメバチに刺されたと聞きました。クロスズメバチは他のスズメバチ比べてさほど攻撃性は高くありませんが、地下に巣を作ることが多いため、近くを歩くだけでも振動に怒って襲ってくることがあります。倅の後輩も刺されたらしいですが、毒性はあまり強くないので、大事には至らなかったようです。

そしてトラップカメラ2号機の設置場所近くに、よりによってキイロスズメバチが巣を構えたのは先月のこと。連休前にはそこそこの大きさにまで成長し、近くを通ることさえはばかられる状態に。これが家の周辺ならば役場に通報して駆除してもらうこともできますが、こんな森の中ではそれもままならず。どうしたものかと思案していた矢先、いつもなら斥候が2匹近づいてくるのに、今朝は不気味に静かなことに気付きました。カメラの点検後に恐る恐る巣のあるブッシュに近づいてみると..

20090929
昨日まで巣がぶら下がっていた位置にポッカリと空間が空き、ブンブンと近くを飛んでいるはずの働きバチの姿もありません。よく見ると、バキバキ折られた伐採木の陰に、巣の残骸らしきものが落ちているのが見えました。

20090929b
近くに巣の一部が落ちていましたが、どうやら何者かに襲われたようです。と、もったい付けてもしょうがないのですが、クマの仕業であることは明白です。

20090929c
巣の中に大量にいたであろう幼虫の姿もありません。と言うより、巣材ごとどこかに持ち去られたと見ていいでしょう。

20090929d
巣の残骸の一部に、弱ってなおも執着する働きバチの姿がありました。何かと忌み嫌われるスズメバチではありますが、来る厳しい冬を乗り切るべく、仲間と力を合わせてせっせと巣作りをしていたところを襲われて、途方にくれているようにも見えます。翻ってクマの側にすれば、彼らも冬眠に向けて体脂肪を貯える必要があり、今は山栗やドングリを大量に摂取しています。動物性タンパク質ではアリなども食べますが、大きい蜂の巣を襲ってその幼虫を食べるのは取り分け効率が良いと言えます。いつ頃から目を付けていたのか判りませんが、頃合いと見て一気に襲って、しめしめとニンマリしながら蜂の子を食べるクマの姿が目に浮かびますね。捕食者と被捕食者の関係はありますが、ハチもクマも目指すところは一緒、冬に向けて秋を必死に生きています。

| | コメント (0)

2009年6月28日 (日)

やまざくらんぼ

20090628
近所のヤマザクラが実をたわわに付けています。今年は例年に較べて実の付きが良いようですが、うっかりするとこれも数日で無くなっていたりするので、努々油断なりません。とは言え元は自生の果樹、果実酒用に小ザルに少々収穫して、残りは野生へと還流してもらいます。

20090628b
いわゆるサクランボは、桜の木なら全てなるのかというとこれがそういうものではなく、セイヨウミザクラ(西洋実桜)から品種改良された種類から収穫されるものを指します。もちろんソメイヨシノなどにも実はなりますが、小さくて苦みが強く食用には適しません。ヤマザクラも実そのものは小さく、自生しているものは酸味が強かったりして当たり外れがありますが、果実酒に漬け込むぶんには必要十分です。

20090628c
足元を見ると、早速さくらんぼを頂きにやって来ているヤツがいるようです。甘いものが好物で木登りが得意といえば、クマとハクビシンが真っ先に挙げられます。やや未消化状態だったので、一瞬クマかと思いましたが、おそらくはハクビシンの仕業でしょう。

そう言えば、このところ村内で立て続けに3件ほどクマの捕殺がありました。クマもヤマザクラやクワの実は大好物で、夜な夜な木に登っては貪っているようなので、役場の広報でも朝獲り農家に対して注意喚起しています。

EOS5D Mk2(EF28-300/3.5-5.6L IS、EF35/2+EF12)

| | コメント (0)

2009年6月 6日 (土)

隣の養蜂箱

20090606
下界より一月遅れで、赤城高原でもハリエンジュの花が盛況です。

20090606b
耕作地の広がる赤城高原でも、ハリエンジュは多感作用..他の植物の生育を阻害して独占的に自身が生育範囲を広げていくこと..を武器にその勢力を徐々に広げつつあり、近くのアカマツ林にも進出しています。そのアカマツも多感作用を行うことで知られていますが、この場合は最終的にどちらに軍配が上がるのでしょうか。と言っても、勝負の結果を見られるほど、人の方が長生きできそうにないですが(笑)。

20090606c
隣の長老宅の庭先に、先週辺りから養蜂箱が置かれるようになりました。話を聞いたところ、知人の養蜂家にしばらく貸すとのことで、この時期はやはりハリエンジュの花が目当てのようです。ハリエンジュは蜂蜜の世界ではニセアカシア、もといアカシアの蜜のほうが通りが良いようですね。

ところで、養蜂箱で気になるのはクマ。つい先日も、村の緊急放送で村内某所でクマの親子が出没中との知らせが入ったばかりで、写真のように何の防御もしていない養蜂箱なんて、真っ先にクマに狙われること請け合いです。背景にハリエンジュの林が写り込んでいますが、さらにその背後はクマの通り道として使われている沢なので、ちょっと他人事では済まないかもしれません。

20090606d
養蜂箱は隣の家の話なので、当然のごとく我が家の畑にもミツバチが沢山出入りしていると家人が言ってます。草刈りの後、ビール片手にしばらく菜の花の近くで様子をうかがいましたが、見た感じ半分くらいはハナアブですね。両種はよく似ているので間違われやすいですが、ハチが足を延ばしたままゆっくり飛ぶのに対し、アブの仲間は足をたたんで割と直線的な動きをするので、すこし観察していればすぐ判ります。ハナアブは別にしても、何よりアブは吸血を目的としているヤツが多いので、自分から人の方に近づいてきますが、ハチは刺激しない限り自分から人に近づいてくることはありません。

EOS40D(EF-S18-200/3.5-5.6IS)

| | コメント (0)

2009年5月 9日 (土)

ご近所グマ

20090509
近所の畑にクマの足跡を見つけました。畑は我が家からは300mほど山側に位置し、別荘が数軒隣接しています。足跡は反対側の演習林より出て、件の別荘の一つに向かっていますが、GWも終わって建屋には人の気配はありません。よく無造作に庭にゴミが放置してあるのを見かけるので、その当たりが目当てだったのかもしれません。まあ推測に過ぎませんが、もしそうだとするとやっかいな話になりかねないので、しばらく用心しておくにこしたことはないでしょうね。

それにしても今シーズンのクマの初動は早いです。3月下旬に最初の足跡を見つけて以来、近所でも北部フィールドでもよくクマの姿を目にしており、特に近所の森..隣地区のHさんから間借りしている..に常設してある自動撮影装置に記録されたのには驚きました。今の時点で夏から秋にかけての状況を推量する材料は持ち合わせていませんが、記憶に新しい3年前の大量駆除..と言うかほとんど虐殺に近いが..からまださほど時間が経っているわけでもなく、どうでしょう、今年もまた里近くに不用心に出てこなければいいのですが。

COOLPIX P6000

| | コメント (0)

2009年5月 2日 (土)

上越国境沿いに春が到着

20090502
桜前線も北上を極め、現在は本州最北の地である青森界隈をうろついているようですが、我が県でも上越国境沿いの北部山域にまで到達しました。谷を吹く風に揺れるヤマザクラ、山に咲いてこそヤマザクラ、その美しさにはいつ見ても惚れ惚れします。

20090502b
今年は残雪が少ないです。いつもなら盛大な雪庇が見られる上越国境の稜線も寂しく、年輪を刻むような急峻な谷筋にも少ししか残っていないですね。

20090502c
谷を挟んだ対岸のブナの木に、陽炎に揺れるクマの親子の姿を見つけました。うだるような初夏の日射しの中、無心にブナの若芽を食べていました。このあと同じ斜面を目を皿のようにして探してみると、この親子の他に3頭の若いクマを確認、一度に5頭ものツキノワグマを見るのは初めてです。

20090502d
今日は仲間のIさんと北部山域へ調査山行。偶然にも某自然保護団体の現地WGと一緒になり、調査結果と合わせて非常に興味あるデータが取れました。ああ、そんなこともあるものなかと、目から鱗が落ちるとはまさにこのことで、30年近い私の観察歴においても新たな知見を得ることができました。偉大なる風の精霊に感謝。

EOS40D(EF100-400/3.5-5.6L IS)
COOLPIX P6000

| | コメント (2)

2008年12月10日 (水)

まだ冬ごもり前

20081210
杉林に隣接した尾根沿いの緩斜面に、このところの暖かさにもかかわらず雪が解けずに残っています。おやと思い近付いてみると、クマの足跡が付いているのを見付けました。この前ここを通ったときには見られなかったものですが、足跡のエッジは緩く、先日雨が降っていることを考えると、恐らくは一昨日辺りここを通っていったようです。

20081210b
足跡を見付ける少し前に、尾根筋の栗の木の下に散乱する枝を発見。サルもよく栗を食べていますが、力任せに折られたようなその痕跡は、まさにクマの仕業以外には考えられません。またその折り跡も意外なほど生々しく、つい最近の出来事のように感じられます。

20081210c
枝を片手に頭上を見上げれば、冬の空に浮かぶのはそれはそれは見事なクマ棚。うち一つなどは、直径1m半ほどもあろうかという大きさです。

20081210d
時々年が明けても出歩いている個体が見受けられますが、この辺りのクマは12月の声を聞く頃には、概ね冬ごもりの支度に入るようです。木の根や岩の下などに自分で穴を掘る個体もいますが、多くは写真のような樹洞を見付けて入ることになります。写真のものはやや狭い感じもしますが、親離れしたばかりの雌の若グマなどにはちょうど良いサイズでしょう。案外、えー、こんなところに?なんて場所に収まっていたりするものです。いつかは冬ごもり中のクマに出会えるかもと、初冬の森を歩きつつ、穴という穴を探しては片っ端からのぞき込んでいます。

GR DIGITAL

| | コメント (0)

2008年11月12日 (水)

連雀大漁

20081112
11月に入り、紅葉が一気に里に駆け下りてきています。ツグミの群れ飛ぶ稜線から山間の山村を遠望すれば、里は晩秋の色に包まれているのが判ります。

20081112b
フィールドとしている山塊の東側エリアを踏査。写真は目的の稜線に向かう途中、ミズナラの森で見付けたクマ棚。森の中も落葉が進んで見通しが良くなってきており、目をこらすとあちこちにクマの痕跡を見付けることができますが、どうにか今年もあまりクマ騒動を聞くことなく、冬を迎えることができそうです。

20081112c
フィールドスコープで対岸の尾根筋を眺めていたところ、優に百羽を超える鳥影を確認。ざっと200羽程度まで数えたところで尾根を越えてロスト、距離があったので種名までは不明ですが、その特徴あるシルエットからレンジャクであることが判りました。レンジャクの仲間は年によって渡来数に差があり、県内でも当たり年とそうでない年が明確に分かれています。今日入山したエリアは比較的昔からレンジャクを見る機会は多く、それはあちこちにヤドリギが多く目に付くことでも判ります。

20081112d
伐採地の倒木上で見付けたテンの高糞。テンは基本的に生き餌を狩る肉食獣ですが、この季節は木の実なども好んで食べる傾向があります。それにしてもこれだけ見晴らしが良いと、さぞかし気持ちのいい排便でしょうね(笑)。

EOS-1D Mk3(EF28-300/3.5-5.6L IS)
GR DIGITAL

| | コメント (0)

2008年10月15日 (水)

クマに追われる人、襲われる人

連休中にみちのくで天狗様三昧だったせいか、無性に自分のフィールドのペアに会いたくなったので、紅葉の撮影がてら山へ出掛けてきました。そしてついでにそのまま足を延ばして、奥利根エリアまで上がってみましたが、紅葉前線もだいぶ山頂付近より降りてきていました。

20081015

20081015b

EOS-1D Mk3(EF28-300/3.5-5.6L IS)
EOS40D(EF-S10-22/3.5-4.5)

沢沿いでビデオを回していると、突然年配のおっさんが息を切らして藪から現れ、クマに追い掛けられたと青ざめた顔をしています。キノコ採りで朝から山に入っていたらしく、もう何十年も続けているがクマを見たのは初めてだと言ってました。おっさん曰く、クマが自分が採ったキノコを目当てに襲ってきたに違いないと、落ちていた棒切れと石で応戦して追い払ったとのことでしたが、ひとしきりしゃべったあと、まだ追われているかの如く慌てて林道を降りていってしまいました。私はその後しばらくおっさんの出てきた藪を睨んでいましたが、聞こえてくるのは沢のせせらぎと微風に揺れるブナの葉音だけ。この秋はまだクマを見ていないので、ちょっと期待してしまいました(笑)。

クマと言えば、先日著名な登山家が自宅近くでトレーニング中にクマに襲われ、顔などを噛まれる重傷を負いました。クマは親子連れだったので、恐らくは我が子を守ろうと捨て身で向かってきたのでしょう。登山家も鼻が噛み切られるそうになるほどの手傷を負いつつも抵抗し、命は無事だったようですが、手当を受け、その後回復したとの記事を読んで驚いたのは、襲ったクマを特には恨んでいないという主旨の発言です。かなりの手傷を負ったにもかかわらず、そのような気持ちでいられるとは何とも懐の広い人もいるものです。状況として一方的にクマが悪いとも言い切れませんが、それにしても我が身を傷つけられても尚、泰然としていられる心理的な余裕というか心の豊かさのようなものは、私のような俗物には到底理解しようがありません。やはり世界の屋根を渡り歩いて生死の狭間を生きている人というのは、考えることもヒマラヤの山塊のように大きいのでしょうね。

| | コメント (5)

2008年10月 5日 (日)

