今日は先日の暴風雪が夢か幻かと思えるほど、穏やかでそして暖かい1日でした。連日氷点下だった気温も一息つき、渡道後初めて日中の気温がプラスになりました。お陰で車体周り下部やフェンダー内にビッシリと凍り付いていた雪と氷がすっかり落ちてくれ、洗車場で洗い落とす手間が省けました。
ワシ達の動きも心なしか活発で、氷下待ち網漁で漁師が雑魚を氷上に捨てていくのを、いつもなら漁師がその場を去ってしばらくしてから飛んでくるのに、今日は漁師のスノーモービルが動き出すと同時に行動を開始し、賑やかに争奪戦を繰り広げていました。まあ単に腹が減っていただけかもしれませんが(笑)。
2月も終わりを告げ、明日からは暦の上では春へと向かいます。人のカレンダーなど野生動物には何ら関係はないものですが、根室海峡に流氷が流れ込んで以降、季節も確実に春に向けて動き出しています。3月に入ってオホーツク海沿岸の港から海明け..流氷が岸から離れて漁が開始される..が宣言されるようになると、ワシ達もボチボチ北帰行の算段を始めるようになります。繁殖予定のない若鳥たちの中には、GW頃まで道内に留まる個体も居ますが、成鳥たちは一刻も早く自分たちのテリトリーに帰って、繁殖の準備を始めなければなりません。
道内で繁殖する地元のオジロワシなどはすでに準備に入っており、時折ディスプレイフライトなど越冬組のワシ達の前で見せつけるようにやって見せます。そうするとそれに触発されるのか、ペアリングの済んでいるオオワシのカップルが、唐突にディスプレイを見せてくれることがあります。今日も2組のオオワシ成鳥が、漁師の投げたカジカを拾ったかと思うと、雄が雌に空中で餌を投げ渡す..いわゆる求愛給餌..ところを観察できました。何気に数羽で群れているところを見ていると、夫婦なのか兄弟なのか今ひとつ血縁関係が判りにくいワシ達ですが、この時ばかりは夫婦であることを確認することができます。

先日の暴風雪の影響で野付の沿岸から流氷は一旦離れましたが、浜辺にはしっかり置きみやげを残していきました。折り重なるように盛り上がった厚い氷や、テーブル上の平らな氷など形は様々ですが、何れもワシ達の見張り台にはうってつけで、少しでも高いところがあると、大抵ワシがパーチして辺りを睥睨しています。そんなワシが急に飛び立とうものなら、氷の間でくつろいでいたホオジロガモやクロガモなどが、大騒ぎで逃げまどう姿を見ることができます。そうそう、ちょっと浜から距離があってフィールドスコープによる確認になりますが、沖合の流氷帯近くに10年振りにコオリガモを見付けました。
北海道の道は絵に描いたように真っ直ぐです。だからというわけではないでしょうが、河川も真っ直ぐなものが多くみられます。しかし当たり前ですが、自然環境下で真っ直ぐな川などあるわけもなく、言うまでもなく治水名目の河川改修で、直線的に流れるように人為的に工事されたものになります。川は氾濫して蛇行することで、山間部の森林地帯より栄養分の高い土砂を下流域に運びます。それが流域に肥沃な土壌もたらすわけですが、蛇行河川を真っ直ぐにして氾濫することを押さえてしまっては、その自然の摂理を抑制してしまうも同然なのです。
そしてF君が渦中の人となっているのが、標津川の蛇行復元問題。元々は治水事業の一環なのですが、30数年前の河川改修工事で真っ直ぐな流れに改修したものを、その以前のように再び蛇行した河川に戻すというものです。話を聞くだけで何とも無駄なことをするものだと呆れかえるわけですが、問題は30年以上の時を経て、真っ直ぐなら真っ直ぐなりに適応してきた現在の自然を無きものにしてしまうという、その傍若無人な北海道開○局の考え方にあります。
既に現在の自然環境下に、オジロワシやタンチョウがそれぞれ複数の生活圏を築いているのを、自然を回復するというキャッチコピーの蛇行復元工事で、すべてご破算にしようというのだから本末転倒と言わざるを得ません。今日はその辺りの勉強会が標津と中標津で行われ、F君の他、工事に疑問を抱く住民代表らが毅然と意見を述べるのに対し、事業主側では明確な回答が出来なかったようです。F君らの活動は、これからしばらく緊張状態を続けることになりそうです。
本日の肴は利尻産のホッケ。内地の居酒屋などでホッケを頼むと、これはアジの開きか?と見まがうようなものが出てきますが、北海道のホッケは倍以上に大きく且つ肉厚です。F君と標津川蛇行復元問題について協議..と言っても私はただ聞いていただけですが(笑)..しつつ、今宵は十勝池田のワインと一緒に頂きました。
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Caplio R6