山の恵みを地産地消で

20081005
今日の山の恵み採集のお目当てはアケビ。ちょっと前から実が割れるのを虎視眈々と狙っていて、今朝早々に採ってきました。アケビは熟して実の部分が開いてからでないと、あのトロッとした甘さが出ないのです。写真はアケビの仲間のミツバアケビ。

20081005c 
日中は村の祭りで、村で採れた素材を使った大鍋の豚汁を頂きました。山の恵みならぬ里の恵みですが、地産地消こそが日本の食糧危機を救う最良の手立てだと思う今日この頃です。

20081005b
朝、アケビを採りに行った帰りに栗が結構実を付けているのを発見し、夕方バケツを片手に再度出撃。すでに半分くらいは地面に落ちており、何者かが食い散らかした痕がありましたが、我が家で食べるくらいはまだ十分に収穫できました。ちなみに何者かというのは恐らくイノシシ。

昨今はクマやらイノシシなど野生動物が里に姿を見せると、やれ危険だから有害駆除しろだのと大騒ぎになる傾向がありますが、その昔里に人の気配が濃かった頃ならば、クマもそうそう滅多に姿を見せることなどありませんでした。庭先や畑では常に人影があり、イヌも放し飼いにされていたため、クマは怖くて出て来られなかったのです。人里に多く見られた柿や栗など生りものも、時期が来れば皆が楽しみにして採集していた..これらもある意味では地産地消と言える..わけで、そこにクマが手を出す余地などなかったはずなのです。

それが時代と共に、野生と人との緩衝帯とも言うべき山間の里山から人影が無くなり、庭先や道端の柿や栗など生りものもそのまま採集されずに放置。そうなると山に食べ物があるか無いかという事実よりも先に、容易に甘い食べ物を手に入れられることに気付いたクマが姿を見せたとて、何ら不思議はないでしょう。近年の度重なる里グマの出没騒動も、人のライフスタイルの変化に起因すると言えるわけです。

と言うことで、野生鳥獣問題に地産地消で対処すべく、微力ながら日々里周辺の山際を見回りしては、クマよりも先に山の恵みを頂いている次第です。

EOS40D(EF-S18-200/3.5-5.6IS)

| | コメント (2)

2008年8月21日 (木)

クマ成獣現る

昨夜は地区の納涼祭の模擬店で、焼きそば作りながら皆で飲んだくれていたので、今朝は少々起きるのが辛かったです。ただ午後から夕方にかけて雷雨があったので、機材の見回りを兼ねたララァの散歩はサボるわけにはいきません。

20080821
演習林近くの農道上でクマの足跡を見付けました。すでに雨でぼやけていますが、16~17cmはあるところを見ると雄の成獣のようです。昨日の雷雨は午後遅くからだったので、足跡の状況からみてクマは一昨日の夜から朝にかけて通り抜けていったようです。もう付近ではレタス屋も朝採りをしていないので、それを見計らっての出現のようにも思え、さすがにこのクラスの大きさになると容易に姿を見せたりはしませんね。

20080821b
立った状態で見下ろすとこんな感じ。どうでしょうか、足跡が判りますかね。

Caplio R6

| | コメント (0)

2008年8月13日 (水)

親子グマ目撃

20080813
と言っても私ではなくて近所のKさんの話。朝採りへ向かう途中の3時頃、農道上を走るように逃げていく親子のクマを見たとのこと。やはり親と思われる個体は小さいようで、Kさんところの甲斐犬より小さく見えたと言ってました。写真はその目撃現場ですが、先日の足跡現場より500mほど下った演習林になります。森に向かって藪を漕ぎ分けた跡が残っており、ララァもしきりに匂いを嗅いでいました。

20080813b
今朝の例の足跡現場には、ハクビシンの足跡が残っていました。写真手前から奥に向かってのんびり歩いていくのが判ります。奥に見える黒い物体はうちの駄犬..いや、ワトソン君です。今月に入ってからはリードを解いてないので、やや不満そうな面持ちをしていますが、近所の森にはクマがうろついている可能性が高いので、ヘタないざこざを起こされても責任取れないので(笑)、しばらくは我慢してもらうつもりです。

GR DIGITAL

| | コメント (0)

2008年8月11日 (月)

親子グマ出没

昨晩のgaku先生、相変わらず宮崎節がよーく回っていましたね(笑)。歳を重ねて..49年生まれだからもうすぐ還暦ですか..尚ますます盛んなことで、あのバイタリティ溢れる思考は見習わなければなりません。こと自然相手に写真を撮る限り、まずネタに困ることはないですし、ヘタすれば生きている内に答えの出せないテーマもあるかもしれません。でもそれが楽しくてまた生きる糧にもつながるのなら、もう天職と言っても良いのでしょう。これからも自然界の刺激的な写真を見せ続けて欲しいものです。

20080811
先日の若グマはやはりあれから姿を見せていませんが、今朝になって少し動きがありました。同じ現場に今度は親子のクマが来ていたようです。朝採りレタスは少し離れた畑に場所を移しているので、今のところはさほど人の気配も気にならないのでしょう。周囲を少し調べてみましたが、農道上の足跡は現場付近だけにしか付いてないので、防風林沿いに山から下りてきたようです。

20080811b
これは10cmにも満たない子グマの足跡。この春生まれた子グマに違いないでしょう。親の方の足跡も12cm程度しかないので、まだ若い雌のようです。

20080811c
まだまだ食べるには至りませんが、山グリは今年も良い感じで実を付けています。もろこしレストランは休業中ですが、レストラン界隈には山グリが多いので、もしかしたらその辺りもねらい目かもしれません。取りあえずもう一台の自動撮影装置を、現場近くの防風林に仕掛けようと画策しています。

GR DIGITAL

| | コメント (0)

2008年8月 3日 (日)

クマ出没

今年もいつもの畑にクマがやって来ました。まるでカレンダーに印でも付けてあるかのように、きっちりトウモロコシの収穫時期に合わせてきています。

20080803
車のタイヤ痕との重なり具合から、朝採りレタス屋の出勤よりも後に現れ、集荷トラックよりも前に立ち去ったのが判ります。推定出現時間は午前3時から同6時の間、そして私が現着したのが朝6時で、その時点でララァは何にも反応しなかったので、遅くとも午前4時頃には立ち去った可能性が高いですね。

20080803b
後ろ足のサイズで約12cm前後と、小柄な若いクマであることが判ります。このすぐ脇では投光器を付けてレタス屋が朝採りの最中だったはずなので、その警戒心の薄さから見ても、まだ若い個体であることは間違いないでしょう。もしかしたら昨年子連れでやって来ていた、その子供の方かもしれません。

20080803c
しかしこの若グマの誤算は、耕作地には連作障害があることを知らないこと。昨年まで開業していたもろこしレストランも、今年から少なくても3年はこんにゃくレストランになる予定なので、残念ながらしばらくはご馳走にありつけそうにありません。仮にもろこしレストランが営業していたとしても、今年の我が地区はアニマルキラーが増殖中なので、そうそううかつには手が出せないでしょうけども。

Caplio R6

今年はご馳走にありつけない云々とは書きましたが、ここに無ければ他に移動するだけなので、しばらくは近くの他のもろこし畑の様子を探る必要がありますね。すでに村内の他の地域では、ボチボチ捕獲檻が設置されたとの情報が入ってきているので、今年もクマ騒動のシーズン到来と言えそうです。

| | コメント (0)

2008年7月11日 (金)

真新しいクマ糞

昨日林道の奥でドクダミの群落を見付けたので、今日はそれを撮るべくニッコールのAi28/2.8Sで出掛けました。ニッコールの28mmは以前F2も持っていましたが、ただ明るいだけが取り柄のようなレンズだったので、その点このF2.8の方は最短が20cmと寄れるので、広角マクロ的に使うことができます。

ドクダミの撮影中にララァが妙に強く引っ張るので、押さえつけるのに苦労しました..適当なつないでおくものが無かった..が、ヤブ蚊の攻撃を避けつつ撮り終えてリードを緩めると、脱兎の如くリードごと私を林内へと引っ張って行きました。ムム、もしやこれはと訝しむも時すでに遅く、予感的中で彼女の目指していたものは何者かの糞。慌ててリードを引きましたが、すでに彼女の鼻先は糞の中に(笑)。

何やら嬉嬉としているバカ犬を無理矢理引き離して、糞をしげしげと観察すると、既に形は崩れてしまっていましたが、何とクマの糞ではないですか。それもまだ新しいやつ。昨日の時点ではララァは反応しなかったので、昨晩から今朝に掛けてのものだと推測できます。視線を上げて周囲を見渡してはみましたが、ララァが糞以外に興味を示してないので、取りあえずこの時点では近くにはいないようです。

昨年よりクマ狙いでは別の場所を考えていたのですが、こうなるとこの辺りも有望なのかと、予定がグラつき始めています。自動撮影装置もメンテナンスを考えると家の近くに設置するのが望ましいので、もう少し思案する必要がありそうです。

20080711
ドクダミ
EOS-1D Mk3(Nikkor Ai28/2.8S)

跡形もなく崩れたクマ糞か、糞まみれのバカ犬の鼻面でも載せようかと思いましたが、ひんしゅく買いそうなのでやっぱりドクダミにしておきます(笑)。

| | コメント (0)

2008年5月11日 (日)

寒けりゃ夏でも雪は降る

昨日今日と前線を伴った寒気が流れ込んだせいで、4月上旬並みに冷え込みました。赤城高原は日中でも5℃前後と肌寒く、夜はコタツの世話になる始末。何より隣の日光では雪も降ったようですね。

自然写真家を標榜する人のコメントに「夏が近いというのに雪が降るとは信じられない」といったものがありましたが、そもそも「冬だから雪が降る」「夏だから雪は降らない」、「北海道だから雪が降る」「沖縄だから雪は降らない」のではなく、「寒いから雪が降る」「暑いから雪は降らない」という当たり前の事実に過ぎません。私も北海道で5月に雪に降られたり、アラスカでは8月に降られた経験がありますが、寒ければ真夏に雪が降ったとしても、夏が寒い原因はさておきそれはそれで別におかしな話ではないのです。

四季がハッキリと分かれていることが、日本人の繊細な自然観を培っていると言われていますが、季節外れの事象を殊更強調してしまうのは、四季の区切りに敏感であることの弊害なのかもしれません。地球温暖化に象徴される気候変動の影響を憂う必要はありますが、自然界に興味があるのであれば、自戒の意味も含め、もう少し柔軟に季節の移ろいを感受すべきでしょうね。

話は変わってこの週末、田舎の実家から親が訪ねてきた..のではなく、田舎の農村部にある倅の家に親が訪ねてきたので(笑)、天気の回復を様子見ながら近所を案内して回りました。雪こそ降りませんでしたが、前述の通り冷え冷えとした2日間だったため、寒さに大分堪えたようです。そう言えばうちの親も、5月にこんなに寒いなんて信じられん..みたいな判で押したようなコメントを発していたっけか(笑)。

20080511_2
ちょっと遅いですがリンゴの花が見たいというので、いつもの里山フィールドにも連れて行ったのですが、おこしたばかりの畑にクマの足跡が付いているのを見付けました。それも親子の足跡で、つい今朝方の出来事のようです。
EOS-1D Mk3(EF28-300/3.5-5.6L IS)

| | コメント (0)

2008年4月19日 (土)

冬眠穴と屋根裏ムサ

20080419
昨日の荒天の余波が残る中、この時期恒例、春の北部山域調査敢行。

20080419b
相変わらずアイピースのない愛機スワロ。ビデオを装着してモニター中。

20080419c
クマの冬眠穴、いや冬眠木。

20080419d
こちらは裏?から覗いたところ。もちろん今は留守。

20080419e
寒々しい景色の広がる北部の谷に、少しずつ春が近づく気配あり。

20080419g
されど天候急変。季節は再び冬へ向かう。

20080419f_2 
本日観察待機中に姿を見せたカワガラス。

20080419h
NA○SJのY山氏が来ていると聞きつけて、彼らのアジトを急襲。出迎えてくれたのは、屋根裏部屋に居候中のムササビ君。お腹の下にはかわいい子供の姿が。

EOS40D(EF100-400/4.5-5.6L IS)
GR DIGITAL
iVIS HV30(HD-3032PRO、STS65HD)

| | コメント (0)

2008年3月28日 (金)

クマ出没激減のわけは

「昨年はクマがあんまし出なかったんで助かったっぺ」と言うのは、某所で某関係者と交わした会話の一つです。

20080328
EOS-1D Mk3(EF17-40/4L)林道上のクマ糞

環境省の統計によると、一昨年は過去最多5000頭近くのツキノワグマが有害捕獲されましたが、昨年は10月末時点で有害捕獲されたツキノワグマは900頭余り(前年同期では4000頭弱)。群馬県では10月末までに88頭、11月以降は0でした。

県では「ミズナラやサルナシなど、全般的に山の木の実が豊作で、エサを求めて里へ下りるクマが少なかったのではないか」と分析していますが、確かに私がフィールドとしている北部山域でも、ブナは別にしてもクリやミズナラなどドングリの出来は良かったように思います。

しかし、昨年クマの出没数が劇的に減ったのは、一昨年に沢山のクマを駆除しすぎたのが原因だと考えるのが自然です。それに一昨年のクマ出没騒ぎの時でも、山にいたすべてのクマが里に降りてきていたわけではなく、里とその周辺を彷徨いていていた、いわゆる里グマを集中的に駆除したことで、出没数が減ったと考えるべきでしょう。

人為的とはいえ個体数が減ったわけですから、それが自然環境下で回復するにはそれなりの時間を要します。しかし、里周辺のクマがいなくなったことで一時的に空きスペースが出来たわけで、周期的に訪れる山の実りの豊凶によっては、再び奥山のクマが里へ降りてくることは必定です。クマが出没しなくなって良かったと一息つくのではなく、今のうちにこそ抜本的な対策を講ずる必要があるように思います。

そろそろ春山踏査の時期なので、クマの痕跡..またはクマ自身..を目にする機会が増えてきます。一昨年のクマ虐殺騒動からまだ2年目しか経っていませんから、そうそう数が増えているとは思いませんが、山に入る際には冬と違って周囲に気を配って歩かなければなりませんね。

| | コメント (0)

2008年1月28日 (月)

癒し系でイメージアップ?

20080128
いつもこのユンボの前を通りながら、このアームに描かれた妙なマークは何だろうと思っていたのですが、

20080128b
何気にキャビン後部を見て納得、クマの足跡でした。どうやらこの青いクマは、別名ブルーベアとも呼ばれる幻のグレイシャーベア..を知っている人はかなりコアなクマ好き..のようですね(嘘)。

20080128c
工事現場で見掛ける案内看板の類にも、執拗に癒し系動物の写真が使われていたりします。その必要の是非を問わず、海を埋め立てたり山を切り崩したりと、工事自体があまり良いイメージを持たれないので、もう工事関係者も必死なんでしょうね。まあ気持ちはわからないでもないですが、山中の現場にラッコの写真が貼られていたりするのをみると、もう少し気を遣っても良いのではないかと思ったりもします。

GR DIGITAL

| | コメント (0)

2007年12月17日 (月)

冬ごもりはまだ

20071217
今朝の赤城高原は放射冷却の影響で氷点下8℃まで下がり、この冬一番の冷え込みでした。こんな朝は上越国境の山並みがモルゲンロートに染まります。

20071217b
日中は風もなく気温も上がったようで、フリースセーターだけで過ごすことができました。とは言え、この谷は午後2時には日が陰ってしまうので、その後はさすがに上着着用となります。

20071217c
未だアプローチ林道は工事中のため、現場までは途中から徒歩に。渓流沿いに歩を進めていくと、今朝方付いたばかりと思われるクマの足跡を見つけました。足跡の前後をトラッキングしてみると、渓流から木につかまって林道まで上がり、林道を横断して対岸の斜面に入っていったようです。

20071217d
こちらは林道上に残っていた、昨日辺りに付いたと思われるクマの足跡。ちょうど上手い具合に工事車両のタイヤ痕から外れています。まだ積雪が少ないので、穴に入るのを躊躇っているやつが何頭かいるようですね。それにしても驚くのはその大きさで、少なく見積もっても18cm近くあり、かなりの大物のようです。素直に言って逢いたさ半分、遭いたくなさ半分といったところですね(笑)。

EOS40D(EF17-40/4L)、GR DIGITAL

| | コメント (0)

2007年12月11日 (火)

クマとの遭遇、その時あなたは..

20071211
手前からホッキョクグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、マレーグマ。群馬県立自然史博物館にて。

遭いたいか遭いたくないかという話は抜きにして、一般的にクマと遭遇するシチュエーションで最も多いのが、ある日突然森の中でバッタリというケースです。それは山歩きをしていてか、森の中を散策していてか、はたまた山仕事をしているときか、農村部で野良仕事をしているときか。何れにせよ、出逢ってしまった双方とも相当に驚くことになりますが、そこで万一人に何らかの被害が出てしまうと、人にとってもクマにとっても悲しい結末が待っていることになります。

接近遭遇を避ける対策としては、クマにこちらの存在をいち早く知らせること以外にはないので、クマがいそうな場所..ベアカントリー..では、よく言われてるように鈴やラジオなど音を立てることが有効です。誰かと話しながら歩くのもそれなりに効果的ですね。実際、近所の農家にも畑の真ん中に小さな小屋を造って、そこであらかじめ録音しておいたテープをラジカセで一晩中流し、鳥獣被害から一夏畑を守った人もいます。

20071211b
山岳部の倅のザックにも鈴が。

話がそれますが、音を出すことについては場所をわきまえて欲しい場合もあります。私もよく出掛ける尾瀬では、木道を歩るきながらクマ除けと思われる鈴を鳴らしている人を沢山見掛けます。大抵鈴はザックにくくりつけられていますから、一々外すのが面倒なのは判らなくもないですが、渋滞になるほど人出のある真っ昼間の木道上でクマに遭遇することまずありません。早朝や夕暮れ時、それに人通りの少ない場所を除いては、できれば鈴を仕舞って欲しいと思います。そうすればそれなりに静かな尾瀬が戻ってくるはずですので。

20071211c
冬ごもりの前に雪が降ることもしばしば。知床峠にて。

どんなに注意をしていても、それでも出逢うべくして出逢ってしまうケースもあります。クマとの距離が離れている場合、特にクマがこちらに気付いてなければ、静かにその場を立ち去ることが肝要です。写真を撮ろうなどと、わざわざこちらか近づくなどしてはいけません。もし距離が離れていてクマもこちらに気付いているようならば、大声を出したり、大きな音を立てたりしてこちらの存在を明確に教えましょう。クマは鼻はよく利きますが目は良くないので、こちらが風下の場合など気が付かないことがあるのです。

そして近距離で接近遭遇してしまった場合。そんな時はとにかくまず落ち着くことです。どんな状況であってもクマを刺激してはいけません。大声を出す、大きな音を立てる、いきなり走って逃げる..クマが全速力で走ると時速60km程度は出るので、走って逃げることは不可能..などは、もっともクマを刺激し最悪は怒らせてしまうことになります。

決して目をそらさずゆっくり後ずさり、クマから徐々に遠ざかってください。もし置いてある荷物等をクマに奪われたら、中にどんなに大切なものが入っていようとも、キッパリ諦めてください。絶対に荷物を取り返そうなどと考えてはいけません。クマは一旦自分のものと認識したものにはかなりの執着を見せるので、取り返そうとすると奪われと思いこみ、途端に逆襲してきます。70年代に北海道の日高山脈で起きた熊害事件では、ヒグマに取られた荷物を取り返そうとして、大学生3人が命を落としています。

20071211d
アイルソンビジターセンター(Denali N.P Eielson V.C)のグリズリーの頭骨。

よく木に登って逃げる..木に登った時点で行き止まりですが(笑)..という話も聞きますが、これはあまりお薦めできません。北海道や大陸に生息する大きなヒグマはあまり積極的には木に登りませんが、小型のヒグマやツキノワグマ、それに北米に生息するクロクマなどは木登りが得意なので、よほど進退窮まったとき以外はかえって危険です。ちなみに私の友人に、クマから逃げるべく木に登ったものの、そのクマが木に登ってきてしまい、クマの写真を携帯電話のカメラで撮った強者がいますが、絶対に真似をしてはいけません(笑)。

20071211e
知床のクマ対策で使用中のゴム弾と花火弾。

いよいよ逃げ場無くクマに襲われてしまった場合はどうするか。これはもう二者択一になります。一つは抵抗せずに為されるままにすることです。以前に北米のアラスカ州にあるカトマイ国立公園のレンジャーに言われたのが、「両手を首に回して頸動脈を守りつつ、ザックを背に地面に伏せて丸くなり、クマが立ち去るまでひたすら待つ。」という方法です。そうです、いわゆる「死んだふり」というやつですね。クマがさほど怒ってなければ、手や足を噛まれることはあるかも知れませんが、その内諦めて立ち去ってくれる可能性はあります。

20071211f
アラスカ大学博物館(University of Alaska Museum)で出迎えてくれるグリズリーの剥製。優に3mは超えている。

そんなクマ任せ運任せは嫌だという人は、もう一つの選択肢である、戦って撃退する以外に手はありません。格闘家や血の気の多い人ならば、40~50kgクラスの若いツキノワグマ程度なら何とかなるかも知れませんね。その時、鉈や山刀(ナガサ)等の武器になるものを携行していれば、多少希望の光は差すでしょう。しかし成獣のクマ、それもヒグマになるとまず勝ち目はないでしょう。何しろ北海道の雄のヒグマは成獣で200~300kg、アラスカ州の沿岸部に生息するブラウンベアなどは500~600kg..中でもコディアック島の個体は世界最大で約700kg!、話は飛躍しますが、ホッキョクグマに至っては600kg以上あり、もう何をかいわんやですね。

20071211g
調査には必携のカウンターアソルトと鉈。

鉈や山刀による肉弾戦は嫌だという場合、クマから身を守る護身用の道具として、近年脚光を浴びているのがカウンターアソルト、通称「クマ除けスプレー」です。中身は赤トウガラシのエキスを抽出した強力カプサイシン入りのガス..いわゆる催涙ガス..で、これを浴びると目や鼻それにのどは無論のこと、皮膚に付着しても強い刺激を受けるため、クマの攻撃性を減退させることができます。クマ除けと聞いて虫除けを連想、山に入る前に自分の体に噴射した人がいるとかいないとか..と言う冗談はさておき(笑)、奥山放獣の現場ではすでにその効果が立証されており、スプレーを浴びたクマが苦しそうな声を上げて、脱兎の勢いで森へ逃げ帰っていく様を何度か目にしています。

しかし、スプレー方式ということからも判るとおり、クマに決定的なダメージを与えるためには、クマに対し風上から5~7m程度まで近寄る..状況的には相手から近寄ってくるから使用するわけだけど(笑)..必要があります。しかも強い噴射が続くのはせいぜい5秒程度なので、1回使って終わってしまえばそれっきり、つまりチャンスは一度きりということです。激しく威嚇しつつ突進してくるクマに対し、果たして冷静にスプレーを噴射できるものなのか、使う前によく考えた方が良いかもしれません。

10年くらい前までは国内でほとんど見掛けることの無かったクマ除けスプレーですが、最近は街のアウトドアショップに普通に売られており、そのせいか何の変哲もない一般の人が持っているのを時々見掛けます。そして困ったことにクマ除けスプレーを持っているというだけで安心してしまい、ベアカントリーで大胆な行動に走ってしまう輩がいるのもまた事実です。カウンターアソルトなどクマ避けスプレーは、事が起きてしまった後..つまりクマに襲われるという事態..にしか使い道がないので、本当に最後の手段になることを肝に銘じて行動して欲しいものです。

20071211h
ヤマブドウの実を食べるヒグマ。知床の森にて。

私も調査や撮影でベアカントリーを歩くことが多く、実際にクマに出遭うことはそう希なことではないので、普段から森歩きでは注意するようにしています。もちろん目には見えずとも、山や森にクマがいると思うことで畏怖の念を抱くことができ、傲ることなく謙虚な気持ちで山や森に入ることができると考えています。

| | コメント (6)

2007年12月 9日 (日)

そろそろ冬ごもり

20071209
この冬何度目かの雪が降り、森の中にも積雪が見られます。寒さの増していく中、クマも冬ごもりの算段をしつつ、未だ森の中を彷徨っているようです。暖かい春を夢見て過ごせる、おあつらい向きの木の洞でもあれば、すぐにも駆け込んでうたた寝を始めることでしょう。

20071209b
見つけた足跡のサイズは約15cmといったところ。写真は後ろ足で、恐らく体重80kg前後の雄の成獣と思われます。ちなみに私の長靴のサイズは28cm。

20071209c
標高1200m付近に広がるこの森は、ミズナラやコナラ、それにクリやシナノキなどからなる落葉広葉樹林。樹冠を見上げれば、クリの木にクマ棚が沢山できていました。

20071209d
つい最近付いたと思われる爪痕。

20071209e
こちらはまさに今朝したばかりの糞。恐らく足跡の主でしょう。

20071209f
クマの痕跡ではないですが、これはシカが角を研いだ跡。

20071209g
森の中を踏査しつつ、クマの痕跡をGPSに落としていきます。不意に無線機がコールされ、慌てて向かいの稜線上に双眼鏡を向けると、調査対象種の幼鳥が旋回しながら高度を上げているところでした。そうそう、今日はクマの調査ではなくワシの調査でしたね(笑)。

GR DIGITAL

この週末は忘年会を兼ねての月例調査でした。常宿に久しぶりにフルメンバーが集まって、ワシ談義に花を咲かせつつ飲んだくれてウィ~。

| | コメント (3)

2007年11月14日 (水)

奥利根に冬の気配

今週に入ってすぐ、取材で奥利根に篭もっていました。

この数日、北日本を中心に荒れた天気となっていますが、県北部の新潟県境に位置する奥利根も冬型の気圧配置の影響で荒天続きとなり、今日になってようやく快晴の撮影日和となりました。

特に一昨日は県境付近にまとまった雨が降り、気温が下がった13日の明け方には一時的に雪になりました。取りあえずこれが今シーズンの初雪と言うことになります。同日の夕方には水源の森でクマを見掛けましたが、突然の雪に慌てていたのか、どこかそわそわしながら森の奥へと姿を消しました。

秋に続き冬の到来も遅れ気味ではありますが、ここに来てようやく季節が動き始めているように思います。

20071114

20071114b

20071114c

20071114d

20071114e

20071114f

EOS40D EF-S18-55/3.5-5.6II
ISO200 DPP3.2 Picture Style「風景」
(以上データ共通)

20071114g

20071114h

20071114i_2

20071114j

今回特に奥利根湖周辺の撮影には、関係機関にご協力いただきました。
GR DIGITAL(以上データ共通)

| | コメント (0)

2007年11月 2日 (金)

Movie「晩秋の知床」公開

20071102e
YouTubeに、ストリーミングビデオ「晩秋の知床」を公開しました。

※※映像解説※※
「紅葉の季節を終え、厳しい冬を迎えようとする知床。景色は少しずつ色を落とし、季節風が吹くたびに気温が下がります。雪が降り、五湖は凍り、やがて森も川も冬終い。ワシもシカもクマも、動物たちは冬を迎えるのにどこか忙しそうです。」

YouTube「ECOGRAPHIC MOVIE」 はこちら↓
http://www.youtube.com/user/ChannelTM

| | コメント (6)

2007年10月16日 (火)

北極のナヌー

20071016
見に行ってきました。原題は「Arctic Tale」。北方志向者として、究極の北をテーマにした映画を見逃すわけにはいきません。監督・撮影は海洋研究家のアダム・ラヴェッチと、北極のドキュメンタリー作品を数多く手掛けるサラ・ロバートソン、制作はナショナル・ジオグラフィック・フィルムです。
Caplio R6

ストーリーはホッキョクグマの親子と、セイウチの親子の子育てを中心としたもので、彼らがいかに北極の氷の大地..正確には海だが..に依存して暮らしているかという点を、15年近い歳月をかけて撮影したものです。他にもイッカクやセミクジラなど、北極で見られる様々な生きものが登場します。

カメラマン的な視点で見ると、まず寄り、つまりクローズアップ撮影が多いことに気が付きます。北極というかなり特異な環境下で、あれだけワイルドライフに近づけるというのは驚きです。特にホッキョクグマが泳ぎながら近づいてくるところを水面直下のアングルで引きながら撮るシーンなど、考えただけでも恐ろしい(苦笑)。ま、この点についてはエンドロールでタネが明かされていましたが、その他、水中撮影を多用しているところなど、映像の見せ方にも相当こだわっているように思います。

日本ではNHKに代表されるように、自然景観や野生動物の記録にはハイビジョンカメラを多用する傾向があります。もちろん自然科学的にはそのほうがリアルな映像になるわけですが、本作品は長い年月をかけて撮影していることもあって、フィルム..恐らくスーパー16でしょう..による記録です。映画館での上映でしかもネイチャードキュメンタリーとあって、フィルムの深みと味わいのあるノスタルジック..古いという意味ではない..な映像を楽しめました。これは昨年公開の「ホワイト・プラネット」や「WATARIDORI」なども同様ですね。

話は変わって、北極ネタとなると昨今は環境問題とは切っても切れない関係になります。つい先日、米国のアル・ゴア元米副大統領..「不都合な真実」の著者..が、人為的な地球規模の温暖化傾向の事実普及に貢献したとして、ノーベル平和賞を受賞しました。本作品はその地球温暖化の影響を真っ先に受ける北極を舞台にしており、サブタイトルも「30年後に北極がなくなる」というかなり重いテーマを冠しています。

何故、北極の氷が解けるとホッキョクグマに影響があるかという点については、以前に書いた以下の記事をご覧ください。

【ホッキョクグマの危機】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_85ef.html

【ホッキョクグマ、レッドリストに】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_7ca1.html

北極は約170万年前の氷河期に氷に覆われて現在のような姿になったわけですが、それがこの100年間に平均気温が2℃も上昇..地球全域の平均では0.74℃上昇..したことで、加速度的に永久氷床..氷河など夏でも解けずに残る氷のこと..が減少しています。米国立大気研究センター(NCAR)によれば、04年から05年のわずか一年でも永久氷床の14%が減少、このまま温暖化傾向の気候状態が続くようだと、2040年までに北極の永久氷床のすべて無くなってしまうと予測されるそうです。

ちなみに、「北極の氷が解けると海面が数m上昇する」と言った類の話をよく耳にしますが、実際はそこまで大げさには変化はありません。コップに氷を入れて水で満たした後、氷が解けて水が溢れるかと言えば答えはノー。これはいわゆるアルキメデスの原理という法則で、「地上にある氷床が解けて海に流れ込んだ場合」というのが正しい理解になります。

20071016b
そろそろ蒟蒻の収穫が近いというのに、近所ではクロフネツツジ..一般的な花期は5月..が咲いています。このように季節外れに花が咲くことなどを気象用語で「不時現象」と言いますが、これは直接は温暖化とは関係がないそうです。とは言え、近年の異常とも言える9月の気温の高さは実感できるわけで、温暖化と無関係と言われてもそう簡単に割り切れるものではないですね。
Caplio R6

| | コメント (0)

2007年9月25日 (火)

ミズキの実

20070925
先日の雨はそんなに強くなかったはずですが、防風林沿いの農道上に、黒く熟したミズキの実が沢山落ちていました。パッと見は小粒のブルーベリーのようで、鳥やクマの大切な秋の味覚です。もちろん我が家のララァも食べます(笑)。アラスカのクマはブルーベリーを食べますが、ツキノワグマはミズキの実を好んで食べます。実際、私のフィールドでもクマがミズキの木に登った痕跡を見ることができます。

20070925b
電気牧柵のおかげでシカの進入を許さなかったHさんのレタス畑ですが、つい数日前にそのアニマルキラーを撤去した途端、もうシカが畑の中を横切っています。演習林から出てきて、まだレタスの残っている近くの畑に出掛けるのに、Hさんの畑はちょうど良い通り道になっているようです。

Caplio R6

| | コメント (2)

2007年9月19日 (水)

もろこしレストラン閉店

20070919
F農場のトウモロコシ畑は先週末ですべて収穫が完了しました。これで今年のもろこしレストランは閉店となります。あれからクマは断続的に出没しては畑を荒らしていきましたが、今年は直接の目撃情報がなかった..私は2回ほど夜間に張り込んで確認..ため、捕獲檻が設置されることもなく終了の運びとなりました。

20070919b
もろこしレストランが閉店したので、里に下りてきていたクマたちも、森の木の実に食生活の中心を移すことでしょう。今年は昨年よりはドングリなど木の実の付きが良いようなので、昨年のようなジェノサイドにならないことを期待したいところです。写真は農道に落ちていたコナラのドングリ。台風9号の風で青いまま落ちてしまったようです。

20070919c
牧草地に乗り捨ててある近所のKさんの軽トラックを発見。しかし主の姿はなく、Kさんの愛犬チコがワンワンと吠え立てています。チコは甲斐犬で猟のお伴にも出るなかなか優秀な猟犬ですが、うちの駄犬ララァとは相性が良くないようで、いつも寄ると触ると威嚇しあっています。で肝心のKさんはどこに行ったかと言えば、単なるキジ撃ちでした(笑)。

Caplio R6

| | コメント (2)

2007年8月25日 (土)

もろこしレストラン

20070825
畑を通りがかってすぐに気が付きましたが、食害範囲は昨日よりさらに広がっており、一気に前日の3倍ほどの被害になっていました。納涼祭の際に区長や班長と話をしましたが、昨夏はまったく捕獲檻に近づかなかったので、対策はもう少し検討の余地ありのようです。

20070825b
被害にあったトウモコロシ..いやトウモロコシです。

20070825c
現場検証中は珍しくおとなしくしていたワトソン君も、被害の多さに少々あきれ顔です。でも本当は自分も食べたいのが本音(笑)。

20070825d
昨晩は堂々と農道を歩いてやって来たようです。足跡の大きさからして、犯人..いや犯熊は先日の雄の成獣に間違いないでしょう。

Caplio R6(データ共通)

| | コメント (2)

2007年8月22日 (水)

クマ飛ぶ

20070822
連日のクマネタです。例の雄グマは昨晩もトウモロコシ畑にやって来たようで、被害がさらに広がっていました。昨夏に捕獲檻を仕掛けたところには近寄らず、ブッシュをかき分けて進入しており、昨日の記事の通り農道から見えない列を集中的に荒らしていました。結構慎重というか巧妙な手口ですね。ちょっと判りづらいですが、写真右奥の中程のトウモロコシが倒されています。

20070822b
昨晩は農道を歩くのを避けたのか、新たな足跡はほとんど残しませんでしたが、唯一ブッシュへ飛び上がる際に付いたと思われる左後足の足跡がありました。

20070822c
ここが怪しいとワトソン君が最も関心を示したブッシュ。かなり強烈に匂うらしく、しばらく離れようとはしませんでした。意を決して入ってみましたが、結構奥まで続いていて、何気に背中に冷たいものが流れたので、慌てて引き返してきました(汗)。

Caplio R6(データ共通)

| | コメント (5)

2007年8月21日 (火)

3頭のクマと消えた子ジカ

20070821
昨晩はかなり強い夕立に見舞われた赤城高原です。乾いていた農道上の畑土も泥状になっていて、先日とほぼ同じ場所で新手のクマの足跡を見つけました。後ろ足の足跡が約16cmと大きく、今度のは雄の成獣に間違いありません。雨が上がったのが夜半なので、その直後に歩いていったようです。

20070821b
飛び飛びに付いた足跡を助手のワトソン君に追わせると、クマは畑から山へ続く防風林へと入っていったようです。このけもの道は以前からあるものでなく、割と最近に付けられたもので、まるで鳥獣保護区であることを知っているかのような行動ですね(笑)。

20070821c
雄グマの足跡より200mほど離れた林道には、親子連れのクマの足跡もありました。この足跡も先日の個体とは大きさが異なるので、少なくてもこの辺りに3頭..プラス子グマ1..が彷徨いていることが判ります。

20070821d
うっかりしてましたが、例のトウモロコシ畑はすでにやられていました。普通に外から見たのではまったく判りませんが、内側の目に付きにくい列が被害にあっています。食い荒らされた実の様子やその規模からして、クマの仕業であることは間違いないでしょう。この様子だと遅かれ早かれ昨年同様の対策が施されることになりそうです。

20070821e
さて昨日の子ジカの死体ですが、今朝様子を見に行ってみると、跡形もなくすっかり消えて無くなっていました。助手のワトソン君も唖然としております。先ほど見たクマの仕業かと思い、用心しつつ演習林の中を30分ほど探してまわりましたが、ワトソン君の鼻を持ってしても見つけることができませんでした。子ジカとは言えいくら何でも骨まできれいに無くなるとは考えにくく、死因と言いこつ然と消えたことと言い、どうにもこうにも謎が謎を呼ぶ事件であります。

死体のあった位置が白っぽくなっています。ワトソン君が鼻を近づけてすぐ引っ込めたので、近寄ってのぞき込んでみると、確かにここに死体があったことをうかがわせるかの如く、シカの毛と大量の蛆がうごめいていました(苦笑)。

Caplio R6(データ共通)

| | コメント (0)

2007年8月17日 (金)

クマの足跡

20070817
農道上にクマの足跡を見つけました。すぐ脇を朝採り農家のトラックが通っています。点々と付く足跡をララァと一緒にトラッキングしてみると、昨夏騒ぎになったトウモロコシ畑を素通りして、南側の沢筋へと消えていました。先日クマ出没注意の回覧板が回ったばかりで、近所の農家もピリピリしているので、取りあえずこの件は伏せておきますが、あまり露骨に動き回られると、騒がれるのも時間の問題ですね。

20070817b
これは後足の足跡。長さは12cmほどしかないので、まだ若い小柄なクマのようです。このところ雨が降ってないので、周辺は徹底して乾燥しており、流れ出た畑土の上にかなりハッキリと足跡が付いています。まだエッジが立っているところをみると、明け方近くにここを通っていったようですね。ちなみに泥の上の足跡はこちら

20070817c
今朝は秋を思わせる空模様。下界は連日の40℃とかで大変そうですが、今日の赤城高原はそこそこ涼しい風が吹き抜けて、ここ数日お世話になっていた扇風機も止まったままでした。

Caplio R6(データ共通)

| | コメント (4)

2007年8月 8日 (水)

クマ出没中

20070808
だそうです。村内で被害が多発しているとのことで、注意喚起の回覧が回ってきました。取りあえずうちの地区ではないですが、昨年は班長として苦労させられたので人ごとではありません。明日は我が身です。それにしても「どこに出没するかわからない」というくだりが、いかにも恐怖を煽りますね(笑)。

| | コメント (0)

2007年7月28日 (土)

クマと源流祭り

20070728
昨夏、クマの出没で騒ぎになったF農場のトウモロコシ畑ですが、昨年の教訓が多少は活かされ、今年は早々と周囲の草刈りが行われました。野生動物は身を隠せる藪などを利用して目的の畑へ近づくので、見通しをよくした緩衝帯を設けることで、被害を最小限に止める効果が期待できます。飼料用のデントコーンなので多少はクマに食べられても構わないような話をしてはいますが、最終的には捕殺用の檻の設置に至る可能性大なので、クマのことを考えると事前に打てる手は打つべしと進言してあります。ただ、山から続く防風林の下藪は依然そのままなので、これでは片手落ちと言わざるを得ませんね。後でこちらも進言しておく必要があります。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

20070728b
昼間は奈良俣ダムで行われた奥利根源流祭りへ。私は倅とカヌーに乗ることをもくろんでいましたが、現着した時点ですでに定員一杯で願い叶わず。その代わりに主催者である水資源機構のボートに乗って、ならまた湖を案内してもらいました。それと恒例のイワナのつかみ取りは、今回は上の倅を連れて来なかったのが敗因で漁獲高ゼロ。
Canon HV10 + HD-3032PRO

ちなみにこの奈良俣ダム、織田裕二主演の映画「ホワイトアウト」のロケに使われたことは、意外と知られていません。源流祭りで希望者にはそのロックフィル構造のダムの内部を案内してもらえますが、その際に映画のロケにまつわる話も聞くことができます。

20070728c
クマと言えば、今日の源流祭り会場に宝川温泉の子グマが連れられてきており、子供たちに揉みくちゃにされていました。宝川温泉と言えば、その昔クマと一緒に露天風呂に入れたことで有名ですが、今でも数頭のクマが見せ物として飼育されているようです。この子グマの生い立ちは不明ですが、連れていた人の話では生後四ヶ月とのことです。逆算すると4月生まれということになり、野生下ではちょっと考えられない遅さですね。
GR DIGITAL F2.8 ISO64

| | コメント (0)

2007年6月 4日 (月)

クマ早くも捕獲

昨年度群馬県では330頭という過去最高の捕獲数を記録しましたが、5月末の時点では2頭だけしか捕獲されていませんでした。それが今年は5月末ですでに10頭が捕獲されおり、早くも昨年の捕獲推移数を超えたようです。県では、暖冬の影響でクマの活動開始時期が早まったことによると見ているようですが、付け加えるとすればやはり昨秋の実りの悪さが影響しているのは間違いないでしょう。

クマが冬眠明けにまず食べるものと言えば、ブナの実やドングリなど堅果類の昨秋の残り物になります。新緑の季節になって木々が芽吹けば、ブナの若芽などを食べます。それにミズバショウやエゾニュウなどの多肉多汁な植物、フキやセリなどのいわゆる山菜が出始めれば、クマはそれらを好んで食べるはずです。

が、早い雪解けにつられて早くに冬眠から目覚めてしまうと、昨秋の残り物はその実りが悪くて騒ぎになったわけですからそれは望むべくもなく、前述のような植物を食べる前に一体何を食べるのかということになってしまいます。そうなると餌を探して人里近くまで降りてきてしまう可能性もあり、その結果がこの5月時点での捕獲数の多さにつながっていると考えられるのです。

とは言え季節はすでに梅雨を迎えようとしており、もう山に食べ物は十分出回っているはずですから、取りあえず一旦はクマの出没も沈静化するのではないでしょうか。

20070604
踏査中に見つけたミズキの幹に付いたクマの古い爪痕。いつかの秋にミズキの実を食べにこの木に登ったのでしょうね。周辺に何本かミズキが立っていましたが、爪痕が付いていたのはこの木だけでした。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

ちなみに前述の捕獲10頭はほとんどが県西部に集中しており、3月の定点調査での概況通りと言えます。利根沼田地域では今のところ目立った動きはありません。

【春グマ狩り自粛】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_4fd8.html

【クマ捕獲数、過去最多】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_9a1d.html

20070604b
今日も轟音を発して自衛隊機が飛んでいました。見た感じ輸送機のようですが、こんなデカイものが低空を飛んでいるのは少々不気味ですね。
Canon XL H1 + EF500/4L IS + EF2xII

| | コメント (2)

2007年4月12日 (木)

クマタカの風切り音

今日は午前中に至急のデスクワークが入っていたので、お昼からの出撃となりました。向かった先は、昨日の森とは尾根を二つ隔てた調査地内の中核をなす谷の右岸側です。

20070412
湧き水の出ている日当たりの良い林床に、気の早いミズバショウが顔を出していました。ミズバショウもクマの好物なので、早めに起き出してきた若いクマたちにとってはありがたい話ですね。それにしても、この辺りだと例年より半月近くも早いわけですが、この分だと尾瀬もかなり早い時期にミズバショウのオンシーズンとなるかもしれません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412b
遠く上越国境の山々を望む稜線上にて、沢山のクマ棚を載せたミズナラを見つけました。先日の月例調査時にフィールドスコープで覗いていて偶然見つけたもので、近いうちに見に行ってみようと考えていたのです。何回もクマが足を運んでいたところ見ると、どんぐりのなり具合が相当良かったか、上越国境の山々を眺めながら食べるどんぐりの味が格別だったのかもしれませんね(笑)。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「スタンダード」

20070412c
こちらはクリの木に作られたクマ棚。この稜線一帯にはミズナラ・コナラの他にクリも多く、クマ棚もミズナラよりもクリのほうが目に付きます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

20070412d
それもそのはずで、林床に目をやればそこら中にクリのイガが落ちています。もちろん中身はすべて空で、ほとんどクマやサルの胃袋に収められたのでしょう。器用に割ってあるのがサルで、かみ砕いたように割れているのがクマの仕業でしょうか。あ、イノシシの可能性もありますね。何れにせよ彼らにとってご馳走であることには違いありません。
GR DIGITAL + GW-1 F4 ISO64

20070412e
この山域もすっかり春かと思いきや、稜線上の北向きの斜面で冬のなごりを見つけました。時折残雪の上を吹き抜ける風が、汗をかいた体に心地よく感じられます。
GR DIGITAL + GW-1 F5.6 ISO64

ビデオで林床の映像を撮っているとき、眼下の谷間から「ピィーヨ、ピィーヨ」という猛禽類特有の声が聞こえてきました。旋回しながら上昇してくるその声の主は、樹間越しではありますがクマタカであることが判りました。そのまま空高く上がるのだろうと思って眺めていると、寝そべっていた私の存在に気が付かないのか、いきなり上下方向に翼を開き変えた..つまり背面をこちら側に向けた状態..かと思うと、そのまま一気に木立を横切って反対側の谷へと飛び去っていきました。大型の猛禽類にしては翼開長が短く、イ○ワシとは異なり森の中を自由自在に飛ぶことができるクマタカならではの芸当と言えるでしょう。

それにしても、林床に寝そべっていた私との距離は、控え目に言ったとしても10mそこそこで、風切り音まで耳に響く近さでした。横切る際にチラッと私を見たような気がしましたが、野生のクマタカ..それも飛翔中の個体..をこのような至近距離で見たのは初めてで、しばし興奮冷めやらぬ心持ちでした。

| | コメント (0)

2007年4月11日 (水)

クマの棲む森へ

今日は朝のうちはまあまあ天気が良かったのですが、昼前から雨が降り出し、標高が1200mを越えた辺りでは雪になっていました。本当は谷内の森を歩くだけで引き上げるつもりだったのですが、気が付けば谷の分水嶺まで登ってしまい、これでは踏査というよりは登山の範疇ですね。それに久々に直登で沢詰めをしたので大汗をかき、それが急速に冷えていくので寒くて仕方なかったです(苦笑)。

20070411d
以前、この倒木を越えた辺りでクマの親子に遭遇しています。あの時は向こうが先に気づいたので、逃げていく後ろ姿を冷や汗をかきながら見送った記憶があります。余談ですが、この写真を撮る際にカメラをセットした倒木の下から、突然コノハズクが飛び出してきてビックリ。すぐ近くの横枝に一旦留まったのですが、雨が降っていたため肝心のカメラはバックパックの中という間抜けな事態。そうこうしているうちにコノハズクは飛び去ってしまいました。う~ん、ちょっと惜しかったなぁ(苦笑)。
GR DIGITAL F2.4 ISO64

20070411e
ブナの幹に付けられた爪痕。これはかなり以前のものですが、幹の上の方まで点々と痕が付いており、ところどころ滑り降りた際に付いたと思われる引っ掻き傷もありました。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 135mm
ISO400 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070411f
これはかなり豪快にいってますね。好物のシロアリでも探していたのでしょう、辺り一面に木片が散らばっていました。断面を見る限り割と最近の仕業のようです。
GR DIGITAL + GW-1 F2.4 ISO64

20070411g
谷の途中で対岸を見通せる尾根に直登して取り付いたところ、北側の斜面にかなりの数のクマ棚を確認。ミズナラやクリに多く見られ、それ以外にもサワグルミや、サルナシと思われるつるが巻き付いた木にもありました。昨秋は山の実りが少ないと各地で言われていましたが、この山域一帯ではそれは当てはまらなかったようですね。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 280mm
ISO400 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070411h
今日はクマそのものには出会いませんでしたが、その代わりにカモシカの成獣とは2度ばかり遭遇しています。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO400 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070411i
クマの食痕(先のシロアリ)があった地点をGPSに記録中。様々な動物たちの痕跡や彼らとの出会いをその都度GPSに記録しておき、帰ってからカシミール3Dのデータベースに編集・保管するようにしています。目撃情報や痕跡などを種別に分類しておくことで、後で簡単に検索することができて非常に役立っています。歩いて見て記録してと、普段やっていることはアナログ的ですが、データ管理はデジタルが便利ですね。
GR DIGITAL + GW-1 F2.4 ISO64

| | コメント (2)

2007年4月 8日 (日)

春の月例調査

今日は月例調査で北部山域へ。天気は下り坂ということでしたが、夕方の調査終了まで良い天気に恵まれました。

20070408
今日の担当調査ステーションは久々の尾根ポイント。林野庁の協力の下、我々が県と共同で行っている狩場創生事業のモニタリングエリアを見渡せる調査ステーションです。コガラやゴジュウカラが盛んに囀り、ハ○タカがディスプレイ飛行をするなど春の息吹がそこここに感じられますが、景色はまだまだ冬枯れです。
GR DIGITAL F4 ISO64

20070408b
尾根伝いに歩いていると、栗の木の下にイガが散乱しているのを発見。もちろん中身は空です。何れも器用に割ってあるところを見ると、サルの仕業のようですね。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

20070408c
近くの渓流沿いにて、サルが無心でヤナギの花芽を食べていました。写真をよく見ると判りますが、この個体は発信器を首に巻いています。この辺りのサルに発信器を装着したという話は聞いてないので、どこで付けられたのか後で調べてみる必要がありますね。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP3.0 Picture Style「忠実設定」

20070408d
以前にも仲間の調査用機材など紹介していますが、これが私の普段の調査用機材。双眼鏡(スワロフスキーEL10x42WB)の他、スチルカメラ用の超望遠レンズを装着したハイビジョンビデオカメラ(Canon XL H1 + EF400/5.6L)に、フィールドスコープ(スワロフスキーSTS65HD)を同時運用しています。当然ビデオもフィールドスコープも、対象が同一視野に導入されるように調節してあります。
GR DIGITAL F3.5 ISO64

サルの他に今日は尾根の裏側でカモシカの成獣を、そして対岸の谷筋をのんびり移動するクマを観察しました。クマはかなり距離があったので最初はまったく気が付かなかったのですが、谷筋の残雪上を歩いているのを偶然見つけた次第です。サルがヤナギの花芽を食べ、クマが残雪の上を歩く。しみじみ山も春ですね。

| | コメント (0)

2007年3月 8日 (木)

お目覚め

20070308
一昨日より一つ東側の谷を踏査したところ、雪上にクマの足跡を見つけました。我が北部山域フィールドでは最も早いクマの痕跡になります。よく見ると足跡のエッジがとれており、恐らくはこの一週間ぐらいの間に付いたものと思われます。大きさもさほどのものではないので、若い雄のクマでしょうか。いずれにせよしばらく山歩きは要注意ですね。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 10mm
ISO400 Picture Style「スタンダード」

20070308b
早春に咲く黄色い花といえば、里ではロウバイが挙げられますが、山ではダンコウバイかマンサクですね。特にこのマンサクは「豊年満作」が名前の由来とあって、山では縁起が良いと言われています。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 300mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「風景」

昨日と言い今日と言い、寒の戻りとでも言うのでしょうか、まるで冬に逆戻りしたかの如く寒いですね。踏査を終えてからまだ時間があったので、近くの定点に入って観察を始めたのですが、日陰だったこともあって震え上がるような寒さでした。歩きが前提でダウンもアンダーウエアも持ってこなかったのが敗因です。沢沿いでは気の早いミソサザイが賑やかに囀るようになりましたが、山ではまだまだ冬に勢いがあるようですね。

| | コメント (0)

2007年1月27日 (土)

春グマ狩り自粛

昨年11月末までに駆除目的で捕殺されたツキノワグマの数が、過去最高の5000頭近くに達したことを受け、環境省は各自治体に対しこの春の狩猟自粛要請を出しました。山菜シーズンの事故を防ぐことを目的とした、いわゆる「春グマ狩り」の自粛要請と言うことです。

同省のまとめによると、27の都道府県で5059頭が捕獲されたそうです。その内、発信器等を付けるなどの処置を施して山に返されたのが481頭で、有害駆除の内訳は山形県の676頭を筆頭に、長野県549頭(捕獲数は693で最高)、新潟県493頭となっており、絶滅が心配されている中国地方の広島県でも147頭が捕殺されました。

ツキノワグマの国内の生息数が、推定で12000から15000頭と言われてますから、昨年だけでその三分の一を殺してしまったと言うことになります。まあ一万ちょっとという生息数自体にあまり明確な根拠がないので、実際にはもっと多くのクマが生息していると思われますが、それにしたって5000頭もの駆除というのは、いくらクマによる事故..関連する死傷者も過去最多の147人..の予防を大義としたとしても尋常ではないですね。それに5000頭という数字にしたって、駆除申請に基づいた表立った数字に過ぎず、場所によっては密殺されている可能性も否定できません。

以前クマの子育て戦略について書きましたが、昨年の捕殺数から考えると、この春生まれの子グマの数はかなり少ないのではないかと想像できます。仮に昨秋の山の実りが十分でなかったとするならば、さらにそれに輪をかけることになりますね。それはつまり、ここしばらくの間のクマの生息数が減ることを意味するわけです。しばらくの間駆除を自粛するのであれば、減った生息数も何れ回復する可能性がありますが、前述の自粛の話もあくまで一時的な「要請」に過ぎず、今年また何らかの要因でクマが里に下りてくる事態になれば、また昨年同様の対処療法でクマたちの有害駆除..体の良い人の手による虐殺です..が行われることになるのは、もう火を見るよりも明らかですね。

現時点ですでにツキノワグマの分布もかなり局所的になってきており、このまま駆除一辺倒の対応しかなされないようだと、地域個体群の絶滅という事態も、そう遠くない時期に起こりそうな状況です。果ては明治の昔に起きた、ニホンオオカミの絶滅という悲しい事態の二の舞にもなりかねません。

20070127
フィールドである某谷から尾根へ上がる途中、ミズナラに作られた大きなクマ棚を見つけました。このサイズの枝を折るとなると、相当な大きさのクマによる仕業と思われます。そしてここに限らず、この冬は結構な数のクマ棚を見かけます。昨秋は確かにブナの実のでき具合はよくなかったようですが、同じブナ科のミズナラやコナラなどオークの実(ドングリ)のなりはそこそこあったように感じます。「山の実のでき具合がよくなかったからクマが沢山里へ出てきた」的なステレオタイプな意見では、今ひとつ説得力に欠ける感がありますね。
EOS30D EF28-300/3.5-5.6L IS 130mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」

【クマの子育て戦略と農作物被害】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_bfef.html
【お仕置き放獣】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_3e7e.html
【クマ捕獲数、過去最多】
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_9a1d.html

| | コメント (0)

2006年12月31日 (日)

大みそかにクマ棚

大掃除も一通り終わったので、今年最後のフィールド巡回に出掛けました。狙いは探しやすくなったクマ棚です。

20061231
藤原のとある谷の対岸を見てビックリ。斜面一面にクマ棚がびっしりと出来ていました。双眼鏡で見ると、稜線部に近いところはヤドリギも混じっていますが、写真に写っている範囲はほとんどクマ棚です。
EOS-1D MarkII N EF28-300/3.5-5.6L IS 90mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「忠実設定」


20061231b
こちらは玉原のクマ棚。
Canon XL H1 HD20x

20061231c
玉原も道すがら結構なクマ棚が目に付きます。ここではほとんどがミズナラですが、実の付きが悪かったブナにも散見されますね。
EOS30D EF-S10-22/3.5-4.5 10mm
ISO100 DPP2.2 Picture Style「風景」

と言うわけで、後半はクマ騒動に振り回された感もあり、今年最後の記事もクマネタでお終いです。それでは皆さま、一年間ご愛顧ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

| | コメント (4)

2006年12月 8日 (金)

冬眠穴とブログ不具合

知り合いのそのまた知り合い(笑)の猟師から、空いているクマの冬眠穴があるとの情報を入手。ツキノワグマの生の冬眠穴はまだ見たことがなかったので、嬉々として吾妻の山の中へ出掛けてきました。

林道からほど近いところらしく、一応事前に地形図に場所を落としてもらって現地に行ったのですが、それがまたかなりいい加減と言うかアバウトと言うか(苦笑)、電話では当人曰く「行けば判る」とのこと。冬眠穴と言っても、ツキノワグマの場合は岩や木の根の下に出来る空間を利用することが多いようで、件の冬眠穴もミズナラの木の下らしいのですが、小一時間ほど探索してみても発見に至りませんでした。その内ちらちら雪が落ちてきたので仕方なく一旦引き上げましたが、本格的な積雪になる前にもう一度探しに行きたいですね。

20061208
これは知床の岩尾別にあるヒグマの冬眠穴。針広混交林の北向きの斜面に掘られていました。さすがにヒグマともなると、大人でも十分入れるだけの広さがあります。

ここ数日更新が滞っています。怒濤の11月もようやく終わり、公私共に殺人的な忙しさからは開放されたのですが、今週に入ってからココログの管理画面に入ることが出来ず、当のニフティに問い合わせても状況報告のみで要領を得ず何とも心許ないですね。どうやら今週に入って何らかのメンテナンスを行っていて、その延長で不具合が起きていたような感じです。ま、今朝になったらようやく更新出来たので、取り敢えずは良しとしておきましょうか。

まあ元々毎日更新を謳っているわけではないので、大した問題ではないと言えばそうなんですが、出来ると言われていることが出来ないのは何だか納得いかないですね。あ、そうそう、どこか具合でも悪いのではないかと問い合わせが入ったのには苦笑いするしかないですな(苦笑)。Iさん大丈夫ですよ、こんな調子なのですこぶる元気です(笑)。

| | コメント (3)

2006年11月19日 (日)

お仕置き放獣

捕獲したクマをその後どうするのか。普通はそのまま問答無用で射殺するわけですが、どうも調べるにそろそろクマの数には限りがあることが判り、むやみに殺しまくっていると何れ野生のクマの絶滅という悲しい現実が待っています。このまま捕獲即駆除という図式が続けば、過去に同じような悲しい運命を辿ったニホンオオカミの例を挙げるまでもなく、近い将来そういう事態になってしまわないとも限りません。

そこで捕獲したクマに強力なカプサイシン(唐辛子エキス)入りスプレーを吹きかけたりして脅し、人は恐い生きものであることを学習させ、その後に山の奥地へ連れて行って放すというお仕置き放獣(または奥山放獣)が行われるケースも増えてきました。クマに人や人の住む里は恐いのでもう懲り懲り~と思わせることで、彼らが人の生活圏に出てくることを抑制し、人との無用な接触を断つという試みです。

20061119b
環境省が尾瀬で使用しているクマ捕獲用の檻。ドラム缶をつなぎ合わせて作られています。

20061119c
こちらはより頑丈なヒグマ用。写真は実際に知床で使用されているもの。

しかし、奥山放獣と言う発想自体、元々はアメリカやカナダなど国土が広く、尚かつ人の生活圏から離れた地域がある国での話しです。果たしてこの狭い日本において、奥山と呼べるような地域があるのか疑問との声も聞かれます。

それにクマが皆一様に凶暴であったり、または学習能力の低い脳天気な個体であったりと言うことは考えられず、基本的に生きものである以上それなりに個体差があるわけで、お仕置きを恐いと思えばもう二度と山を下りないかもしれませんが、懲りなければ何度でも戻ってくる..食べるものが乏しくなれば必然的にそうなる..可能性もあり、そうなると最終的には駆除されることになります。

岩手の例では、一度捕獲されてお仕置きを受けた個体は、餌を探して人里に出てくることはあっても、なかなか二度目の捕獲には至らないそうです。人里が危険という認識ではなく、捕獲檻が危険であるということを学習してしまうわけで、そうなると再捕獲は難しくなり、結局射殺による駆除という手段に至ってしまいます。

さらに最近ではお仕置き放獣そのものに懐疑的な意見を提起している人もいます。先日の記事で長野の再捕獲率は12%程度、それも3歳未満の若い個体に多いと書きましたが、中央アルプスを活動拠点としている写真家の宮崎学氏によれば、一度でもお仕置きを受けた個体は人に対して恐れを抱くと同時に、何らかの恨みを持つ個体がいるのではないかと考えられるとのことです。実際に氏が人里付近に仕掛けた無人撮影装置にちょっかいを出してくるクマは、イヤータグ等を装着した個体に多く見られ、それはつまり一度は人の手に落ちたことのあるクマと言えるわけです。

過去にお仕置きされた経験を持つクマが、人と偶然出くわした際に過去の忌まわしい記憶の元で人を襲ってしまう。確かにあながち全くないとは言い切れないものがありますね。実際、手負いグマの逆襲話は昔のマタギや猟師の一つ話として事欠きませんから。

そう言った意味で、宮崎学氏の公開しているブログ「ツキノワグマ事件簿」は、非常に興味深く見ることができます。

但し、冷静に考えて野生動物が恨みつらみから人を襲うことは考えられないという意見も当然あります。恨みやつらみで仕返しをするのは人くらいのものであって、クマが人を襲う動機としては弱すぎる..襲うリスクに対して得られるメリットが少ない..というものです。恨みつらみ動機説は、クマを擬人化している点で無理があるというわけですね。

20061119

写真は奥山調査に必携の、強力カプサイシン入りクマ除けスプレー(カウンターアソルト)。クマ除けと聞いて虫除けを連想、山に入る前に自分の体に噴射した人がいるとかいないとか..と言う冗談はさておき(笑)、私もクマとのやむを得ない接触時の護身用に携行していますが、実際どの程度の効果があるのかは未知数です。

さらに言えば効果自体にも有効期限があるらしく、私が持っている何本かは数年前にアラスカから持ち帰ったもの..9.11テロ以降、いかなる形でも航空機には持込不可です..なので、もしかしたら既に効力はないかもしれませんね。いざ噴射してみて、単なる辛子調味料に成り下がってないことを祈るばかりです(苦笑)。

| | コメント (6)

2006年11月 2日 (木)

クマ捕獲数、過去最多

今年に入って群馬県内で捕獲されたクマの数が、過去最高の265頭に達しました。過去は89年の134頭が最高でしたが、今年はまだシーズン途中であるにもかかわらず、既に2倍という数字になっています。

20061102

内訳は沼田市(旧白沢村、利根村を含む)で90頭、みなかみ町(旧月夜野町、新治村を含む)78頭、片品村20頭、川場村6頭、昭和村3頭の合計197頭で、実に7割以上が利根沼田地区に集中している計算になります。特に、先月末に市内で子グマ含め3頭を捕獲したばかりの旧沼田市だけを見ると、今年は61頭で昨年の20倍というから驚きですね。事態を重く見た県もようやく重い腰を上げて、「緊急ツキノワグマ警戒本部」を設置したらしいですが、一体これから何をしようというのか(苦笑)。

群馬県は6年前に保護管理計画を策定..この時点でツキノワグマの県内生息数を約600頭と推定してるが、その数字の根拠は疑わしい..して、年間95頭までの捕獲制限を定めたにもかかわらず、今年は既にそれを倍以上で上回るペースでの捕殺が続いています。全国的には捕殺ではなく、捕獲したクマにお仕置きを施してから奥山に放す「奥山放獣」「お仕置き放獣」の取り組み(詳しくはこちら)が広がっていますが、県内では予算や対応人員の不足、それに自治体の枠を越えての放獣が難しい..普通に考えて地元の理解は得られにくい..などの理由で今一つ消極的です。結果、放獣はわずかに4頭のみとお寒い限りですね。

さらにクマ捕殺の増加に拍車を掛けるような事態への展開があります。それは有害駆除の捕獲許可権限を、知事から市町村長に移すというものです。生息地が広範囲にわたるクマ、シカ、サルは県全体での保護管理計画を必要とするため、従来は知事の許可必要でしたが、それをイノシシ、タヌキ、ハクビシン等と同様に市町村長の許可で済むようにするのだそうです。目的はもちろん被害への迅速対応という建前ですが、相変わらず後手後手にまわる場当たり的な野生鳥獣行政は健在です(溜息)。

ちなみに隣の長野県での推定生息数は約2500頭だそうで、それに基づく県の保護管理計画で定められた年間捕獲頭数は150頭。しかし、群馬県同様に今年はそれを遙かに上回る約400頭が捕獲されており、その内109頭が放獣されています。放獣の際はGPS発信器やイヤータグを装着しており、そこから得られたデータから放獣個体の再捕獲率は12%程度で、3歳未満の若い個体ほど学習率..人のお仕置きが恐い?と考える..は高いとのこと。

取り敢えず長野県では、種としてツキノワグマの数をある程度は維持しなければならないという観点から、猟友会などに今シーズンの狩猟の自粛を求めているとのことです。

| | コメント (5)

2006年10月28日 (土)

裏山の紅葉とクマ騒動

昼飯食べがてら裏山の紅葉を見に行ってきました。

20061028

20061028b

20061028c

20061028d

20061028e

紅葉と言っても赤城水源の森は標高が1200mを越えているので、見頃はとうに過ぎています。シラカバやホウノキなどはすっかり葉が落ちていて、そろそろカラマツが色付き始めていました。ただ、探すとまだカエデやモミジの赤が結構きれいに残っているのもあって、この傾向は今年の尾瀬や玉原と同様のようです。取り敢えず色付きがこうちぐはぐだと、広角レンズでガバッと丸ごと写し込むよりは、望遠ズームで切り取った方が結果は良いようですね。

EOS30D EF70-200/4L ISO400
DPP2.2 Picture Style「ポートレート」
(データ共通)

この所、夕方になると村の交通安全協会の車が、何やらスピーカーから発しながら近所を走っているのを見掛けます。秋の交通安全週間はとっくに過ぎたのに、今頃何をしているのやらと気にもしないでいたのですが、先日散歩の途中で不意に声を掛けられました。話を聞いてみれば、今月に入って村内でクマの目撃情報が増えていて、その注意喚起をしているとのこと。私がイヌ連れで薄暗い林道を歩いて降りてきたの、慌てて林道に入ってきたようです。私をそこら辺の素人と一緒にされても困るのですが、せっかく気を遣ってもらったので一応一通り講釈は聞いておきました(苦笑)。

やれクマを見掛けただのクマに襲われたのと、クマ絡みの話も耳にタコが出来はじめた今日この頃ですが、昨日は沼田の市街地(西倉町)で子グマが捕獲檻に掛かったらしいですね。合併で広域になった沼田市にクマが出没しても珍しくもないですが、さすがに市街地となると少々驚きです。ましてや捕まったのが子グマということから、当然近くにまだ親グマが潜んでいる..子供を取られて相当に気が立っているはず..ことが考えられ、捕獲場所もちょうど沼田公園の近くで小学校も近いですから、この後も十分に警戒する必要があります。

クマ絡みの呆れた話を一つ。場所はかのベアカントリーとして有名な知床でのこと。外来種として近年各地で指名手配されているアライグマが、知床周辺でも目撃されるようになったのを受けて、昨秋より環境省が捕獲用の箱罠を仕掛けているのだそうです。で、問題なのはその誘引用の餌に甘いピーナツクリームを使った点で、結果箱罠にやって来たのは目的のアライグマでなく何とヒグマなんだとか。ちょっと考えればすぐ判りそうなものですが、日本のクマ対策の最前線とまで言われている知床において、環境省もとんだ失態を演じたと言えるでしょう。「クマに餌をやらないで!」とか何とか言っておきながら、自分たちでクマをおびき寄せてどうする..と突っ込みの一つも入れてやりたいですね。

| | コメント (0)

2006年9月30日 (土)

我が家の紅葉

天気予報で紅葉前線が話題になるようになりましたが、標高700mの赤城高原と言えどまだまだ色付きには至りません。ところが何を勘違いしたのか我が家のハウチワカエデは紅葉の真っ最中で、一部は既に落葉も始まっております。紅葉自体は、気温が下がることによる水分吸収量及び光合成の低下により、葉のクロロフィル(緑)が分解され、カロチン(黄)からやがてタンニン(茶)へと色素が変化する一連の過程を指すものです。つまり我が家のハウチワカエデは秋早々に店終いを始めているわけですね。もし今回の早期紅葉が不時現象の一つだとすると、長期予報通り今冬が暖冬だったりすれば、来春の芽吹きが早まる可能性もありということになりますね。

20060930

20060930b

20060930c

EOS30D EF50/2.5 COMPACT-MACRO
F2.5 ISO100 Picture Style「スタンダード」
(データ共通)

話は変わりますが、実は今週半ばに吉井町でクマが栗畑を荒らして有害駆除されるという事件がありました。クマは雄の成獣で体重は123kgと言いますから、ツキノワグマとしてはなかなかに大きい部類に入ると思われます。不本意ながら、群馬県でクマの有害駆除など珍しいものではありませんが、今回特筆すべきは現場が吉井町であったことです。吉井町は高崎市に隣接する県南部の市町村で、確かにそれなりに山野があるにはありますが、役場の話でも過去にこれだけの大きさのクマが出たことはないとのことです。「今年は山の実りが不作だからクマも里に出る..」で片付けてしまえばそれまでの話ではありますが、それよりも県南部でまだこれだけの大きさのクマが棲んでいられる事実に少々驚いております。

| | コメント (4)

2006年9月21日 (木)

クマ騒動ひとまず収束

20060921
誘引用の餌が外され、捕獲檻の入り口も閉じられていました。2ヶ月に渡った我が部落のクマ騒動も、トウモロコシの収穫をもってひとまず収束に向かいそうです。
GR DIGITAL F8 ISO130

飼料用にサイロ詰めするのに、当初は今月末収穫と言っていたトウモロコシですが、要らぬ殺生は避けるようF農場の若旦那に入知恵して少し早めてもらいました。野生動物観察者として気が気でない日々でしたが、部落の班長の立場としてもこれまた気苦労が絶えなかったので、まあ取り敢えずホッとしています(笑)。ただ、取り敢えず我が部落で問題解決しても、また別の場所に仕掛けられるのだと思うと、それはそれでまた割り切れないものがありますが..

20060921b
クマが「出没」するっていう言い方も、場所によっては違和感ありますね。クマが里へ下りてきているのか、はたまた人の生活圏がクマの生活領域に入り込んでいるのか。両者の間のどこに線を引くかは、一日一夕では決められない問題です。
GR DIGITAL F4 ISO64

追記:

先ほどテレ朝の番組でクマ騒動の特集を流していましたが、やはり今年は全国的にクマによる被害が多いようですね。同番組内で猟友会のハンターがクマの出没増加について、「山が荒れている」「猟師の減少」を挙げていましたが、なかなか当を得た分析だと思います。

特に前者の意見が重要で、植林した山..とりわけ本来の利用目的を失っている森..を一旦は元の広葉樹の森に再生し、彼ら本来の生息地で十分に食べ物を調達できるようにするのが理想なのでしょう。元々国策で一方的に植林地を増やしたのですから、また元の森に帰す事業を、国の責任においてやるべきなんだと思いますね。

| | コメント (4)

2006年9月19日 (火)

クマ滑る

20060919b
昨日の台風の余波で防風林のドングリ(コナラ)が随分と落ちました。昨年は沢山のドングリが出来ましたが、今年も結構良い感じです。クマは未だ捕獲されていませんが、ドングリがクマの里への出没を抑制してくれると、余計な心配をしなくても済むのですが。余談ながら上の写真は構図が傾いているのではありません。基本的に山なのでそういう地形なのです(笑)。
GR DIGITAL F8 ISO200

20060919c
足跡の状態からして昨夜のお出ましのようですが、相変わらずのんびりと歩いています。しかし、油断したのか泥に足を滑らせたようで、ちょっと慌てた様子が目に浮かびますね(笑)。
GR DIGITAL F4 ISO200

| | コメント (4)

2006年9月17日 (日)

捕獲檻設置

20060917
昨日、役場の委託を受けた猟友会によって、例のF農場のトウモロコシ畑にクマ捕獲用の檻が設置されました。先月設置して成果が無かった余所の部落から移動させてきたようです。先日の私の推理同様、クマは防風林(写真右手)を伝ってやって来ると踏んだのか、農道側の草を刈って見通しをよくし、そこに捕獲檻を設置してありました。

20060917b
困ったことに一昨日よりも被害はさらに奥へと拡大してるようです。

20060917c
今朝も私たちが来る直前までいたようで、一昨日同様、朝採り農家のトラックの後に現場を後にしています。まあ、取り敢えず今朝は檻には目もくれなかったと言うことになりますが。

20060917d
クマをおびき寄せるためにトウモロコシが床に置かれ、ちょうど顔の高さに当たる網にも入れてあります。で、クマが網を引き下ろした瞬間にワイヤーが外れ、入り口が閉まって退路が断たれる仕掛けになっています。

20060917e
予想に反して今回は行政の対応が早かったですね。部落に有力な村議がいるので、その辺の影響もあったのだと思います。それと役場からの回答を待つこともなく、今回の対応がいわゆる有害鳥獣駆除であることが判りました。檻を見れば一目瞭然ですが、最近よく耳にする奥山放獣(後述)の場合だと、ドラム缶をつなぎ合わせた密閉タイプの捕獲檻を使うので、今回のようなオープン型の檻では恐らく捕獲後に射殺されてしまうと思います。

奥山放獣(お仕置き放獣とも言う)とは、ドラム缶をつなぎ合わせた檻の中にクマを捕獲し、外から強力なカプサイシン(唐辛子エキス)入りスプレーを吹きかけたり、周囲からガンガン叩いて中のクマを脅し、人間は恐い生きものであることを学習させ、その後に山の奥地へ連れて行って放すという最近流行?のクマ対策です。むやみにクマを殺さずに済むので、自然保護団体や一部の自治体には好評のようですが、何らかの被害を受けた地元の住民感情からすれば、せっかく捕まえたのにみすみす逃がすのかと、理解を得られず批判が出ることもあります。かと言って、まさか隣の村に勝手に放してくるわけにもいきませんしね。

奥山放獣と言う発想自体、元々はアメリカやカナダなど国土が広く、尚かつ人の生活圏から離れた地域がある国での話しです。果たしてこの狭い日本において、奥山と呼べるような地域があるのか疑問との声も聞かれます。それ以前にクマにも個体差があるわけで、お仕置きを恐いと思えばもう二度と山を下りないかもしれませんが、懲りなければ何度でも戻ってくる..食べるものが乏しくなれば必然的にそうなる..可能性もあり、そうなると最終的には駆除されることになります。

何故危険を冒してまでクマが山を下りなければならないのか。まずそこから考えていって対策を練らないと、奥山放獣にせよ有害駆除にせよ、場当たり的な対策ではクマも人も不幸のままです。今はもう経済優先、開発優先の時代ではないのですし、元はと言えば人の為せる業が原因なので、何とか皆で知恵を出し合って根本的な解決に持っていきたいものです。

20060917f
防風林の反対側の様子。写真手前はコンニャク畑、奥はレタス畑が広がっています。ご覧の通り農家が何軒か点在しており、今の季節は少ないなりにも常時人の往来があります。この部落は戦前の入植なのでそんなに最近の話ではないですが、それでも野生動物から見れば新参者になるのでしょうか。

ちなみに奥のスロープが赤城山へと続く二次林で、何本か林道が走ってはいますが、普段山へ入る人は滅多にいません(山菜やキノコ採り、それに私を除いては)。当然クマを含め様々な野生動物の痕跡が至る所に見られます。

GR DIGITAL ISO200(データ共通)

| | コメント (8)

2006年9月15日 (金)

新たな犯人はクマ

20060915
新たな犯人が新たな物的証拠を残しました。

いつもの通りF農場のトウモロコシ畑に差し掛かったところ、ララァが妙にそわそわして落ち着きが無くなくなりました。またタヌキかノラネコでもいるのだろうと思い、山側の農道を回り込んだところで畑の入り口からのぞき込んだところ、案の定いつも見掛ける黒いノラが、畑の隅に逃げていくのが見えました。が、それと同時に目に飛び込んで来たのは、一面なぎ倒されたトウモロコシの無惨な姿でした。

20060915b
ミステリーサークルかと見まがうような光景。さすがにこれだけの被害となると、のんきにタヌキの仕業などと言ってられませんね。間違いなくこの現場の犯人はクマです。

20060915c
今の今までいたとしか思えないような真新しい食痕。タヌキが付けるような申し訳程度に囓った跡でなく、歯でねじ切った後にそのまま歯でしごいたような感じで、何とも強烈です。ここでワトソン君に臭いを嗅いでもらおうとし向けたのですが、思いっきり被害者のトウモロコシに齧り付いたので、すかさずゲンコツが飛びました(笑)。

20060915d
犯行現場を目を皿のようにして探し回ったところ、程なく一つだけ犯人の足跡を発見しました(写真中央よりやや下)。ちょっと判りづらいかもしれませんが、トウモロコシの茎を折るべく後ろ足で立ち上がった時に付いたもののようです。どちらかと言えば踵が深く沈んでおり、尚かつ指の跡が浅いところを見ると、もしかしたら一度は後ろにひっくり返ったかもしれません。何れにせよ発見は昨夜の雨のお陰ですね。

ちなみにここでもワトソン君に臭いを嗅いでもらおうと綱を引っ張ったら、ちょうどウ○コの真っ最中でした。この後、現場を荒らすだけでほとんど役に立たないワトソン君が、問答無用で畑の外につながれたのは言うまでもありません(笑)。

20060915e
犯行現場付近の概況。写真左の松が植えられているところが畑の入り口で、奥が防風林です。路上の足跡は、カーブミラー下の水たまり周辺に残っていました。そのまま足跡を辿ろうとしたのですが、5mも歩かないうちに防風林の中へと消えていました。やはり防風林を伝って移動しているのが、これでハッキリしました。

20060915f
路上の泥の上に残されたクマの足跡。行きと帰りとほぼ同じところを歩いていますね。短いのが前足で、やや長いのが後ろ足になります。後ろ足の長さが約15cm程あるので、雄の成獣(約80kg程度)と考えられます。普通急いでいる時は踵まで付けないのですが、この犯人は警戒することなくのんびり歩いているのがわかりますね。

しかし、注目すべきは朝採りレタス農家のトラックのタイヤ痕より後に付いている点です。朝採りの最終便は大体5時半頃に降りていくのですが、私が現場に着いたのは5時50分。と言うことは、やはり犯人は直前まで現場にいて、腹一杯食べた後に悠然と引き上げていったということが想像できます。現場を離れるまでララァが落ち着かなかった訳が解るというものです。もしかしたら私たちが現場をうろついている間、どこかでこちらの様子を窺っていたのかもしれませんね。

GR DIGITAL F2.4 ISO200(データ共通)

| | コメント (8)

2006年8月16日 (水)

クマの子育て戦略と農作物被害

20060816
部落の最奥地にあるF農場のトウモロコシ畑が何者かに荒らされていました。
GR DIGITAL F5.6 ISO135

赤城山へ続く森と耕作地の境にクマの捕獲檻を数ヶ所設置したと、先日届いた村の広報で知りました(昨年の関連記事はこちら)。何でも旧利根村との境に近いトウモロコシ畑が、夏に入ってからクマに荒らされるケースが増えているとのことです。そう言えば沼田市北部の佐山や発知では養蜂農家に被害が、それに旧利根村の農村部でもクマの目撃情報が増えているとの話も聞きます。

昨秋はブナを含め山の実りが当たり年であったため、この春は例年より多くの子グマが生まれたと考えられ、それ故各地で親子グマの目撃が多発しているわけですが、かく言う私自身も今シーズンは例年になく多くのクマを目撃・遭遇しています。そして今年はとりわけブナが不作と言われており、山の実りが少なければ自ずから餌を求めて山を下りてくる..実際は人の生活圏が山に入り込んでいるわけですが..ことになり、それ故この夏から秋にかけてのクマ出没件数は、近年では突出して多かった2003年の再来となる可能性があると言われています。

では何故、前年の山の実りが翌年のクマの行動に影響するかと言えば、それは他のほ乳類とは異なるクマの子育ての仕組みに少なからず関係があります。クマの交尾は初夏の頃に行われますが、実は受精卵はその時点ではまだ着床せず、その年の秋の餌事情によって子育てをするかどうかを決めると言われています。つまり餌が豊富で雌グマの栄養状態が良ければ着床しますが、そうでなければ着床はしないというクマ類特有の着床遅延という仕組みです。着床遅延は母親の体力によって翌年の子育てを決めるという点で、母子の共倒れを防ぐ実に合理的な方法と言えますね。ちなみに着床遅延はジャイアントパンダにも見られるそうです。

それとクマは「小さく産んで大きく育てる」動物の最たるものです。前述の着床遅延の影響か妊娠期間が短く、生まれてくる子供は未発達の状態なので、子供がある程度の大きさになるまでは巣穴(冬眠穴)に篭もる必要があります。そして穴から出ることなく子供には母乳を与えて育てるわけですが、そうなると冬ごもりに前にいかに沢山の脂肪分を蓄えられるかがカギになります。そこで餌の乏しくなる冬にエネルギー消費を抑えるため冬ごもりを行い、同時に出産を兼ねるというのがクマの子育て戦略なわけです。

それならば冬ごもりの前に発情して交尾をすれば良いではないかと思うかもしれませんが、3ヶ月もの間飲まず食わずで過ごすためには、冬ごもりに入る前に出来るだけ脂肪分を蓄える必要があり、そんな大事な時に発情などというやたらにエネルギーを必要とする行為はやっていられないという事情があるのでしょう。秋に発情して交尾をし冬ごもりはしないシカの仲間とは対照的ですね。

20060816b
で件のF農場のトウモロコシ畑に話しを戻します。畑はちょっとした野球グランドほどの広さがあり中までは様子は判りませんが、見た感じ防風林沿いの道側に被害が集中していました。ある程度の間隔を空けて一本一本倒して食べているところを見ると、恐らく防風林に住み着いているタヌキ..我が家も一昨年以前は被害あり..かハクビシンではないかと想像できます。クマの場合は辺り構わず手当たり次第ですし、サルともなれば集団でやってくる..とは言え我が村ではまだサルの目撃情報はない..のでもっと広範囲に被害が広がるはずです。
GR DIGITAL F5.6 ISO148

クマを含め野生動物にもそれぞれ事情があり、そもそも人の生活圏が彼らと折り合い付けられる範囲を超えて広がっていることに原因の一つがあるわけですから、人側で被害..出来れば双方の..を最小限に食い止められるような手立てを講ずる必要があるのは言わずもがなでしょう。被害が出たからと言って片っ端から駆除していくやり方はいかにも時代の流れに逆行してますし、毎年のこともあって手間も費用も掛かります。例えば電気牧柵のような侵入自体を阻む仕組みをもっと低コストにして広めていくのが妥当ではないかと思います。

取り敢えず我が村では捕獲檻を設置したようですが、捕獲された個体の扱いをどうするのかは広報にも書かれていませんでしたので、近々知り合いを通じて確認してみようと思います。一日一夕で解決する問題でないことは承知していますが、関係者には場当たり的な対処療法でなく抜本的な対応策を期待したいですね。

| | コメント (0)

2006年6月16日 (金)

野生動物出没中

20060616
林道脇の泥が固まったところに、シカの足跡がありました。写真の左方向からやって来て、道端の草むらを避けて右方向へ大きく跳躍しています。
GR DIGITAL 1/217 F8 ISO92

つい先日の夕刻も、オオタカの繁殖状況を確認するため近所の森へ向かっていて、シカの親子が飛び跳ねながら林道を横断していくところに遭遇しました。子供はつい最近生まれたと思われる鹿の子模様のバンビでしたが、しっかりとした足取りで母親の後を追いかけていました。女房も仕事に出掛ける道すがらで、毎日のようにシカを見るとよく言ってます。確かにシカは今が出産時期に当たるため、山へ入ると親子連れのシカを見掛けることはあります。しかし、昨年あたりまではこの時期に近所でシカを見掛けることはほとんど無かったので、赤城山周辺でも純粋に数が増えてきていると考えるべきでしょうね。

クマもまた然りで、最近TVや新聞でその出没状況を報じるニュースをよく目にしますし(一昨日長野でクマによると見られる死亡事故が発生)、自身この春から既に4回ほど見掛けています。秋ならまだしも今の時期に、それも親子連れでの遭遇頻度が高いということは、昨秋の山の実りが豊作で母グマの栄養状態が良かったことが考えられます。今のところブッシュでバッタリといったシチュエーションはありませんが、過去に近距離でカウンターアソルトを使用したこともあるので、山へ入る時は十分注意するようにしています。

20060616b
こちらは同じ林道上にあったイノシシの食痕。鼻面で落ち葉をひっくり返したり地面を掘ったりして、大好物のミミズを探しています。イノシシも通年を通して付近に棲息していますが、シカほどは大胆に行動しないので、近所での目撃例は少ないですね。
GR DIGITAL 1/217 F8 ISO400

| | コメント (0)

2006年6月 2日 (金)

尾瀬にも春到来

20060602
雪解けが進みすっかり湿原が顔を出した尾瀬ヶ原にようやく春が訪れました。
GR DIGITAL + GW-1 1/163 F9 ISO64

関東でも来週から梅雨入りの気配濃厚です。いくら尾瀬の雪解けが遅くとも、梅雨入りしてしまうとそのまますぐに本格シーズンの到来となります。一面のお花畑などそれはそれで待ちわびるものがありますが、やはりその前に短い春の尾瀬を見ておく必要があります。そんなわけで昨晩思い立って急遽の尾瀬山行です。

上の写真は上田代から望む至仏山。上田代付近にはまだ多少雪が残っている場所もありますが、中田代から下田代の尾瀬ヶ原中枢域はほぼ完全に雪が無くなり、木道も全て通行可となってました。逆に言うと先月のように自由にどこでも入っていくことは出来なくなったことを意味しますが。ちなみに上田代の残雪もお昼に戻ってきた頃には大分少なくなっていましたので、全部無くなるのは時間の問題のようです。

20060602b
鳩待から山ノ鼻へ降りる途中のミズバショウは見頃を迎えています。木道も鳩待直下を除けばほぼ全開ですので、山装備でない一般客も多数入ってました。
GR DIGITAL + GW-1 1/32 F6.3 ISO74

20060602c
今朝の山ノ鼻。先月と比べるといかに雪解けが進んだか判りますね。山小屋の宿泊客も結構いましたが、中にはテント泊の強者も。
GR DIGITAL + GW-1 1/52 F8 ISO64

20060602d
竜宮十字路付近の様子。先月訪れた時は独り占めできた尾瀬ヶ原ですが、雪が無くなれば早々に「いつもの尾瀬」の風景ですね。山屋に写真屋、ファミリーにカップル、ソロにパーティと、雪解けを待ちわびた様々なスタイルの入山者で溢れています。そうそう、誇らしげに胸に旅行社のバッジを付けた、いつでもどこでも賑やかな中高年ハイカー軍団も健在です(笑)。ちなみに竜宮十字路から富士見峠へは、長沢橋が折れているため通行不可です。
GR DIGITAL + GW-1 1/290 F8 ISO64

20060602e
今朝のものと思しきまだ新鮮なクマ糞。中をほじくってみたところ、ミズバショウの花(正確には肉穂花序と言う)らしい破片が出てきました。出没で騒ぎになると人にとってもクマにとっても不幸な結果になることが多いので、撮影後に木道下に落としておきました。
GR DIGITAL + GW-1 1/48 F9 ISO64

| | コメント (0)

2006年5月14日 (日)

ハイブリッドクマ

20060514
AP通信によれば、先月カナダ北西部のノースウエスト準州にてハンターによって捕獲されたクマが、ホッキョクグマとグリズリー(ヒグマ)の交配種(ハイブリッド)であることが確認されたとのことです。DNA解析で鑑定を行った同州政府の発表では、体毛は白いので一見するとホッキョクグマのようだが、目の周りが黒くて顔立ちも丸く(ホッキョクグマは面長)、爪は長いグリズリーそのものだそうです。ちなみに野生化での交配確認は初めてとのこと。

一見すると似て非なるもののように見える両種ですが、もともとホッキョクグマは10~50万年ぐらい前にヒグマから分かれた近縁種で、飼育下では両種の交雑は珍しくないそうです。さらにその交雑種には繁殖能力も十分にあると言いますから、両種が遺伝的に極めて近いクマだと言うことが判りますね。極論を言えば、ホッキョクグマは寒いところに適応した極地のヒグマだとも言えるでしょう。

写真はアンカレジにあるアラスカ動物園で同じ展示施設に飼育されていた両種。飼育係の若い女性が上から餌を投げ入れていたところ、誤ってバケツ(ヒグマの前の白いやつ)ごと落としてしまったのですが、それを巡って激しいケンカになりました。この撮影の2年前に訪れた時はどちらも小さな子グマで仲良くじゃれ合って遊んでいましたが、2年後のこの時は既に力関係ができあがっていたようで、ホッキョクグマのほうがグリズリーの顔色を窺っているような感じでした。
Nikon COOLPIX5000 45mm ISO400 WB:オート

| | コメント (0)

2006年5月 2日 (火)

ホッキョクグマ、レッドリストに

20060502
ついにホッキョクグマがIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(2006年度版)に載ってしまいました。このまま温暖化の影響で北極海の氷の融解が進むと、今後半世紀で30%個体数が減少するとIUCNは警告しています。直接人間の手によって迫害されるのではなく、生活に伴う生産活動によって、真綿で首を絞めるようにじわじわと圧力を掛けられるホッキョクグマの行く末が心配です。我々の生活ペースをほんの少し緩めるだけでも、彼らの子孫をそして未来を守ることが出来るのではないでしょうか。関連ネタはここ

写真は旭山動物園の人気者イワンです。クマの仲間は皆そうですが、アップで見るととても優しそうな目つきをしていますね。
EOS20D EF28-300/3.5-5.6L IS
250mm F5.6 1/1500 ISO200 Picture Style「スタンダード」

| | コメント (0)

2005年12月15日 (木)

クマ、未だ冬眠せず

20051215b
その黒い塊の発する、フー、フー、という息づかいとも威嚇音ともとれる音が、50~60mほど離れていても聞こえてきました。

今日は朝から青空の広がる快晴無風の観察日和。スノーシューを履いて、いつもの尾根伝いの観察地点へ登ってみました。久々のラッセルは訛った体には少々辛く、途中何回か休み休みの歩行でした。尾根に上がり、機材の入ったバックパックを降ろし、肩で息をしながらペットボトルのお茶を飲もうと視線を向かいの斜面に向けたところ、黒い塊が猛スピードで駆け上がっていくのが目に入りました。

双眼鏡を覗くまでもなく、黒い塊はすぐにクマだと判りました。私は慌ててバックパックからDVカメラを取り出しましたが、クマは既に向かいの尾根を超えるところで、チラっとこちらに一瞥くれるが早いか、DVカメラが起動する頃には視界から消えていました。冒頭の書き出しはその刹那のシーンです。

12月にツキノワグマを見たのは久しぶりのことです。彼らの生活史にカレンダーは無いでしょうから、何月などという時間の概念を当てはめるのはおかしいのかもしれませんが、大半の仲間達はもう既に雪の下でしょう。たまたまのんびりした個体がフラフラと彷徨っていたところ、今週に入って突然雪が降り出したので、慌てて冬眠穴でも探していたのでしょうね。この辺りは今シーズンも猟区に指定されており、週末には県外からも多数のハンターが入るので、打たれる前に無事冬眠に入ってもらいたいものです。

| | コメント (2)

2005年10月10日 (月)

クマという野生の存在

20051010 この夏、ララァの散歩コースの一つにほど近い我が部落のトウモロコシ畑が、立て続けに何者かに荒らされるという被害がありました。そこで猟友会が村の要請で捕獲檻を仕掛けたところ、先月4才齢と思われるクマが掛かりました。ツキノワグマの4才といえば、ちょっとした大型犬ほどの大きさです。

昭和村は、広大な赤城山麓の北西斜面に広がる群馬県内でも有数の高原野菜の産地で、被害のあった畑の山側には鳥獣による食害防止用の防鹿柵が張り巡らしてあります。村の東側はそのまま赤城山へ続いていますが、これといった観光資源もなく林道以外に赤城山へ直接上がる道はない為、山麓周辺では比較的自然が残る(と言っても2次林が多いですが)地域でもあります。実際、赤城山から流れ出る沢筋を様々な野生動物が利用していることを、近所の人達もよく知っています。もっとも、村の人口の大半を占める下の段の人達(と我が部落の人達は呼ぶ)は、今回のクマ騒動(とクマの存在そのもの)を村の広報で知ったというのが実際のところみたいですが。

クマがいることで恐れまたは疎ましく思う自然と、クマがいることで豊かさと脆さを感じる自然。何れも人間の感じる感情には違いないのでしょうが、価値観にはおいてはかなりかけ離れたもののようです。もちろん農業に直接従事していない私の想いは後者ではありますが、今回被害のあったトウモロコシ畑のように、農家の人達が苦労して育てた大事な作物をクマに食われ嘆いている姿を見ると、クマを餌で誘き出して捕獲するなどかわいそう..などと言う一見さん的な感情論では片付けられない複雑なものを感じます。

実は我が家にも60坪ほどの畑があり、昨夏まではやはりトウモロコシを中心に毎年何者かに荒らされていたのですが、今夏の被害はゼロでした。これは恐らく用心棒(ララァ)が庭にいるからだと思われます。それが証拠によく夜中にララァが怒気を孕んだ声で鳴くことがあり、一度不審に思いライトで照らしたところ、タヌキの親子の姿が浮かび上がったことがありました。我が家の畑は所詮は家庭菜園の域を出ていないので、近所の野生動物の糧になるのならばそれもまた本望だ..などとうそぶいた時の、ライトに浮かび上がった我が農婦の怖い顔と言ったらもう..ヒ○マなみの形相でしたね(笑)。

写真は白山自然保護センターの展示。
Canon IXY DIGITAL 400 WB:オート ストロボ発光

| | コメント (0)

2005年10月 1日 (土)

ホッキョクグマの危機

20051001 米雪氷データセンターの発表によれば、北極の雪氷が観測史上最小の状態にあるそうです。観測開始(1978年)後の夏場の平均より20%少なく、これは日本列島3個分に相当するとか。詳しくはここここ(写真あり)。

クマと言えば普通は陸地の動物をイメージしますが、ホッキョクグマは最近になってヒグマの仲間から別れ、海という特殊な環境に対応するよう進化してきたクマと言えるでしょう。学名はUrsus maritimusで、これは「海のクマ」を意味します。ホッキョクグマはその食料の大半をアザラシなどの海獣類に依存しています。夏場は氷が減少する為ほとんど食べることをせずに過ごしますが(陸地にはアザラシがいない)、海が凍ることで陸地と地続きになるとその氷伝いに海へ出て行き、アザラシなどを補食するわけです。狩の方法は氷上で行う待ち伏せ猟が主なので、北極の氷が減少するということは彼らにとって死活問題と言えるでしょう。

写真はアラスカ大学(UAF)博物館の展示。
Nikon COOLPIX5000 28mm ISO800 WB:オート

| | コメント (0)